血の轍最新刊3巻(3集)レビュー。発売日や感想記事、加筆修正点のまとめ。

血の轍 第3巻

4月27日、血の轍の第3集発売決定。

 

 

3/26時点では書影はまだだけど、予約は出来るようだ。
もちろん即予約済。

 

しかし、前巻である第2集のラスト、第15話は衝撃的だった。

 

静子は、静一が後ろ手に隠した吹石からもらった手紙を目敏く見つける。
さきほどまで息子の部屋にいた、彼に何らかの感情を持っているであろう存在を、静子は涙ながらに拒否する。

 

そんな母に言われるまま、吹石が心を込めてしたためたであろうラブレターを静一は静子に促されるままに一緒に破く。

 

そして、静子は自分の言う事を聞いてくれた愛しの息子に……! というラストで終了。

静子の容姿はどこまでも美しいけど、行為自体には吐き気がする。

 

あまりの禍々しさにネットもざわついた15話。

 

個人的には、第3巻に収録予定の各話をリアルタイムで読んだ際には、静子やその周辺に対する見方がどんどん変わっていったように思う。

 

2集までは、静子は伯母に代表されるように周囲に不当に虐げられているように感じていた。
そして、そういった辛い現実から逃げる為に静子は静一を溺愛していたのだと解釈していた。

 

第4話を読んでいれば、読者はそう受け取らざるを得ない。

 

この第4話を読んだ当時の自分の感想が今となっては笑える。

静子が、自身のプライドを最優先するあまり周囲を敵に回しても構わないという盲目的な視野の持ち主ではなく、周りとの関係もきちんと築き、守って行こうとしている良識を持ち合わせた人物だと読み取れる。

 

不当に虐められた静子が唯一の味方と信じている静一を溺愛する。
この話の根本にある静子の”毒親”っぷりがそんな単純なものではない事が第3集を読めば分かるだろう。

 

やはり静子の抱えている闇は深かった。

 

血の轍 第3集

第16話 乗り替え

強い繋がりをもった静子と静一の前に、静子が帰って来ない事をおかしいと思った一郎が現れる。
そして静子は、これまで見せた事の無いような意外な一面を見せ始める……。

第17話 逢い引き

静一が静子と過ごす夏休み。
しげるの事件以来、静一が抱えた病。

第18話 始業式

夏休みが終わり、学校が始まるその初日。
静一は学校を息を潜めてやりすごし、脱兎の如く帰宅する。
そんな静一を吹石が追いかける。

第19話 返事

吹石からの質問に答えようとするが吃音に苦しむ静一。
その様子に違和感を持った吹石にさらに質問される。
そして、帰宅した静一の目にした光景。

第20話 皮膜

静一は窓越しに室内の静子と一郎のやりとりを眺める。
そこで目にしたのは、これまで静一が目にした事の無いような静子の異様な様子だった……。

第21話 対面

一郎に連れられしげるの病室に見舞いに行く静一。
そこで目にしたしげるの様子、そして伯母さんの自分に対する態度に静一は……。

第22話 夜の始まり

しげると伯母さんの元から帰宅。
不在の静子はさておき用事で外出する一郎。
自室のベッドに寝転がり時間が経過したあと階下に降りた静一は静子と対面する。

第23話 指

静子はしげるの病室に見舞いに行ったこと知り、”あの人たち”に憤慨する。
しかし静一はそんな静子を前に拒絶反応を示し……。

第24話 顔

静一は、昼に聞いた静子の言葉の真偽を確かめる。
しかし静子はこれまでに無かった冷徹さを静一に向ける。

全9話収録。8話収録だと思っていたから手に取ったら予想外の本が厚さだった。お得感がある。

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単行本の大幅な加筆修正点まとめ

※発売後に追記予定。

 

 

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血の轍第1集のレビュー。

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