響 小説家になる方法 最新第88話自己紹介の感想(ネタバレ含む)と考察。復学した響が早くも文芸部新入部員とひと騒動を起こす。

第88話 自己紹介

第87話のおさらい

北瀬戸高校では退学したマスコミによって退学の憂き目を見た響の話題でもちきりだった。

 

外のベンチで会話している笹木を含めた女子生徒たちも響に関する話題で会話している。

 

笹木は響と去年同じクラスで、二人で東京に行った、と得意気に言う。

 

何しに行ったのかと問われ、襲撃と答える笹木。

 

何を? と問われると笹木は、やっぱ忘れて、と勿体ぶるように答える。

 

そこまで話して止めんな! とツッコミを受ける笹木。

 

女子生徒は、響と仲が良かったのかと問う。

 

笹木はそれを否定し、むしろ敵だ、と即答する。

 

しかし笹木は、ムカつくし酷い目にあったけど、カッコ良い奴だった、と思い出すように呟いてみせる。

 

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そんなやりとりをしている笹木たちをヒロトとミユが旧校舎への渡り廊下から見つめていた。

 

ミユは、響が今回マスコミに正体がバレたことが原因で学校をやめたなら『響』目当ての新入生に入って欲しくないか、と分析する。

 

ヒロトはそれを肯定する。
「響さんと仲良かった人なんか特にな。」

 

二人は人だかりの出来ている文芸部部室前に辿り着く。

 

新入生数名が部室の扉の前に溜まって文芸部が新入部員を募集していないという事実はないと部室に呼びかけているところだった。

 

扉を開けて顔を出し、その主張を聞いていたのは涼太郎だった。

 

センパイいいですか? と眼鏡にパーマの男子生徒が手を挙げて、理詰めで自分たちには好きな部に入る権利があると主張する。

 

涼太郎は男子生徒の顎を掴み、文芸部は新入部員を募集してない、と言って、男子生徒を床に投げ捨てる。

 

部室に入って扉を閉じる涼太郎。
後に残された新入生たちは何も言えず、涼太郎が部室を閉めるのをただただ見つめるのみ。

 

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廊下に残された一年達は不安そうな表情で立ちすくんでいた。

 

今起こった一部始終を目の当たりにしたヒロトは、仕方ない、入部は諦めよう、とミユに呼びかける。

 

文芸部部室内には咲希以外の部員が集まっていた。

 

響目当ての新入生の入部を避けるため、今年はそもそも新入生を入れない方がいいという涼太郎の主張に典子やかなえ達も同意していた。

 

時間が経ち、帰り支度をする部員たち。

 

新入生は基本的には入れない方向で何となくまとまったものの、かなえは、問題起こさないのを一人二人は見繕いたい、と呟く。

 

帰る為に扉を開けると、廊下で待っていたヒロトが、お疲れさまです、と挨拶をする。
その隣にはミユが腰を下ろしている。

 

「入部できそうにないんで、とりあえず帰りだけでも一緒にと思って待ってました。」

 

笑顔で続けるヒロトを典子とかなえは呆然と見つめた後、その根性に感心するのだった。

 

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校門を出た一同。

 

帰り道、ミユはスマホを眺めながら、マスコミが響さんを退学に追いやったとネットが荒れていると呟く。

 

ずっと沈黙していた花代子は涼太郎に響の行方が本当にわからないのかと問う。

 

涼太郎は、心当たりは調べたけど、どこにもと答えるのみ。

 

花代子は、そっか、と短く答えて空を見上げる。
「でも、生きてるよね。」

「だったら、私たちも前に進まないとね。」

 

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フィンランドのとあるアパートのドアの前では、男が新聞の勧誘を行っていた。

 

「(いらない)」
女性が断って、僅かに開けていた扉を閉じようとする。

 

男は扉が完全に閉められないように、その隙間に足を突っ込み、しつこく勧誘をする。

 

足をどけて、と女性が言うのも気にせず、男はどかしてみなよ、と凄んでみせる。

 

「(わかった)」
女性は静かに答える。

 

リカがキッチンで電話している。
その電話の相手は涼太郎だった。
リカは涼太郎から学校にマスコミ来ていないという報告を受ける。

 

女生と新聞勧誘員の男との攻防は続いていた。

 

女性は男の足をはさんだまま、強引に扉を閉めようとしている。

 

それでも新聞勧誘を繰り返す男。

 

扉はいよいよ男の足をきつく締め付けていく。

 

男は余裕を装い、足を挟むのを止めるようにと女性に声をかけていた。

 

しかし女性が全く応じないことから徐々に口調が荒くなっていく。

 

しかし女性は、今度は足を壁につけて踏ん張るようにしてさらに強引に扉を閉めようと試みる。

 

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男はいよいよ切羽詰まった様子で語気を荒らげる。
「アジアのクソガキが、フィンランドなめんじゃねーぞ! 切り刻んでムーミンの餌にするぞ!」

 

パキッ

 

「Nooo!!」
男は足の骨を折り、悲鳴を上げてその場に倒れ込む。

 

玄関で男と格闘していたのは響だった。

 

 

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這う這うの体で逃げていく男を見送り、響は部屋の中に戻るとダイニングで電話しているリカの元へ歩いていく
響はリカと電話を交代し、いつ日本に帰るのかという涼太郎の質問に、今日、と答えてみせる。
「今から日本に帰るわね。」

 

「え?」
それを隣で聞いていたリカは呆気にとられるのみ。

 

わかった! と力強く答える涼太郎。

 

響は明日帰国してから学校も通うからと、親に再入学の手続きをするようにと涼太郎に頼むのだった。

 

前回、第87話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

 

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第88話 自己紹介

響をボロクソに言う典子とかなえ

校内では、涼太郎が一年に暴力を振るったことが噂になっていた。
昨年、一昨年も似たようなことがあったという話題も上がり、文芸部は”そういう人が行くところ”扱いされかけていた。

 

咲希の教室を典子とかなえが訪ねる。

 

外で一緒に弁当を食べる三人。

 

典子は新入生が二人入ったことを報告する。

 

どんな子? と訊ねる咲希にかなえは、悪い奴らじゃないと自分たちで言ってる、とだけ答える。

 

典子に、部活に来るのかと問われ、咲希は煮え切らない声を上げるのみ。

 

咲希は新学期が始まって既に三日部活に顔を出していなかった。

 

響がいないから来たくないのかと典子が咲希に問いかける。

 

咲希は何も答えない。

 

忘れちゃおう、裏切りだよ、と典子とかなえが響をボロクソにけなし始める。

 

「フツーあるよね 相談とかさあ。」

「マジでさ 人としてどーかと思うよ。」

 

咲希は弁当を食べながら二人のやりとりを聞いている。

 

その脳裏では花井とのやりとりが思い出していた。

 
 

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真相

喫茶メルヘン。

 

フィンランドに向かうリカを空港に見送りに行く日、咲希は花井から既に響がフィンランドに行っていると聞いて驚いていた。

 

花井は騒動が起こった翌日には既に飛行機に乗っていたと答える。

 

リカがフィンランドで済む予定のアパートの契約は既に完了しており、響がリカより先に身を寄せているのだという。

 

咲希は、すぐに春休みだし、新学期が始まってから大変だけど日本でマスコミに追いかけまわされるより全然いい、と答える。

 

「だから響は高校を辞めたそうよ。」

 

驚く咲希。

 

「『退学したっていったらマスコミもいなくなるだろうから、しばらくしたらこっそり戻る』って。」
花井は、それをいい案かもしれない、と続ける。
「マスコミのせいで響を退学に追いやったって流れになったら戻ってからは追いかけづらくなるでしょうし…」

 

学校はそんな簡単に辞めたり入ったり出来るのかと咲希が花井に問う。

 
 

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花井は、響がそういうのに詳しい友達に聞いたら大丈夫と言われたらしいと答える。

 

その”友達”にいまいちピンと来ていない様子の咲希に、花井は”響が殴った文部科学大臣”が教育委員会に口をきいてくれるのだろうと答える。

 

「はー…」
咲希は唖然とするのみ。

 

「咲希ちゃんとはヘタに秘密があると小説の話をするのに邪魔になるから話したけど、他の子には内緒にね。文芸部は喋りそうな子 多そうだから……」

 

そんなわけで、咲希は響がしばらくしたらフィンランドから戻ると知っていたのだった。

 

咲希を挟んで典子とかなえは響に関して悪口を言いまくる。

 

「そもそもさー あの女絶対ウチらのことなめてたよね! 眼中ありません、みたいなツラしてさー。マジ何様のつもりだっつーの!」

「最初からそーゆー奴なんだって! 性根の悪さがツラに出てたじゃん!」

 

咲希は一人沈黙していた。

 

 

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教室。

 

花代子と涼太郎が机を挟んで弁当を食べている。

 

響がどうして何も言ってくれなかったんだろ、と花代子がぽつりと呟く。

 

涼太郎は、一番喋りそうだから、と心の中で答える。

 

「私…中学まで友達全然いなくて、響ちゃんが初めての親友だと思ってた。」

 

「響も同じだよ。」

 

花代子は窓越しに空を見上げる。
「5年後とか、10年後とか、いつかまた会えるのかな……」

 

涼太郎は何も答えない。

 

 

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復帰

職員室。

 

ヒロトとミユは部室の鍵を取りに来ていた。

 

しかし鍵の保管場所を探しても文芸部部室の鍵がないことに気付く。

 

響が文芸部に在籍していたことが知れ渡って以来、それまで鍵をかけていなかった文芸部部室は鍵をかけるようになっていた。
ミユはかなえから、一年の方が先に授業が終わるので鍵を持って先に部室を開けておくように頼まれて職員室に来ていたのだった。

 

鍵が見つからないまま、ヒロトとミユは文芸部部室へと向かう。

 

既に先輩の誰かが先に行っているのか、それとも部外の人が入り込んでいるか、と起きている事態を予測する二人。

 

二人が部室に入っていくと、ソファで寝ている響を発見する。

 

ヒロトとミユにはそれが誰なのか分からない。

 

部員かどうかが分からないからとヒロトが響の肩を叩く。

 

響は起き上がり、ヒロトとミユを見つめると、呆然と自分を見返して来る二人をよそに眼鏡をかける。
「誰?」

 

(……似てる。)
呆然と響を見つめるヒロト。

 

(けど、違うよね、退学した訳だし。)
ミユもまた目の前の女生徒がヒロトと同じく響に似ていると感じていた。
「えっと…咲希さんですか?」

 

ミユは典子から聞いていた、まだ会った事のない咲希なのかと勘違いして響に問いかける。

 

 

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恒例行事

響は何も答えず、ミユをじっと見据える。

 

「あの………」
ミユは響にじっと見つめられ若干狼狽える。
しかし、典子に響の私物目当てに不届きな輩がやってきたら叩き出せと命令を受けていたミユは、意を決して響に呼びかける。
「部の人じゃないなら、出てって下さい!」

 

響は何も答えず、再びソファに横になる。

 

「寝ないでー…」
自分の注意に全く効果が認められず困ってしまうミユ。

 

ヒロトがソファに近づいていくと、響をお姫様抱っこの要領で持ち上げる。

 

「……降ろしなさい。」
響は目をこすりながら答える。

 

抱き上げた状態のまま、眠いなら保健室までお連れしますよ、とヒロトが答える。

 

今すぐ降ろさないと2回痛い目にあう、と響がヒロトに呼びかける。

 

「へえ怖いな、手加減してくださいね。」

 

突如現れた涼太郎がヒロトの右頬にパンチを食らわせる。

 

 

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きゃあ、と悲鳴を上げるミユ。

 

床に倒れたヒロトの顔を、今度は響が蹴り上げる。

 

何が起こっているのか分からず絶句するミユ。

 

「やりすぎだ響!」

 

「……よく言うわね。」

 

ヒロトとミユはきょとんとした様子で響と涼太郎のやりとりを見つめる。
ひびき? と呟くミユ。

 

涼太郎は響に二人は昨日入部した一年で、不審者は追い出す様に言いつけてあったと説明する。
そして、自己紹介をしたのかと響に問う。

 

なるほど、と答えて響は自己紹介する。
「はじめまして。文芸部3年、鮎喰響よ。」

 

呆気にとられるヒロトとミユ。

 

 

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「あー!」

 

「おばけか!」

 

部室に到着した典子とかなえが叫ぶ。

 

その後ろにいた咲希は、おかえりなさい、いつ戻ったんですかと問いかける。

 

「今。時差ボケで眠い。」

 

咲希っぺ知ってたの? と叫ぶ典子。

 

髪切った? と響に声をかけるかなえ。

 

響は、退学したのはウソなのかという典子からの問いかけられてさも当然のように答える。
「本当。また入学した。」

 

「マジで!? そんなんできんの!?」

 

そして、黙っていなくなったことを非難する為に、自分たちが響のことをクソ女とか性根の腐ったブタメガネとボロクソ言っていたとあっけらかんと報告する。

 

ほう、と響。

 

咲希は、自分は言ってないと弁明する。

 

 

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報道自粛

ワイドショーでは、響が”失踪”してから1カ月経過した現在どこにいるのかという話題が取り上げられていた。

 

ボードには”お伽の庭 累計600万部”と書かれている。

 

解説員は響が春休み明けに登校すると思われていたが、昨日北瀬戸高校を退学したと発表があったと説明を続ける。
「現在までに退学の理由は学校からも親御さんからも語られていません。また、転校したかどうかも不明です。」

 

それを聞いていた司会、コメンテーターも言葉に窮した様子で黙ってしまう。

 

解説員は少し言い辛そうに、退学の理由としては、と続ける
「一部では私達マスコミの行き過ぎた取材のせいという意見もありますが……」

 

コメンテーターの男性が、やはりここで問題になるのが、と口火を切る。
「『作家ははたして公人か私人か』ということだと思うんですが……」

 

少なくとも全くの私人とは言い切れない、と女性コメンテーター。
「出版というマスメディアを使ってご自身の作品を発表されている以上……」

 

「例えば私が小説を書いて直木賞を頂いたとして、相当の取材を受けるのは当然だと思いますし……」

 

そもそも本当に取材が嫌なら覆面作家という方法もある、と男性コメンテーターが続く。

 

司会は、様々なご意見があると思いますが、と浮かない表情で続ける。
「僕はあえて、我々報道の側に苦言を呈そうと思います。」

 

 

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発言していたコメンテーターの二人は司会をじっと見つめる。

 

「現在世の中に起きている出来事を正確に皆様にお伝えするのが、我々報道機関の使命です。」

 

「しかし、高校生の女の子をあれだけ執拗に追い回す必要は果たしてあったのか。」

 

「どこまでお伝えしてどこで控えるか、情報リテラシーというものを我々も改めて考え直したいと思います。」

 

それまで何も発言していなかった三人目のコメンテーターが拍手をする。

 

それにつられるように他のコメンテーター二人や、解説員も拍手をする。

 

司会は画面越しに響に呼びかける。
「そして響さん、もし今この番組をご覧のようでしたら、可能なら、再び学校に戻るという選択もあるのではないでしょうか。少なくとも当番組は学校への取材は控えさせて頂きます。」

 

カンペを持つスタッフが慌てた様子で司会にカンペを見るように注意を促す。

 

「ん……? 何? それは今言ってる…」
そして司会はその内容を理解して大声を上げる。
「響さん、復学したの!?」

 

隣の解説員も驚く。

 

「それで!? 中継はある? 本人の映像は?」

 

「えっ?」
さきほど、一番初めに拍手を始めたコメンテーターが声を上げる。

 

「あ…いや。」
司会はついさきほどの自分の学校に取材しないという宣言を思い出す。
「えーそうですね、本当に喜ばしいです… えーと… 以上、次のコーナーです。」

 

 

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感想

響復学と同時に軽く一騒動

前回本人が宣言していた通り、響復学。

 

前回で既に髪を切っていた響だけど、制服着るとだいぶ印象が違うなぁ。
起きた直後で眼鏡をしてない姿も新鮮だった。

 

そんな響をお姫様抱っこするように抱えたヒロトが嫉妬に駆られた涼太郎に問答無用でブン殴られてたけど、実は涼太郎が暴力振るうのってこれが初めてじゃないかな?
海で響にちょっかいをかけてたナンパ男に対しては、別に殴ったわけではなかったし。
でもそういえば前回の理詰めで詰め寄ってきた一年男子に対してはちょっと乱暴だったな……。顔掴んで床に放るとかダメ。

 

ヒロトは涼太郎に殴り倒されたあと、響に顔を蹴り上げられるというある意味でとても貴重なコンビネーション攻撃を受けたわけだ。

 

ヒロトは典子の言いつけを律義に守っていただけなのにこの仕打ち……。
理不尽というよりツイてないって感じかな。

 

でも二人の攻撃を食らってもピンピンしていたタフなヒロトが、相棒(?)のミユと今後どんな活躍を見せるのか楽しみ。
ヒロトは涼太郎とちょっとキャラ被ってる気がしないでもないけど。

 

 

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忽然と姿を消した響だったけど、マスコミにバレた翌日にはフィンランドに向かっていたのか……。
下手に国内を移動するよりはスマートな切り抜け方だったのかなと思う。

 

行き先が咲希と涼太郎にしか明かされていなかったのには納得する。

 

この二人なら、”言うな”と命じられれば口を割らないという一定の信頼感はある。

 

あ、でも咲希に関しては山本に対して失言してたのを思い出すと、実はほんの少しだけ危ない面もあったんじゃないかな……と思う。
その点、涼太郎は鉄壁。安心だと太鼓判を押せる。

 

少なくとも花代子、典子、かなえには明かしてはいけないのは確かだった。
シローに関してはわざわざ伝えなくても良いかって感じか。

 

 

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加賀美大臣の助力

今回出て来なかったけど、退学後すぐに復学という流れには、やはり加賀美大臣の助けがあったようだ。
ボディガードの件といい、実は今回結構世話になったわけだ。
とはいえ、元々は加賀美大臣による悪巧みが響がマスコミに追いかけまわされる遠因だったわけで、言ってみれば彼は自身の尻拭いをしたに過ぎないわけだが……。

 

それに加賀美大臣からしたら響のおかげで総理大臣になれた、とまでは言わないまでも、彼女の話題が最後の一押しになったのは間違いない。
結局、今回の表彰式での騒動からの流れで一番得した人物は加賀美大臣だろう。実力も、今回響と巡り会ってそれを自分の助力と出来た運もある。それらを総合すると、やはり彼は総理の座にふさわしいのだろう。

 

なんだか、今後も加賀美大臣改め加賀美総理がどこかで響を助けることがある気がする……。
響は加賀美大臣を”友達”と花井に話していたようだ。
イメージ的にも性格的にも響が加賀美大臣というコネを積極的に使うことはないだろうから、今回の様に響が追い詰められたのを知った加賀美大臣がさりげなく手を回す感じかな?
加賀美大臣が響から受けた恩恵を思えば、おそらくそうしたくなると思う。
それに響との関係が総裁選の結果に影響を与えた通り、響と通じていることは加賀美大臣にとって今後もプラスに働くだろう。ひょっとしたら自身の政権の支持率回復に利用するなんてこともあるかも……。

 

とりあえず、今回、響が本当にビッグなコネを掴んだのは間違いない。
孤高の天才というイメージには邪魔だけど、本人は別にそれを大事にしているわけでもないでしょう。

 

 

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響VSマスコミ、一旦終了?

マスコミは響の復学を知ってももう追いかけないというところで終了。

 

前回の感想でもこんな感じに収束していくのかなという予感は書いていたけど、実際に目の当たりにすると正直、うーんという印象かな。
若干の消化不良感があるかも。

 

そもそもマスコミはワイドショーでこんな風に放送中の番組内で自らの非を認めることはないんじゃないかな……。
もし非を感じていても、今回の話で司会が述べていたような殊勝なコメントは一つもなく、ただその話題を取り上げずに視聴者の記憶の風化を待つだけというイメージがある。

 

むしろ復学後の響も前を変わらず追い回すのがマスコミだろう。

 

それにテレビは追わなくなったとしても、週刊誌なんかは普通に響を追いかけ回す。
きっと5巻に収録されている週刊誌記者みたいな奴が響の周囲をうろつくはず。
まぁ、もしそういう奴を見つけたらその時みたいに各個撃退するんだろうけど、上手い事やらないとそれ自体がネタになっちゃうから、やはり今回の終わり方は根本的な解決には至ってないと思う。

 

でも、多分そのくらいは織り込み済の作戦なんだろう。

 

花井も咲希に対して、響がマスコミのせいで退学に追い込まれたという流れが世間に広まればマスコミが追いかけ”づらくなる”でしょうし、と言っているし、多分完全にマスコミの手から逃れられるとは思っていない。

 

司会が殊勝なコメントを述べる前に”響復学”のフリップを見ていたら、果たして学校への取材を自粛すると宣言しただろうか。
カンペ係が必死になってカンペを見るように司会に伝えていたのは、司会がコメントをする前からだったとしたら、つまりディレクター側ではまだ響の報道を引っ張りたかったということの証左ではないか。

 

 

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当然、響自身も完全にマスコミが自分の周囲から消えたとは思っていないはずだ。

 

マスコミが以前のように群れを成して取材攻勢をかけてくることがなくなっただけで、ひとまずOKといったところか。

 

とりあえず響の世界ではあるワイドショーが報道を自粛すると生放送で宣言した。

 

それだけに、他の局も取り上げにくくなるのかな。
あの局は響を一時退学に追い込んだことを反省して報道を自粛したのに、この局は変わらず響を追い回すのか、とイメージが悪くなってしまうのを避けるとか?

 

次回から新しい話に突入か。

 

そういえば今回で判明したことだけど、既にお伽の庭は600万部を達成していたのか。
その実写化の話とかもあるかな。でも響がそこにどう絡むかと言われれば何もない気がする。

 

やはり新入生に焦点を当てるのか、それとも暫く登場していなかった響か。楽しみだ。

 

以上、響 小説家になる方法第88話のネタバレを含む感想と考察でした。

第89話に続きます。

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