第36話 パピコⅡ
第35話のおさらい
輸送ヘリで自衛隊員と一緒に運ばれるパピコ。
隊員たちの中に一人異質な存在がいることで、彼らの話題はパピコのことばかりになる。
パピコの着ているスーツについて問いかける隊員に、別の隊員が、それはアメリカから取り寄せた超伸縮素材らしいと答える。
パピコの隣の隊員が、DVDを持っているとパピコに話しかける。
ありがとうございます、と笑顔を返すパピコ。
輸送ヘリ内で、自衛隊員たちとパピコの和やかな会話が続く。
隊員たちの中には、パピコが巨大化することを信じられないというものもいた。
その隊員は、他の隊員からなぜパピコがこの輸送ヘリで運ばれているか質問され、命令だからしかたがない、と答えるのだった。
とにかく俺達がやるしかない、と意気込む隊員に、自分たちが彼女に守ってもらうのだとある隊員が答える。
そのやりとりを聞いていた、他の隊員たちが一斉に笑う。
自分達がパピコに守ってもらうと言った隊員は、彼女が大きくなると歩くだけで建物を破壊するので現地まで輸送ヘリで運ぶのだと続ける。
その言葉を聞いてなお、パピコが大きくなるということに半信半疑の隊員も少なくない。
「彼女に、俺達が、守ってもらうってかよ。」
隊員たちの間に再び笑いが起こる。
そんな会話をしている内に、現場付近にさしかかる。
「おいおいおいおい」
窓の外の光景を見ていた隊員が呟く。
それに反応して、他の隊員も窓の外に視線を送る。
輸送ヘリ内に動揺が広がっていく。
新宿の街中で暴れる三体の巨人。
戦闘機が巨人のパンチで破壊されていた。
さきほどまで明るく会話していた自衛隊員たちの間に、一瞬で恐怖が駆け巡る。
地上では、女子高生と子供を先導していた外国人は、階段でビルの屋上に上がっていた。
屋上には、先に避難してきたらしき人たちが数人集まっている。
輸送ヘリの後部ドアが開き、巨人目がけて、自衛隊員たちが次々と飛び出していく。
やがてパピコも席を立つと、後部ドアに向かって歩いていく。
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第36話 パピコⅡ
降下
輸送ヘリから飛び降りていく自衛隊の隊員たちの中、パピコは飛び降りることを躊躇っていた。
そんなパピコをまだ飛び降りていない隊員が次々と追い抜いて輸送ヘリを飛び出して行く。
意を決し、パピコは空中に身を躍らせる。
急降下していく恐怖から、こわい、と何度か独り言を繰り返したパピコは、頃合いを見て手元のレバーを引き、パラシュートを開く。
パピコは周りの自衛隊の隊員たちと同じようにパラシュートでゆっくりと地表に降下しながら、右手の巨大化デバイスを操作し始める。
みるみるうちに巨大化していくパピコの様子に、周りの隊員たちは驚愕の表情を浮かべる。
バチンッ
パピコのスーツはある程度の大きさまではパピコの巨大化に耐えていた。
しかしそれもすぐに限界を迎え、パピコの裸体が露わになる。
パラシュートもその身から離れ、空中に全裸の巨大パピコが投げ出される。
電車内の零
零は激しく振動を続ける電車の中にいた。
乗客から悲鳴が上がる中、零はスマホで母とやり取りをしていた。
母:新宿のどこ?
零:ごめん母さん
もうダメかも
母:そんなこといわないで
零:ごめん
何とかがんばってみる
母さんも気をつけて
頭部に傷を負い、もはや打つ手なしと悟った様子の警察官は横断歩道に横になり呆然と天を見つめていた。
空から何人もの自衛隊の隊員たちがパラシュートで降下してくるのが視界に入る。
新宿の街中では絶えず3体の破壊神が暴れまわっていた。
着地
ビルの屋上。
女子高生と子供、そして彼女たちをここまで誘導してきた外国人男性は破壊神たちが暴れている様子を為す術なく見つめていた。
先に避難していた人たちはただただ怯えるばかり。
アスファルトに降り立った自衛隊の隊員たちはパラシュートを外し、その場から移動する。
隊員たちは破壊神が戦闘機やビルを相手に暴れ回っている光景を前に、何も出来ない悔しさで顔を歪めていた。
ビルの屋上に避難していた人たちは泣き叫んでいた。
そんな中、女子高生と外国人男性は不安げに立ち尽くすのみ。
彼らのビルの近くに一体の破壊神が立つ。
それを見上げる女子高生たち。
ドドドンッ
破壊神の正面に全裸のパピコが着地する。
戦闘機が飛び交い、パラシュートが降下している中、パピコは堂々と立ち破壊神を正面から見据える。
感想
破れたスーツ
なんてことだ。伸縮スーツは巨大化には耐えられなかった(笑)。
ある程度の大きさまでは耐えていたからすごい技術であることは間違いない。
でも破壊神並みに巨大化するとなると、さすがにそこまで耐えられる素材ではなかった模様……。
アメリカのヒーローは服着てたのにな……。
あれは多分、未来から来たおじさんの仲間が直接戦っているのかな。
あのダサイ格好は、パピコの目の前で人形になった(死んだ?)おじさんと同じだったから多分そうだと思うんだけど……。
未来のコスチュームの素材があって、それじゃないと巨大化には耐えられないのだろう。
パピコがおじさんから託されたのはデバイスと、あとはディスクと何かの部品だけだった。
その中にコスチュームはない。
そういえばパピコがおじさんから受け取ったもので思い出したけど、あのディスクの入れ物にあったイヤホンみたいな部品はなんだったのだろう。
今後出てくるのだろうか。ひょっとしたらそれがコスチュームの可能性もある。
戦い
いよいよ破壊神たちとのバトル。
以前の破壊神を倒したように、パラシュートでまずはその接続部に飛び込んでその上で巨大化して内部から破壊すればいいのに、なんて思ったけど、でも普通の大きさの状態で攻撃を食らったら死ぬわな。
パラシュートで降りているから目立つし、こっそり接続部に侵入するのは困難だろう。
やはり基本は巨大化。その上で状況が許せば内部で巨大化して破壊する作戦って感じかな。
ラストのページのパピコは随分と堂々とした佇まいだった。
防衛大臣? 法務大臣? に依頼され、零を救うために腹を決めたんだろうな。
とはいえ決意だけで強くなれるほど現実は甘くない。
特に格闘技も知らないであろうパピコが果たしてどうやって複数を相手に戦うのだろうか。
楽しみだ。
以上、ギガント第36話のネタバレを含む感想と考察でした。
第37話に続きます。
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