第90話 バイト
第89話のおさらい
文芸部部室を荒らす二人の女子生徒。
チャイムが鳴り、二人の女子生徒は部室を出る。
その際、荒らした書類を戻さず、部室の鍵を床に捨てて逃げていくのだった。
3年2組の教室では響と担任による二者面談が行われていた。
担任教師は響の成績が良く、頑張り次第では国公立や上位の私大も狙える、と告げるが、それもすぐにトーンダウンする。
「……普通の生徒ならこういった話をするが、芥川・直木を受賞した小説家となると…」
進路をアドバイスすることに苦しむ教師。
響はその様子を黙って見つめている。
そして教師は響の出した本の印税についても触れる。
これまでに出した本の値段と発行部数をざっと計算し、脱力する教師。
「7億5千万……」
教室を出た涼太郎と一緒に響は部室に向かう。
部室に着いた響と涼太郎を待っていたのは、花代子の「響の原稿が盗まれた」という報告だった。
部室は床に書類が散乱し、足跡がついており、何者かが荒らした痕跡が残っていた。
30分前に、この部室に最初に来たのは私たち、とミユが手を上げる。
放課後に職員室に鍵を取りに行ったら鍵は既にそこにはなく、部室に来てみたら既に室内は荒れていた。
鍵は床に落ちている。
荒らされているロッカー内の原稿を確認すると、響のものだけが無くなっていたのだった。
文芸部部員一同は、それが泥棒の仕業だと確信し、推理を続ける。
ホームズ好きのヒロトはこれまで得た情報から犯人の足取りを推理しようとしていた。
ミユの何気ない一言を受けて、ピンと来たヒロト。
ヒロトの推理により、合唱部に来た文芸部の部員たち。
ヒロトは犯人は文化部で鍵の位置を知っている1年だと指摘する。
「答えは一つ。『学校が始まるまで盗むって発想がなかったから』」
合唱部部員の1年女子生徒の二人はあわてて、響の原稿は既になかった、と説明する。
咲希は文芸部部室に残って、現場を調査していた。
咲希は窓際に立っている響に、響が今いるところの窓は最初から開いていたのかと問いかける。
そして窓を開けて、桟を確認した咲希は、真犯人がわかったと確信した様子で呟く。
咲希は、窓の桟にハシゴをかけた跡が2つあった、と言い、学校にあるハシゴを使ったとすればそれを管理しているのは陸上部だけであるとして、文芸部部員一同で陸上部の元へと向かうのだった。、と続ける。
新入生で用具室の鍵の場所を知ってると陸上部部員に紹介されたのは、金色に短髪の男子生徒だった。
「文芸部が何の用スか。俺何もしらねースよ! 何か証拠でもあんのかよ!」
響はその1年の金髪に股間への蹴りを食らわす。
1年生はすぐに謝罪し、犯行の理由を、売れるかな、と思ったと説明する。
一件落着し、咲希やヒロトに、楽しかった? と問いかける響。
負けたみたい悔しいけど楽しかった、とヒロト。
咲希もまたヒロト同様に、はい、と答える。
そして咲希はふと気付く。
「……響さん ひょっとして犯人わかってました?」
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第90話 バイト
バイト探し
教室にいる響に生徒からの視線が集中する。
響の一挙手一投足を監視するような空気を無視して、響は涼太郎、花代子と一緒に机の上の求人雑誌を囲んでいた。
長期はダメ、横浜は通えない、と絞っていく響。
最終的に場所が近く、短期でOKの駅前のハンバーガー屋にチェックを入れる。
文芸部部室。
「響ちゃんがアルバイト!?」
かなえが驚愕する。
花代子は響は昼に電話して、面接に向かっており、しばらくは部にあまり来ないかもと部員に報告する。
高校三年になって何故バイトなのかと問う典子に、花代子は、響が親に立て替えてもらっていたフィンランドまで行った際の飛行機代13万円中6万円(7万は貯金で支払い済)を返す為だと答える。
「厳しい!」
かなえが叫ぶ。
「私だったら耳ふさいでわーわー言って聞こえないフリする!」
耳を押さえる典子。
ミユはそのやりとりを前にして、不思議そうな表情を浮かべている。
「6万円って…えっと…」
ヒロトが切り出し辛そうにしているので、ミユがズバッと典子たちに訊ねる。
「あの響さんて、超お金持ってるんじゃないんですか?」
テレビで印税が7億あるって言ってた、とミユの発言を補足するヒロト。
「えっと 勝手に言っていーのかな。」
かなえは隣の典子の顔を見る。
お金のことだし……いーんじゃん? と典子。
典子は、響が高校生だからという理由で父親が契約に手を加えて、結局7万(つまり貯金していた分)程度しか印税を受け取っていないのだという。
それを聞いたヒロトとミユはきょとんとするのみ。
客寄せ
ワクワクバーガーの従業員控室。
パイプイスに座る響とテーブルを挟んで店長らしき男性が履歴書を読んでいた。
その周りにはスタッフが三人、興味深そうに履歴書を覗いている。
履歴書の賞罰の欄には、そうそうたる受賞歴が記してある。
木蓮新人賞
直木三十五賞 芥川龍之介賞
NF文庫新人賞審査員特別賞
文芸コンクール最優秀賞
「賞罰芥川直木って、なんだこの履歴書。」
背後から履歴書を覗いていた男性スタッフが口を開く。
「文芸コンクールってあの大臣の……」
女性スタッフも呆然としている。
「……『お伽の庭』の、響さん?」
「……うん。」
店長の問いかけに響がぽつりと答える。
途端に大騒ぎするスタッフたち。
店長はスタッフたちを仕事に戻れと叱るが、興奮したスタッフたちはそれを無視する。
スマホを片手に写真せがむ女性スタッフに、アホか、と突っ込む店長。
店長は、ウチにバイトということは取材ですか? と響に訊ねる。
「いや、お金のため。」
お金のため? と不思議そうな表情をする店長に、隣の男性スタッフが耳打ちする。
「店長アレっス 次回作のこととか言えないんスよ。」
それを聞いた店長は、ああそうか、と納得し、気を取り直して響に向き直る。
「いや……響さんなら大歓迎です。勤務日も響さんの執筆活動にあわせてご自由にどうぞ。」
響の次回作に出ちゃう? とテンションを上げる女性スタッフ。
店長とスタッフは響にまつわるメニューを開発しようか、と異様な盛り上がりを見せる。
その光景をパイプイスに座ったまま黙ってじっと眺めていた響は、履歴書を手に取り立ち上がる。
「ごめん やっぱいい。」
「は!?」
店長はすたすたと去っていく響を目で追う。
「え…ちょっと待って! 響さん 条件なら何でもきくから!」
響は次に、涼太郎、花代子と一緒に求人雑誌を見ていた時に話題に上がっていたドーナツ屋で面接を受けていた。
しかしそこでもハンバーガー屋と反応が全く同じだったので、響はこのドーナツ屋でのバイトも諦めるのだった。
街中を涼太郎と並んで歩きながら、響は悩みを口にしていた。
「普通にバイトしたいだけなんだけど、なんか上手くいかない。」
響がフィンランドに行っている間もすごく報道されていたから、と涼太郎。
涼太郎は自分の内の喫茶店でバイトを軽く勧めるが、子供の頃と変わらない、と響はそれを断る。
「だったらさっきまでの店でもよかったんじゃないか? ちやほやしてくれて楽そうじゃないか。」
涼太郎の素朴な疑問に響が即答する。
「今は額に汗してお金を稼ぎたい。」
涼太郎は、響を知らない奴はいないからどこに行っても天才小説家扱いは変わらない為、普通にバイトをしたければ知り合いの店しかないのではと響に助言する。
暫し考えた後、響は名案を思い付いたと携帯を取り出し、伝手をあたると涼太郎に告げる。
そして響は花井に電話をし、バイト先を紹介してもらうために、ある作家の電話番号を聞くのだった。
「前に近くの踏切で会ったことあるから、たぶんこの町に住んでると思う。」
電車が通過し、踏切がゆっくりと上がっていく。
線路を挟んで、道の向こうから歩いてきたのは山本春平だった。
山本は響を驚きの表情で見つめていた。
「久しぶり。」
特に何の感慨もなくさらっと挨拶して本題に直行する響。
「あなたのバイト先紹介してくれない?」
電話でもそれを聞いていたという山本。
意味がわからない、と返す。
響は、バイトがしたいがパンダのように扱われる、と切り出す。
そして、山本が最近までバイトしていたことをテレビで聞いていたので、その勤め先であれば作家が来ても珍しくない、と笑顔で山本を頼った理由を話すのだった。
「……だから 意味がわからない。印税が何億とあるだろ。」
それでも響の行動の理由が理解できず、山本は質問する。
「私、印税7万円しかもらってない。」
「は…?」
呆然とした後、顔に手を当てて俯く山本。
そのまま言葉を続ける。
「……とりあえず俺のバイト先はやめておけ。俺はもう辞めたし、女子高生が行く所じゃない。」
響は、はあ、と気のない返事をしてから、いいからとりあえず紹介して、と続ける。
「あなたは私に借りがあるでしょ。」
踏切の遮断桿に触れながら、響は淡々と山本に協力を迫る。
山本と響は並んで商店街を歩く。
他に頼れる奴はいなかったのか、という山本からの質問に響は、いるけど迷惑かけそうだから、と答える。
「……俺にはかけていいのかよ。」
「え? そりゃいいでしょ。」
ぽつりと突っ込む山本に、さも当然の事の如く響が答える。
それを受け、心当たりがある山本は、まあな……、と若干消沈した様子で返事をする。
響は、もし山本の紹介が駄目だった場合、柚木図書館近くのパン屋で働く中原愛佳に頼もうかと思っていたと口にする。
それを聞いて驚いた様子で響に向き直る山本。
「中原愛佳って『蓮華郷』の? この町でパン屋やってるのか?」
知らなかったの? と響。
「2年前からパン屋さんで働いてる。この前結婚してた。」
確かに『午後の邂逅』以降全く見かけなかったけど、と山本が呟く。
「あの人のザクザクした文体 好きだったんだけどな……」
「うん。」
山本は、中原はもう小説は書かないのか? と響に訊ねる。
引退したんだって、と響。
「小説家になってから辛い思い出しかないって。今は毎日単調だけど穏やかで幸せな日々だって。」
「そっか………」
面接そして採用
中華料理来々軒という看板がかかった店の前に立つ響と山本。
このお店? という響に山本は、電話で話は通してある、と答える。
響は山本に礼を言い、店に向かって歩いていく。
その後ろ姿を見送っていた山本は、おい、と響を呼び止める。
ゆっくりと振り向いた響に、山本が意を決したように切り出す。
「文芸コンクールの『11月誰そ彼』ネットで公開されているのを読んだ。本当に……お前の小説は文体が気持ちいい。風景描写に人物に…リアルなのに嫌みがなくて。」
俯き気味になって、山本は言葉を続ける。
「……『お伽の庭』。あれは言葉が出ない。……奇麗な世界だった。」
「『豚小屋の豚』は人が壊れてからの描写が最高だったよ。私はあなたの小説好きよ。」
笑顔で返す響。
山本は響の賛辞に反応せず、店に歩き出した響の背中に、気ぃつけろ、と声をかける。
「気の荒い奴しかいない職場だ。」
響は山本に背を向けたまま、怖いわね、と答える。
「いじめられないかな。」
店先には”バイト募集 時給1000円より 高校生応相談”と書かれた貼り紙がある。
響は店長とテーブルを挟んで向かい合っていた。
「鮎喰響か 確かに聞いたことあるな……」
響を見つめたまま、履歴書をテーブルに落とす。
「まあ人手は足りてない 働いてくれんなら何でもいい。」
「ただアンタ高校生でしかも女だからな。時給はそうだな 700円でいいな。」
響は、嫌、と即答する。
「800円ほしい。でなきゃ働かない。」
ああ!? と凄む店長。
しかし、響がまるで動じていない様子でじっと見つめて来るのを見て、店長は観念したように舌打ちをする。
「……人は足りてない。今から入れ。」
「800円ね。」
店長は、……ああ、としぶしぶ響の要求を受け入れるのだった。
洗礼
厨房。
調理服に着替えた響は先輩に、はじめまして、と挨拶を切り出す。
「今日から働く鮎喰響です。よろしく。」
「……」
仏頂面で、何も言わずに響をじっと見つめる先輩。
新入りは洗いモンからだ、と早速響に食器洗いを命じる。
うん、と素直にいうことを聞く響。
「お鍋とかどうやって洗うの?」
先輩は、常識で考えれば分かるだろ、と返すのみ。
響は大量の皿と鍋を洗い始める。
「オラぁ」
先輩の怒号が響く。
洗いものに時間をかけ過ぎだと怒る先輩に響は、油がなかなか落ちない、と中華鍋を手に答える。
「バカかお前 中華鍋の油おとしてどーすんだ! 水でじゃっと流してから焼きすりゃいーんだボケ!」
響を非難するように怒声を張り上げる先輩に、響は冷静に突っ込む。
「だったら最初からそう教えなさい。教えなかったあなたのミスよ。アホ。」
怒りに表情を強張らせる先輩。
「最初に言っとく。」
響の調理服の襟をぐいと持ち上げて凄む。
「俺はガキに舐めた口きかれんのが我慢できねえ。次口答えしたら二度と見れねえツラにしてやる。」
それだけ言うと、響を投げ捨てるように襟を離して響に背を見せる。
「俺は店長程優しくねえぞ。」
起き上がった響は中華鍋を持って先輩に近付いていき、上段から先輩の頭に中華鍋を思いっきり振り下ろすのだった。
「って…… ブッ殺すぞガキ!」
「お前ら何やってんだ!」
先輩と、店長の怒号が飛ぶのを山本は店の外から聞いていた。
「……俺よりは上手くやれそうだな。」
感想
響の問答無用の行動は見ててスッキリする
行動がイチイチ面白いわ。
飛行機代をバイトで親に返す為というバイト探しの動機も独特なら、バイトの決め方も独特。
山本に理不尽な絡みをしていた嫌な奴をスカッと殴り倒すのも最高だった。多分こいつ山本より年下だろ。
芥川賞を受賞する日、山本はあのクソ先輩にごちゃごちゃ言われてたっけなー。
そして、山本はその話で長年の苦労が報われる形で芥川賞を受賞した。
前半で先輩の理不尽に耐える山本の様子は、後半の芥川を獲った栄光とのコントラストを際立たせる為の演出だったのだろうけど、それでもどことなくスッキリはしなかった。
山本が芥川を受賞したことを知った先輩の態度が一気に媚び媚びになって、それを山本がバカにするとか、何かしら先輩をギャフンと言わせて欲しかったんだよなぁ。
でも結局先輩がとっちめられる描写は見られなかった。
しかし響が今回、忘れ物をとって来てくれた。
見事な反撃。
ラストのコマ、外で立っていた山本も響が店を荒らす様子を見ながら、心なしか楽しそうに見える。
しかし現実ではこんなことは許されない。
そもそも、中華鍋でこんな殴り方したら人体はまともに耐えられない。命がヤバイと思う……(笑)。
響が非力だから大丈夫なのかな、と考えたけど、それはないだろう。
中華鍋くらいの重量と硬度の物体でこんな感じで頭めがけて振り下ろすのは普通はブレーキがかかって出来ないよ。
下手すりゃ死ぬよこんなの。
でもこの容赦なさ、思い切りのよさが響の魅力だとつくづく思うわ。
響は別に無差別に暴力を振るっているわけではないからなー。
理不尽に対してそれを受容することなく反撃しているだけだ。
ネット上には響の暴力的な点を批判する声もあるけど、自分は好きだわ。
そもそもそうじゃなきゃこんな感想ぐだぐだと書いてない。
響の行動でやりすぎだと思ったのは祖父江家で花井と初めて会った時に、本棚を倒したことくらいかな。
あの時、花井はそんなに悪くなかったでしょ。
にもかかわらず響は倒れた花井に向けて思いっきり本棚を倒した。
もし直撃して当たり所が悪かったなら命が危なかったかもしれない。あれは良くなかった。
あと、本を大切にしてないっていう批判もあったなぁ。それはちょっと納得するわ。作中で二回も本棚倒してるし。
でも、それ以外はそこまでやり過ぎと感じたことはなかったかな。
せめて物語の中では無茶苦茶やってる主人公見てスッキリしたい。
多分、響の一度やると決めたら相手が誰であっても、どんな時であっても問答無用という感じが好きなんだろうな。何も言わずにきっちりと反撃するのがいい。
響はひとまず、このアルバイトで最低でも目標金額である6万円を稼ぐ。
現在働いているラーメン屋であれば、土日に一日中入る予定がないなら、平日の数時間だけと考えるとおそらく一カ月、最長でも二か月と考えて良さそうだ。
次回もバイトは続くのかな?
響にはこの店を辞めるまでの間に、先輩に対して、タカヤやシロウに思い知らせてきたように、世の中には決して逆らってはいけないヤバイ奴がいるということを教育しておいてほしい(笑)。
中原愛佳の名前が出てきた。
中原は幸せな生涯を送ることは既に二巻の時点で確定していた。
それも死ぬ間際まで事細かにノートに書いてあるから多分成功していたはず。。
印税
お伽の庭に関しては、お小遣い程度の額しか受け取らない契約になっていたし、ほぼ響の手元に残らなくても納得できる。
しかし、契約のくだりがうやむやになっていた感のある『漆黒のヴァンパイア』の印税に関してもどうやら響自身はほぼ受け取っていないであろうことが判明した
7億円が7万円。
7億と言っても、そこからごっそり税金が半分以上引かれると考えれば恐らく3億ちょいくらいか。
それでも17歳には十分過ぎる額だ。それだけあれば家族を持ったうえで、きちんと適度な節制と金銭の管理をすれば一生暮らせるくらい。
でも響には、お金を余分に持つことへの執着がないように見える。
『お伽の庭』の契約の為に花井が鮎喰家に訪問した際、響は父から印税が7千万あったら何をするかと問われて、図書館を造ると答えた。
父はそれを、響がお金について分かっていないという証左であるとしたが、響がもし手元に本来得るべき額のお金があったなら、冗談抜きでそれを実現しようとするかもしれない。
ナリサワファームからも印税を受け取って欲しいという申し出があったろうが、父は小論社の時と同じ条件にしたか、もしくは父や母が預かって管理しているのか。
そういえば響はもう三年なんだよなー。果たしてどんな進路を選択するのか。
本来ならアルバイトなんてしてる場合じゃない時期なんだけど……
そんなことも気にしながら、次回の話を楽しみに待ちたい。
以上、響 小説家になる方法 第90話のネタを含んだ感想と考察でした。
第91話に続きます。
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