九龍ジェネリックロマンス第20話ネタバレを含む感想と考察。

九龍ジェネリックロマンス

九龍ジェネリックロマンス 第20話

前話第19話

九龍ジェネリックロマンス 第20話 感想

小黒ちゃんの発言

鯨井さんに案内された物件での、小黒ちゃんの「あの時だってそう思ってた」発言からの一連の流れが心に引っかかった。

すぐに鯨井さんから「あの時」とは何のことかと訊ねられたのに対し、「そんなこと言ったか?」と小黒ちゃんが聞き返すのだが、その際の小黒ちゃんの様子が、あまりにも自然だった。何かをとっさに誤魔化そうとした感じは全く受けない。
もし誤魔化そうとしたなら、少しは慌ててもいいはずだ。しかし小黒ちゃんはあくまで、ごく自然な態度で鯨井さんに「そんなこと言ったか?」と聞き返している。
その様子から、小黒ちゃんの発言は、まるで無意識に口から出たものであるかのような印象を受けた。
思考を通さず、細胞が自動的に反応した感じとでもいうのかな……。
もしその方向性で考えるとしたら、「あの時」とはつまり”小黒A”の記憶ということになる。

この鯨井さんと小黒ちゃんの会話は何らかの意味がありそうだな……。覚えておいたら良いかもしれない。
偶然こんなやりとりになることは考えづらいので、何かしら原因はあるはずだ。

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これは、もし仮に小黒ちゃんも現在の鯨井さんと同じ、つまり”鯨井B”的な存在だったとしたら、鯨井さんにも記憶の残滓のようなものが以前の自分から引き継がれている可能性が出てきたということではないか?
つまり鯨井さんも小黒ちゃんと同様に、ふとした時に”鯨井A”の記憶の残滓が何らかの形をとって表出する可能性がある?

それが小黒ちゃんや楊明相手に出るならまだ良い。もし工藤さんを前にして”鯨井A”らしい発言が出たらどうなるのだろう……。
多分、”鯨井A”ではなく”現在の自分”を見てもらいたい鯨井さんにとっては、決して良いことではないように思う。
そして工藤さんにとっても”鯨井A”を感じられるのは一瞬だけなので、無駄に切なくなるだけじゃないかな。それは現在の鯨井さんのことをきちんと見る機会を無駄に失うことになる?
逆に、現在の鯨井と”鯨井A”の間に、かつて自分と恋人同士だった頃の記憶の連続性がわずかでもあることを知ったなら、一気に”鯨井B”に心が傾くかもしれない。

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さらに言うなら、小黒ちゃんが九龍に住むことに拘っているのも関連してるのかもしれない。記憶というよりは小黒ちゃんに染みついた考え方……いや、欲望とした方がもっと本質的か。

小黒ちゃんから「あの時」発言を引き出したのは、九龍を出る気はないのかという鯨井さんの質問だった。

小黒ちゃんはその質問に対して「九龍から出たくない、あの時だってそう思ってた」と答えるわけだ。

その返答を行っている時の小黒ちゃんの表情はシルエットになっており、一体どのような表情で言っているのかわからないのが想像に拍車をかける。

ひょっとしたら九龍という土地は鯨井さんや小黒ちゃんにとって、切実に大切な場所なのかもしれない。
それも、ただ単に懐かしいからとか気に入っているからとかそういう気持ちの話ではなく、その土地から離れたら生きていくのが困難になるレベルで。
だからこそ小黒ちゃんは自動的ともいえる反応で「九龍から出たくない」と答えたのかもしれない。もしそうなら、鯨井さんも九龍から出ることを提案された時に小黒ちゃんと同様の反応が起こり得る、と。

何か妄想広げ過ぎたな(笑)。

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ひまわり

楊明さんとの飲み会で鯨井さんは、”鯨井A”との思い出がある工藤さんと、工藤さんとの思い出がない自分のギャップに気付いた。

さらに蛇沼社長にカウンセリングで「歴史のないシワを持つ」と言われたが、その後に「そもそも初めから存在しないのかもしれない」と言われたことが脳裏に蘇る。

まだ釈然としないものはあるが、自分の現状をきちんと受け止めて、前向きに生きようとしている感じは伝わってくる。

鯨井さんが工藤さんに送る花としてひまわりを選んだのは偶然だろう。
しかし、その日の楊明さんとの飲み会で、ひまわりの花言葉を知らされ、赤面する鯨井さんがたまらん。

次号は来週かな。楽しみ。

以上、九龍ジェネリックロマンス第20話のネタバレを含む感想と考察でした。

第21に続きます。

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