血の轍 最新第138話もういちどネタバレを含む感想と考察。

血の轍 8巻

第138話 もういちど

第137話のおさらい

静子の幼少期から静一を産み、小さな子供に育つまでの話は、ある日、高台に向かうところまで進む。

幼い静一は静子に両脇に手を入れて持ち上げられた状態で、ここであなたは自分のことをころしたと静子に静かに告げる。
それをうけて、静子は、この高台からあなたを投げ落としたのかと問う。

そうかもしれない、と静一は静子に放り出され、中空に停止する。

思い出した? と静一に問われ、静子はしげるを突き落とした瞬間のことを思い出す。

しげちゃんもころした? と静一から諭すように、思い出すよう告げられる静子。

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静子は、そうだと思い出し、呟く。
「とっても…きれいだった」。

きれい? と静子の話の先を促す静一。

静子はいつしか幼い子供の姿になっていた。
そして静一に、あなたをころしてしまってごめんなさい、と謝罪する。

その瞬間、大人の姿になっていた静一は、静子もきっと自分と同様にいろんなものにころされたと、言葉を返していた。
「ころされたら、誰かをころしてしまう」。

二人は並んで同じ風景を見つめる。

第137話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

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第138話

静一にとって静子と再会できたことは良かったんだな。
最初は、ひょっとしたら事件に発展してしまうのではないかと思っていた。でも実際は、まさか静一の憑き物が落ちる展開になるとは……。

人生を台無しにされ、また、台無しにしてでも静子に尽くそうと思ったのに裏切られた静子は、ある意味この世で最も憎む対象だっただろう。

成人してから今まで、いつか命がなくなるまでと、死んだように生きていた静一が、まさか年老いた静子との再会で心が救われようとは……。静一、これ自分に対するひどい仕打ちについて、完全とは言わないまでも、ほぼ許してるっぽいでしょ……。これは現実では中々無いよ。絶縁状態からの親子関係復活は……。

今回の話の幼い静子は、静一がこれまで知らなかった、知ろうとしなかった静子の心のやわらかい部分なのかなと思う。
その静子の隣に成人した静一が寄り添い、手を繋ぎ、町を歩く。

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静一の心象風景なんだろうけど、少なくとも静一の心の中では、静子はかつてのように敵対し、顔を背けてしまうような相手ではなくなった。
静子の話を聞き、彼女のことを一人の人間として見ることができた。さらに自分と同じような傷を抱えてここまで生きてきたのだと理解したのだろう。

おそらく、静一と静子の関係性はこの夜を境に、再び親子になったということだと思う。
一郎は最期まで静一と静子の仲が断たれていることを気に病んでいた様子だった。
もし本当に静一と静子の親子としての関係が息を吹き返したのであれば、あの世で一郎が見守っていたとするなら、救われた思いになっているのだろう。

次回から、二人の関係性がどう変わるのか。そして話がどう展開していくのか楽しみ。

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