血の轍 最新第150話剥離ネタバレを含む感想と考察。静子の死を見届けた静一。その反応は……。

血の轍 8巻

第150話 剥離

第149話のおさらい

第150話

静子の死。それを確認し、嗤う静一。
これで静子との関係が決着となった。

前回までの静一の脳内で行われていた静子との対話の流れから、さすがにこれで静子は亡くなるんだろうなと思っていた。その時の静一の反応が果たしてどんなものかと想像していたけど、涙を流す気配は一切無く、ただ嗤うんだな……。

老いて既に色々と失われていた静子の身柄を引き取り、甲斐甲斐しく、いや、仕事をおろそかにしてまで静子に執着して世話してきたのは、全てはこの瞬間に立ち会うためだったことが良く伝わってきた。

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静子の脈を確認し、死んだ、とぽつりと呟いた後の静一の放心。そこからの微笑。そして声を出して笑い始める。この一連の流れに妙なリアリティを感じた。本当に、見てきたような、そして体験してきたような描写だと思う。

これまでずっと静子によって苦しめられ、人生を台無しにされた静一にとっては、これで解放されたということなのだろうか。

普通に考えれば、ざまあみろ、とか、あるいは、自分を苦しめてきた元凶の最期はこんなものか、といった想いが今回の静一の感情の大半を占めているのかなと思う。

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ラストページのさも楽しそうに嗤う様子からは、一見、ただ楽しそうに見える。でも自分としては、静一の感情が実はそれ一色ではなく、心の奥底では複雑な感情を内包していて欲しいと思った。それこそ、静一自身が意識できていない、静子に対する憐れみの欠片のようなものがあれば静子も少しは救われるのかなと思う。またそうじゃないとあまりにもこの親子の関係が、互いに積極的に対立を望んでいたわけではないのに、結果的にはあまりにも殺伐し過ぎていて、そんな関係性が成り立ってしまうことが恐ろしくて……。

しかし、いわゆる毒親の死に対する感情というのは、やはりこれで解放されたという喜びや安堵の方が遥かに大きいのは当然なのだろう。これでようやく一番邪魔な枷が無くなり、マシな人生になるという解放感から、笑いが自然と出てきてしまうのは無理もない話だ。

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ただ、静一は再開後に老いた静子から聞いた彼女自身の過去の話から、静子もまた苦しみを抱えてこれまでの人生を生きてきたことを知った。
静子を引き取って世話をしてきたのは、静子の死を見届けるのと、静子に共感した部分があったという部分も少なからずあるように思う。せめて、それが静子への餞となることを願うばかりだ。

そして次回からこの話はどうなるのか? さすがに静子が退場したら、終わりは近いだろうな……、静一がここから立ち直ろうと奮闘して、でも中々上手くいかなくて……みたいな静一の人生再生物語になるのか?
次号の展開を楽しみにしながら今回の記事を締めたいと思う。

以上、血の轍第150話のネタバレと考察を含む感想でした。

第151話に続きます。

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