約束のネバーランド 最新第178話人間の世界へネタバレ含む感想と考察。ついに鬼の世界から脱出。”約束”の代償とは?

約束のネバーランド 第113話 量産農園

第178話 人間の世界へ

第177話 母親のおさらい

決死の覚悟でエマを守るイザベラ

エマを守るため、鬼の爪をその胸で受け止めたイザベラ。

爪がエマたちに向かないよう、イザベラは必死の形相で鬼を睨みながら胸に深々と刺さった爪を腕で抑え込んでいた。

鬼はイザベラに、何の真似だと声をかける。
「今更母親ぶって それでこれまでの自分が許されると思っているのか お前は母親になどなれない」

(そんなことわかっている)

鬼は腕に力を込めて爪を引き抜こうとする。

(どうでもいいのよ そんなこと)
しかし、イザベラは鬼の腕を抱え込み、それを阻止していた。
腕が動かないことに驚愕する鬼。

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「くそっ!」
レイは銃の照準を再度鬼の目に合わせる。
(次こそこの一発で――)

ギルダの、今撃ったらママの体にも衝撃が伝わってしまうという指摘により、レイは引き金を引くことを踏みとどまる。

「私は認めん! 農園のない世界など!! 貴様から食ってやる!!」

イザベラに襲い掛かろうとする鬼に対し、レイは再度銃を構える。

次の瞬間、レウウィス大公の命を受けた鬼が、イザベラに襲い掛かろうとしていた鬼を背後から切り裂いていた。

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ずるい死に方

爪が抜けて、その場に倒れたイザベラを子供たちが取り囲む。
「ママ!」

「ママ!」

「しっかりして!」
子供たちは必死になってイザベラに声をかける。

イザベラはエマの方に顔を向けて呟く。
「エマ無事? みんな…誰もケガはない…?」

ケガをしていないという返事に、よかった…、と安堵するイザベラ。
そして続けて、ごめんね…と呟く。

(ちゃんと生きて人間の世界へ行こうと思ったのに)

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呆然とイザベラを見つめるエマ。
子供たちの中には泣いている者もいる。

(ごめんね こんなずるい死に方をして)

ギルダは、今助けると必死になってイザベラに声をかける。

ギルダの隣で、エマが叫ぶ。
「ママ! 死なないで」

イザベラはそっと両手を伸ばし、エマの頬に触れる。

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イザベラへの愛を自覚する子供たち

エマは初めてイザベラが鬼と通じている現場を目撃して以来、自分がイザベラに対して疑念を抱き、真相を知ったことで許せないと考えるようになり、イザベラを敵だと捉えていた。
しかし農園の外に出てからイザベラについて思い出すのは、優しい母親としての姿だった。

(何度も考えてどうしてなのかわかったよ ママの優しさが 愛情が全部本物だったから)

かつてイザベラから、絶望に苦しまず一番の方法は諦める事だと伝えられた時のことを思い出すエマ。
イザベラも諦めたくなかっただろうし、逃げたかったはずだが、それが出来なかった。つまりイザベラもまたユウゴと同じく、自分たちの辿ったかもしれない可能性だったのだとエマは理解し、同情していた。
出荷され命を奪われた子たちのことを思うと飲み込めない気持ちもあった。

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「やっぱり大好きなんだよ」
エマは大粒の涙を流しながら、イザベラに伝える。
「私達みんなママのことが大好きなんだよ」
他のGF出身の子供たちも皆、泣いていた。
「どれだけ辛くて裏切られてもママが自分自身をゆるせなくても私達にとって母親はママだけなんだよ」
イザベラを抱きしめるエマ。
「逝かないでよママ…!! お母さん…!!」

「ママ」

「ママ…!!」

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イザベラの最期

子供たちの泣いている姿に、イザベラは涙を流す。
(ああ…生きたい 生きてちゃんとこの子達に償いたい)

もはや声が出ず、体も動かず、視力も失われようとしていたが、イザベラは必死に体を動かそうとする。
(神様 神様 お願いします もう少しだけ力をください)

(あと一度 一度だけこの子達を抱きしめる力を)
イザベラはニコと笑みを浮かべて、両手で子供たちを抱きしめる。
「だぁいすきよ」

僕も、私も、と涙ながらに口々に返事をする子供たち。

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(あなた達ならきっと大丈夫よ 人間の世界がどんなところでも)

「レ…イ…」
イザベラは最後の力を振り絞るようにレイを呼ぶ。
「ごめんね…」
近づいてきたレイに対してイザベラの目の照準は合っていない。
(子供らしく甘えさせてあげられなくて 12年 呪いたい人生を歩ませてしまって)
「家族を…お願い」
イザベラの両手がレイの頬を撫でる。
(だぁいすきよ)

「ママ…」
レイはイザベラの手を握り、涙を流す。
「母さん…!」

そして眠るように息絶えたイザベラを取り囲み、子供たちは泣いていた。

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第177話 母親振り返り感想

この結果はイザベラにとっては救いだったのかもしれない

泣いた。これはあかん。

この最期はあまりにも辛すぎるだろ……。

エマたちはイザベラを含めた家族との新しい生活に希望を持っていた。
そしてイザベラは、エマたちにこれまでの罪滅ぼしをしようとしていた。

でも、もしこのまま無事に人間の世界に渡って一緒に生きることになったら、イザベラは、エマたちへの所業を思い出す度に自己嫌悪と戦わなければならなかっただろう。
それは幸せな生活である一方、罪滅ぼし、贖罪の日々となっていたはずだ。
実際、生きてちゃんとこの子達に償いたい、とイザベラは涙を流した。

ずるい死に方、か……。
そう思っているイザベラが、ちょっと安堵している風に見えるのがあまりにも悲し過ぎる。
それによって分かったのは、エマの命を自己犠牲によって救ったことは、イザベラにとっては救いとなる最期だったのかもしれないということだ。

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イザベラが最後の力を振り絞って子供たちを抱き寄せた時、確かに彼女は子供たちの母だった。

エマもまた、イザベラの今際の際に彼女への本当の想いに気付き、それをきちんと伝えることはできた。

時計を巻き戻せない以上、全ては救いであったと思うしかない。
イザベラはエマをはじめとして子供たちを救えたし、エマたちに関しても、当初は敵だと思っていたイザベラが自分たちの母親だと認めることが出来た。

エマたちはイザベラに対しては色々と複雑な想いもあった。
しかしイザベラが身を挺してエマを救ったことは、子供たちの心にイザベラは確かに自分の母親だと刻み込むのに十分だった。

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イザベラの手腕

本当にエマたちに愛情を注いでいたのであれば、そんな子供たちを出荷しなければならないことが一体どれほど辛かったはずだ。
どんな精神状態で勤めを果たしていたのだろう。想像を絶するわ。

心を殺すとか、そういうレベルの話ではないだろう。

そして、GFで育てられた子供たちが優秀な理由に関しても、以前からそうじゃないかな? と思っていたけど、今回のエマたちとイザベラのやりとりで納得がいった。

イザベラがきちんと子供たちに愛情をもって接し、また同時に子供たちがイザベラに対して本物の愛情を感じていたからだ。

子供が健やかに育つためには、何よりまず親からの愛が必要だと思う。
もしイザベラが、その内この子たちは出荷するからといって、子供たちと事務的に接していたなら、こんなに情感豊かな良い子には育たなかっただろう。
また、子供たちが一切保護者の愛情に触れる機会がなく日常的に勉強やテストを強いられるだけなら、ここまで知能は発達しなかった。

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GF農園で育った食用児の質が良いというのは、つまりそういうことなのかなと改めて感じた。

他三つの高級農園では、イザベラほどに愛情豊かに子供を育てることがなかったのかもしれない。
エマ、レイ、ノーマンという、鬼の社会を引っ繰り返すほどのポテンシャルを秘めた3人を育て上げた手腕は群を抜いていたのではないだろうか。
簡単にまとめれば、最高に仕事が出来る人だったということだ。

だからこそピーターは、エマたちを逃がすという失態を演じたイザベラを更迭するどころか抜擢したわけだ(追い込んだともいえるが)。
無能であれば死を以て罪を償わせただろうけど、イザベラに関してはその能力を発揮させる方が利益になると判断したのだろう。

元々は食用児だったことを考えると、やはりイザベラの人生は壮絶な人生だな……。

イザベラの一生は、最期に子供たちにその死を惜しまれたことで、報われたと思いたい。

前回第177話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

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第178話 人間の世界へ

GFの地下

エマたちはGFに来たソンジュとムジカと再会していた。

互いの生存と明るい未来にを祝福しあっている中、ソンジュが口を開く。
「”約束”は?」

「今夜履行する」
レイが答える。

よかった、早い方がいいわと、ムジカはエマの手をとる。
「見届けさせて 友として 王として」

”約束”の履行について緊張した表情で訊ねるラニオンに、エマは笑顔で答える。
「それは――」

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エマたちはGFの地下に降りて来ていた。
地下空間には黄金の湖があり、その中央には地下へ降りる階段を備えた小島が浮いている。

異様な光景を前に、GPの地下を見たことがない子供たちは驚愕していた。

ノーマンはこれがラートリー家の人間の世界との行き来や物資の運搬で使われていたものだと感づいていた。

エマは、黄金の水で〇〇に”約束”の履行の意思を伝達すると人間の世界に渡れると説明する。

「”ごほうび”は?」
フィルは鬼の首領が”約束”のための代償として”ごほうび”を求めることを憂慮していた。
「エマも人間の世界に行けるんだよね?」

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代償の内容

「大丈夫だよ」
笑顔で即答するエマ。

フィルはそれが信じられず、エマだけ命を失ったり、鬼の世界に残るようなことは無いのかと確認する。

しかし、絶対ない、とエマ。
鬼の世界にいる全食用児は誰も死なず、残されることもない。
全員人間の世界へ行けると強調する。

「じゃあ”ごほうび”って何なの!?」
フィルの不安はまだ拭いきれていなかった。
涙を浮かべてエマに問いかける。
「何を代償にして僕達は人間の世界へ行けるの?」

エマは鬼の首領とのやりとりを思い出す。
「”ごほうび”はきみのかぞくをちょうだい」

鬼の首領はエマは一番大切にしているものが家族だと把握しており、エマの家族を代償に要求していた。

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しかし”約束”を守ると全食用児が人間の世界に行ってしまうため、鬼の首領が要求していたエマの家族が手に入らないと鬼の首領は呟く。

どうしたものかな、と言ったあと、鬼の首領は結論を出す。
「とくべつに ごほうびはなにもいらない」

エマの話を聞いていた子供たちは、そんなわけがないと一斉に騒ぎだす。

それに対しエマは、鬼の首領から、君達には色々楽しませてもらったから、この1000年が代償ということで良いと言われたと答える。

しかしその話を聞いてもレイは、話が美味すぎると警戒していた。

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ノーマンも同様に警戒していた。
そして、もしこの取引がエマだけに犠牲を強いるなら、みんなで鬼の世界に残れば良いと主張する。
一斉に頷いて、それに同意する子供たち。

「や! 本当何もないんだって!」
不安に駆られている仲間たちの様子を前に、エマは慌てていた。
鬼の”人間を食べたい”という欲までは王であっても統治出来ないので、この世界に残ることは危険だとエマは主張する。
「鬼がヒトを食べること自体は悪でも毒でもないんだから私達は人間の世界へ消えた方がいい それもできる限り早く」
エマは改めて、自分を含めて、他の誰も食用児は犠牲になっていないと強調する。

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子供たちの間に安堵が広がっていく。

しかしレイやノーマンはまだ腑に落ちていなかった。

それを受けて、エマもノーマンやレイと同様に、代償無しには何か裏があるのではないかと考えたと告白する。

エマは、ひょっとしたら人間の世界が平穏ではないのかもしれないし、そもそも人間の世界で自分たちが受け入れてもらえるか、ノーマンたちの発作の治療が出来るかどうかなど、人間の世界でも数々の不安があるから”ごほうび”が何もないのかもしれないと続ける。
しかしそれでも全員で人間の世界へ行きたいと笑顔を見せる。
「どんな不安も困難も皆と一緒なら乗り越えられるから 明るい未来にしていけるから」

「行こう!」
全員満場一致する子供たち。

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鬼の世界脱出

黄金の水を満たしたビンにヴィダを差すエマ。
花が開き、エマはいつの間にか鬼の首領と対面していた。

もういいかい? と鬼の首領。

エマは答える。
「うん いいよ」

鬼の首領は手をかざす。
すると黄金の水が激しく動き始める。

GFの地下の湖も湖面が激しく巻き上がっていた。
やがて小島の地下への階段から、無数の階段が伸び始める。

「じゃあね! ありがとう!! ムジカ!! ソンジュ!!」
エマは笑顔でムジカとソンジュに手を振る。

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おう! と手を振り返すソンジュ。

「元気でね!!」
ムジカは涙をこらえたような表情でエマたちを見送る。
(エマ あなたに会えて本当によかった あなたのこと忘れないわ)

(違う世界に暮らしても私達ずっと友達よ)

やがて、鬼の世界の各地にいる食用児たちを黄金の水が包み込んでいく。

GFの食用児たちは海岸の砂浜に倒れていた。

「ん……」
フィルは意識を取り戻しかけていた。

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第178話 人間の世界へ感想

物語は続くのか?

次号でクライマックス……。

鬼の世界編がクライマックスということ?
でもそれなら人間の世界に既に渡ってしまったわけだから、今回が鬼の世界編のクライマックスになるはずだ。

そう考えると、やはり物語自体のクライマックスだと考えるのが自然だよな……。

ついに食用児が人間の世界へ渡ることができた。

フィルたちはアメリカにいるのだろうか。
まだエマやレイたちを見ていないが、フィル以外の子供たちとの間隔を見ると、同じところにいる可能性は高いんじゃないかな。

もし世界各地に散らばっていて、合流するところから第二部が始まったら面白いんだけどな……。

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とりあえず、これからエマたちが人間の世界で生きていく上で、数々の問題が待ち受けていることは想像できる。

いきなり人間の世界に放り込まれて、頼れる人や組織も無いとなると、まずは仲間全員で寄り添って生きていくことが困難ではないだろうか。

鬼の世界からやってきた元食用児として、差別を受けるとか?
差別とどう戦うか、という重苦しいテーマで新しく話が始まったらすごいんだけど、さすがにそれはないよな……。

次号、第二部が始まるのか、それとも物語が大団円を迎えるのか。
注目したい。

第179話はこちらです。

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