第93話 企画
目次
第92話のおさらい
自分はやりたいことがなくフラフラしているのに、響は高校生ながら自分の好きなことで稼いでおり将来に希望しかないから気に入らない。
柴田から、自分につっかかってくる理由を聞き出した響は、やりたいことがないなら試しに色々やってみるしかないと柴田に小説の執筆を勧めるのだった
無言で立ち去る柴田を見送り、涼太郎は柴田は絶対に書いてこないと決めつける。
「自力で何かするってことがどうしてもできない人もいる。」
響はそれでも別にいい、と答える。
「やってもやらなくても柴田の人生だし。」
バイト中に柴田に向けて小説の執筆状況を尋ねる響。
書くわけがない、紙屑は速攻捨てた、という柴田の返答を聞いた響は、バイトを上がる際に柴田に向けて原稿用紙の束を用意する。。
その原稿用紙の上には”とりあえず一行書いてみる”というメッセージが響の似顔絵付きで残されている。
それを見て、ちっ、と舌打ちする柴田。
別の日の夜。
やはり響から小説の執筆状況を問われた柴田は、なんで俺に突っかかってくんだ、と問い返す。
そんな柴田に、突っかかってんのはあなたで、自分はバイトを楽しくやりたいだけと返す響。
そして響はバイトを残り3週間で辞める予定なので、小説を読んで欲しければそれまでに書いてきて、と期限を区切る。
柴田はアパートの自分の部屋で、原稿用紙を前にしてスマホでamazonの『お伽の庭』のレビューページを読んでいた。
2525件ある評価の内☆5がほとんどなのを見て、柴田は”響に小説を読んでもらいたい人が何万といる”ことに気付く。
その後も響のネット記事を読む柴田。
そうしているうちに、柴田の気持ちが徐々に変化していくのだった。
(……今、小説を書いたら、人生が変わるかもしれない。)
(もしかしたら、俺にも、何か、才能が……)
響が厨房で店長から直々にチャーハンの作り方を教わっている。
下手だと言われ続けながらもなんとかチャーハンを仕上げる響。
できたチャーハンを食べた店長は、客には出せない、とどこまでも辛辣な評価をするのだった
しかし響には一切ダメージはなかった。
「店長は料理にプライド持ってるのね。」
店長の顔を見て問いかける響。
「中華屋やってて幸せ?」
店長は響の表情から何かを察し、柴田について響に問いかける。
店長は、柴田が自分の後輩であり、高校を出て以来フラフラしていたから自分の店で雇って以来、今も仕方なく働いているのだと柴田に関して話し始める。
資格とる、資金を貯めて独立するなど助言してるにも関わらず何をやっても続かないと店長は柴田のことを評価していた。
「才能うんぬん以前に、一つのことを最後までやりきることができない。そういう人間もいる。」
小説の執筆に挫折した柴田は、パチンコを打っていた。
負けた怒りに任せて椅子を蹴り、店を出るとちょうど響と出くわす。
響は、自分から逃げるように立ち去っていく柴田の腕を掴む。
「同僚と外でバッタリ会ったのよ。コソコソせずに挨拶の一つもしなさいよ。」
響は柴田が小説を書こうとして、しかし書けずに投げ出したことを見破っていた。
できの悪い弟を持ったみたい、とまで響に言われた柴田は、響に掴まれていた腕を振りほどこうと強引に腕を振り回す。
すると響の体は車道に投げ出され、そこにタイミング悪くやってきた軽トラックに跳ね飛ばされて地面に叩きつけられてしまう。
柴田はフラフラと立ち上がろうとする響を呆然と見つめていた。
しかしすぐに響の元に駆け寄り、彼女が立ち上がろうとするのを助けようとする。
響は至近距離に来た柴田の両頬を両手で勢いよく叩くと、柴田を真っ直ぐ見つめながら叫ぶ。
「いちいちオロオロしない! 今言ってるのはあなたが小説を書ききるかどうか!」
「一度決めたことをやり遂げるか! それとも一生私を見る度コソコソ逃げるか! 今決める!」
柴田その剣幕にただただ、呆然としていた。
柴田の目は響の震える足を捉える。
「……書く。」
ぽつりと呟く柴田。
それを聞いた響は、絶対よ! と念を押す。
翌日、響は松葉杖をつきながらも来々軒に出勤していた。
働くなら使うけど、特別扱いはしない、という店長。
そして、車にケンカでも売ったのかと問いかける。
柴田にやられた、という響の答えに、店長の顔が怒りに染まる。
「……クズが。」
柴田は事故だと必死に説明しようとしていた。
しかし店長は問答無用で柴田を殴りつける。
店長のあまりに激しい暴れっぷりに、店壊れるわよ、と響が冷静にツッコむ。
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第93話 企画
日々持ち込まれる企画
花井の元に、ひっきりなしにやってくる響への仕事の依頼。
依頼される内容は『お伽の庭』の実写化の話はもちろん、響自身の半生を描いた映画の制作許可や、響の写真を使った広告、果てはファッション誌のモデルにゲームの題材など、多岐にわたる。
花井は持ち込まれた企画に対して、一度響にその話を伝えた上で本人が遠慮したいと言っていたと企画を持ってきた人に伝えて、高校を卒業するまではとその全てを断わっていたのだった。
花井は響に電話で、今週持ち込まれた企画の内容を伝えていた。
全部断って、と答えた響に、慣れた様子で了解、と返す花井。
バイトを辞めるのかと訊ねる花井に、響はもうクビになると答える。
「とにかくバイトが終わったら勉強に集中すること。この一年は小説のことは…………考えても考えなくてもいいから。」
そして、来た仕事に関しては伝えるが、一緒に仕事をするのは来年から、と言って花井は響との電話を終える。
重版
カレー屋で、花井は西ヶ谷コウとテーブルを挟んで会話していた。
良い話と悪い話があります、と切り出した花井に、響にでも会わせてくれるのか、と西ヶ谷。
花井は響にはミーハーなところがあるから西ヶ谷とは会いたがるだろうが、高校三年生と大事な時期で学校生活に集中させたいのでそれは出来ない、と答える。
そっスか、と残念そうな西ヶ谷はパフェの追加をお願いしつつ、それで良い話って? と花井に話の先を促す。
「ニシさんの新刊『プリンセスタイム』2千部の重版が決まりました。」
その言葉に、思わず呆然とする西ヶ谷。
花井は営業からそう報告があったこと、そして新刊に関して書店からの反響が良かったと西ヶ谷に伝える。
「…マジか。」
西ヶ谷はきょとんとした様子で呟いたあと、噛み締めるように喜ぶ。
「やべー 嬉しい…」
一冊1500円の単行本の10%×2千(冊))の30万が印税、と即座に計算する西ヶ谷。
「何もせずに30万とかやばいスね。」
花井は、今、文芸の注目度が上がっており、出版界全体を見れば落ちているものの、『木蓮』の部数自体は上がっていると説明する。
そして、読者に目にとめてもらいさえすれば西ヶ谷の小説はもっと売れるべき作品だと続ける。
そして間を置かず、表情を若干引き締めて花井は”悪い話”を伝える。
それは、今書いている新作に関して『木蓮』の空きがなく、書き下ろしの単行本になってしまうというものだった。
西ヶ谷は特に動じた様子も無く、文句言える立場じゃないし、と受け入れる。
「バイトしてるから食うには困らないス。」
連載なら印税のほかに原稿料が出せるし、定期的に連載があればバイトも辞められるんだけど、と花井は西ヶ谷を気遣う。
しかし西ヶ谷は、いっスよ、重版の30万もあるし、とさっぱりしている。
「重版かーすげーな。本当にあるんだな…」
そう呟きしみじみと噛み締めた後、西ヶ谷の目に涙が浮かんでいく。
ニシさん!? と花井が立ち上がる。
「いや、なんか、本当に読んでる人いたんだなって思ったら……」
いるわよそりゃ、と花井。
「今までの本も全然売れてないし、全部捨ててるかもって思ってたから…」
流れる涙を拭おうともせず、西ヶ谷は花井に自身が抱えていた不安を吐露するのだった。
花井は、これからもっと重版重ねましょう、と明るく振舞う。
店を出て、次の打ち合わせの約束をする二人。
花井は連載枠の件を、次は確保できるよう頑張るからと西ヶ谷に宣言する。
マジいースよ、と西ヶ谷。
「今のバイト、人間関係皆無で居心地いーんで。重版の30万もあるし。」
花井はその言葉に、ただ黙ることしかできない。
次も重版めざします、と西ヶ谷は花井に背を向ける。
「あ あと気が向いたら響と会う件も。」
歩き去っていく西ヶ谷を見送る花井。
「よし。」
西ヶ谷に背を向けて歩き出す。
花井の企画
小論社編集部に帰社した花井。
坪井が作家と電話をしている。
その内容は、さきほど花井が西ヶ谷に伝えた”悪い話”と同様、誌面に余裕がなくて連載ではなく書き下ろしになるということだった。
坪井は電話先の作家狩野に、去年から新人賞にネットで受け付けるようにした結果、応募総数が一気に増えて、その際デビューした人達にページを空けていると理由を説明したあと、次の打ち合わせは焼肉に行こう、と明るく電話を締める。
自分の席に座りながら、花井はその電話を最後までじっと聞いていた。
坪井は帰社した花井に向かって、西ヶ谷に重版を伝えて喜んでいたかと問いかける。
はい泣く程、と花井。
「響以降文芸ブームが来てるからな。2年前は純文で重版なんて夢物語だったのに。まして雑誌の売り上げがあがるなんて夢ですらなかった。」
あとは定期収入があれば、狩野もバイトを辞められるんだけど、と坪井。
ぼやいている坪井に、花井は次の会議で出そうとしている企画書を差し出す。
企画書 花井ふみ
インターネット文芸誌
「WEB木蓮」(仮)
花井は文芸のブームが来ているが受け皿が足りないので、その裾野を広げられないかと思って、と企画のコンセプトを簡潔に説明する。
「……つまりこれは今の『木蓮』をネットで配信するんじゃなくて、全く新しい作品を配信するウェブ雑誌か!」
花井は、お金はとれないのとおそらく広告もつかないので赤字にはなるが、その分を単行本でまかなうことでサービスを回し、作家に定期収入を出せる場所を作れたら、と坪井にサービスの展望を話す。
「面白い……文芸でウェブ雑誌をやってるトコはないけど……」
坪井は漫画では今はどこでもやってるが、純文読者がどれだけネットで小説を読むかと懸念点を挙げる。
今は若い読者も増えてる、と花井。
しかし坪井は編集長は反対するだろう、と悲観する。
「へらへらしてできたらいいねーって流されんだろ。」
「会議までに営業と数字の話を詰めておきます。あのおっさんも採算さえとれれば…」
そう話す花井の背後にいつの間にか編集長が立っていた。
「花井、ちょっとタバコに付き合え。」
花井は坪井と目を合わせて一つ頷くと、編集長のあとに続く。
(今の話を聞かれたとかじゃないわよね。)
道中、花井の脳裏に不安がよぎる。
(とりあえずろくな話じゃなさそう。クビにでもされそうな雰囲気なんだけど。)
喫煙室に入っていく編集長。
花井も編集長に続く。
喫煙室には文芸編集局局長や、営業部の局長、そして社長が待ち構えていた。
花井にチャンスが廻ってきた
「花井さん。」
予想外の面子に驚いている花井に、社長が切り出す。
「最近文芸の方、調子が良い様で。」
社長は、文芸の業界全体が活気づくのは出版に携わって30年の間で初めてだと神妙な表情で言葉を続ける。
「……ありがとうございます。」
花井はきょとんとした表情で、内心、これは褒められているのかと思いながら話を聞いていた。
出版不況において、売り上げなどの数字以上に異常事態だと言える、と社長。
「……そうですね。」
花井は社長が自分を褒めようとしているのか怒ろうとしているのかいまだに話の方向がつかめずにいた。
「ただ、今のままだと一過性のブームとして終わっていくのも間違いない。」
社長は小山編集長と現在の文芸ブームを定着させるにはどうしたらいいかと話していた。
昨年でブームが落ち着くかと思ったら、その勢いは今年も続いているので、この状況を前にのんびりしている場合ではないなと思ったと前置きする。
「! あの私一つ企画を考えていまして。」
話の流れに身を任せるのが不安になった花井が手を挙げる。
「花井さん!」
そんな花井の言葉を遮り、社長は本題に入る。
「これはあくまで雑談だが、君から了解が出れば確定事項になる。」
きょとんとした表情で、自分を指さす花井。
「4か月後に純文の新雑誌を作ろうと思う。編集長は花井に任せる。」
「ただし条件がひとつ、響の新連載を始めること。」
花井は重役たちを前に、ただただ唖然としていた。
編集長も社長たちと同様に、真面目な表情で花井を見つめている。
社長は花井に、今週いっぱいを期限として、それまでに響と話をつけて来るようにと命じるのだった。
響はバイトに夢中
来々軒。
響は相変わらず鉄鍋を一心不乱に振るっていた。
「手首を使おうとすんな! しっかり足はふんばれ!」
店長による熱心な指導が入るが、響はマイペースだった。
「…無茶言わないで。」
できたチャーハンを味見する店長。
「……60点だな。」
その点数は高いのか、という響の問いに、食えるレベルにはなってる、と店長が答える。
「じゃあお客さんに出してくるね。」
店長は、そんな響にバカ野郎と言い、100点以外のものは客に出せないからと全て捨てるように命じる。
大丈夫、出してみたら何とかなるわよと軽い考えを口にする響。
「文句言われたら店長作って。」
「アホか 出すなっつってんだろ!」
感想
カリスマの響に舞い込む小説以外の仕事
響はその動向がいまだに注目の的であるにもかかわらず、公式の場にはほとんど出て来ないことで響の露出に対する需要は一向に落ちないようだ。
だからこそ響を商売に利用したい人達は、響の肖像権を使用した広告や商品をいち早く送り出したいと思っているのだろう。
世に出るのが早ければ早いほど商品ならば売れるだろうし、広告ならばその効果は高い。
ファッション誌のモデル、ゲーム、小説の実写化、響のこれまでの半生を描く映画、響の元にはひっきりなしに仕事が舞い込んでいるが、花井はそれらを”高校3年生の大切な時期だから”とシャットアウトしている。
一応響に伝えてはいるものの、彼女はたとえ暇であってもそういった類の仕事は引き受けないことをこれまでの付き合いから分かっているのだと思う。
本来花井は響の担当編集者に過ぎず、マネージャーではないんだけど、今のところ、そしてこれからも花井と響の関係はこんな感じで続いてくのではないかと思う。
花井自身、響と関わることに大変な面はあるにしても、それを自分の人生において至上に近い位置に置いていると言っても過言ではないだろう。
芥川賞直木賞をW受賞した夜、会見場でカメラマンに暴力を振るい会社を辞めることを覚悟していた時も、響が成し遂げた偉業を間近で見届けて、それが世間に大きなインパクトを与えたのを理解していたので特に悔いはない様子だった。
花井は結局のところ、最も響の身近にいる響信者なんだと思う。
保護者でもあるけど、それはつまり響を信奉していることを示す一側面といえるのではないか。
しかし今回、響のことを何より優先している花井が、そうあろうとする自身の心の動きとの葛藤に苦しむことになるであろう驚きの話が出てきた。
新雑誌創刊に際し、かつてからなりたいと思っていた編集長になれるかもしれないわけだ。
花井は巡ってきたチャンスをものに出来るのか
木蓮の編集長は、文芸は盛り上がらなくともよく、存在すること自体が価値なのだと文芸の悲惨な現状を諦観し、追認するかのごとく割り切っていた。
なんとか文芸界を変えたいと思っていた花井からすれば、当然そんな彼の存在は気に入らない。
しかし今回、なんとその人物を通じて社長に呼び出され、新雑誌の編集長になれるかもしれないチャンスが転がり込んだ。
かつて花井は文芸の時代を作るという野心のため、自分が編集長になるという目標を坪井に語っていた。
今回思わぬ形でそれが実現に近付いたということになる。
響やリカが天才だから忘れてたけど、花井もまた若くして担当した作家がヒットを連発している超敏腕編集者なんだよなー。
でも、まさかこんなに早く編集長になるチャンスが来るとは思わなかった。
そもそも今回は前回の柴田と響の話の続きかと思っていたからびっくり。
まさか響の物語の世界では、純文学の新雑誌創刊を経営陣が真剣に検討するほど純文学が盛り上がっていたとは……。
それだけ『お伽の庭』『響』の力が文芸界の盛り上がりの起爆剤となっていたということだろう。
響の新人賞審査に関わり、今回再登場したニシこと西ヶ谷の新刊増刷もその影響の一つとして描かれたと思われる。
新雑誌の目玉として響の連載が必要というのはしょうがない。
響のこれまでの実績や、その作品の完成度があるからこそ、純文学の新雑誌であっても勝算があると経営陣が考えることができたのだろう。
さすがに経営陣はこれが今のままだと一過性のブームに終わることをきちんと危惧していた。
で、この盛り上がりを少しでも今後に繋げていくため、新雑誌を創刊することを考えたわけだ。
しかし花井が新雑誌の編集長となるための条件は高校3年生の響に連載を了承させるという厳しいものだった。
なにしろ花井は高校3年生という、世間的には人生の岐路に立っている時期にあると言ってよい響には、今は勉強に集中しろと伝えたばかりだ。
おそらく経営陣は花井が響にどういうスタンスで臨んでいるかなど本当のところは知らない。
ましてや彼らは売上をシビアに見据えなくてはならない。天才であり、響の勉強をする自由があることなどおかまいなしだ。
新雑誌の編集長になるため、高3の響が勉強に費やす時間、ひいては将来の選択肢の幅を奪ってまで連載を持たせるべきか否か。
響の理解者でありたいと考えている花井にはこれから期限の週末まで、葛藤の日々が待っていると言える。
花井の若さで編集長の座につくチャンスがそうそうないであろうことは、文芸の門外漢であっても容易に分かる。
もし自分が花井の立場なら、すぐに響に話をもっていき、まずはストレートに、何とか勉強と両立できないか頼んでみるだろうな……。
仮に、自分が編集長になったら響に色々便宜を図ると告げたとしても、響には全く響かないのは間違いない。
花井くらい響と一定の信頼関係がある間柄では、利よりは、まだ情に訴えかける方が響には有効かと思われる。
しかしここまで自分は”高校3年生の響には小説など書いている暇がない”という前提で考えてしまっていることに気付いた。
高3で勉強に忙しい時期だから、連載の両立は無理なのかな?
文芸部の活動として作品を執筆していた時は、割と余裕で期日に間に合わせて書けていたように見えたけど……。
物語としては、響が断るのを花井がどう書いてもらう方向にもっていくか知恵を絞る方が面白い。
実は、響が連載を簡単に了承するパターンもあってもおかしくないと思ってる……。
小説執筆は好きなんだし、書き上げる時は一気に書くみたいだから、響は時間を効率よく使えてるイメージがある。ムダがないというか。
花井は響に”高3だから勉強に励め”と伝える一方で”小説の事は考えても考えなくてもいい”と、いちおう小説執筆の選択肢は響の頭の中にきちんと保険として残してある。
果たして花井は響から連載の約束を取り付けて編集長になることができるのか。
以上、第93話のネタバレを含む感想と考察でした。
第94話に続きます。
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