響 小説家になる方法 第52話のネタバレ感想と考察。響を絡め捕ろうと蠢くTVマン津久井の驚きの一手とは。

響 小説家になる方法 第52話 響

第52話
響 小説家になる方法 第52話 響

帰り際に花代子に「ひびき」と呼ばれた響。芥川・直木賞ダブル受賞の響ではないかとテレビプロデューサーの津久井に感付かれる。

59話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

「響」に感付いた津久井

ナリサワファーム。

響に殴られた売れっ子ラノベ子安が本を読んでいる。

コーヒーカップを持って、子安に『漆黒のヴァンパイアと眠る月』の感想を問いかける編集者。
200万部超えの作家から直接批評をもらえるなんて作者が喜びますよ、と続ける。

この小説、と原稿用紙から目を離さず話だす子安。
「本当にあの眼鏡の子が書いたんですか?」
響 小説家になる方法 第52話 子安
みたいですね…と返す編集者。

子安は、プロローグが随分長いですね、と言葉を発する。

子安は、情景描写が多く、セリフが少なく、死が絡む話だから全体的に重く感じると前置きし、これはラノベと言えるのか? とテーブルを挟んで正面に座っている編集者に問いかける。

編集者は、そういう意見も出たが、面白いからいいということになったと答える。

そうスね……と天を仰ぐ子安。
「そういうレベルの小説じゃないな…」
響 小説家になる方法 第52話 子安

さすが売れっ子ラノベ作家なだけあって響の書く小説の良さが分かるようだ。

この世界では、物書きほど響の小説を読んでダメージを受ける。

子安もやられてしまっているような印象を受ける。

編集者は、子安が作品を読んで待っていると伝えに会議室に行ったが、女の子たちは入れ違いで帰ってしまったと伝える。

そうスか、と答える子安。

会議室。

はー、と月島がためいきをつく。
津久井は煙草を手に、じっと一点を見るともなく見ている。
響 小説家になる方法 第52話 津久井と月島

台風みたいな子だったな――、と感想を言う月島。

投稿したのが花代子で書いたのは眼鏡の子、と確認するように独り言を言う。
色々口に出しながら整理しているが、まあなんとかなるか! と明るくまとめる。

津久井は月島の言葉に全く反応せず、一人考えている。

(関口花代子はメガネのことを、確かに「ひびき」と呼んだ…)
響 小説家になる方法 第52話 津久井
(芥川・直木賞の時の「響」と背格好は似ている。)

(「響」ならなんでわざわざNF文庫の新人賞に……?)

(いや、投稿したのは関口花代子か。)

津久井はイスに座り、じっと天井を見ている。

手元の原稿を見る津久井。
(確かに、文体は似てる気がする。)

(かといってホントにありえるのか。)

もし響を広告塔にしてアニメにすれば社会現象になると考える津久井。

(ただ、あのメガネは引き受けないし、響だと確証もなければ、彼女もそれを認めないだろう。)
響 小説家になる方法 第52話 響
津久井は、さあ、どうすっかなあ…、と煙草を片手に一人つぶやく。
響 小説家になる方法 第52話 津久井

響を絡め捕ろうとする汚い大人の手が蠢いているのを感じる。

果たしてどんな手を打ってくるのか。

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指切りげんまん

響と花代子。帰りの電車内にて。

席がまばらに空いている電車内で、響と花代子は隣同士座っている。

「今日はごめんね響ちゃん…」

「ホントにね」
響 小説家になる方法 第52話 響と花代子

響はよくキレないなぁ。

勝手に投稿されて、良かれと思って頓珍漢な提案をするし、最後は響のことを芥川・直木賞同時受賞の女子高生作家の響だと知らなかったとしてもマスコミ関係者の前で響と呼ぶし。

「ごめんなさい。こんな大事になると思ってなくて。」

「まあもういいわ。何を言っても今更だし。」
響はじっと目を閉じている。
「友達だしね。」

「そっかー。そうだよねー。あー良かった安心したー。」
屈託のない笑顔であっけらかんとした様子の花代子。

「……」
何か言いたげな響。
響 小説家になる方法 第52話 響と花代子

腹立つわ~~(笑)!

こういうのスゲーむかつくんだよなぁ。

でもこういうキャラがいないと話が転がらないんだろうなぁ。

ねぇ、続きはどうなるの? と問う花代子にまだ考えてない、と答える響。
「かよ、この話は周りには言わないでね。」

え――――! どうして!? と反応する花代子に、響は、騒がれるの面倒と答える。

花代子はもったいない、と言う意味の言葉をぐだぐだ吐くも、響がそういうなら絶対内緒にする、と屈託のない笑顔で言う。

響 小説家になる方法 第52話 花代子

その言葉と態度を見て張り詰めたような雰囲気を纏う響。
響 小説家になる方法 第52話 響

手の小指を出して、指切りを求める響。

不思議に思いながらも、うん、と同じく小指立てた手を掲げる花代子。

「指切りげんまん、嘘をついたら、針を飲ませる。」
響 小説家になる方法 第52話 響

響は、歌わずに、まるで脅すように言う。

さすがに少し神妙な表情になる花代子。

これは響、相当ストレス溜めてるな(笑)。

まさか味方に刺されることは考えてなかったんだろう。

「指きった。」
二人の子指が離れる。

リカさんにも内緒? と問いかける花代子に、リカはいい、と響は目を閉じたまま即答する。

響が目を開く。

「ところで、かよは『お伽の庭』って知ってる?」

なんか聞いたことある、と答え、作者が女子高生であることは知らず、知ってることといえばせいぜい芥川賞を獲得したこと程度の様子の花代子。

響は読んだかと花代子に聞かれてもさあとごまかす響。

それより漆黒のなんとかってなんだ? と問う響にラノベっぽくないからつけたしたと答える花代子。

本当にろくなことしない花代子ちゃん。

響はもっと強く咎めても無理ないんだけど、この態度は偉い。

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タカヤに負けるシロウ

翌日。学校。

「シロウさー、昨日部活サボったっしょ!」
「センパイ達から今日は連れてこいって厳命されてんだけど?」
響 小説家になる方法 第52話

「……いや、いかねーだろどう考えても。」
テンションの低いシロウ。
響 小説家になる方法 第52話 シロウ

アンタが暴れたせいで文芸部に新入生が寄り付かないと言う言葉にあのメガネだろ、と反論するシロウ。

サキの自分を見ている視線に気づく。
響 小説家になる方法 第52話 シロウ

このまま逃げたら負け犬だよ、汚名をなんとかするには部活に行くしかない、とシロウを囃す二人。

何馴れ馴れしくしてんだ、ぶっ殺すぞ、とすごむシロウの首にガシッと腕をまわすタカヤ。

「いいからこい!」
響 小説家になる方法 第52話 シロウ

タカヤ…さん、とおとなしくなるシロウを、なんでオレが、と言いながらシロウの首に腕をまわしたまま歩いてくタカヤ。

引きずられてる、殺されるの? と、その光景を見ている生徒たち。

タカヤたちのあとを女の子3人が歩く。

リカに言われてきたのかという問いにああ、と肯定するタカヤ。

離せよ! と腕を振りほどこうとするもビクともしないため抵抗を止めるシロウ。

「……マジで、勘弁して下さいよ…」

「女にシメられて…どのツラさげて部室に行けんだよ…」

タカヤはじっとシロウの言葉を聞いている。
響 小説家になる方法 第52話 タカヤとシロウ
「男が細かい事気にすんな。」
「どーんと構えてりゃいいだろ。」

「できねースよそんなダセーマネ…」
シロウは情けない表情になっている。

「コソコソ逃げ回ったり仕返しすんのがカッコいいのか?」
タカヤの問いかけに無言になるシロウ。

「しれっとしてりゃいいんだよ。もう終わったケンカだろ。」
前をキッと見て言うタカヤ。
響 小説家になる方法 第52話 タカヤとシロウ
そんなタカヤを見上げるシロウ。

タカヤはシロウの首からヘッドロックしていた腕を外す。

「…つっても。」
言葉の続きを言うことなく、下を向いてしまうシロウ。

「……それにお前はまだマシだ。」
目を閉じているタカヤ。
「オレの時は指を折られた。」

タカヤの告白に衝撃を受けるシロウ。
響 小説家になる方法 第52話 シロウ

「指? マジすか?」

「えー! タカヤさんも響さんとヤっちゃったの!?」

「…何をだよ。」

響に指の骨を折られたタカヤの言葉だからこそ説得力がある。

シロウは救われたんじゃないか。

タカヤは先輩らしいことするなぁと思う。

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どっちの小説が面白い?

文芸部の部室。

「ラノベの賞辞退しちゃったんスか?」

驚くツインテ―ルの女の子に花代子がうん、と答える。

すかさず、もったいない、と花代子に言葉が返って来る。

リカが花代子を見つめて言う。
「後で詳しく聞かせてね。」

はい…と花代子がしおらしく答える。

「サキ」

ソファに座っていた響が声をかける。

「小説読んだ」
笑顔で自らの鞄から原稿用紙を取り出す響。
響 小説家になる方法 第52話 響

響があの響だと知っているサキに衝撃が走る。

ミステリーなのね、と批評を続ける響。
結構面白かったとサキに原稿を返す。

原稿を受け取ったサキは少し茫然としてから口を開く。

「響先輩の小説と、どっちが面白いですか……?」

リカがその様子を見ている。

サキは結構野心家なところがある。

いいことだと思うけど、花代子に続いてこの子からも響が「響」であることがバレるきっかけになるかもなと思った。

響は、さあ? と即答する。

「正直に言って下さい!! 気を使わなくていいですから!」

語気を若干荒げるサキに、別に使わないけどと響。

「自分の小説を主観抜いて人と比べるなんてできないわよ。私をなんだと思ってるの。」
淡々とした口調でサキを諭すように響は言葉を紡ぐ。

「何って…」
口ごもるサキ。
(神……)

「私は編集でも神の使いでもない。ただの響よ。」
響 小説家になる方法 第52話 響

響と目を合わせられないサキ。
(……説得力ないです。)

リカは目を閉じている。

芥川賞・直木賞ダブル受賞なんて本来あり得ないからなぁ。

コンセプトが異なる文壇で最高峰の賞、その両方をいっぺんに受賞する作品なんて伝説以外の何物でもない。

そんなものが若くして書けるのだから神と評されても不思議じゃない。

響は揺るがない。

5月。

小論社。

「もしもし響? ちょっといい。」

「NF文庫新人賞ってのに身に覚えはある?」

響に電話をしている花井らしき後姿。

PCのディスプレイには

NF文庫新人賞結果発表
『漆黒のヴァンパイアと眠る月』
作者:ひびき

と表示されている。
響 小説家になる方法 第52話 ひびき

津久井やりやがった(笑)。

この一手は津久井にとって妙手となるか? 悪手となるか?

自身の揺るがぬ感性で生き、行動する響の前に予想は不可能。

どんな無茶苦茶なことをやってくれるのか期待している。

ひょっとして、これが響が「響」だとバレるきっかけになるのだろうか。

響であることがバレないために考えられる解決法は、ますは賞を辞退して出版を停止する。これが一つ。

もう一つは続編を響が書かずに花代子にでも書かせてその出来にガッカリさせることで、1作目で獲得するであろう読者の作品への熱を一気に収束させる方向にもっていく。

後者の方法で、「ひびき」という名前は響本人ではなく、響フリークの作家によるペンネームだと理解されるだろうか?

ただ、続編を花代子に書かせて物語を殺す形で収束させることを響が行うとは思えない。

これをきっかけに色々状況が変わっていくのか、それともさらっと事態を収束させてしまうのか。

楽しみ。

以上、響 小説家になる方法52話のネタバレ感想と考察でした。

次回、53話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

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