第24話 犯罪者
目次
第23話のおさらい
大騒ぎ
六本木での戦いの翌日。
現場のレポーターは被害者が1000人を越えたとアナウンスしている。
ツイッターのトレンドはパピコ関連のワードばかり。
ネットでは既にパピコがAV女優であることが特定されていた。
各メディアでも、六本木災害をセンセーショナルに伝えている。
テレビではジャーナリストが六本木で暴れた二体に関しても同様のものあろうと解説を続ける。
パピコのスマホの着信履歴はマネージャーや監督、母などで埋まっていた。
零の教室もパピコの話題でもちきりだった。
中島から詰問を受けていると、零のスマホが鳴る。
それはパピコからの電話で、学校にまでかけてごめん、と恐縮するパピコに零は、困ったことがあったら言って、と真剣に答える。
不安な気持ちから”会いたい”と繰り返すパピコに、零は学校を早退して急いで帰宅し、パピコの元へ自転車を走らせるのだった。
「私……いっぱい、人…殺しちゃったかもしれない………」
零は不安がるパピコを慰める。
そんなパピコの不安を受け止めた零のおかげで、パピコはようやく安心して眠りにつくことができたのだった。
翌日、零は、また今日も来る、と言い残してパピコの部屋を出ていく。
テレビの画面を見ていたパピコは、訪問者を知らせるチャイムが鳴ったので零だと思い玄関のドアを開ける。
「ちほ・ヨハンソンさん?」
玄関にいたのは零ではなく、パピコに向けて警察手帳を見せるスーツ姿の男だった。
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第24話 犯罪者
パピコが味方と気づき始める生徒たち
零の教室は、パピコ逮捕のニュースによりさらに彼女に関する話題が過熱していた。
罪状は大量殺人、器物損壊による100億クラスの損害賠償だと生徒が話している。
警察の対応の早さに感心する一方、パピコが破壊神を倒したことを生徒は理解していた。
「どうみてもパピコいいヤツじゃない?」
零は自分の席でスマホの画面を凝視していた。
記事のタイトルは”ちほ・ヨハンソン容疑者を逮捕”。
スマホを持つ零の手が震えている。
パピコの出演した大きくなってみせるAVに関しては、生徒たちの間ではCGであると噂されていた。
突き放す中島
廊下を歩く零と中島。
中島は六本木に出た巨人が確かにパピコに似ていると零に話を振る。
零は暫く沈黙した後、パピコと付き合っていたことを告白する。
自分が”吉岡里帆”と言いながら妄想している時に、パピコとヤリまくりだったのか、と落ち込む中島。
「マジメに好きなんだ……結婚したいんだ…」
零は真剣に会話を続ける。
中島は、マジで言ってんの? と驚く。
自分が六本木で死にそうだったから助けに来てくれた、という零の言葉に、本当はパピコがデカくなれるということを信じてはいなかった中島はただただ戸惑っていた。
そんな中島に零は、パピコは見ないと信じないと思うが、本当に大きくなれると続ける。
「しょーがなくね? そりゃ逮捕されるじゃん。」
零を突き放す中島。
その時、スマホにパピコから電話が来る。
パピコは警察の取調室から電話していた。
それは、マネージャーよりも零に懐いているから”もち”を預かって欲しいという内容だった。
パピコの部屋に向かい、もちを抱き上げる零。
ETE特番
夜。
もちを連れ帰った零は、リビングで母にもちを預かることを反対されていた。
テレビをつけると、ちょうどETEの実態という特番が始まる。
それはETEと六本木災害の関連性を検証する内容だった。
母と食事をしながら零は画面をじっと見つめていた。
六本木災害の起こった日、15時21分に破壊神が東京の人口を100万人にするという投票結果がでて、その直後に実際に六本木に巨人が現れた、と女性キャスターはその日の出来事を時系列で説明していく。
六本木の街を破壊する破壊神を止めるように現れた女の巨人が巨人を倒した。
1000人を越える犠牲者は出たものの、ETEの投票結果と比較した場合、女の巨人の働きによってより大きな被害が食い止められたようにも見える。
ETEの掲示板では東京都民が100万人にならなかったことに不快感を示す書き込みで炎上していた。
そして女性キャスターは巨人とETEの因果関係は科学的には証明できないものの、無関係なのか、そして、逮捕されたパピコが女の巨人だったなら日本は彼女を犯罪者として扱うべきなのか、と視聴者に疑問を投げかける。
「むしろ東京を救ったヒーロー……といっても過言ではないのでしょうか!?」
零は画面をじっと見つめていた。
最新の投票結果
特番の最中、テレビ局の屋上からの中継が入る。
ETEで投票結果が決まったばかりだったことをリポーターが伝えている。
<東京上空に大量のUFO出現>
この結果が、今から実際に起るのか、とリポーター。
カメラが空を映す。
空に一つUFOらしき円盤が現れる。
そしてすぐに無数の同じ形状の物体が東京の空を覆っていく。
「ご覧ください!! ETEの予告通り、空一面を埋める程の大量のUFOです!!」
カメラはUFOは下部から地上に向けて光を出しているのを捉えていた。
リポーターがカメラに光を映すように促す。
UFOから伸びた光は、UFO内に多くの人を吸い上げていた。
感想
深まるカオス感
六本木での戦い以前、ETEが登場したころから物語には常にカオス感があったけど、ここに来てどんどんその傾向が強まっているように感じる。
ETEは、ネット上での悪ノリが表現しているのかなと思った。
東京都民の人口を100万人にまで減らすなんてちょっと悪ふざけが過ぎる……。
残虐というより、あまりにも無思慮で幼い印象を受けるんだよなぁ。
純粋な悪意とでもいうのか……。
子供が後先考えずに、戯れに提案及び投票している感じ?
ただ、今回のような特番により、より多くの人がETEの存在と、それに投票結果を実現する力があることが知れ渡ることで、今後、より何が起こるのかがわからなくなった。
ETEの投票対象の選択肢が多様化する?
これまで通り、幼稚な悪ふざけや、都民100万人のような純粋な悪意に基づく内容はもちろん、逆に世の中の役に立つような選択肢も投票対象として出てくるかもしれない。
でも、そうした選択肢は多分実現しない気がする。
理由は簡単で、それだととてもつまらないからだ。
より面白く、悪意ある選択肢に票は流れていくと思うんだよね……。残念ながら。
東京都民100万人に投票した人間の中に東京都民が全く含まれていなかったとは思えない。
都民ですら東京を滅茶苦茶にしてほしいと思ってるやつはいるだろう。
それに、この投票は海外からでもできるんじゃないかな。
海外の悪意ある輩からしたら、やはり日本がどうなろうと構わないわけだから、今後も日本は、というか世界はETEの危機に晒されていくのかもしれない。
あと、そもそもETEを管理? している存在(AI? 人?)が世の中に貢献するような投票対象を提案すること自体を許さない可能性もある。
システム側でつまらない選択肢を投票対象として出さないように、事前に選別することは可能だろう。
ETE対策をどうするか、というテーマをクソ真面目に、超リアルに描き切るだけでも、相当面白いと思う。
ただ、投票の参加者が増える事で、東京都民100万人みたいな取り返しのつかない超最悪の選択肢に入る票の割合は減りそうではある。
投票者に”悪意ある結果を選択させない”という正義感で参加する人間が増えそう。
今回みたいな災害を未然に防ぐ為に、各国の政府が対策としてETE専門の部署を立ち上げたりするかもしれないし、やはり最悪の選択肢は選ばれにくくなっていくんじゃないかな。
でも、それ以上に悪意ある人間がメチャクチャ増えたらこの説は外れてしまう。
今のところ、悪意が遥かに優勢だと認めざるをえないけど、ちょっとは人間の良いとこも見たい。
固まっていくパピコへの評価
六本木災害直後は犯罪者扱いする論が優勢だったけど、今回の検証特番によってパピコ英雄論が盛り返すのではないだろうか。
零の教室でのクラスメートの会話からも、パピコはより大きな被害から都民を救ったという見方があることが分かる。
そうした世論の高まりも手伝って、ETEの脅威に対策する必要性を考え始めた政府が、パピコをETE対策に巻き込んでいくことになりそう。
パピコからしたら犯罪者として収監されるよりは遥かにマシだし、幼少期になりたかったウルトラマン的存在になれるというのは悪くないのかも……。
ただそういう話になっていくのかどうかわからないんだよなぁ……。結局予測がつかない。
UFOが人をさらっているところで終わったけど、次号は一体どうなるのか予想できない(笑)。
取り調べ中か、もしくは拘置されている最中であろうパピコがその情報を知らない以上、その人たちを救いにはいけない。
政府が犯罪者として取り調べ中のパピコに救うように指示できるとも思えない。
そもそも巨人がどうやって救うのかという話だし、たださらわれていくのを、日本国民はテレビ画面を通じて傍観するしかないのか……。
次回以降が気になる引きだなぁ。続きが楽しみ。
以上、ギガント第24話のネタバレを含む感想と考察でした。
第25話に続きます。
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