九龍ジェネリックロマンス 第28話
前話第27話
九龍ジェネリックロマンス 第28話 感想
楊明さん良いキャラだな。もう何度そう書いたかわからん(笑)。
もし彼女がいなかったら、鯨井さんはどうなっていただろう。
以前ドン底だった時に話を聞いて励ましてくれたし、今回も、鯨井さんが自分の気持ちを話すことで確認できた。
いくら自分の力で立ち直ったとはいえ、こうして正気を保ったまま、自分が鯨井Bのクローンかもしれないと考えられただろうか。
ろくに記憶がない鯨井さんには、他にこういう話が出来る人はいないだろうし、本当に親友と呼べるような人に出会えて良かったと思う。
大人になってから親友と呼ぶにふさわしい関係性を新たに結ぶことは中々難しいと言われる。実際に自分もそう思う。
だから楊明さんとの出会いを大切に育てている鯨井さんに素直に憧れた。
鯨井さんは、自分が本当の鯨井令子かどうかというアイデンティティの危機を乗り越えた。
それも、自分が本物だと確信できたわけではない。
鯨井令子の偽物であることを示す状況証拠がいくつもある中で、平静を保てるようになっているのは、間違いなく彼女の成長を示している。
ここまで来るのにかなり苦しんだけど、それだけに今回鯨井さんが楊明さんに宣言した『絶対の自分になる』という気持ちは強固なものに感じる。
変わったのは鯨井さんだけではない。
楊明さんも自分が全身整形であることを告白して、たとえ偽物であろうとも本物と同様の価値があると感じる人間もいるのだと鯨井さんの決意を強く肯定してくれた。
模造ダイヤがあることは知っていたけど、恥ずかしながらジルコニアという名称なのは知らなかった。
宝飾の知識がロクにない自分が見れば、きっとダイヤモンドもジルコニアも見分けなどつかないだろう。
ジルコニアの価値はダイヤありきだと言うけど、楊明さんの堂々たる態度を見ると、そんなことどうでもいいと思えてくる。
自身をダイヤの模造品であるジルコニアに何の悲壮感もなくなぞらえてみせる楊明さんの潔さ最高。
鯨井さんに自分の深い部分を見せた楊明さんもまた、鯨井さんを親友として認めているのだと感じた。
今後もこの仲良しコンビのやりとりが楽しみ。
以上、九龍ジェネリックロマンス第28話のネタバレを含む感想と考察でした。
第29話に続きます。
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