第69話 力の差
第68話のおさらい
鬼頭軍曹の攻撃を胸部に受け、血を流すサタン。
さらに追撃すべく鬼頭軍曹は額にエネルギーを集中する。
作戦通り、耳の穴からサタンの体内へ侵入した桃ノ木少佐とヘフナー伍長は、穴のような器官の前で立ち止まっていた、
鬼頭軍曹が発射したビームをひらりとかわすサタン。
その瞬間、桃ノ木少佐とヘフナー伍長の目の前の器官が発熱し、大量の炎が噴出する。
二人は意識を失った状態でサタンの体の外に押し出されてしまうのだった。
サタンはその直後に口からも炎を噴き、塩沢上等兵も外へ出す。
気を失い、頭から真っ逆さまに地上へ落ちていく桃ノ木少佐だったが、意識を取り戻して状況を把握し、急いでデバイスを操作する。
そして間一髪、地面に激突する直前で浮上するのだった。
ヘフナー伍長と塩沢上等兵は巨大化して、アスファルトに背中から着地していた。
サタンが胸に負った傷は、既にほぼ完全に再生が完了していた。
鬼頭軍曹は元のサイズに戻り、サタンに向かって川沿いの道を走っている。
飛行してサタンの背後までやってきた桃ノ木少佐は、今後の作戦について思考を巡らせる。
その時、突如サタンの巨大な左手が桃ノ木少佐を捕えるのだった。
第69話 力の差
サタンは桃ノ木少佐を捕まえた右手をグッと握りしめる。
「少佐!!」
サタンに向かって特攻する鬼頭軍曹、ヘフナー伍長、塩沢上等兵。
ヘフナー伍長と塩沢上等兵はサタンの真正面から突っ込み、鬼頭軍曹は背後からサタンの首に裸絞めを決める。
しかしサタンは微動だにせず、至近距離に迫ったヘフナー伍長と塩沢上等兵を見据えていた。
塩沢上等兵の右ボディがサタンの腹に突き刺さる。続けて同じ部位に右膝蹴り。
ヘフナー伍長はサタンに左ストレートを決めていた。
連続で腹部に膝蹴りを入れる塩沢上等兵。
しかしサタンは慌てず、右手を前にかざすとヘフナー伍長と塩沢上等兵は二人とも念動力で一気に弾き飛ばされるのだった。
二人は河に沈む。
サタンは右手の人差し指をクッと曲げて、念動力で二人を河の中から空中に持ち上げる。
サタンの首を必死に絞めている最中の鬼頭軍曹には、サタンの為すがままになっている二人をただ見ていることしかできない。
今度は右手の人指し指、そして中指を順番に曲げるサタン。
鬼頭軍曹の鼻から鼻血が流れ、サタンの首を絞めていた腕が念動力で強制的に外されていく。
鬼頭軍曹はヘフナー伍長や塩沢上等兵のように肩や腕の関節を逆に曲げられ、身動きがとない。
そして3人はサタンの念動力で首を曲げられていく。
鼻血を流し、苦悶の表情を浮かべる3人。
そこに駆け付けたのは空を高速で飛んできたパピコだった。
パピコは3人を助ける決意を秘めた表情でサタンに向けて突っ込んでいく。
感想
サタン強すぎ。本当に力の差を感じる。これまで出てきた敵の中で間違いなく一番強い。
今回の話では桃ノ木少佐を握りつぶされてしまったのをきっかけに、感情を爆発させた3人が弾かれたようにサタンに特攻した。しかし結論としては全く倒せる気がしない。
全然攻撃が効かないし、念動力がチートレベルで強い。
活路はどこにあるんだ……。こんなのどうやって勝てというのだろう。
念動力で完全に動きを封じられ、首や腕を曲げられている。
攻撃を受けている戦士たちの顔に血管が走り、鼻血が出ていることから念動力は体内にも強く作用しているようだ。血管を切りまくっているということなのか。恐ろしい。
アメリカのヒーローはこうやって成すすべなく仕留められてしまったのだろう。
このままだと鬼頭軍曹、ヘフナー伍長、塩沢上等兵は間違いなく死んでしまう。
しかしそこにタイミング良くパピコが駆け付けた。
彼らがギリギリ救える最後のタイミングに、ジャストで間に合ったと思う。
どうやって倒すのかは別にして、少なくともサタンの攻撃対象がパピコに向くことで瀕死の3人が生き残る確率は上がると思いたい。
念動力が複数に一気にかけられるのであれば、3人の状態はそのままでパピコも同じように拘束されるだけなのではないかという懸念があるが、パピコの発想力が事態を打開してくれる……はず。
ここからの巻き返しに期待だ。
あと、サタンに握りつぶされたように描写された桃ノ木少佐も、まだ死んだとは限らない。
サタンの握られた手から潰されたはずの桃ノ木少佐の血は見られなかった。
サタンの手中からはすでに脱出したか、もしくはそもそも捕まっておらず、サタンの近くで反撃のタイミングを窺っている?
何にせよ、まだ生きている可能性はあると思う。
それどころか、サタンの体内に再潜入済みで、逆転に向けて着々と準備している、とかだったらすごいんだけどな……。
次号、パピコはかつてない強力な敵にどう対処するのか。
メチャクチャ楽しみ。
以上、ギガント第69話のネタバレを含む感想と考察でした。
第70話に続きます。
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