血の轍(押見修造の漫画)の最新第5話きれいな場所の感想(ネタバレ含む)と考察。再びしげるがやらかす。そして静子の様子が……。

血の轍 第5話 しげる

第5話
血の轍 第5話 しげる

第4話のおさらい

山登りにやってきた長部一家。

祖父母と、しげると叔父夫婦の8人で一緒に山道を登っていく。

途中、広場のように開けた場所で休憩することになった一同。
血の轍 第4話 休憩
しげるが崖のようになっている場所で絶景だからと静一を呼ぶ。

危険な場所に向かう静一の袖を掴む静子。

大丈夫だ、と揶揄うような叔母の言葉に静子が気を取られた隙に、しげるが崖に向かってふざけて静一を押す。

崖に体が泳ぐ静一を、静子は必死に背後から抱き留める。
血の轍 第4話 静子と静一

静一を失う恐怖に表情を強張らせる静子。
血の轍 第4話 静子

その一連の出来事を見てけたたましく笑う叔母。

過保護だ、と揶揄し、それに同調するようにその場にいた一同が笑う。
血の轍 第4話 一同
静一の父、一郎も口元に笑みを作っている。

その光景を呆然と眺める静一。

静子はバカにされたような扱いを受けても怒ることなく、必死になって静一を抱きしめたことを誤魔化すかのように笑ってその場をやり過ごすのだった。
血の轍 第4話 静子

山登りはさらに続く……。

第3話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

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第5話

しげるが静一を強引に連れションへ連れ出す

夏の山の中。

蝉がけたたましく鳴く中、一行は広場にシートを敷いて座り、お弁当を広げている。
血の轍 第5話 一同
あはは、と笑う声。

「バッカじゃねぇん!?」

「ほんとしょうがないんねぇ~!」

「はあ~~っ、」

「くっだらんぇんなあ!」

静一と静子以外のメンバーは車座になって談笑している。

静一と静子は並んで少し離れて談笑しているメンバーを見ている。

笑いは途切れることは無い。

静一はしげるとおばちゃんを見ている。

おばちゃんの口元に視線がズームし、先ほど言われた一言が脳裏にリフレインする。

(本当、過保護ねえ!!)
血の轍 第5話 おばちゃん
物思いに耽っている様子の静一を静子が呼ぶ。

「ツナマヨ、まだあるよ。」
おにぎりを片手に、微笑を静一に向ける静子。
血の轍 第5話 静子
「あ…うん、もういい。」
微笑を浮かべて答える静一。

「そう。」

静かに会話を終えた二人にしげるが近づいていく。

「静ちゃん、ションベン行ぐんべ?」
静一を見下ろして笑顔で問いかけるしげる。

しげるの顔を見ながら、え…、と固まる静一。

「あっち行ってしてきな!」
車座の一員になっていた祖父が笑顔で声をかける。

おばちゃんも、一郎も、みんな薄く笑って静一としげるに注目している。

「行ぐんべ!」
静一を笑顔で誘うしげる。

「あ…」
どうにも気が乗らない様子の静一。
「ん。」
まるで周囲の圧力に押されるように、気の進まない様子で同意する。

静子は、そんな静一を黙って見つめている。

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探検に行こうと強引に静一を連れ出すしげる

しげると静一は、大人達から離れた場所で、背の高い草むらに向かって二人並んで用を足そうとしている
血の轍 第5話 しげると静一
蝉の鳴き声が二人の沈黙を浮き彫りにする。

「なあなあ、」
用を足している静一に横からしげるが声をかける。
「クロスションベンするんべ!」

何を言ってるんだこいつは、という表情の静一。

静一の飛ばしている小便の筋に向かってしげるが自分のそれをぶつける。

静一は黙って、抗議の意を示すようにしげるからそっぽを向く。

「あ!?」
しげるが不満そうな声を上げる。
「なんだよ―― 避けんなよー。」

静一はしげるに何も言い返すことなく、しげるの目を見ることもない。

用を足し終えた二人。

しげるが笑顔で静一に声をかける。
「じゃあさ、ちょっと探検するんべ!」

「…探検?」
静一がようやくしげるに言葉を返す。
「いいよ…戻るんべぇよ。」
拒否する静一。

「いいがん!」
拒否する静一を強引に連れ出そうとするしげる。
「ほら行ぐんべ!」

しげるは静一を置いていくように先を歩く。

「……」
少しばかりその場に立ったまま静一は沈黙し、やがてしげるの後を追うように歩き始める。

蝉の鳴く中、先行するしげるの後を少し離れて静一が追っていく。
血の轍 第5話 しげると静一
「早く!」

しげるが少し離れた地点を歩く静一を促す。

静一は足を止めて、じっと木を見上げる。

「静ちゃーん!」
姿の見えなくなったしげるが声を出す。
「こっち来てみー!」

しげるの声のする方へ歩いていく静一。

「こっちこっちー!」

しげるがいたのは森が途切れ、雲をバックにして連なる山々が見える絶景を眺望できる崖だった。

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崖に近づけない静一

崖の縁にいるしげるを見て、静一はその場で足が止まる。

「見てみ!」
静一に笑顔で振り向いているしげる。
「さっきんとこより高けー! めちゃくちゃキレイだぜ!」
血の轍 第5話 しげる
「……」
その場に立ったまま沈黙している静一。
「やだよ!」
はっきりと拒否の意を示す。

「あぁ!? 何で!?」
しげるが不満そうな声を上げる。
「早く来なって!」
拒否する静一に構わずしげるが呼ぶ。

静一は浮かない顔でしげるを見ていたが、すぐに表情に力を籠める。
「だって…さっきみたくまたドンッてやるんべに!?」

静一の真剣な表情に一瞬固まるしげる。
「何? 怒ってるん!?」
しげるが完全に静一の方を向き、静一がさきほどの事を本気で引きずっている事を悟ったしげるはようやく謝る。
「ごめんって!」

「……」
その場に立ったまま返事をせず、静一はしげるを見ている。

「…何で黙ってるん!?」
しげるの表情からはとうに笑顔は消えている。
「言いたいことがあるんならハッキリ言えばいいがん!!」
血の轍 第5話 しげる
逆ギレのような形で、言葉で静一に詰め寄るしげる。

しげると目を合わせたまま言葉が出ない静一。

「ほら!!」
しげるが静一の答えを促す。
「言えって!!」

立ちすくみ、言葉を出せずにその場で固まっている静一の背後から静子が姿を表す。

気配に振り向く静一。

「静ちゃん、何してるん?」
静子が静一に問いかける。

「あ…」
答えに詰まる静一。

「何で来たん!? おばちゃん。」
しげるが崖っぷちに立ったまま静子に問いかける。

「全然戻って来ないから…」
微笑を浮かべてしげるに言葉をかける静子。
「しげちゃん危ないよ? そんなところに立ったら。」
血の轍 第5話 静子と静一
しげるは静子の言う事を聞き入れることなく、ふざけてその場で左足を上げて、右足だけでバランスをとってみせる。
「ういー」

しげるの様子を固まった表情で見つめる静一。

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静子の表情

「しげちゃん!」
静子の表情に焦りが浮かぶ。
「危ないからやめて!」

「ばっかじゃねぇん!?」
しげるが口元に笑みを浮かべながら、なおも右足でバランスをとり続ける。
「ほんと過保護だいねぇ!」
血の轍 第5話 しげる
静一は声も出せずに、ただただしげるを見つめている。

その時、右足だけでバランスをとっていたしげるが後ろにふらつく。
「あっ」
上体が泳ぐ。
血の轍 第5話 しげる
「しげちゃん!!」
静子がしげるの元に走って、抱き留める。
ダッシュしたため、静子のかぶっていた帽子が落ちる。
血の轍 第5話 しげると静子
静子がしげるを抱き留めているところへ一歩踏み出す静一。

しげるの首に両手を回し、その場に立ち続ける静子、そしてしげる。

静一は青ざめた様子で、目を見開いて、二人をじっと見つめている

「もう…」
静子がしげるを抱きしめたまましげるに声をかける。
「だから言ったでしょ?」

一言も発さず、二人を見ている静一。

「…うるっせぇんなあ!」
静子から離れようと、身体を離し、静子の顔を見るしげる。
「大丈夫だって…」
血の轍 第5話 しげると静子
静子はしげるの両方の二の腕をそれぞれの手で触ったままその場に立っている。

しげるは静子の顔を呆然と見つめたまま固まっている。
血の轍 第5話 しげると静子
静一は一言も発することなく二人を見ている。

「おばちゃん?」
しげるは静子の顔を見ながら真剣な表情で問いかける。

静子の表情は静一からは見えない。

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感想

え~、何この終わり方! 超気になるわ!!

しげるも懲りないよなぁ。

前回4話で静一を危うく殺しそうになったという自覚と反省が一切ないのが、いかにも頭の悪い調子こいたクソガキっぽくてリアルではある。

ただ、この終わり方はちょっと予想外だった。

静子が助けるまでは、もしかしたらしげるが落ちて、読者的にはざまーみろでも、静子はひどく親族一同から咎められておばちゃんをメインとした集団から壮絶な虐めを受ける、的な展開になるのかと思ったんだけど、もう少し予測がつかない方向に来ていると思う。

静子がどんな表情をしているかによって今後の話は大きく変わる。

1.憤怒を下敷きにした冷徹な表情。
前回、必死になって静一を助けたことを親族に馬鹿にされても一切怒ることの無かった静子が、背後に静一しかいないこの状況下でしげるに対する怒りを発散させる、というよりは、今後、静一を危険な目に合わせない方法を思いついてしまった。

本気で救おうとしてしげるを助けることに成功したけど、その前に静一の肩を押して誤って転落しかけた状況を思い出して、しげるをこの場で押して転落事故のようにみせかけて殺そうとしている?

2.突き落としたい気持ちを我慢して内心で葛藤している。
殺してしまえば一生後悔する。でも、自分が手を下したことがバレない限りは静一の為になる、と天使と悪魔がせめぎあいを行っている最中の人間の複雑な表情。

3.持病。
肉体的なものか、精神的なものかわからないけど極度の緊張状態で症状が出た?
でもそれなら静一が押された時にこそ症状が出るだろうからこれは無いかな。
いや、しげるで二度目の負荷によって閾値を超え、症状が出たとか?
うん。これはやっぱ無いな(笑)。

4.苦痛。
崖までダッシュしてどっか痛めた。もしこれだったら笑うわ(笑)。
そんな理由でこの引きだったらむしろ斬新かも。他の漫画家なら絶対やらないし、編集がOK出さないだろう。

正直、一番考えられるのは1だと思うんですがどうだろう。

動機が「静一のため」というのは1話からの静一への溺愛っぷりを見て割と納得がいくと思うんだけど。

まあぁ、別にしげるに会う度に死にかけてるわけではないからなぁ。

静子が静一に対して「過保護」というのがこの話の最も重要な要素であるし、息子の為に犯罪を犯すのは分からんでもないけど、でもこのしげるの場合は殺すほどかなぁ。精神異常者ならやるんだろうけど静子は別に異常者としての描写は無かったし……。

以上、血の轍の5話ネタバレ感想と考察でした。

次回第6話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

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2 件のコメント

  • はじめまして。毎回更新される度に感想や予想が面白くて楽しく見させてもらってます。六話目から何かが動き出すのか…
    これからも頑張ってブログ続けてください!

    • コメントありがとうございます!

      記事の数が蓄積していく自己満足もありますが、他の人がどう読んでいるのか、という事を知るのは個人的には結構面白いと思っているので、自分以外にもそう思っている人の為にも書いているつもりです。
      ぜひ気軽に同意したりケチつけたりしてくださいね。
      6話楽しみですよね。個人的には静子がしげるを突き落とすのを期待してます(笑)。

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