押見修造作品おすすめや経歴などのまとめ。絵やイラストの腕はもはや天才的。顔や嫁、2chでの評価やインタビュー記事からわかったこと。

押見修造

押見修造先生はその他の漫画家の追随を許さない独特の作風で漫画業界のトップランナーとして作品をコンスタントに発表し続けています。

「惡の華」、「漂流ネットカフェ」、「ぼくは麻里のなか」、「ハピネス」、そして「血の轍」と次々と名作を生み出していく押見修造先生に関して色々調べて、なるべく詳細にまとめました。

まずは押見修造作品のオススメ作品からです。
当サイト管理人の独断と偏見ではありますが、おそらく世間での評価とそこまで大きくは乖離してはいないでしょう。
一読の価値はあります。

押見修造作品のおすすめ

1位 惡の華(連載終了)
押見修造という漫画家を知るうえで必須のマスターピースは「惡の華」でしょう。

惡の華 コミック 全11巻完結セット (少年マガジンコミックス)

青春の恥ずかしい感じ、黒歴史を表現させたらこの人の右に出る人はいません。

作品のあらすじは、中学生の春日が惚れている同じクラスの佐伯の体操服を盗んだところを、やはり同じクラスの女子仲村に目撃され、それを材料に脅された春日が仲村の奴隷になるという話です。

作中の主要人物たちが青春の苦しみにのたうち回る様を、何とも痛々しく、また、とても羨ましく感じることでしょう。

アニメ化もされました。
まず実写を撮って、それを元にアニメ化するロトスコープという手法であることが当時賛否を呼びました。
エンタメというよりも芸術作品に近い仕上がりになっています。

自分は押見先生の絵をそのままアニメ化して欲しかったですし、また同じように考えていた人は少なくなかったと思います。
しかし、今思えばロトスコープも新鮮で、当時はなんだかんだ楽しく視聴出来た思い出があります。

押見修造先生の代表作を一つ挙げろと言われたらやはりこの「惡の華」でしょう。

2位 血の轍(連載中)
新しい作品です。これは相当にヤバイ作品といえるでしょう。

氏の代表作として一番に挙げられる「惡の華」を越えていく可能性があります。

2017年から始まった「血の轍」はその表現力を増した筆力によって内容の不穏さが補強され、より読者の胸に迫ってきます。

「究極の毒親」というキャッチコピーで売り出されていますが、そのコピーの元となった、主人公長部静一の母静子はとても魅力的で、そして少し不安になるくらい過剰な親しみをもって静一を慈しみます。

毒親と言っても、暴力を振るったり無視して精神的な傷を負わせたりするのではりません。

依存関係とでも言うのが適切でしょう。

静一君は母から脱却できるのか?

とりあえず1巻を読んでみれば、そのラストで衝撃が味わえるでしょう。

当サイトでも猛プッシュしています。
近々、押見修造先生のおすすめ第1位にしようと思ってます。

3位 ハピネス(連載中)
現代に生きる正体不明の吸血鬼の話。

進化し続ける筆力でリアリティのあるアクション描写、前衛的な表現と、押見先生の作家としての力量を感じられる作品です。

これも「漂流ネットカフェ」と同等か、もしくはそれ以上に普通の人にも読みやすい作品だと思います。

とはいえ、基本的に鬱な展開が続くので注意は必要かも。

4位 ぼくは麻里のなか(連載終了)
男女入れ替わりの作品。

テーマ自体は昔からありますが、「君の名は」で一躍その名を高めた新海誠監督が「君の名は」の大事な設定である男女の入れ替わりについて、この「ぼくは麻里のなか」について言及したというほど、男女入れ替わりの傑作と言えます。

主人公の大学生の小森が、ちょっと気になっていた女子高生の麻里と入れ替わる話なのですが、入れ替わったはずの自分の体の中に麻里がいないのでその行方を探すという話です。

小森がこれまたダメ人間で、痛々しいまでのダメ人間描写に救われる人は多い事でしょう。

2017年には池田エライザさん主演でドラマ化されました。

5位 漂流ネットカフェ(連載終了)
氏の出世作と言って良い異世界サバイバルものです。

漂流ネットカフェ コミック 全7巻完結セット (アクションコミックス)

「この先どうなる?」というエンタメに徹した作品だと思うので、ひょっとしたら一番受け入れられる層が広い作品かもしれません。

途中、18禁の描写もあるので子供は読んではいけません(笑)。

こちらはドラマ化されています。

押見修造先生の経歴

名前の読み方は「おしみ しゅうぞう」。

1981年生まれ。群馬県桐生市出身。

押見修造先生の顔写真はこちらです。
押見修造
※著作権の関係で画像検索結果をキャプチャしました。

出身高校

公式には公開されている情報はありません。

ただ、押見先生が青春を過ごしたであろう群馬県桐生市内の高校だと推測できます。

当サイトに寄せられた情報によると「桐生高校」だと言う話もあります。

出身大学

大学に通っていたことは確かですが、出身大学ははっきりとは判明していません。

早稲田大学という話もありますが、定かではないのでまだ分かり次第きちんと記述します。

漫画家押見修造デビューからの歴史

2001年、20歳の時に商業誌にて短編「スーパーフライ」でデビュー。

2002年、21歳で短編「真夜中のパラノイアスター」を発表。

2003年、22歳で「アヴァンギャルド夢子」を連載及び連載終了。

2004年、23歳で「スイートプールサイド」を連載及び連載終了。

2005年、24歳で「デビルエクスタシー」を2006年まで連載。

2007年、26歳で「ユウタイノヴァ」を2008年まで連載。

2008年、27歳で「漂流ネットカフェ」を2011年まで連載。

2009年、28歳で「惡の華」を2014年まで連載。

2011年、30歳で「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」を2012年まで連載。

2012年、31歳で「ぼくは麻里のなか」を2016年まで連載。

2015年、34歳で「ハピネス(happiness)」を連載。現在も連載中。

2017年、36歳で「血の轍」を連載。現在も連載中。

2017年、短編「ワルツ」を発表。

2017年、画業15年を記念して自身初の画集である「ファムファタル」を上梓。

天才! 押見修造先生の作風!

押見先生はその独特の作家性が特徴です。

青春を描くのが得意です。
しかし青春のきらめき、明るい面ではなく、思春期特有の若者の溢れる自らのリビドーによって苦しむ姿など、正ではなく負の方向性でのテーマを得意としています。

よって、ワンピースなどをこよなく愛するリア充は断固お断りという作風といえるでしょう。
読んでいて、少年漫画の友情勝利努力的な作品のような気持ち良さは全くありません。

無力に主人公が苦しみにのたうつ姿ばかりが執拗に描写され、読んでいて、ハッピーエンドなんて考えられる余地が無い作品ばかりといえるでしょう。

「そんな作品、需要があるのか?」と思う方もいらっしゃると思います。

しかし、人生のある時期に濃密な人間関係に苦しんだ経験があったり、また、現在進行形で苦しんでいる人にとっては響くものがあるようです。

これは押見作品に限りませんが、自分の苦しみを作品内に見出すことが出来ると人はどこか救われた想いを持つのだと思います。
これは漫画というジャンルに限らず全ての創造物に言えることです。

自分は、押見先生の作品は純文学でもあると思っています。

イラストや絵の変遷

押見先生は女性の描き方にとてもこだわりがあるようで、あまり絵の上手ではなかった初期作品では表現されるのがどこか一癖も二癖もある変な女の子ばかりなのに不思議な魅力があります。

内面の描写ばかりではなく、特に2008年から執筆された「漂流ネットカフェ」くらいから女性の絵自体にも妖艶さが増していきます。

「惡の華」の高校生編以降からは現在に通じる画風へと急速に画力を向上させていき、「ハピネス」「血の轍」を連載している時点ではまるで絵画作品と見紛うくらいの魅力が紙面から漂ってくるようです。

最新作である「血の轍」、あるいは2015年から連載中の「ハピネス(happiness)」においての人物描写、および表情の表現は他の作家の追随を許さないと言って良いでしょう。

元々初期のころから女の子は可愛かったのですが、近年になって描かれている女性の妖艶さが紙面に満ち満ちています。

画業15周年を記念したファムファタルという画集が発売されていますが、これまで生み出したクリエイティブ、具体的には単行本の表紙などが収録されており、初期の作品と比べて現在の画風の変わり様に驚かされます。

ファムファタルとは「男にとっての運命の女性」または「男を破綻させる魔性の悪女」という意味ですが、画集の中身はそれらの言葉がしっくりくるような女性の妖しさで満ちています。

そのブレない作風と併せ、卓越した画力で自分の世界観を自在に表現できるようになった今、押見修造先生は脂の乗り切った漫画家だと言えます。

押見修造の漫画作品、著書まとめ

スーパーフライ

2001年発表。新装版アバンギャルド夢子に収録。

就寝中に鼻の穴から小さな自分が出て、その姿のまま好きな女の子のところに夜な夜な飛んでいって……みたいな短編です。

あとがきにもありますが、ギャク漫画というわけではなく、結構真面目なテーマを表現していたりします。

発想が気持ち悪くて最高ですね。でも男なら一度は考えたことがあるのかもしれません。

2007年から1年間連載する幽体離脱漫画「ユウタイノヴァ」を思わせるような内容です。

対象に触れるか全く触れないかの違いはありますが、押見先生にはこういう願望があるのかなぁと思ってしまいます(笑)。

真夜中のパラノイアスター

2002年発表。太田出版から刊行されたオムニバス漫画集、コミック焦燥に掲載。

電子書籍で108円で購入することが出来ます。
デビューしたてで絵はあまり巧くありませんが、書きたい事があって、その衝動をそのままぶつけているような作品です。

ただ、内容は、特に女性にはおすすめできませんね。

30歳男にはエスパーとしての能力が備わっており、バイトしているコンビニには気になる女の子がいたが、女の子は彼氏が出来たと男に報告し、そこから男の様子がおかしくなっていくのだった、みたいなあらすじです。

初期衝動は十分に感じられます。

当時21歳の若い男がこんな鬱屈した物語を考えたのかと思うとちょっと将来が心配になるレベルの話です(笑)。

この作品からは、どことなくガロで描いているような作家の匂いがしますね。

アバンギャルド夢子

講談社から刊行されている週刊ヤングマガジンにて、2003年発表。全1巻。

ち○こが気になって仕方ない美術部員夢子を主人公にしたエロと切実さが混ざった青春漫画。

ギャグっぽい作風ですが、押見先生が新装版のあとがきで語っているように、きちんと表現したいことが先にきた真面目な青春漫画なのだそうです。

超常眼球 沢田

2003年発表。別冊ヤングマガジン(2003年12月25日号)。新装版スイートプールサイドに収録。

題名の読み方は「ちょうじょうアイズさわだ」

飼い猫に眼球を傷つけられた高校生、沢田は目が治った後、メガネをつけなければいけなくなったが、メガネをつけると服を透かして見ることが出来る透視能力を身につけていた。

その能力を元に、友達の坂巻の発案で全校女子生徒の乳首リストをつくろうとする話。

男が一度は夢見る願望を表現しています。

しかし、見えてしまうことの代償、リスクもまた沢田は考えなくてはならなかった……。
ラストは笑えますが、沢田にとっては全く笑えないものが見えてしまいます。

前向きに終わるので暗い話が苦手な人でも大丈夫です。

スイートプールサイド

2004年に発表。講談社から刊行されている週刊ヤングマガジンで2011年、別冊少年マガジンにも再掲載。全1巻。

黒崎中学校に通う、体毛が薄く、女子も憧れるほどに肌がツルツルしている事が悩みの男の子「太田年彦」と、体毛が濃い事が悩みの女の子「後藤綾子」が織り成すエロとギャグを融合した漫画。

太田は後藤のような体毛があれば女の子のようだと言われないんだろう、と後藤の事を羨ましく思い、逆に後藤は太田のように体毛が無くてツルツルだったら、と太田を羨ましく思っていた。

ある日、太田は水泳部の部室で一人陰毛の処理をしている後藤を目撃した所、本人に見つかってしまう。

深刻な様子で体毛を何とかしたいと後藤に相談され、太田は後藤の体毛処理をする……という感じのあらすじです。

後藤もかわいいですが、脇役の坂下という太田のクラスメートもかわいい。

これは全ての作品に言える事でもありますが、やはり発想が斬新で押見修造を語るには欠かせない作品でしょう。

映画として映像化されました。

ただ、時代は流れ、現在では男でも脱毛が持て囃される時代になりつつあります。

作中の太田の深刻な悩みが徐々に読者には理解されないものになっていくかもしれませんね。

ただ、どこまでいっても太田本人にとっては女の子に間違われるほどに体毛が薄いことはコンプレックスなので作品の価値が毀損されることはありません。

デビルエクスタシー

講談社から刊行されている週刊ヤングマガジン、その後別冊ヤングマガジンに移籍して、2005年から2006年の1年間連載。全4巻。

ザームという精力を男から奪う悪魔の女の子の話。

ザームを奪われる男があまりに気持ちよさそうで羨ましいと思ってしまう、そんな作品。

ユウタイノヴァ

講談社から刊行されている週刊ヤングマガジンにて、2007年から2008年の1年間連載。全2巻。

幽体離脱するようになった男、桂木晴が、もう既に別れたけどまだ未練がある女の子、日比野由美のところに夜な夜な行くところから始まる話。

日比野が思わぬ成長(笑)を遂げていたことに晴はショックを受けますが、代わりに同じく幽体離脱している女の子、斑鳩まほろに出会います。

まほろがかわいい。まほろと幽体を溶かし合う晴が羨ましくなります。

漂流ネットカフェ

双葉社から刊行されている漫画アクションにて、2008年から2011年の3年間連載。全7巻。

ドラマ化もされた押見先生の出世作。

タイトルからも分かる通り、梅津かずお先生の超名作「漂流教室」から着想した作品であることは間違いないでしょう。

ネットカフェごと殺風景な湿原のど真ん中に飛ばされたネットカフェの客や従業員が共同生活を送ります。

幸い、ネットカフェ内にある飲料やいくらかの食料の蓄えがとりあえずは彼らの命を繋ぎます。

しかしそれにも限りがあるので、その確保のために強硬な手段をもって他の客を支配しようとする輩が現れ、ネットカフェ内は地獄の様相を呈し始めます。

果たして彼らは異世界から帰還出来るのか、という話です。

閉鎖された極限の空間で、この作品の人間がとる異常行動には妙なリアリティがあります。

集団が出来れば序列が生じ、支配すること、隷属することが始まる。

そんな人間社会のメカニズムを押見先生は良く理解しておられるのでしょうね。

ひょっとしたら押見作品で一番受け入れられやすいかもしれません。

惡の華

講談社から刊行されている別冊少年マガジンにて、2009年から2014年の5年間連載。全11巻。

押見修造先生の名を最高に高めた傑作です。

押見修造を読むならまずはこれでしょう。

悪の華と言えば堀口大学訳、ボードレールの詩集を思い浮かべる人も多いかも知れません。

実際、惡の華には悪の華の文庫本が登場します。

悪の華からインスピレーションを得て描かれた作品でしょう。

群馬県の中学校で、いい加減世の中にうんざりしていた女子、仲村に、好きな女の子佐伯の体操服を盗んでいるところを目撃された主人公春日が仲村の奴隷になる話。

中学生編と高校生編があり、特に高校生編から押見先生の画力が劇的に向上しているのを感じることができます。

仲村の春日を罵倒する言葉の切れ味の良さに笑い、どうしようもなく煮詰まって愚かな行動に出る春日達に青春のやりきれなさを感じ、その後、成長して、まるで火の消えたように落ち着いた春日達にほっとしながらもどこか寂しい気持ちになったり……。

この漫画を読んで合わない人は「気持ち悪い」の一言で斬り捨てて終わりでしょう。

しかしそうでない人の心には必ず何かしらの傷跡を残す作品ではないでしょうか。

押見修造先生の嫁さんは仲村さんのモデル?

過去、押見先生は妻となる女性から「クソムシ」と書かれたメールを受け取ったことがあるそうです。

果たしてそのシチュエーションが謎なのですが、それが強烈な印象となったのでしょう。

仲村さんという魅力あるキャラクターの造形に存分に活かされているように思います。

仲村さん=「このクソムシが」という罵声ですからね(笑)。

あと「クズ鉄」とか「空っぽ人間」とか「全身皮かむりやろう」とか「まんじゅうども!」とか口汚く他者を罵倒する言葉の中に、いちいち溢れるその優れた言語センスが大好きです。

押見先生はMなんでしょうか?(笑)

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

太田出版から刊行のぽこぽこにて2011年から2012年まで1年間連載。全1巻。

思春期の吃音の女の子が苦しみながらも成長していく話です。

押見先生ご自身が吃音に大変悩まれていた時期があるそうで、その時の苦しみの経験が活かされている作品と言えるでしょう。

新学期、主人公の志乃が前日まで頑張って自己紹介の準備をするのですが、いざクラスメート全員を相手に自己紹介をしようとした際に、のっけから自分の名前すら言うことが出来ず、クラスの全員に思いっきり笑われてしまいます。

「大島志乃」という、最初に「お」から発音する言葉が言えないため、「志乃大島なら言える」と言ってさらにクラスからの大爆笑をかっさらいます。

そのあまりにも痛々しいシーンがネット上で、具体的には2ch(にちゃんねる)でしばしば取り上げられ、語り草になっています。

ひょうきんな性格であればそれを笑いのネタに変えてしまえるだけの強さがあるのでしょうが、何分思春期の学生ですから男子生徒だって笑いに変えるのはキツイでしょう。女子生徒ならなおさらです。

自分の身の回りにはいませんが、おそらく吃音に苦しむ人はこの主人公の気持ちに大変共感できるのではないでしょうか。

ちなみに吃音は神経などの物理的な障害が原因ではなく、精神的なところに原因があるそうです。

誰でもなり得るんです。だから笑ってはいけない。

少なくともこの作品を読んだあとは吃音の人を笑う気にはなれません。

ちなみに、「志乃ちゃん~」での吃音表現がさらに発展させた表現が2017年から連載している血の轍でも出てきます。これが誰にでも起こり得ると思うと恐ろしいですよ。

ぼくは麻理のなか

双葉社から刊行の漫画アクションにて2012年から2016年まで5年間連載。全9巻。

大学に行かずニート生活をしている小森と、小森が憧れている女子高生麻理。

ある日小森は麻理の体の中に入ったことを自覚します。

しかし、様子を見に行った小森の体の中に麻理が入っている気配がなく、小森は体を取り戻す以前に麻理がどこにいってしまったのかを探すことになる……、という話。

昔からある男女入れ替わりの作品の最先端の表現とストーリー展開でしょう。

新海誠監督が「君の名は」の男女入れ替わり要素に関して「ぼくは麻理のなか」について言及したという話もあるように、男女入れ替わりモノのマスターピースとなったと言えるでしょう。

ハピネス(happiness)

講談社から刊行の別冊少年マガジンにて2015年から連載中。既刊6巻。

主人公岡崎誠は、外出したある夜に吸血鬼ノラによる襲撃を受け、血を吸われます。

血を吸われた後、病院で目が覚めた岡崎は病室内の眩しさに苦しみ、異常な「渇き」を覚えるようになり、吸血鬼となってしまって徐々に日常生活に順応できなくなっていく話です。

吸血鬼モノにおける吸血描写はしばしばセクシーに描かれることがが多いですが、このハピネスにおける吸血描写はイコール殺人行為でもあるのでかなり恐怖を感じます。

ただ、ノラが岡崎の血を吸う時はやはり性的です。

ちなみに自分は五所さん派です。
五所さんが高校生の時も、そして大人になってもかわいくて好き。

この作品はとにかく先の展開が読めませんが、ゾンビ物のようにパンデミックを起こしそうな気配があります(6巻時点)。

作品内容がパニックものに変貌すれば「漂流ネットカフェ」を超えるエンターテイメントになるかも……。

血の轍

小学館から刊行のビッグコミックスペリオールから2017年から連載中。既刊3集。

押見修造先生の心境地を感じられる新作です。

群馬県の中学校に通う「長部静一」は母「静子」から少し過剰とも言える愛情を受けていた。

よく、伯母が息子のしげるを伴って遊びに来るためしげると静一は仲が良かった。

しかし、ある日、しげるは静一に向けられている静子の態度が過保護であると言ってその関係性をバカにする。

夏休みに入り、長部一家と伯母一家、祖父母が揃って登山をすることになるが、そこで事件は起こる……、というのがあらすじです。

第1集の3話目くらいまで淡々と、特に何の事件もなく静一の日常が描写されていますが、

この新連載を始めるにあたり、押見先生は相当な準備をし、またどこもまでも行く覚悟を持っているようです。

単に押見作品の中でという狭い括りではなく、全ての連載の中でも期待出来る作品だと思います。

押見修造インタビューからわかったことまとめ

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