約束のネバーランド 最新第171話敗北ネタバレ含む感想と考察。意外な人物がソンジュとムジカのピンチを救う。

第171話 敗北

第170話 共にのおさらい

イザベラの扇動

エマたちの脱走を許した直後、イザベラは自由を得たい一心でピーターと手を結び、グランマとなった。

エマたちがGFに侵入する直前、イザベラはシスターたちを一堂に集めていた。

ただならぬ空気に緊張するシスターたちに、イザベラはGFに2年前の脱走者が攻め込んでくること、そしてそのタイミングで農園側を裏切ると明かす。

グランマによる裏切り宣言に驚くシスターたち。

イザベラはシスターたちに自分と一緒に決起する気がないかを問いかける。

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冗談か何かと問われたイザベラはこの時を1年11カ月待っていたと答える。
本来自分たちは農園に刃向かわず従い続ける事が生きる道であり、それこそが自分の前にグランマを務めたサラの教えだった。
しかしグランマサラが呆気なく出荷されていったことを挙げ、農園に従えば生きていけるという前提のそもそも間違いを指摘する。

その事実をグランマに突きつけられても尚、シスターたちは現実と向き合っていなかった。

その空気を感じ取ったイザベラはシスターたちの脳裏を駆け巡っているであろう言葉を口にし、それを否定して見せる。
「『グランマもミスをすれば裁かれる 私達は皆平等で全員にチャンスがある』? 違うわ」

「競って蹴落として頂点に登りつめてさえ私達は家畜にすぎなかったのよ」

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シスターたちは生き残るために常にシスター間で競わされ、鬼に従い続けてきた。
この環境に耐えられないまともな人間から真っ先に食用加工されていく。
生きていたい一心で食用児を育てて、自分に懐いてくれている子供を出荷しなくてはならないという狂った環境に自分たちがいるという現実を思い出し言葉を失うシスターたち。

イザベラはそんなシスターたちの心を見透かしたように、本当は皆とっくに気付いてる、と続ける。
「有るのはチャンスじゃない どこまでも続く生き地獄だと 気づいていたけれど認めたくなかっただけ この服従に未来なんてない」

そしてイザベラはそんな環境が嫌になったと告白する。
「自由をぶら下げて恐怖を見せつけて 反吐が出る うんざりよ!!」

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エマたちが脱走した後、ピーターに協力を持ち掛けられたイザベラはグランマの役目を引き受ける。それはピーターたちの軍門に下るのではなく、いずれ戻ってくるであろうエマたちの力となること見据えてのことだった。

「私はもう誰にも囚われない」
銃を持ち、シスターたちに呼びかけるイザベラ。
その両隣には既にイザベラの想いに共感し、協力する意思をその目に秘めたシスターがいる。
「あなた達は? どうする?」
イザベラは言葉を失っているシスターたちに密告は止めないし、無理強いもしないし、ただ静観していても良いと続ける。
「でももし私とともに立ち上がるなら…とびっきり面白いもの見せてあげる」
その言葉で覚悟が決まったシスターたち。

そして現在、シスターたちは各自で銃を構え、ピーターを包囲するのだった。

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ママ

自分の味方であるはずのイザベラたちの裏切りにぽかんとするピーター。

「ママ…」
エマはイザベラの背に近寄りつつ呼びかける。

(”ママ”とまだ呼んでくれるのね…まだ あなたもラニやイベット達も……こんな私を…)
イザベラはエマに振り向かず、ピーターに銃を向ける。

「裏切ったなイザベラ!!」
ピーターが叫ぶ。

そうよ、と素っ気なく返すイザベラ。
「見れば解るでしょ? 私もこの娘達も全職員あなたの敵よ」

「ママが…味方?」
驚くギルダ。

「シスター達まで…なんで……」
ドンも戸惑っていた。

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イザベラはピーターを真っ直ぐ見据えたまま、しかしエマたちの言葉を聞いていた。
(ああ…何も知らないあの頃に戻れたら)

(ごめんね おかえり 会いたかったわ よくやった! すごいわ!)

(そう言って思いきり抱きしめることができたなら…でも)
勘違いしないで、と言ってエマに振り向くイザベラ。
「たまたま利害が一致しただけよ ここでの生活にいい加減うんざりしていたの あの坊やの描く未来も気に入らなかった」

ピーターのことを坊やと呼んだことに驚くヴィンセントとハヤト。

「やり方やご高説もね」

「貴様…!!」
イザベラを睨むピーター。
(この食用児め…!!)

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「だからブッ潰してやろうと思った 全部」
イザベラはエマに振り向く。
「ブッ壊してやろうと思ったのよ」

イザベラは自分がエマたちにした仕打ちが自分が許せなかった。
エマたちに憎まれたままで、ましてや”ママ”などと呼ばれなくても良いと思っていた。

エマは銃を構えたイザベラやシスターたちが自分たちと全く同じ食用児に見えていた。
イザベラの隣まで歩を進めてピーターに銃を向ける。
「ありがとうママ」

エマに倣い、銃を構える食用児たち。

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完全に窮地に追いやられたピーターは悔しさと恐れに顔を歪める。
「ど…どいつもこいつも僕に楯突いて…わかってんだろうな!!」

しかしピーターの脅しに対して誰一人として敵対を続ける意思は揺らがない。
(僕が…負ける? 食用児なんかに…)
「あーーーー」
発狂したように大声を上げるピーター。
シスターの銃を奪い駆けだす。

「伏せろ!!」
オリバーが叫ぶ。

ピーターが銃を乱射する。
それによってシスターの包囲を破ったピーターは、何か手はないかと考えながら必死に逃げるのだった。

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第170話 共に振り返り感想

逃げられる

エマやママたち、この状況からピーターに逃げられるのかよ!(笑)

まあ、ピータ―からすればこの状況は完全に予想外であり、急激に命が危機に晒されたのであれば火事場の馬鹿力的なものが働いてもおかしくはないんだけどさ……。
窮地で強くなるのは正義の味方の専売特許というわけではない。
しかしいくら切羽詰まってて必死だからといって、ここまで完璧な包囲から逃げられるのはどうなのよ。

いよいよ追い詰められて半ば破れかぶれになったピーターの突然の叫び。
それにびっくりしたシスターの銃をピーターが奪われたことで包囲が破られた。

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徳川家康の幼少期の戦ごっこの逸話にあったように、味方の人数が多ければ多いほど「他の人が何とかする」という意識が働くからその組織の一人当たりの注意力というか、強さが落ちるということなのだろろうか……。

そもそもイザベラたちが急にピーターを裏切ってエマたちの味方となることを表明した。だからエマたちとイザベラたちの間でうまいこと連携が取れず、包囲に緩みが生じたというところか。

ピーターが逃げた先に何があるのか次第で、まだ別の展開がありそうだ。

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イザベラの覚悟

イザベラはエマたちが脱走した直後の約2年前から、いつかエマたちがGFに戻ってくるその時を待っていたのか……。
そしてエマたちが戻ってきたときが自分たちがピーターを裏切る時だと覚悟を決めていた。

エマたちは幼い子供たちをGFに残していたし、その子たちをいつか救いに来るつもりだっただろうことをイザベラは知っていたのだろう。

しかしGFにやってくるエマたちのために、事前にピーターや鬼たちが不利になるように施設内に仕掛けを施したりは出来なかったんだな……。もっと早い段階、つまりエマたちが侵入した直後からエマたちのことを助けて欲しかったんだけど(笑)。

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結局、イザベラたちが動いたタイミングは、まさにエマたちがピーターに勝利を収めようする直前だった。
結果から言えばそれは最適なタイミングだった。
前述した通り、もうちょっと前から協力してあげても良かったと思うんだけど、イザベラの立場になって考えてみれば、他のシスターたちを伴って動けるタイミングはそこしかなかったのかなとも思う。

おそらくイザベラはエマたちがGFにやって来たら、たとえ命を落としたとしてもピーターに牙を剥く覚悟だった。いい加減、自分の命を鼻先に垂らされた人参みたいに扱われて奴隷のような扱いを受けるのにうんざりしていた様子だったし……。
しかしエマたちのことを知らないシスターたちに関してはエマたちがGFにやってくる直前にイザベラからピーターを裏切ることを明かされた。
だからイザベラのピーターを裏切るという覚悟に対し、まだ半信半疑な部分があったのではないか。もしその話に乗って、イザベラに「あなたたちの忠誠を試していた」なんて言われた日にはたまったもんじゃないだろう。

もしエマたちがGFに乗り込んできた直後のタイミングでイザベラがシスターたちに決起を促したとしたら、まだ覚悟が固まっていないシスターによるピーター側への密告があったかもしれない。

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ともかく、エマたちからすれば敵だと思っていたイザベラが味方になることは願ったり叶ったりだ。

もうママと呼ばれなくてもしょうがないと思っていたイザベラだったが、それでもエマは彼女をママと呼んだ。
エマは自分たちと一緒にピーターに銃を突き付けているイザベラを始めシスターたちが、自分たちと同じ食用児だと理解していた。だからそんなイザベラが自分たちに抱いているであろう複雑な想いに気付いた上で、それを許容するという姿勢をママに示すためにあえて「ママ」と呼んだのだろう。

どうやらここからは逃げたピーターを共に追う展開になりそうだ。

今回の話の途中から何となくイザベラが命を落としそうな予感がするんだよなー。
果たしてここからどうなるのか……。

前回第170話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

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第171話 敗北

報告

追い詰められたピーターはエマたちから逃げながら、この状況を引っ繰り返せる方法を必死に考えていた。
GFの敷地外に待機させていた2000の王兵を動かすべく端末で連絡をとる。

ピーターからの連絡を受けた王兵は、GFに向かうために必要な外橋が爆破されているのでピーターに援軍を出すことは不可能だと答える。

それに対し、鳥でも蝙蝠でも食べて飛んで来い、と無茶を要求するピーター。

「は?」
余りの言葉にイラつく鬼。

逃げ続けるピーターを、銃を持ったシスターたちが追い詰めていく。

ピーターは、彼女たちの心臓のチップの一斉起動を考えるが、そのためにはシステムを復旧させなくてはいけなかった。
続けて保管庫にいる子供たちを人質に取ることを思いつくが、それもシステムの復旧が必要だった。

ピーターは、自分の持っている端末に来た電話をとる。
それは王都からの報告だった。

「…は?」

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再び

王都の広場ではソンジュとムジカの処刑が執行されようとしていた。

民衆の中の一匹が奇声を上げる。それをきっかけにり、動揺がさざ波の様に他の鬼たちに広がっていく。

「おやおや」
広場に現れたのは行方不明とされていたレウウィス大公だった。
「何をやっているのかね 君達は」

兵たちは跪く。
「生きて…おられたのですか」

「……意図せずね」
レウウィス大公は、かつてエマたちによって弱点の目を撃ち抜かれていた。

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「…………」
絶句するムジカ。

「それよりも何だねこの有様は 王族(わたし)の留守に随分と偉くなったものだな」
レウウィス大公の視線の先には新政権のメンバーとなった連中がいる。
「五摂家の家来衆如きが」

震え上がるメンバーたち。

レウウィス大公は彼らが調停者(ピーター)によって扇動されていると見抜いていた。
嘆かわしい限りだ、とため息をつく。

「久しぶりだねぇ ソンジュ」
レウウィス大公はいきなりソンジュの胸を切り裂く。

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真実

ソンジュは胸から血を噴き出して倒れる。

「諸君!! 見給え」
レウウィス大公は広場に集う民衆に、病毒として忌み嫌われた邪血だ、とソンジュの血を見せて、グラスに貯めた邪血を飲み干す。

民衆から、汚れた血を、といった悲鳴が上がる。

ムジカは何が起きたのかとその光景を驚きを以て見守っている。

「恐れることはない」
レウウィス大公は邪血が毒という嘘は姉のレグラヴァリマによる発案であり、実際の邪血とは一口飲めば以降は人間を食べなくても退化しなくなる鬼にとって奇跡の血だと説明する。
続けて、700年前女王は農園で民を支配する上で不都合な邪血の一族を、毒と呼ぶことで、邪血の持ち主を国賊として虐殺したと説明を続ける。

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自分たちの認識とは全く異なる説明に動揺する鬼たち。

レウウィス大公は自分たち王家、そして五摂家は民が飢えていても自分たちだけは邪血で”不退の体”を手にしていたので人肉色が不要だったを告白する。
さらに、700年間続いた人肉の食糧難と、人肉を食べられずに退化して死んでいくといった恐怖と苦しみは本来は避けられるものだったと続ける。

鬼たちは絶句していた。

そして邪血の一族は民をその血で救おうとして王・五摂家に殺されたこと、そして今、まさに過去と同じように流れで新政権によってソンジュとムジカという邪血が殺されようとしているとレウウィス大公。
「滑稽也」

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「”邪血”を殺す? この二人は賊どころか民を救わんとした英雄なのだぞ」

レウウィス大公の言葉に驚くソンジュとムジカ。
「兄上…なぜ…」

ソンジュはレウウィス大公が昔から政治や民の苦しみ、正義などに無関心で、遊びまわっていたことを思い出す。
(なのに――)

「らしくはないだろうね」
現政権の面々が調停者(ラートリー家)の言いなりになっていることは、政治に無関心だった自分も見逃せなかったのだとレウウィス大公は答える。
「この支配も限界だ」

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思い付き

「あとはまぁ…なんとなく……だね」
レウウィス大公の脳裏にエマたちの面々が思い浮かぶ。
「真の賊徒は女王・五摂家そして現政権 五摂家家臣団と農園だ!! 大公レウウィスがここに命ずる 処刑は中止だ!! 国賊現政権幹部を直ちに捕えよ!!」

ピーターは部下からの王都陥落の報に崩れ落ちる。
(打つ手はない 何も…! 食用児(やつら)既に”約束”も――)
そして、自分が敗北したことを自覚するのだった。
(僕が敗けた!! 敗北した!! 終わり――)

ピーターの行く手には銃を構えたエマが待ち構えていた。
「動かないで」

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しかしピーターの脳裏にアイデアが浮かんでいた。
(いや まだだ)
GFに来る前、アジトで子供たちから聞き出した情報を思い出す。
(「食用児は〇〇と”約束”を結んだ」)

(「だがまだ履行は保留にしている」)

(「”約束”を結んだのは63194”エマ”」)

ピーターは両手を上げて、無抵抗をアピールする。
ピーターは心の中で完全に自分の負けを認めていた。
しかしまだ履行されていない”約束”を結んだエマを殺害すれば”約束”が台無しになると考えたピーターは、エマを殺害して食用児の未来の破壊を画策するのだった。

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第171話 敗北感想

レウウィス大公は全く想像してなかった。
顔面の真ん中を撃ちぬかれてなお生きているのは化け物だ。

政治に興味はないが、現政権が支配者であることにはさすがに意義があるようだ。
なんだかんだで国や国民のことを想っているっぽいんだよなー。

一方、ピーターはいよいよ追い詰められた。

ここからピーターはエマとどう戦おうというのか。
次回が楽しみ。

以上、約束のネバーランド第171話のネタバレを含む感想と考察でした。

第172話に続きます。

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