9月8日、血の轍第1集が発売された。
予約していたので既に受け取ったが、表紙の静子と抱かれている赤子の静一の絵が素晴らしい。
静子の美しい微笑。
究極の毒親というキャッチコピーになってはいるが、こんな女性を毒親と呼びたくないんだよなぁ。
実際、子供に対して虐待するよりはよっぽど良いでしょ。
ただ、長期的視点に立った時、静一の成長が阻害されるであろうことは容易に想像できるのがツライとこだが……。
ページを開くと、1話の冒頭が雑誌そのままのカラーページで収録されているのが嬉しい。
雑誌のカラーページのつやつやした紙とは違い、カラーページ以降の紙質に近く統一感があって良い。
個人的には、集めたい漫画は紙でも電子でも買いだと思う。
以下、1巻に収録されている話を順に記載していく。
各話への感想記事(ネタバレ有)をリンクしているので気になったらクリックしてください。
第1話 血の轍
記念すべき第1話。
静一の1日を通し、その生活環境や人間関係、立ち位置が描かれている。
この一話で静子の静一への溢れる愛、気になる女子の吹石が登場するが、まだ物語は動かない。
カラーページの静子の顔のアップが血の轍という物語の不穏感を象徴している。
第2話 来訪者(旧副題:カホゴ?)
雑誌(スペリオール2017年7号)掲載時の副題は「カホゴ?」。
これは単行本収録に際して修正された模様。
第12話の「来訪者2」という副題の謎が解けたのでこれはこれでスッキリ。
やはり第一の来訪者はしげるで、第二が吹石だったわけだ。
第一の来訪者は病院のベッドの上だけど、吹石は……大丈夫だよな……。
単行本収録に伴う修正により、すごく不安が増した。
第2話の内容は伯母と一緒にやってきた従兄弟のしげるが、静一の部屋で静一と一緒に遊んでいる途中に静一をからかう。
それに対して静一は不快感を示し、しげると伯母が帰った後に静子に対して……、という話。
1話では静子の静一に対して愛が溢れている描写があったが、2話では静一もまた静子のことを大切に想っていることが分かる。
第3話 夏の入り口
吹石最高の回。そして静一爆ぜろの回でもある(笑)。
夏休み最後の下校時に吹石と一緒に帰ることになった静一は、吹石からあるお願いをされる。
そして、どこかテンションの高い静一の様子に敏感に気づく静子のアンテナの鋭さにちょっとした恐ろしさを感じる回。
というか、お母さんって子供に対しては鋭い傾向があるよね。
第4話 行楽日和
夏の登山にやってきた長部一家と叔母一家、そして祖父母。
しげるがふざけて静一にあることをして、静子が恐怖を貼り付けた表情になる。
この行為が無ければ後の悲劇はおこならなかったのだろうか……。
第5話 きれいな場所
第6話 微笑
血の轍、本格開幕。
細かい事は言えないからここまで順番に漫画をきちんと読んでくれって感じ。
押見先生の巧みな表情の描写力が、静子と静一の混乱する心理状況を読者にダイレクトに伝えてくる。
この表現力はもう、秀逸を通り越して怖い。
第7話 顕現
愛ゆえに母は豹変した。
そんな母にただただ驚愕する静一。
実際に静一の立場に立たされたら生きた心地はしない。
収録話数はここまで記して来た7話まで。
上質なドラマの開幕を告げる第1巻。
まだ読んでいないならば、ぜひ読みましょう。
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