約束のネバーランド 最新第148話今行くよネタバレ含む感想と考察。

第148話 今行くよ

第147話 積怨のおさらい

バイヨンの怒り

バイヨンは既にギーラン家により殺害されていた母の仮面を手に持ち、震えながらそれを見つめていた。

その脳裏には、母との思い出が蘇る。

そしてこの凶事を為したのが、慕っていたギーランであることにさらに打ちのめされていた。

バイヨンはショックと悲しみの余り、床に突っ伏して呆然としていた。

しかしすぐにその悲しみは怒りに変わる。
「ギーラン 貴様ァ……ッ!!!」
床に伏したまま、咆哮するバイヨン。

 

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ギーランの五摂家からの放逐過程

700年前。

女王レグラヴァリマをはじめ、五摂家や社会の上層に位置する鬼たちが一堂に会している。

女王と大きなテーブルを二つ挟み正面で向かい合うのはまだ五摂家の内の一体だったギーラン卿だった。

「申せ」

女王に促され、ギーラン卿は上奏を始める。
その内容は、下級農園の生産が追い付かない関係で生じた飢えにより、各地の民が飢えているため、国庫を開いて貴族の備蓄として保管されている人肉を一部解放しようというものだった。

ギーランの発言にその場は一気にざわつく。

 

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先代バイヨン卿は、一部のみならば、と渋々賛成の立場を示したものの、先代ノウム卿、プポ卿は高級肉は民が口にするものではない、自分たちの分が減ると反対する。

反対意見に対し、そのようなことを言っておる場合か、とギーラン卿が迫る。
飢えた民が野良鬼になり、共食いを始めるという地獄絵図が各地で広がっていることを強調するギーラン卿。
「治める民あっての統治であろう」

「民を守らずして鬼の繁栄はない」

「手を打たねば鬼全体が滅びる!」

「我らのため統治のためにも貴族が身を削り救うべきなのだ!!」

 

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その主張の間、その場にいる誰もギーラン卿の言葉を止めたりすることはなかった。

一切口を開くことなく、ギーラン卿の言葉に耳を澄ませている。

まあ落ち着こう、と口を開いたのはイヴェルク公だった。
イヴェルク公はギーラン卿の主張に理解を示しつつも、他の五摂家の反対に代表される、貴族たちの懸念にも言及する。
そしてそもそも、今回の大規模な飢えが起きたそもそもの問題を、農園の整備だと定めるイヴェルク公。

平和な世が続き、民衆が増えたが、それに農園での人肉生産量が追い付いていない。
ラートリー家と協力して下級肉の量産を行い、農園の在り方自体を見直していると主張し、イヴェルク公は問題を棚上げしてこの場を乗り切るのだった。

解散する議場。

主張が受け入れられなかったギーラン卿は一人、席に座ったまま悔しそうに顔を伏せていた。

 

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懊悩するギーラン卿

自室に戻ったギーラン卿は資料で埋もれた机に怒りで拳を打ち付ける。

議場に集まっていた自分以外のほぼ全員がなぜ今、鬼という種が直面している危機を認めようとしないのか、自分の利益のことしか考えないのか、と悔しい胸の内を吐露するギーラン卿。
しかしすぐに思い直す。
(否 解ろうとしないのだ)

イヴェルク公が言った下級肉の量産は、既に何度も試みられていた。しかし悉く失敗を重ねており、現在の飢えが発生していたのだった。

「ギーラン様はご立派です」
ギーラン家の家臣、ドッザ将軍がギーラン卿を讃える。

ギーラン卿が五摂家でも最も高貴な家柄であり、知識、富ともに豊富に持ちながらも、それを惜しみなく領民に分け与える姿勢に言及し、再び頭を下げるドッザ将軍。
「これほど民・家臣に慕われている領主はおりません 飢饉の災禍を最も抑えられておるのもこのギーラン領です」

 

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ドッザ将軍の言葉を受けてもギーラン卿の表情は晴れない。
だがまだ全てを救えてはおらぬ、と悔しそうに歯噛みする。

「されど諦めてはなりませぬ」
ギーラン卿を励ますドッザ将軍。
「蒔いた種はいずれ実ります 救えます」

「ギーラン様の義は必ず届きます 私もどこまでもお支え申し上げます」

その言葉に感じ入るギーラン卿。
「……ありがとう 我は幸せ者だ…」

そしてギーラン卿は頼みがある、とドッザに馬を走らせる。

それは今朝、領下の行商から聞いた噂を調べてに行って欲しいという依頼だった。

(「彼らの力が本当なら民の飢えを何とかできる……農園の今後にも役立てるかも――」)

 

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謀略

両腕を胴で縛られ、跪くギーラン卿を、槍の穂先を向けた兵士たちが囲んでいる。

謀反の疑いにより、一族もろとも野良落ちの罪を言い渡されるギーラン卿。

ギーラン卿には全く心当たりがなかった。
どういうことだ、と沙汰を言い渡した鬼に向かって問いかける。

「妖し気な血の者を使い王政の転覆を企てた大罪の――」

その説明により、ギーラン卿の脳裏にある人物が思い浮かぶ。
(まさか…君が)
「謀ったな…! ドッザ!!」

ドッザ将軍はあっさりと自分が進言したと告白する。
豊かで結束の強いギーラン領が裏切っては大変だ、と抜け抜けと宣うドッザ将軍。
おのれ、と怒りを見せるギーラン卿の前に進んで、その目の前でしゃがむ。

 

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そしてドッザ将軍は、身分ではなく働きで自分のことを評価してもらえて感謝している、と前置きしてニヤリと笑う。
「本当に領主が善人(バカ)で良かったよ」

牢に入れられたギーラン卿。

自分や一族の無実、潔白を主張し、イヴェルク公を呼ぶようにと叫ぶ。

「知っているよ」

イヴェルク公からの思わぬ返答に、呆気にとられるギーラン卿。

イヴェルク公はギーラン卿が謀反などとは無関係で、それどころかギーラン卿ほどの忠臣はいないとまで言ってのける。
そして全てはドッザ将軍による嘘、出任せであることも解っていると続ける。

 

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では何故、と当然の疑問をぶつけようとするギーラン卿に、イヴェルク公はピシャリと答える。
「邪魔なのだ 君のその”義”が”正しさ”が」

「君の忠義には感謝する だが邪魔なのだ」

(「何が問題だ 増えすぎた民が死ねば与える人肉も足りよう」)
それが陛下の御心だ、とイヴェルク公。

呆然とするギーラン卿。

「腐っているのだよ」
イヴェルク公は女王陛下のみならず皆が腐っており、そんな中、ギーラン卿の際立つ清らかさは目障りだったこと、そしてそんな腐敗した面々の中にはドッザ将軍のような濁った人物が丁度よかったと説明する。

かくしてギーラン卿失脚の後、ドッザ将軍がドッザ卿となり、五摂家に加わったのだった。

 

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復讐

プポ卿の脳を食い、咆哮するギーランに向かっていくノウム卿とバイヨン卿。

一族ごと野良落ちすることになったギーラン卿は既に家族を失っていた。
かけがえのない家臣も失い、五摂家を放逐されて以来、野良としての雌伏を強いられ700年。
その怨みは骨髄にまで達していた。
(こんなものではない我の我らの700年)

ギーランはあっという間にノウム卿とバイヨン卿の首を刈り取っていた。

「バイヨンの倅とノウムの末娘か 恨むなら己が父母らを恨むがよい」
そう言いながら、ギーランはバイヨン卿とノウム卿の脳を咀嚼する。

その様子を見ていたドッザ卿は、不敵に笑う。
「あのヒョロ甘”ギーラン様”がやるじゃねえの」
上に羽織っていた服を脱ぐ。

その下には鎧を着こんでいた。

両手に槍を持ち、ドッザ卿はギーランに向かって駆けていく。

 

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ドッザ卿は、バイヨン卿とノウム卿を一瞬で倒したその力から、ギーランの実力が、この700年の間美味い人肉しか口にしてこなかった現五摂家とは全く違うと直感していた。

しかし自分は五摂家の地位に胡坐をかくことなく、この700年弛まず武人として力を高めてきたのに加えて、油断も傲りもない、とギーランに挑みかかる。
(全力で葬る)
「いざ!!」

しかしギーランの元に届く前に、一瞬でその兵に首を飛ばされるドッザ卿。

床に落ちた首。家臣は素早くその目にナイフを突き立てる。
「頭が高ェよ」

「てめぇ まず『ごめんなさい』だろ」
吐き捨てるギーラン兵。

バーバラとシスロが天井からその様子を確認していた。

あと二匹、と彼らから報告を受け、ノーマンが指示を始める。
「よし 動け」

 

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第147話 積怨の振り返り感想

ギーランの驚異の恨みの力とそれを操るノーマン

ギーラン家強すぎだろ。

まさかプポ卿に続き、ノウム、バイヨン、そしてドッザまで斃すとは……。

しかし700年の恨みだもんな……。

ギーランやその一派たちは、この一瞬でそれを思う存分爆発させている。

しかしそれがまさかあっという間に五摂家の内、四体を葬るとは思わなかった。
前回のプポ卿は完全な不意打ちだったけど、今回のバイヨンとノウム、ドッザは敵意をもってギーランに挑んだ。
しかし呆気なくギーランの力の前にやられた。

ギーランたちってこんなに強かったんだな。

 

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そしてここまで見事に、思惑通りにギーランを操ったノーマンがすごい。

作戦開始から一日と経たず、五摂家を既に四人斃した。

しかしそれは同盟を結んだギーランによる働きであり、今のところ食用児側に被害はない。
ノーマンの軍師ぶりが半端じゃないな。

女王とイヴェルクの実力次第だけど、このままいくと、本当にノーマンが狙っていた無血での勝利が叶うかもしれない。

もちろんギーランが女王とイヴェルクを斃したあと、ノーマンにもその牙を剥く可能性は高い。

だがノーマン陣営にはそれも考慮して、既に対策が講じられているはずだ。

ここからの展開は、さらに目まぐるしくなっていくのかもしれない。

益々、目が離せない。

 

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ギーランの野良落ちの過程

ギーラン卿が五摂家を追われた過程がひどすぎる。

要するに空気が読めない奴扱いされ、排除されたということね。

ギーランが提案した、自分たちの分の肉を飢えた民衆に提供するという案は、鬼の社会全体を考えているからこそのものだ。

王や五摂家を支える立場でもある民衆が野良落ち、そして共食いするようになってしまったら、社会は根元から崩れ落ちていく。

ギーランが言っていたことは単に善人の主張というだけではなく、きちんと鬼の社会の為の合理性が含まれている。

 

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しかしギーラン以外の五摂家、そして女王は民衆の身の優先度は限りなく低かったということか。

なまじギーランの主張に正当性と合理性があったため、その主張に対して危機感を感じたギーラン以外の面々が結果的に結託する形になった?

どうやらギーランは身分など関係なくその働きぶりで人材の登用をしていたようだ。
しかしそれが仇になった形になる。
ギーランに取り立ててもらい、大恩があるはずのドッザによる裏切りから、ギーラン家の貴族からの放逐が始まったといえる。
ギーランを他の五摂家の面々(バイヨン以外?)や女王はこの機会に疎ましかったギーランを排除する方向でまとまった。

イヴェルク卿が言っていた通り、鬼社会の上層部は腐っているということ。
そして、当然のように自浄作用が働くことなどなく、腐敗ぶりはそのままに700年が経過したと。

 

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エマたちはまだか

あとはイヴェルクと女王レグラヴァリマのみ。

ギーランが彼らを食って復讐を遂げるところを見てみたい気もするが、そうなるといよいよ鬼社会の統率がとれなくなって鬼は絶滅に大きく舵を切ることになる。

これはノーマンの思惑通りで、食用児にとっては本来は朗報なんだけど、ソンジュやムジカを知り、鬼に限らず種族の絶滅という事態を怖れるエマはそれを何とか止めたいわけだ。

しかし、700年前のギーランのような鬼の中でも賢人、人格者と呼べる鬼でも、食べるものは結局のところ人肉なんだよなぁ。

食用児にとっては敵でしかない以上、このままでは鬼と人間は生存競争を続けるよりほかない。

エマは首領との”約束”を結び、食用児の人間の世界への脱出の道筋をつけたらしい。

しかしそれだと鬼は食べる人肉がなくなり、絶滅する。

 

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それを防ぐ為に、エマが考えていることは一体何だろう?
ムジカの邪血の力を使って人肉を食べなくても形質を保てるようにする?
でもそれで多くの鬼を救うことなんて無理だし……。

落としどころが想像できない。

いよいよこの戦いにノーマンたちが積極的に関わっていくようだ。

ターゲットはレグラヴァリマとイヴェルクの残り2体。

エマとレイが一向に現れないけど、大丈夫なのか。

このままではノーマンを止める前に、女王と五摂家の殺害という目的が成就してしまう。

果たしてどうなるのか。

前回第147話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

 

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第148話 今行くよ

ノーマン

プポ卿の脳を食したことにより、ギーランの姿は以前に近い状態に戻っていた。

そして、ギーランの部下もまた、首をはね飛ばしたバイヨン卿、ノウム卿、ドッザ卿の脳を食べ始めている。

女王レグラヴァリマは一切取り乱さず、玉座に座っている。

そんな女王を守るように立ったのはイヴェルク公だった。
「陛下 お下がりを」

天井裏では、シスロとバーバラが女王とギーランとの戦いの推移を見守っていた。
ノーマンに、残り二匹のみと報告する。

ヴィンセントはノーマンの計画の何もかもが今のところ想定していた通りに進んでいることにいたく興奮していた。

ノーマンがシスロ達に、動け、と命令する。
「だがまだ手は出すな」

ノーマンは、この作戦が始まる以前に、鬼の王族は他とは別格であることを四人の側近たちに話していた。

王は強いので、良い肉を獲得できる。
さらにそれを食べることで強くなっていき、知能も高くなる。
王はそうやって代々、鬼の社会に君臨してきたのだった。

「よい」
女王はイヴェルク公を制し、玉座から立ち上がってギーランと相対する。

女王レグラヴァリマとギーラン軍が潰し合った後に、生き残った方を人間が殺す。
それがノーマンの狙いだった。

 

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城下町での再会

王都襲撃の少し前。

儀祭を祝う祭りで沸いている王都城下町を、二匹の鬼が駆けていく。

鬼は家と家の隙間に隠れる。

その鬼の正体は、王都に潜入していたエマとレイだった。

エマは途中別れたオリバー達の安否を憂う。

レイは、信じるしかない、と言って、ノーマンが城にいると続ける。

エマとレイは、ノーマンが鬼の王をはじめ、五摂家やその家族を皆殺しにしてしまう前にノーマンを説得し、全ての攻撃を止めさせようとしていた。

その時、近くで爆発が起こる。

エマとレイは、瓦礫だらけになった街を見つめていた。
被害を受けた子供の鬼が泣き叫んでいる。

レイはノーマンの攻撃が始まったと理解していた。

「エマ? レイ!?」

突然、エマたちに声がかかる。

 

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振り向くと、そこは鬼の変装をしたドンとギルダがいた。

互いの無事を喜びあう一同。

エマはハヤトも一緒であることに気付く。

そしてギルダはエマたちにアイシェを紹介した後、それから、とだけ言って後ろを見るように促す。

ギルダの背後に立っていたのは、ソンジュとムジカだった。

喜びを露わにするレイに対して、エマは口元をへの字にして今にも泣きそうな表情でムジカ達を見つめていた。
ムジカもまた、エマに同調するように同じような表情で見返す。

エマとムジカはぎゅっと抱きしめ合う。

「大丈夫 ありがとう 私達鬼のために」

 

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エマは、ノーマンがソンジュとムジカも一緒に、鬼という種族を絶滅させようとしていることを思い出していた。
そしてさらにムジカを強く抱きしめる。
「無事でよかった…!」

「エマもよ」
ほほ笑むムジカ。

「絶対ノーマンを止めるから」
エマはムジカの手をとり、力強く宣言する。

ドンは、エマとレイが王都にいるということは”できた”んだよな? と問いかける。

「うん! 結べた! 約束 〇〇と!」

歓声を上げるドンとギルダ。

エマから履行までは保留にしてあると聞き、ギルダは予定通りだと笑う。

「………」
ソンジュは、その光景を黙って見つめていた。

ドンは、当初馬で送ると言っていたオリバーたちの姿がここにないことから、全員アジトへ帰ったのかとエマに問いかける。

 

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迫る危機

2日前の朝、オリバーたちの馬に乗って王都への道を急いでいたエマたちは、途中、鬼の兵の行軍を発見していた。

レイは鬼の兵が目指す方角が王都とは逆方向であることから、食用児のアジトを探しているのではないかと気付く。

エマはオリバー達に、アジトに戻るよう指示するのだった。

ここからは徒歩で良いというレイに、ナイジェルは鬼の兵がいる以上、王都への道も迂回が必要ではないかと問いかける。

しかしエマは、ここまで連れてきたもらえたから大丈夫、とほほ笑む。

必ず間に合ってノーマンを止めてくる、とレイも続く。

 

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もはやオリバ―達から二人を説得する言葉はなかった。

レイは今近くにいる王の兵はノーマンが王都から追い払った兵のその一部だと推測していた。

ノーマンの策も読まれているのか、と心配するザックに、わからないと返すレイ。

しかしレイは、もし何倍もの兵にアジトを見つけられたなら、以前ラートリー家から受けた襲撃など比べ物にならないほどの被害を受けるだろうと続ける。

その言葉に、エマの脳裏にアジトに残して来た子供たちの顔が思い浮かぶ。

「大丈夫だ こっちは任せろ」
そして、オリバーはエマとレイに王都へ行くよう促すのだった。

 

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説明を受けたドンとギルダは驚いていた。

エマは自分たちが王都に着いたのはつい先ほどで、ノーマンの説得を急がなければならないと焦る一方、レイは丁度ドンたちに会えたのでよかったと続く。

そしてレイは、もう一つヤバイことがある、と前置きして一枚のメモをギルダたちに見せる。
それはノーマンが作らせた、ある”毒”のレシピだった。

レイはノーマンたちがこの”毒”を王都城下の民衆にも使うつもりであり、そしてその前に、まずは王都の鬼から絶滅させるつもりだろうと考えていた。

レイはすでに仕掛けは終わっているという前提で、自分たちが王都城から戻る前に、被害を抑えて欲しいとドンたちに頼むのだった。
「特にムジカとソンジュがいればこそ一層それが可能になる――恐らくな」

エマは、みんなの命が優先、少しでも危なかったら逃げるようにとドンたちに指示する。

 

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ソンジュはエマに王都城下の兵から獲った発信器を渡す。
「城に入って助けが必要だったらそれで呼べ すぐ駆けつける」

ドンから、発信器を押すと音が鳴って現在地が判ると説明を受け、レイは、何かあればモールスで知らせると返す。

城下は任せて、とほほ笑むムジカ。。

でもお前らがヤベェ時はすぐに言え、とソンジュが続く。

エマとレイは礼を言うと、王都の城へ向かう。

「あっエマ それからもう一つ」
ギルダがエマを呼び止める。

エマとレイはノーマンの説得のために、城に向かって走っていた。
(今行くよ ノーマン!!)

 

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第148話 今行くよの感想

今のところ順調

ひとまずここまでは、ノーマンの立てた作戦は上手く推移しているようだ。
それどころか何もかも事前の想定通りということは、ノーマンの能力の高さを改めて感じる。

王とギーラン軍の生き残りとの戦いも、おそらくノーマンの読みでは決着がついても、生き残った方はかなり消耗しているという計算なのだろう。

ノーマン側には4人の側近の力と、アダム兵、そして他に何か切り札があるっぽい。

だから王都に直接乗り込んで生き残りと戦うというのは、無茶な作戦というわけでもはなさそう。

切り札の正体はまだわからないが、ノーマンやその側近であるヴィンセントが自信を見せている以上、よほど期待できるものなのだろう。

とりあえず銃器やミサイルは調達できないし、ましてや作ることはできない。
よって、そういった類の兵器ではないことは予想がつく。

それが一体なんなのか。答えに期待したい。

 

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女王VSギーラン

女王とギーランの戦いは、女王の力が未知数なだけにまだわからないが、どうも野良鬼状態から脱して、以前の姿に戻ったように見える状態のギーランなら、結構良い勝負になりそうな気がする。
それに、ギーランの部下が他の五摂家の脳を食ったから、やはりその姿が変化するのではないか。

でもイヴェルク公の力も他の五摂家より強そうな感じだし、良い勝負になるのかな?

レウウィス大公の強さと同じように、いや、女王の力となると、それ以上に飛び抜けていて、あっという間にギーランたちがやられる可能性もある。

五摂家の内四体が一瞬でやられるとか予想外だったし、何が起こってもおかしくない。

次回で女王の力が見られるのか?

 

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エマはノーマンを説得できるのか

エマとレイは王都に潜入していた。

さらに、ドンたちもまた同じく王都に入っていた。

しかし結果として、エマがノーマンを説得する前に事態は既に五摂家の内四体の死、そして五摂家の家族全ての抹殺が完了しているという、取り返しのつかない方向に動いている。

果たしてここからノーマンが説得できるのか?

全然上手くいかず、ほぼ失敗状態の作戦なら止められるかもしれない。

でも想定通りに推移している作戦を、ノーマンが途中で止められるとは思えない。

戦いが始まる前ならまだノーマンが説得に応じる望みはわずかにあったかもしれない。
でも、もはやこの戦いは片方の陣営がもう一方を潰すまで止まらないのではないか?

毒で民衆を大量殺戮するなんて話も出てきたし、いよいよノーマンが鬼の絶滅と言う目的達成の為に手段を選んでいないことがわかってきた。

それだけ鬼の絶滅は為さなければならないことだと考えているのだろう。

確かに王や五摂家以外、平民として生きている鬼もまた、食用児を食べている。

食用児からすれば憎き天敵であり、絶滅したいと思うのはある意味当然だ。

しかし鬼は、ただ生きているだけ……。人間と同じなんだよなぁ。

果たしてエマはノーマンを止められるのか。

以上、約束のネバーランド第148話のネタバレを含む感想と考察でした。

第149話の詳細はこちらです。

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