第40話 歓声
第39話のおさらい
パピコは1体の破壊神の体を、以前六本木で破壊神を倒した時と同様に、内部から突き破って倒すことに成功していた。
そんな彼女の不意を突くように、一体の破壊神が猛然と襲い掛かる。
しかしパピコは怯むことなく、巨大化デバイスを操作してから破壊神に真正面から飛びついていく。
破壊神は胸元に掴まっているパピコを両手で捕まえようとする。
しかしその両手は、パン、と打ち付け合うだけだった。
パピコが一足早く小さくなっており、破壊神の手をかわしていたのだった。
パピコを見失い、暴れる破壊神。
パピコは元のサイズに戻り、破壊神の肩のあたりで態勢を整えていた。
そして、首元から体の内部に通じる穴に飛び込みながら、巨大化する操作を行う。
一瞬の後、破壊神の体を突き破ることに成功するパピコ。
そしてついに、パピコと、三体いた破壊神の最後の一体が対峙する。
ヘリの音が響く中、じっと睨み合っていたが、すぐに互いに動き始める。
パピコは破壊神の胴を狙ってタックルを仕掛ける。
そして、破壊神は、そんなパピコを殴ろうと腕を振るう。
破壊神の一撃をかわしたパピコ。破壊神の背中にとりつく。
破壊神はパピコの顔に一撃を食らわすが、どんどん小さくなっていくパピコを探そうとして暴れていた。
そして、完全にパピコの姿を見失うと、その動きを止める。
その様子を、自衛隊の隊員たちが息を呑んで見守っていた。
一瞬の後、パピkは三体目の破壊神も内部から突き破る。
三体全ての破壊神を倒したパピコは、新宿の街に堂々と立っていた。
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第40話 歓声
戦い終了
パピコが三体の巨人を倒した直後の新宿が映し出されているテレビの前で零の母は立ち尽くしていた。
その目からは涙が止めどなく流れ落ちる。
リポーターは、パピコがたった一人で日本を救ったと熱のこもった実況を続ける。
パピコの戦いの一部始終を見守っていた街の人たちは、皆一様に涙を流してパピコが勝ってくれたこと、そして自分たちの命が助かったことを喜んでいた。
「PAPICO………」
女子高生と屋上に逃げてきた男性外国人が呟く。
女子高生は溢れる涙を拭うことをせず、パピコの戦っていた方を見つめていた。
パピコの戦っていた新宿のど真ん中。
人々はビルにもたれかかるパピコを取り囲み、ちぎれんばかりに手を振っている。
少し離れたところでパピコを見つめている自衛隊の隊員も、パピコの単独での立派な戦いぶりに感嘆していた。
危機が去り、電車が動くようになったことに沸く乗客たち。
零だけは電車内の床に正座して、スマホの画面を見つめていた。
その目から涙が流れる。
新宿で電車を降りた零は一目散にパピコの元へ向かう。
その道中すれ違う客たちが皆パピコの話題ばかりしていることが漏れ聞こえてくる。
パピコは自分に向ってパピコの名を呼びながら、一生懸命手を振る民衆たちをじっと見つめていた。
皆、笑顔で、しかしその目からは涙が流れている。
その表情は彼ら、彼女らがパピコが巨人を仕留めたこと、自分たちが命を拾ったことがどれだけ嬉しかったかを如実に物語っていた。
駅を出た零は、パピコの元へ向かって必死に走っていた。
パピコの名が叫ばれているあたりに到着した零は、自衛隊の輸送車に乗り込む直前のパピコを見つける。
その場にいる誰もが笑顔でパピコの名を叫び、手を振っている。
彼らの背後からパピコの名を呼ぼうとするが、零はなぜか言葉に出来ない。
零はパピコが乗り込んだ輸送車を呆然と見つめながら、無言で見送るのだった。
電話
パピコがその場からいなくなり、歓声を上げていた人たちはただの歩行者に戻っていく。
零もまたその場を離れながらスマホでニュースをチェックしていた。
パピコ孤軍奮闘 3体のサタン倒し日本守る
21日 新宿で開始された巨大サタンによる街破壊。
自衛隊輸送機により輸送されたパピコがたった一人で
3体のサタンを止めることに成功した。
記事を開いて読み進めて行くと、コメント機能がある。
感動した涙が出た!!
だって女の人が一人で!!たった一人でだよ!!
自衛隊が全く役に立たなかったのに!!
セクシー女優がとかまだ叩く人いる_
この人国民栄誉賞でしょ!!
そのニュース記事には投稿したコメントにグッドとバッドの評価機能がついていた。
グッドには253426、バッドにはなんと0人だった。
ツイッターはパピコを褒め称える呟きで溢れていた。
零の元に母親から電話がかかってくる。
それは零の安否を確認するための電話だった。
一通り零から話を聞いた母は、零に念を押す。
「零…あのコ逃がちゃダメよ。お母さんすっごい感動した。」
「うん。」
電話で母と話しながら地下に降りていく零。
「どうかな…」
「わかったわかった…」
感想
これは零の方から身を引こうとするパターンか?
ショボイ自分と付き合うことは彼女のためにならないって?
最後、母親から電話で逃がしちゃダメだと言われた。これはフラグっぽいな。
当初はパピコのことを拒絶していたのに、この変わりようにはちょっと感動した。
母親が現金とか、そういう次元ではない。
ただただ、パピコがやり遂げた仕事があまりにも偉大過ぎた。
しかしおそらく零は、日本の英雄が自分なんかと付き合っていいていいのかという思いに駆られている。
確かに日本をたった一人で救った功績はでかい。
それにパピコが救った人々からの歓声を一身に受け、その後、自衛隊の輸送車に運ばれていくパピコを見たら自分のいる位置とかなり距離が離れてしまったと感じているのではないか。
当のパピコはそう思ってなくても、零は、というか男は気にしてしまうものなのかもしれない。
とりあえず日本の終わりが回避できてよかったけど、その代わりしばらくは零とパピコが思うように会えない悶々としたシチュエーションが続くのではないか。
パピコは方々で求められて時間がなくなり、零はそんなパピコから身を引こう連絡をとらなくなる?
あー、マジで今後、互いに好きなのに零が遠慮して離れようとする展開になるのかな。
こういうもやもやする展開が良いという人もいるんだろうけど、自分はどっちかと言えばニガテなんだよなー(笑)。
どんどん強い敵と戦って欲しい。あとETEというとんでも装置の謎を解いて欲しい。
パピコのツイッターフォロワー数がトランプを抜いたとか、ツイッターの反応が面白かった。
あと5分前に投稿されたヤフコメのグッドが二十万を超えているのに対して、バッドが0。
確かにそのくらい感謝するような出来事だっただろうけど、おそらく実際は0にはならないだろう(笑)。
でも多くてもバッドはせいぜい三桁……いや、二桁くらいかな。
一気に時の人となったパピコ。
果たして彼女は今後どういう立場になっていくのか。
そして零はそんな彼女とどう向き合っていく?
以上、ギガント第40話のネタバレを含む感想と考察でした。
第41話に続きます。
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