血の轍(押見修造の漫画)の最新第33話いらないの感想(ネタバレ含む)と考察。静子が静一と吹石を問い詰める。しかしその後、静一がとった行動により静子は……。

第33話 いらない

第32話のおさらい

静一は自転車のスタンドも立てずに静一たちに向かって歩き出す。

 

静一は静子の様子に恐怖を覚え、吹石の手を取り弾かれたように逃げ出していた。

 

静子は逃げる静一を追う。
静一は追いかけられる恐怖と戦い、息を弾ませながら吹石と共に草叢に逃げ込む。

 

草叢を掻き分け、静一は必死に静子から逃げる。

 

背後からは自分の名を呼びながら追ってくる静子の声が聞こえる。

 

やがて静一は逃げる足を止めていた。
そして静子から隠れるように吹石と共にしゃがみ、息を潜める為に荒くなっていた呼吸を必死に整えてる。

 

二人は隠れて、じっと息を潜める。
静子の動きによるガサガサという音だけが周囲に響く。

 

「静ちゃん! どこ!?」

 

「どこにいるん!? ねえ!!」

 

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恐怖に強張る静一の横顔をじっと眺める吹石。

 

静子は、吹石さんでしょ!? ママ見たわよ! と声を張る。

 

二人でくっついて何してたん!? と怒りを滲ませる静子。

 

それを聞きながら、静一は必死に呼吸を整えていた。

 

「一緒に、吹石さんの手紙 破ったのに!!」

 

静一は地面を見つめる。
手紙をくれた当の本人が傍らにいる。
そちらに視線を送ることが出来ない。

 

何たぶらかされてるん!? と静子の怒りは収まらない。

 

やがて静一は胸を手で押さえていた。その表情は徐々に苦しみに歪んでいく。

 

再三の静子からの呼びかけを聞いている内に、静一の顔色は悪くなっていくのだった。

 

「首しめちゃったのが…そんなにやだったん!? 黙ってちゃわかんないよ…!」

 

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静子の言葉を聞いている内に、静一は苦しそうに喉に手をあてるようになっていた。

 

ついに静一の名前を、せいちゃん、とレコードのように何度も何度も繰り返すようになる静子。

 

それを耳にしながら、静一は徐々に呼吸が出来ず苦しむようになっていくのだった。

 

ふいに吹石にジャージの袖を掴まれる静一。

 

吹石は意を決したような表情を浮かべ、静一を見つめていた。
そして両掌を静一の左右の耳にあて、顔を覗き込む。

 

「聞いちゃダメ。」
吹石は静一の目を見つめ、言い聞かせる。

 

静一はただただ、吹石の目をじっと見つめ返していた。

 

そこについに、静子が現れる。

 

「せいちゃん…」
静子は涙や鼻水に塗れた表情で二人を見下ろす。

第32話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

 

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第33話 いらない

問い詰める吹石

ついに見つかった静一と吹石。

 

静一は狼狽した様子で静子を見上げていた。

 

しかし吹石は静一の両耳を左右それぞれ手で塞いだまま、すぐそこにいる静子を無視するように静一に視線を注ぐ。

 

静子は悲しみに暮れた様子で流れる涙と鼻水を拭うことなく静一を見つめている。
「…せ…ちゃ…」

 

かつて見たことのない静子の様子に目を見開く静一。

 

「…なれ…なさい…」

 

「離れなさい!」
静子は語気を強める。
直前までの弱弱しさとはうってかわり、目に力を入れて静一に非難するような視線を送る。

 

「手紙破いたって、どういうことですか?」
吹石は静一の耳を塞ぎ、静一の顔を見つめたまま静子に問いかける。

 

今度は吹石に視線を移す静一。

 

静子は呆気にとられた様子で吹石を見つめる。

 

 

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吹石は依然として静一と見つめ合っている。
「私の手紙破いたって、どういうことですか。」
しかしその目は、静子への確固たる抵抗の意思を秘めているかのように鋭い。
「どうしてそんなことしたんですか。」

 

静子は僅かに目を窄めて吹石の言葉を聞いている。

 

「静一君に、何したんですか!?」

 

吹石と静一は視線を合わせ続ける。

 

開いていた静子の手がゆっくりと握られていく。
「何がわかるん。」
静子は微かに顎を上げ、吹石を見下す様に続ける。
「あなたみたいな子に。」

 

吹石は無言で静子に視線を移す。
その目には明らかに怒りを宿していた。

 

「離しなさい。手を。」
吹石を見下ろしたまま威圧的に命令する静子。

 

 

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静一の行動

吹石は静一の耳から手を放そうとしない。

 

怯えた表情で静子を見上げる静一。

 

静子が二人に向けて一歩足を踏み出す。
「早く、離しなさい!」
静子の眉根は悲しみと怒りで寄り、その目は見開いていた。
「早く!」
吹石に向けて右手を伸ばしていく。
「ほら!!」

 

静子の手が吹石の顔にかかろうとしたその瞬間。

 

弾かれたように静一が動く。

 

静一はその表情に静子への敵意を漲らせながら、吹石を背に庇うようにして両手を左右に突き出し、静子の前に立ちはだかっていた。
「………かっ…」

 

 

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静一の行動に、ただただ驚く静子。
予想外の事態に吹石に向けて伸ばそうとしていた手が思わず縮こまる。

「…………」

吹石は必死に声を絞り出そうとしている静一をじっと見上げている。

 

「く……あっ」

 

「あっちいけ!!」
静一は怒りを漲らせ、静子に怒鳴る。
「マッ…おまえなんか!!」

 

「おまえなんかいらない!!」

 

静子は呆然とした様子で静一の言葉を聞いていた。

 

乱れた呼吸を整える静一。
その目には静子への怒り、抵抗の意思が浮かんでいる。

 

生気の失われたような表情になった静子は、おもむろに自分の口元に右手の中指を運ぶ。

 

その光景を静一はじっと見つめていた。

 

 

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異様

「いらない…」
中指を上下の前歯で軽く噛みながら、静子がぼそっと呟く。
能面の様なその表情に、涙の筋だけが白く浮かび上がっていた。

 

「いらない…いらない子…」

 

異様な様子で呟く静子を前にして、静一の表情からさきほどまでの怒気が抜けていき、つい先ほどまでと同じ怯えの色が浮かび始める。

 

「私…」
中指を噛む歯に徐々に力が入ってく。
「いああ…い…お…」

 

パキッ

 

中指の爪を噛み割る音が響く。

 

静子が、爪が割れて血だらけになった中指をゆっくりと口元から離していくという、その非現実的な光景に、静一は目が釘付けになっていた。

 

血が滴り落ちていく様子を、静子は無気力な表情で、つまらなさそうに見つめる。

 

そして、その目が薄く閉じられようとしたかと思うと次の瞬間、静子は突如、場違いなまでに穏やかな微笑を浮かべて静一を見つめる。

 

 

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静一はその表情を目の当たりにして目を見張るのみ。
静子が踵を返して茂みを掻き分けていくガサガサという音が聞こえなくなるまで、静一は呆然とその場に立ち尽くして静子を見送っていた。

 

「こわい。」
立ち尽くしていた静一の耳元で吹石が呟く。

 

吹石は敵意に満ちた表情で静子が去った方向を見つめていた。

 

「こわい。あのお母さん。」
真剣な表情で吹石が続ける。
「逃げなきゃ。」

 

吹石は静一の左肩に両手を添える。
「私と逃げよう。お母さんから。」

 

 

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感想

微笑

久々に出ました。例の表情!

血の轍 第1話 母
第1話より

これは……もう今後の展開を思うと不吉の一言だわ。
これまでは何か事が起きた後に見せた表情だったはずだけど、今回のは違う。

 

これから何かが起きる。

 

静一を溺愛する静子のことだから、てっきり吹石の身が危ないのかと思っていたけど、この感じだと静一もヤバいかも……。

 

静一からいらないと強く拒否されたのがトリガーとなって、静子はこの表情を浮かべるに至った。

血の轍 第6話 静子
第6話より

今回の微笑は、爪が割れて血だらけの中指を顔の前に掲げた状態での微笑だから余計に、これまでのそれらと比較しても紙面から立ち昇る狂気を強く感じた。
消えずに残っていた涙の筋、唇に残る血も狂気ポイントをぐっと高めてると思う(笑)。

 

今後、マジで静子がどんな行動に出るのかわからない。

 

 

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そして何かしらの行動に出たとして、その動機もこれまでと同じく推測するしかないからいつまでももやもやと考えることになるんだろうな。

 

やはり、これまで自分に対して従順だった静一をここまで豹変させてしまった、言ってみれば静子にとっては悪女でしかない吹石が標的になるのかな。
その動機にしても、ただ単に吹石が邪魔という単純さより、むしろ吹石を排除して失意の静一を見て支配欲に浸りたいためとか、ちょっと斜め上だったりする方が説得力がある。

 

ただひょっとしたら、これまで唯一、自分が支配下に置いておける存在である静一が思い通りにはならなくなってしまったことで、静子にとって静一の存在は無価値になってしまったのかもしれないから、いよいよ静一を苦しめたり最悪排除しようとする恐れもあるのではないだろうか……。

 

その気になれば静一の首を絞めるような母親だし、とにかくここから先が読めなさすぎる。
結局どんな行動を起こしてもヤバさと同時に納得感が来るんだよなぁ。

 

ああ、彼女ならやるだろうね、みたいな。

 

 

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……いや、でも意図しての殺人は無いか。何だかそんな直接的な行動だとちょっとリアリティに欠ける。
静子はおかしいけど、でも昨今のフィクションで使い古されているような殺人鬼とかそういう類の人間ではない。

 

何の力もない、一介の一般人に過ぎない。

 

それに彼女は別に暴力を楽しんでいるわけではない。
もし静一に対して何かやるとしたら日常生活において地味に嫌なこととかかな。

 

その心情を大雑把な表現にすると、思い知らせてやる、みたいな感じ?

 

しげるの時も別に静子は事前に計画していたわけではなく、状況が揃っていたところで衝動的に行動を起こした。

 

仮にターゲットが吹石となった場合、山登りみたいに行動を共にするシチュエーションは考えられないし、そもそもどうやって接点を持つって話になるから、帰り路をつけ狙うとかただの犯罪者の行動になってくる。

 

 

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そういう姿はあまり静子のイメージじゃないんだけどなぁ……。
山登り前までの伯母との関係を見れば、最低限、仮に気に入らなくともきちんと周囲の環境とは融和を図れているし。

 

しげるを突き落としたことや、静一の首を絞めた事を考えれば衝動的に行動を起こす素因はあるか。

 

静子は明らかに何らかのフラストレーションを感じている。
一郎に対して噴出させた長部家の人間に対する不満もそうだけど、それ以前にもっと根源的に何かを渇望しているような感じというか……。
その”渇き”を癒す為に静一を溺愛しているという印象がある。

 

まだ静子の過去がきちんと語られていない以上、それが何らかのトラウマに起因するものなのかもしれないし、それとももっとシンプルにサイコパス的な気質なのかもしれない。

 

 

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二人の強さ

まず今回、吹石の強さが目立った。

 

二度目に、手紙破いたってどういうことですか、と言った際には、疑問じゃなくて詰問になってる。

 

その後に続く、どうしてそんなことしたんですか、も同じ。
かなり攻撃的だと思う。

 

大人である静子に対して、真っ向から対立できるほどの自我の強さは吹石の魅力だろう。

 

ここまで明確に、静子に対して真っ向からの対立姿勢を示すとは思わなかった。
気が強いなぁ。やはり元々の気質と、父親とのケンカで鍛えられているということだろうか。

 

ただ、それも全ては静一の為というところがいい。
母に怯える静一を守ろうとして攻撃性を言葉にのせたわけだ。

 

そして静一も強くなった。
まさか吹石を背に、静子の前に立ちふさがるとは……。

 

 

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吃音を患い、静子の言葉に唯々諾々を従っていた頃を思えば隔世の感があるわ。

静一を変えたのは恋人である吹石の存在だ。
誰に教えられたわけでもないのによく吹石を守ったよ。

 

ただその後、静子に対して、おまえなんかいらない、と言い放ったのはまずかったなー。
これは静子じゃなくても傷つくから。

 

この瞬間の静一の本心だったと思うけど、これは強烈だわ。

 

そしてその後の静子のあの凄絶なる微笑に繋がっていくかと思うと、やはり、おまえなんかいらない、は悪手だと思う。

 

反発できた事自体は成長過程において素晴らしい結果だけど、でも静子がしげるに何をやったのか、そしてその後の反応までも目の当たりにした静一は、静子の脅威を思い出さなくてはならなかったと思う。

 

 

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その後犯行をしれっと誤魔化していたし、自分の首を絞めてきた。
いざとなると何をやらかすか分からないというのは目の当たりにしているはずなんだから……。

 

とはいえ、中学二年生で必死になって彼女を守ろうという時にそこまで頭が回るわけがない。

 

今は、ヤバイ母親の要求を跳ねのけて吹石を守ろうと行動できた強さを褒めるべきだ。
男はこうして大人になっていくんだなぁ。

 

これで二人の仲はより強固になったのではないか。
それが今後の展開如何で良い方向にも悪い方向にも行くだろう。

 

あと静一は静子の急所となる、しげるを突き落とした瞬間の目撃者なので、その情報を上手く使って対抗する可能性はあると思う。

 

 

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今後は?

正直、今回で静一VS静子、もしくは吹石VS静子で取っ組み合いになってた方が少なくともその場で溜まった負のエネルギーが発散されるからまだマシだったかも……。

 

例の凄絶なる微笑を浮かべて無言で立ち去るとか、今後の展開を思うとホラー&サスペンスでしかない。
負のエネルギーと狂気をその内に漲らせたままというのは怖い。

 

怯えた様子の静一に、一緒に逃げようと言う吹石。

 

一体どうするつもりなのかな……。
中学生が逃げると言っても物理的にはそう遠くまではいけない。結局どこにも行けないのに……。

 

ひょっとしたら吹石家に匿うつもりかな?

 

以上、血の轍第33話のネタバレを含む感想と考察でした。
次回、第34話に続きます。

 

あわせてよみたい
押見修造先生のおすすめ作品や経歴をなるべく詳細にまとめました。

血の轍第3集の詳細は以下をクリック。

血の轍第2集の詳細は以下をクリック。

血の轍第1集の詳細は以下をクリック。

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6 件のコメント

  • 静子の精神を想像すると二人には何とか逃げてほしいですが、おっしゃる通り現実的には難しいですよね。
    ここで、誰か全く新しい大人が登場するなどしない限り。
    静子の過去も気になりますね。

    • コメントありがとうございます!

      仮にこの後吹石家に避難するとか、もしくは吹石と共にどこかへあてもなく逃げたとしても、結局、最終的に静一は帰宅して静子と相対しなくてはならなくなりますよね……。
      この後どうなるのか気になります。

      確かに大人が、現状に介入するならちょっと状況は違って来そうですね。
      少なくとも吹石と静一だけで現状を打破するのは無理なのはわかります。

      とりあえずこの後の展開として考えられるとしたら、この後に二人で吹石家に向かい、そこで祖母に匿ってもらうとかでしょうか。
      吹石と同様に芯が強い女性であれば介入してくれるかもしれません。
      ただ、普通は他の家庭のいざこざに介入するとは思えないんですよね。
      静一の体に虐待の痕跡が残っていたら動くかもしれませんが、今のところただの精神攻撃ですから。

      この後、静一は吹石家に寄って、帰宅したら父の一郎に助けを求めるのではないかと思いました。
      夏に静子の異常性を目撃しているので、比較的スムーズに静一の助けを聞き入れてくれるんじゃないでしょうか。
      もしくは一郎は一笑に付すのかな……。もしそうだったらいよいよ最悪ですね。

      でも静一の言葉を聞き入れたとしても、静子に対し為す術がありません。
      なので最終的には伯母に泣きつくんじゃないでしょうか。

      今のところ、大人で静子と戦えそうな人は伯母くらいなもんだと思います。
      2話での登場当初とは、今や全く違った印象になってますし。

      でもここまで考えて、吹石の祖母や一郎、伯母にまで”魔が差してしまった”静子の被害者となるかもしれないんと思ったら背筋が寒くなりました。
      近々、また静子による二人目の被害者が出るんじゃないかな、と思ってます。

      過去に関しても気になりますよね。
      この漫画はここまで静一=読者の視点で完全固定されているので、少なくとも静一と吹石を置いて帰ってしまった静子の過去が次号でいきなり描かれるなんてことはまず期待出来ないでしょう……。

      静子の過去を知るのはまだまだ先になりそうです。

  • 吹石を守るための「いらない」発言でしたが、最後の静一の表情には、
    「とりかえしのつかいない事をしてしまった」という印象を受けます。

    静一は、静子が過去のトラウマを抱えていることは察しているでしょうし、
    母親を守らなければという意識はまだ強いと思います。

    吹石からの手紙を破くような静子の言いなりにはならないでしょうが、
    父親や叔母に静子の異常性を訴えて助けを求めることや、
    吹石と一緒に静子と敵対することは考え難い。
    静一にまで見放されたら静子はどうなるかわからない。

    吹石を守るためにも、静子を守らなければならないという
    本来なら静子の夫であり静一の父親である一郎がやるようなことを、
    静一がしなければならないような状況になっているかと思います。

    • なるほど! 「いらない!」に関しては吹石を守る為、静一が本心を勢いでぶつけた感じです。

      でも確かにその後の静子の潮が引いていくような不穏な去り際を前にして、「やっちゃった……」と思っているような感じはありますね。

      >母親を守らなければという意識はまだ強いと思います。
      静一が静子を呆然と見送るその耳元で、吹石が、こわい、と呟くのを聞いた時の彼の表情には後悔も見えるような気がします。

      それは間違いないですよね。わかります。

      実は静一の最後の表情は、母親を吹石に、こわい、と評されて内心ショックを受けているとかないですかね。
      自分は言ってもいいけど、他人に指摘されると嫌ってことあると思うんですよ。

      もしそうなら案外この後彼は自宅に直帰するかも……なんて可能性も思いつきました。

      >父親や叔母に静子の異常性を訴えて助けを求めることや、吹石と一緒に静子と敵対することは考え難い。
      静一にまで見放されたら静子はどうなるかわからない。

      山登りの日、しげるを突き落とした後の静子の反応から瞬時に母を守らなくてはと直感できた静一はとても賢く、優しいと思います。
      そうなると、きこりさんの仰る通り、確かに心の奥底からは母を見放すことは出来ないでしょうね。

      やはり吹石と一緒に静子に敵対するのは難しいですかね……。
      中学生だし、彼らに出来ることはほぼ無いというのは分かりますが、自分はひとつ、ここらで静一に踏ん張ってみてもらいたいと思っているのですが……。
      明らかに静子が異常なのはもう静一も十分わかっているわけで、まだ親に扶養されている身である以上、彼女を突き放すことまでは出来ないまでも、最適な距離をとろうとする試みを見せて欲しい。
      じゃあ具体的に何すればいいの? と言われたら一切思いつかないので(笑)、それを静一に求めるのは我ながらかなり酷だなぁと思いました。
      考えれば考える程、家族間の問題って部外者にはどうしようもないですね……。

      >吹石を守るためにも、静子を守らなければならないという本来なら静子の夫であり静一の父親である一郎がやるようなことを、静一がしなければならないような状況になっているかと思います。

      ここは、静一は賢いという前提に立つと、かなり説得力を感じる考察だと思いました。
      もしその通りなら、心労が半端じゃないですね。
      別にカタルシスを求める漫画ではないと思うのですが、静一にとって少しでも良い展開になっていくよう祈るのみです。

  • いらない“子”

    自分が親族から
    “おまえはいらない子だから”
    “産まなきゃ良かった”
    って言われながら育たなければ出てこないセリフですよね。
    静子は忌み子だったのかな?

    親からマトモな愛情を受けずに育った人は、子供の愛し方が分からないから、自分が受けたのと同じ虐待を子供に繰り返してしまうらしいけど、これはその典型ですよね。

    自分は親や旦那から愛されなかった僻みから、子供からだけは無二の愛情を得ようとするものの、愛し方が分からないから自分の行動が執着と束縛と支配であることに気付かない。
    勿論、愛され方も分からないから自分が愛されたいのか依存されたいのかの違いも分からない。

    自分だって誰かに必要とされてるって思いたいでしょ?
    たとえ世界を敵にまわしても。
    相手からもそれと同等の見返りがなければ、それすなわち敵だから。

    それに、虐待を受けて育った子供は残虐性が増すらしく、蟻を踏み潰したり蝶の羽をむしったり等の小さいことから、徐々に小動物の首を捻ったり野良猫を虐待するまでに進化して、果ては自分より弱い人間(自分が逆らうことの出来ない親以外の他人)なら何やってもかまわないって思うようになるらしい。

    酒鬼薔薇聖斗も事件をおこす以前は野良猫を虐待してた話は有名ですよね。

    勿論、動物虐待の経験がある全ての人がこうなるとは思わないものの、これにハインリッヒの法則が当てはまったら怖いですよね。

    1件の殺人事件の背景には、29件の障害事件と、300件の動物虐待があるみたいな?
    人への犯罪を少しでも減らす為に、動物虐待への厳罰化は期待されるところ。

    ともあれ静一君が野々村元兵庫県議みたいなマザコンにならなくて良かったw
    靴下も一人で履けないぐらい静子に依存していくのかなって思ってたから。

    • コメントありがとうございます!
      返信遅れすみません。

      かなり明晰で、芯食ったコメントだと思いました。
      やはり静一が静子から受けているのは虐待の一種ですよね……。

      >親からマトモな愛情を受けずに育った人は、子供の愛し方が分からないから、自分が受けたのと同じ虐待を子供に繰り返してしまうらしいけど、これはその典型ですよね。

      自分も同じ印象を受けました。今後、静子の過去が描写される時が来ると思いますが、その時にまた静子の印象が現在のサイコマザーから変化しそうな気がします。現状、彼女の過去が一切分からない為、虐待が元で歪んだのか、それとも天然なのかの判別がつかないんですよね。

      >自分は親や旦那から愛されなかった僻みから、子供からだけは無二の愛情を得ようとするものの、愛し方が分からないから自分の行動が執着と束縛と支配であることに気付かない。
      勿論、愛され方も分からないから自分が愛されたいのか依存されたいのかの違いも分からない。

      >自分だって誰かに必要とされてるって思いたいでしょ?
      たとえ世界を敵にまわしても。
      相手からもそれと同等の見返りがなければ、それすなわち敵だから。

      ここ数話の静子の行動の動機を見事に説明出来ているような気がします。もうどうしようもない感じですね……。何しろ本人にはそもそも自分を顧みるというアイデアも、仮に思いついたとしてもその余裕もないでしょうから……。
      このまま周囲をブラックホールの如く巻き込んで全てを闇にしてしまうのでしょうか……。

      >それに、虐待を受けて育った子供は残虐性が増すらしく、蟻を踏み潰したり蝶の羽をむしったり等の小さいことから、徐々に小動物の首を捻ったり野良猫を虐待するまでに進化して、果ては自分より弱い人間(自分が逆らうことの出来ない親以外の他人)なら何やってもかまわないって思うようになるらしい。

      確かに静一の受けている異常なまでのストレスの強度を見る限り、そうなってもおかしくないですよね。
      まだ静一がまともなのは、静一が静子から受けている虐待はあくまで過剰な溺愛による支配であり、まだ比較的肉体的な虐待に繋がっていないからなのかなと思いました。首絞められて、それはキッチリと静一のトラウマ化してましたが……。

      >ともあれ静一君が野々村元兵庫県議みたいなマザコンにならなくて良かったw
      靴下も一人で履けないぐらい静子に依存していくのかなって思ってたから。

      同感です。夏休みの終わり頃、吃音で自らの意思すら表明出来なくなったところではそうなってもおかしくなかったですよね。
      ひたすら静子の誘導に従っているその様子は、一種の子供返りにも似た状況でした。

      でも吹石のおかげで自分の意思が戻って来ましたね。それと同時に自分の声を取り戻したように思います。
      たとえ静一に拒否されても変わらず彼の事を心配し続ける。
      そんな健気な女の子に好かれている彼を羨ましく感じます。

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