約束のネバーランド 最新第147話積怨ネタバレ含む感想と考察。五摂家だった頃のギーランの話。なぜ野良落ちしたのか。

第147話 積怨

第146話 王都決戦のおさらい

順調に進む作戦

王都。

女王の居城で儀祭が粛々と行われ、城下町は祭りに湧いている。

しかし突如、王都に向けて放射状に何本も掛けられている橋が一斉に爆破。
ノーマンたちの策により、王都城下町は混乱に陥る。

ノーマンたちは順調に城内の見張りを制圧していた。

城内のセキュリティコントロールを得たヴィンセントの手により、城にギーラン家の面々が侵入。
そしてすぐに全ての門が閉められ、城は完全封鎖される。

王都の推定総兵数5000の内、ノーマンの事前工作により4000を王都から出兵させたことによって、現在王都に残る数は1000までに減らしていた。

 

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城下に700、城内に300という兵の配分だが、その内700の兵は爆破により混乱する城下町の民衆、爆破した王都の外へ通じる橋、城下での対処に追われている。

ヴィンセントの操作により城の城門は全て閉ざされ、城内は城下と完全に隔絶されている。

そして王都への橋も全て落したことで、仮に鬼が何らかの方法で王都外の鬼に応援を求めても助けに来ることは不可能となっていた。

300の城内兵を真正面から突破していくギーラン兵50。

事前の想定通りにギーラン兵が城内に突入したのを受け、セキュリティ室のヴィンセントがシスロとバーバラに撤退の指示を出す。

 

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侵入

ギーランたちは城内でノーマン、ザジと合流していた。
「見事な手際だ ”W・ミネルヴァ”」

「さぁ存分に復讐を」
薄く笑みを浮かべて、ギーランの長年の宿願である王・五摂家への復讐を促すノーマン。

外で起こっている異変により、女王、五摂家、その家族たちの会する部屋で行われている儀祭は一時中断していた。
兵からの報告が来ないことにしびれを切らし、ノウム卿が部下に外の様子を見てくるよう指示する。

部屋の外に通じる扉を開く部下。

しかし部下は扉を中途半端に開いたまま動きを止めている。

 

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部屋の中の鬼たちは、不思議そうに部下の様子を見つめていた。

「賊――」
扉が開くのと同時に、崩れ落ちる部下。

扉の前に陣取っていたギーラン兵が部下を刺していた。

貴族の家族から悲鳴が上がる。

農園潰しの勢力が攻め入ってきたのかと勘違いしている五摂家たちに、久しいのぅ、とギーランが声をかけながら口元に巻いていた布をとってみせる。

「いや貴様…」
イヴェルク公は顔を露わにした賊の正体に気付いていた。
「ギーラン…!!」

 

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ギーランの復讐

(ギーラン…様?)
まだ五摂家だった頃のギーランと、目の前の醜い鬼が一目では一致せず、戸惑うバイヨン卿。

プポ卿は背後にいる自分の父と母に危険なので下がるようにと促す。

しかし次の瞬間、母はプポ卿の目をめがけて一直線にナイフを突き刺していた。

(母上…? な…ぜ…)
今何が起こっているのか、意味が全くわからないまま絶命するプポ卿。

「おのれ何奴!!」

「家族と思うたろう?」
ノウム卿の問いかけにギーランは余裕の態度で答える。
「姿声 匂い そして”面”」

「家族は食ろうた」

 

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「食ろうて奪った」
そしてギーランは五摂家の家族たちに、皆上手く化けた、と声をかける。
「プポの父御だけではない」
プポ卿の頭部を拾い上げる。
「そこにいる全て我の手の者じゃ」

五摂家の面々が、家族たちだと接していた鬼たちが仮面を外す。
その全員が家族ではなくギーランの仲間であることに気付き、言葉を失う女王と五摂家たち。

ギーランはその様子を前に満足そうに高笑いをして、プポ卿の頭部、脳を仮面ごと咀嚼し始める。
「野良に落とされ700年 我ら一門 この日をどれほど待ちわびたことか」
形質の変化により、ギーランの体がボコボコと波打つ。
「忘れたことなどない 受けた仕打ち… 屈辱」

 

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「苦しみ 悲しみ 憎しみ」

バイヨン卿はギーラン兵に食われた家族の面を震える手で持ち、じっと見つめていた。

「貴様…!!」
怒りに震えるノウム卿。

「次はぬしらじゃ」
面を外すギーラン。その頭部には、かつて五摂家だった頃を髣髴とさせる、豊かな長髪が生じていた。
「我らが怒り 存分に味わわせてやる」

「笑止」
女王は一切取り乱すことなく、冷徹に言い放つ。

 

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第146話 王都決戦の振り返り感想

ギーラン兵の無慈悲な行動

話がとんとん拍子に進むなぁ。

1話の中に詰め込み過ぎでもったいない気がする。

五摂家の家族が全員ギーランの配下の鬼たちに食われていたというのは衝撃的だったなぁ。
これはギーランが考えたのか? それともノーマンが提案した?
恐らくは無力であろう家族を全滅させるとか、あまりにも残酷すぎる。

家族の面を震える手で持っているバイヨン卿が可哀そう……。

ここまでは完全にギーランとノーマンの同盟軍のペースで事が進んでいる。

順調すぎるくらいだ。

ここからの女王たちによる反撃が開始されるのか?
ここまで一気に攻め込まれると、もう反撃のしようがない気がする……。

 

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プポ卿は家族だと思っていた鬼に殺され、その力を発揮することなく哀れな死に方をした。

しかし女王や五摂家の面々はきっと個々の戦力として強力なはず。
もし女王たちがこの事態を突破するとしたら個人の力で何とかするしかないだろう。

この絶体絶命の危機に際しても、女王は威厳ある態度だった。

これはいついかなる時も王たる態度をとるべきという彼女の信念によるものなのか、それともギーランたちを簡単に殲滅できるという余裕からなのか。

女王と血のつながりがあるレウウィス大公はとんでもなく強い鬼だった。
女王の力もまた、彼に近い強さがあってもおかしくない。

それに、家族を殺されたことで怒りがマックス状態の五摂家の面々も強そうだ……。

 

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見事なノーマンたちの手際

ノーマンたちの手際は本当に見事だった。

ここまで事態が順調に進んだのは間違いなくノーマンの力だろう。
事前に王都の兵力を2割程度に減らしておくあたりは本当に策士だわ。
そしてその後の作戦もひとつひとつにぬかりがない。

ノーマンは無血での勝利を念頭に置いているが、このままギーランが女王と五摂家を全滅させればそれも現実味を帯びてくるな……。

その後、ギーランとの戦いになりそうな気もするけど、きっとノーマンにはその用意もある。

 

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しかしこのままだとギーラン家による復讐が成就してしまう。

エマたちはどうなっているんだろう。
馬で先行したエマやレイは、すでにノーマンたちに合流していて、王都に入っている?

そうじゃないとノーマンの行動を止める機会すら生まれないだろう。

果たして事態はここからどんな展開を迎えるのか。

前回第146話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

 

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第147話 積怨

五摂家の頃のギーラン卿

バイヨンは殺された母の仮面を手に持ち、震えていた。
そしてこの凶事が、かつて慕っていたギーランによるものであることに打ちのめされていた。

ショックと悲しみで、床に突っ伏すバイヨン。

しかしすぐにその悲しみは怒りへと変わる。
「ギーラン 貴様ァ……ッ!!!」

700年前。

女王レグラヴァリマをはじめとして、五摂家や貴族が一堂に会している。

女王に発言を促されたのは五摂家の内の一体だったギーラン卿。

ギーラン卿が主張した内容は、下級農園の生産が追い付かず、各地の民が飢えているため、国庫を開き、貴族の備蓄を一部解放して民を救おうというものだった。

その発言に場は一気に動揺する。

 

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先代バイヨン卿だけは、一部のみならば、と賛成の立場を表明するものの、先代ノウム卿、プポ卿は強く反対する。

「そのようなことを言っておる場合か!!」
ギーラン卿が迫られ、たじろぐプポ卿。

ギーラン卿は、既に飢えた民が野良鬼と化し、共食いを始める地獄絵図が各地に広がっていることを強調する。
そして治める民あっての統治であり、民を守らずに鬼の繁栄はないこと、そしてそもそもこの事態に対して何か手を打たなければ鬼全体が滅びると正論を重ねていく。
「我らのため統治のためにも貴族が身を削り救うべきなのだ!!」

その主張の間、誰もギーラン卿に反対を表明することはなかった。

そんな中、まあ落ち着こう、とイヴェルク公。
イヴェルク公はギーラン卿の主張に理解を示す。しかし同時に他の五摂家や貴族の懸念も理解できるとして、意見の相対化を図ろうとする。
そして、この大規模な飢えの問題を、そもそもは農園の整備だと定めて話を展開していく。

平和な世が続いたことによる民衆の増加ペースに、農園の人肉生産量が追い付いていない。
よって、ラートリー家との協力により下級肉の量産の方針で、農園の在り方を見直していると主張して、イヴェルク公は問題を棚上げするのだった。

議場が解散し次々に席を立つ鬼達の中、ギーラン卿はただ一人席に座ったまま、主張が受け入れられなかった悔しさから顔を伏せていた。

 

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ギーラン卿とドッザ将軍

自室に戻ったギーラン卿はなぜ今、鬼という種が直面している危機を認めようとしないのか、自分の利益のことしか考えないのか、と悔しさに表情を歪ませていた。
(否 解ろうとしないのだ)

ギーラン卿は知っていた。
イヴェルク公が言った下級肉の量産は、既に何度も試みられていた。
しかしそれらは全て失敗しており、結果、現在の飢えに繋がっていたのだった。

ギーラン様はご立派です、とギーラン家の家臣であるドッザ将軍がギーラン卿を讃える。

ドッザ将軍は、ギーラン卿が五摂家の中でも最も高貴な家柄であり、知識、富ともに豊富に持ちながら、それらを惜しみなく領民に分け与える姿勢に言及し、頭を下げる。
「これほど民・家臣に慕われている領主はおりません 飢饉の災禍を最も抑えられておるのもこのギーラン領です」

 

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しかしギーラン卿の表情は晴れない。
まだ全てを救えてはおらぬ、と歯噛みする。

「されど諦めてはなりませぬ 蒔いた種はいずれ実ります 救えます」

「ギーラン様の義は必ず届きます 私もどこまでもお支え申し上げます」

ギーラン卿は、ドッザ将軍からの温かい言葉に感じ入っていた。
「……ありがとう 我は幸せ者だ…」

そしてギーラン卿はその流れでドッザに一つ依頼をする。
それは領下の行商から聞いた噂を調べてに行って欲しいというものだった。

(「彼らの力が本当なら民の飢えを何とかできる……農園の今後にも役立てるかも――」)

 

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失脚

両腕を縛られたギーラン卿は、槍を構えた兵士に囲まれて跪いていた。
謀反の疑いにより、一族もろとも野良落ちの刑を言い渡される。

全く心当たりがなかったギーラン卿は、どういうことだ、と詰め寄る。

「妖し気な血の者を使い王政の転覆を企てた大罪の――」

その返答により、ギーラン卿はすぐに犯人に思い当たる。
(まさか…君が)
「謀ったな…! ドッザ!!」

あっさりと、自分が進言したと告白するドッザ将軍。
豊かで結束の強いギーラン領が裏切っては大変だ、とおどけた様子のドッザ将軍に対して怒りを見せるギーラン卿。

ドッザ将軍はギーラン卿の目の前でしゃがむ。

 

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身分ではなく働きで自分のことを評価してもらえて感謝している、と言ってニヤリと笑うドッザ将軍。
「本当に領主が善人(バカ)で良かったよ」

入牢するギーラン卿。
自分や一族の無実、潔白を主張し、イヴェルク公を呼べと叫ぶ。

「知っているよ」

やってきたイヴェルク公からの返答に、ギーラン卿は呆気にとられていた。

イヴェルク公はギーラン卿が謀反を起こすどころか、ギーラン卿ほどの忠臣はいないとまで述べて、全てはドッザ将軍による出任せであることも解っていると続ける。

 

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では何故、と疑問をぶつけるギーラン卿に、イヴェルク公は、邪魔な飲んだ、と答える。
「君のその”義”が”正しさ”が」

「君の忠義には感謝する だが邪魔なのだ」

(「何が問題だ 増えすぎた民が死ねば与える人肉も足りよう」)
女王陛下の言葉を紹介するイヴェルク公。
それが陛下の御心だ、と自身の見解を添える。

ギーラン卿は言葉を完全に失っていた。

「腐っているのだよ」
イヴェルク公は女王陛下をはじめ、皆が腐っていると主張する。
そしてそんな中にあって、ギーラン卿の際立つ清さはもはや目障りであること、そしてドッザ将軍のような濁った人物が腐敗した組織を構成していくのに丁度よかったと説明する。

この一件によりギーラン卿は失脚し、代わりにドッザ卿が五摂家に加わったのだった。

 

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復讐のギーラン

プポ卿の脳を食い、咆哮するギーラン。

ノウム卿とバイヨン卿がギーランを仕留めようと挑みかかる。

一族ごと野良落ちしたギーラン卿は家族を失っていた。
謀略により家臣も何もかも、全てを失いこの700年の間にその怨みは巨大に膨れ上がっていた。
(こんなものではない我の我らの700年)

あっという間にノウム卿とバイヨン卿の首を刈り取るギーラン。
「バイヨンの倅とノウムの末娘か 恨むなら己が父母らを恨むがよい」
そう言って、バイヨン卿とノウム卿の脳を食べ始める。

その光景を前に、不敵に笑うドッザ卿。
「あのヒョロ甘”ギーラン様”がやるじゃねえの」
そして上に羽織っていた服を脱ぐ。

ドッザ卿は、服の下に鎧を着こんでいた。
両手に槍を装備し、ギーランに向かっていく。

 

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ドッザ卿はギーランの実力が、この700年の間美味い人肉しか口にしてこなかった現五摂家とは違うと直感していた。

しかし自分は五摂家の地位に胡坐をかくことなく、武人として力を高めてきたのみ加えて、油断も傲りもない、とギーランを襲う。
「いざ!!」

しかしその攻撃がギーランに届く前に、ドッザ卿は一瞬でギーラン兵に首を飛ばされる。

兵は床に落ちた首の目にナイフを突き立てる。
「頭が高ェよ」

「てめぇ まず『ごめんなさい』だろ」

バーバラとシスロは、天井からその光景を確認していた。

あと二匹、とバーバラたちら報告を受けて、ノーマンが指示を続ける。
「よし 動け」

 

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第147話 積怨の感想

ギーラン強い

前回のプポ卿、そしてノウム卿、バイヨン卿、ドッザ卿まで一気に屠る圧倒的な力の差。

これが700年の怨みのエネルギーなのか。

そもそも前回、家族を全員食って化けるところからして手段を選んでないもの。

何でもあり+怨みのエネルギーは恐ろしいと思う。

そして今のところ一番得をしているのはノーマンたちなんだよなぁ。

完全に思惑通りにギーランを操っている。

このままうまくいけば、本当にノーマンが掲げていたように無血での勝利が成るのかもしれない。

しかし、女王とイヴェルクを斃したあとギーランが、ノーマンに牙を剥く可能性は非常に高い。

ギーランからすればもうノーマンと同盟を続ける意味がなくなるからだ。

ノーマンはそれがわかっている。だから、まだその正体はわからないものの、何か特別な秘密兵器的なものが用意されているっぽい。

ここからの展開に注目したい。

 

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ギーランの復讐心

ギーランが女王や五摂家を滅ぼそうとすることが、気持ちで理解できた。

こんなふざけた理由で野良落ちなんて……。

仕掛けてきたドッザ、それを見逃したイヴェルク公たちに限らず、この世の全てを怨んでもある意味当然だろう。

組織は肥大化すれば腐るのが常だが、鬼もまた同じだったということだろう。

そんな中、正論で組織に損をもたらそうとしたギーラン卿は、空気が読めない奴扱いされ、排除されたということ。

ギーランの主張は、ひとえに鬼の社会全体を考えているからこそ。

 

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完全に正論なのに、潰されてしまった。

女王とイヴェルクがやられる前に、エマが到着するのかな?
仮にノーマンがエマやレイが帰還したことを知っても、この流れをわざわざ止めたりしないと思うんだけど……。

やはりエマが直接この場に来るしかないと思う。

だとすればギーランとエマの会話が見られる?

エマだったら、ギーランに対して何を言うのか気になる。

果たしてどうなるのか。

第148話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

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