約束のネバーランド 最新第179話代償ネタバレ含む感想と考察。人間の世界に来た子供たち。しかしそこにエマの姿はなかった。

第179話 代償

第178話 人間の世界へのおさらい

GFの地下

エマたちはGFにやってきたソンジュとムジカと再会していた。

ムジカはイザベラママの死を悼みつつも、目標を成し遂げたエマたちを祝福する。

互いに喜び合っている中、ソンジュが口を開く。
「”約束”は?」

今夜履行する、とレイ。

「良かった 早い方がいいわ」
ムジカはエマの手をとり呼び掛ける。
「見届けさせて 友として 王として」

”約束”の履行がどういうものかと緊張した面持ちで訊ねるラニオンに対し、エマは笑顔だった。

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エマたちはGFの地下に来ていた。
GPと同様に黄金の湖の中央に小島があり、その小島には地下へ降りる階段がある。

ノーマンは、この通路がラートリー家の行き来や物資の運搬で使われていたものだと感づいていた。

エマは、この湖の黄金の水を使って〇〇に”約束”の履行の意思を伝えることで、人間の世界に渡れると説明する。

ジェミマからの、どう伝えるのか、また”七つの壁”に行くのかという質問に答えようとするエマにフィルが問いかける。
「”ごほうび”は?」
フィルは鬼の首領が”約束”のために代償、つまり”ごほうび”を求めることを心配していた。
「エマも人間の世界に行けるんだよね?」
レイ、ノーマンも含む子供たち全員に緊張が走る。

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”ごほうび”

「大丈夫だよ」
エマは笑顔で即答する。

それが信じられないフィルは、エマだけ命を失ったり、鬼の世界に残ったりすることは無いのかと確認するが、絶対ない、とエマは答える。
そして、鬼の世界にいる全食用児は誰も死なないし、残されることもなく全員人間の世界へ行けると強調するのだった。

「じゃあ”ごほうび”って何なの!?」
フィルは不安に涙を浮かべる。
「何を代償にして僕達は人間の世界へ行けるの?」

エマは鬼の首領とのやりとりを思い出していた。
「”ごほうび”はきみのかぞくをちょうだい」

鬼の首領はエマは一番大切にしているものが家族だと把握したうえで、エマの家族を全食用児の人間の世界への送致の代償に要求する。

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しかし”約束”を守ると全食用児が人間の世界に行ってしまうため、鬼の首領が要求していたエマの家族は手に入らないとつらつらと口にする鬼の首領。

どうしたものかな、と呟いたあと、鬼の首領は、いいよ、とあっさりと続ける。
「とくべつに ごほうびはなにもいらない」

エマの話を聞いていた子供たちは一瞬呆気にとられたあと、そんなわけがないと一斉に騒ぎだしていた。

エマはおろおろした様子で、自分もそう思ったが、と、話を再開する。
「きみたちは1000年ずっとうばわれてきたからね」

エマから鬼の首領に、君達には色々楽しませてもらったから、この1000年が代償ということで良いと言われたと聞いたレイは、話が美味すぎると警戒する。

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ノーマンもまたその話を疑っていた。
もしエマだけに犠牲を強いる取引だったならみんなで鬼の世界に残れば良いと言うノーマンの主張に子供たちは頷く。

「や! 本当何もないんだって!」
不安に駆られているレイやノーマンの様子に、エマが慌てる。
そして、鬼の人間を食べたいという食欲を王が統治出来ない以上、この世界に残ることがどれだけ危険かとエマ。
「鬼がヒトを食べること自体は悪でも毒でもないんだから」

「私達は人間の世界へ消えた方がいい それもできる限り早く」
そしてエマは自分を含めて、他の誰も食用児は犠牲になっていないと強調するのだった。

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ようやく子供たちの間に安堵が広がる。

レイやノーマンがまだ腑に落ちない様子であることに、エマも何か裏があるのではないかと考えたと声をかける。
ひょっとしたら人間の世界が平穏ではないのかもしれないし、そもそも人間の世界で自分たちが受け入れてもらえるか、ノーマンたちの発作の治療が出来るかどうかなど、これから自分たちを待ち受けている世界が明るいだけではないかもしれない。
だから”ごほうび”が何もないのかもしれないが、それでも”約束”を履行し、全員で人間の世界へ行きたいとエマは笑顔を見せる。
「どんな不安も困難も皆と一緒なら乗り越えられるから 明るい未来にしていけるから」

「行こう!」
子供たちは全員満場一致で”約束”の履行に賛成する。

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人間の世界へ

エマは黄金の水を満たしたビンにヴィダを差す。
花が開くと、エマは鬼の首領と対面していた。

「もういいかい?」

鬼の首領に訊ねられ、エマは答える。
「うん いいよ」

鬼の首領が手をかざしすと、黄金の水が動き始める。

GFの地下の湖も水が巻き上がっていた。
小島にある地下への階段から無数の階段が伸び始める。

「じゃあね! ありがとう!! ムジカ!! ソンジュ!!」
笑顔でムジカとソンジュに手を振るエマ。

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おう! とソンジュも手を振り返す。

「元気でね!!」
涙をこらえるムジカ。
(エマ あなたに会えて本当によかった あなたのこと忘れないわ)

(違う世界に暮らしても私達ずっと友達よ)

鬼の世界にいる全食用児を黄金の水が包み込む。

GFの食用児たちは海岸の砂浜に倒れていた。

「ん……」
フィルが意識を取り戻そうとしている。

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第178話 人間の世界へ振り返り感想

物語の続きは?

気になっていた鬼の首領に支払う代償の件だが、まさかの「何も無し」!?

いやー、全くの予想外だったわ……。

これはすごく意味深な感じでひっぱり続けてきた不安要素だったと思うんだけど、あっさり解決した……いや、そもそも問題ですらなかったようだ。

うーん。それで良いのか?

仮にまだ物語が続いて、エマたちが人間の世界でも過酷な状況に立ち向かっていく話になっていくのであれば、代償が無かったことも、鬼の世界をクリアしたエマたちに向けた鬼の首領による粋な餞だったと解釈もしよう。

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でも、もしこれで次号で物語が終わったなら、さすがに拍子抜けの感は拭えないかな……。

正直、全食用児が人間の世界に渡る約束の代償がどんなものなのか本当に気になっていたし、その状況をエマたちがどう切り抜けるか期待していた。

実際、鬼の首領は当初、エマの大切なものとして、家族を奪おうとしていた。
多分自分を含めて、この物語をチェックしてきた読者は代償の内容をそのように予想していた人も多くいたことだろう。
その上で、その最後の大問題、究極の状況をどう解決していくか、エマがどんな対策を用意していたかという部分が気になっていただろうし、知恵を使った解決を期待していたはずだ。

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でも今回の話でその期待が見事にすかされてしまった形になってしまい、拍子抜けした人もいたのではないだろうか。少なくとも今の自分はそんな感じだ。

ただ、これは逆にまだ物語が続くことを意味してるのかなという期待もある。

レイは鬼の首領が代償を求めないことについて怪しんでいた。
そしてエマも代償無しについて、人間の世界が必ずしも明るいものではないからではないかと一抹の不安があることを表明していた。

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この何もかも解決したはずなのに、まだ何か引っかかる感じがあるということは、この物語に続きがあるということではないか?

エマやレイの不安は的中しており、これからエマたちは人間の世界で鬼の世界と負けずとも劣らないサバイバルを経験していくのであれば話は続く。
それこそ、鬼の世界よりは直接的な死の危険に晒されなくても、激しい差別であったり、政争に巻き込まれたりと、まだ平穏な日常を過ごすには遥かに遠い状況に放り込まれるとか……。

とりあえず次号を待ちたい。

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人間の世界の状況は?

ついに人間の世界へ渡ることができた。

自由の女神っぽいモニュメントがあるし、ここはアメリカである確率が高い。

時代は2046年くらいだったはずだから、果たして世界がどういう状況かはわからない。
自由の女神像が建っているカットで描かれている風景では、ビル街は維持されているようだけど、2020年現在とは世界の状況が全く異なっていることは十分考えられる。

例えば人口爆発によって全世界規模の食糧危機が起こって、アメリカがその強大な軍事力を盾に世界中から食糧をかき集めているために、後進国の国民は軒並み飢えていて滅びの運命にあるとか……。

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もう鬼に食われる心配がなくなったとしても、今後エマたちが人間の世界で生きていく上で、数々の問題が生じるだろう。

前述したように、そうした問題を知恵で乗り越えていく第二部が始まっても面白いと思うんだけど、さすがに鬼の世界でエマたちが直面していた以上の究極の状況はないだろうし、ここで潔く終了となるのかな……。

次号は色々な意味で期待。

前回第178話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

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第179話 代償

意外な出迎え

ビルや家が建ち並ぶ光景を前に驚いたフィルは、急いで周りのみんなを起こしていく。

子供たちは皆、人間の世界に来れたことを実感して喜んでいたが、エマの姿が見当たらないことに気付くと一気に青ざめていく。

ノーマンは地面に膝をつき放心していた。
皆は必死に周囲を探すがエマは見つからない。

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レイもエマを探している最中、やはり代償はあったのだと思い、エマの言葉を信じて油断していたことを後悔していた。
その想いはノーマンも同じだった。

子供たちの上空から、湖の上に降りてきたのは飛行物体だった。
その上にはスーツを着た中年の男性、マイク・ラートリーが立っていた。
マイクはピーターの叔父で当主代理であると自己紹介すると、”コードSolid”と前置きして、自分やラートリー家はもはや食用児に危害を加えるない他、身元は受け持つと宣言し、
子供たちに飛行物体に乗るよう促す。
それは子供たちや飛行物体に引き寄せられてきた野次馬たちから逃れるためだった。

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世界の現状

ラートリー家北米支部にやって来た子供たち。

建物内では、世界各地で自分たちと同じ食用児が見つかっているというニュースが流れていた。

不安げな子供たちに、他の子供たちも順次保護している、とマイク。

2047年11月の人間の世界はハウスで学んだ2015年の情報とは異なっていた。

レイたちが発見されたのは旧アメリカ合衆国、現在ではエリア01に相当する地域の東側だった。

2020年代~30年代の間に異常気象や天災、疫病、経済危機や食糧難といった様々な危機が起こり、その後10年程度続くことになる世界大戦に繋がっていく。

全世界が対戦により破壊され、人類の絶滅が見えてきたところで、人類はようやく皆で助からねばならないと思い至るのだった。
その結果、国境はなくなり、人類は世界を一つの大きな国とすることで復興に向かっていた。

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エマ不在

「よかった」
ノーマンは人間の世界が、食用児が受け入れてもらいやすい状況にあることを指して呟く。
「幸いだった」
しかしその表情は、良かったという言葉とは裏腹に、完全に憔悴していた。

シスロは、全然幸いじゃないだろ、と思わず突っ込む

悪態をついて壁を殴るドン、
「エマがいないってどういうことだよ」

エマは「無い」と言っていたが、実は”ごほうび”はあったのだ、と子供たちは元気をなくしていた。

エマは世界のどこでも見つかっていないとシスターが報告する。

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死んじゃったのかな、と不安げに呟くフィル。
「それともやっぱり鬼の世界にエマだけ残されちゃったのかな」

ナットは、エマが結んでいたのが「食用児全員で人間の世界へ」という文言通りなら、たとえ鬼の世界にいるとしても鬼の首領はエマの命をとれないと答える。

文言通り結んでいたらでしょう? とギルダが不安気に問う。

エマは自分一人が死んで片をつけるようなことはしないとムキになるラニオンとトーマに、クリスティは、何故今エマがここにいないのかと問う。

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決意

子供たちは、自分が今ここにいるのはエマのおかげだと口々に話していた。

もしエマなしに生きていたところで、鬼を憎み、殺しながら身を隠してその日を生きる毎日かなとポーラとザック。

エマは”どうしたいか”で動く、とオリバー。
「『なぜいないか』は重要か? 『どこにいるのか』なんて関係あるのか?」

関係ない、とノーマン。

子供たちの表情が元気を取り戻していく。

エマを捜すぞ、とレイ。

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「エマが僕らなら諦めない! たとえ鬼の世界でも捜して見つけ出す!」
さきほどまで憔悴していたノーマンが生気を取り戻す。

あいつはきっと生きてる、とドン。

子供たちは、エマはそんな簡単に死なない、と賛同する。

そして、間もなくその場の子供たち全員が、エマを迎えに行くことで一致していた。

(君を一人になんてしない)
ノーマンが心に誓う。

(絶対見つけてやるからな)
レイもそう、強く決意していた。

一方その頃、エマは一人、雪の降る中で倒れていた。

何者かがエマの元に近寄っていく。

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第179話 代償感想

継続

やはり終わらなかった。

だが、このエマ捜索という新展開が終わったら物語は終了しそう。
クライマックスであることに変わりはないだろう。

しかし、レイやノーマンが恐れたように、エマ一人だけが”約束”の代償として鬼の世界に取り残されたのか。
もしくは、エマも人間の世界に来ており、ただ一人別の場所に倒れているのか?

ラストのページで、倒れているエマの前に現れた人物が何者なのか。
少なくとも鬼ではなさそうだ。
しかし人間だとしたら、一体誰なんだろう。

人間の世界で、一人で、レイたちとは別の場所に飛ばされたのだろうか。
鬼の世界に飛んだエマを、食用児としての出自を持たない人間が発見したのか?

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人間の世界は20年代~30年代にかけての世界大戦によって、滅びかけた世界はようやくひとつにまとまりつつあるようだ。
もはや絶滅するという非常事態に置かれたら、たとえ国境で隔てられた各国も一つの意見に賛同し、国名を失うことをすんなり受け入れられるということなのだろうか。

1000年もの間、人間と鬼との間で結ばれた”約束”を守り続けてきたラートリー家は、今日では他の追随を許さないほどに大きな経済的な力、影響力を身に着けていったのではないだろうか。

今後の展開に期待。

以上、約束のネバーランド第179話のネタバレを含む感想と考察でした。

第180話はこちらです。

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