第63話 来た
第62話のおさらい
零と中島は、零の父が作った映画『パピコVSゴヂラ』の試写会に来ていた。
映画鑑賞を終えて、中島と別れた零は、電車を待つ間、パピコに、楽しめたと映画の感想を返信する。
一方、未来から来た戦士たちはうどん屋に並んでいた。
長嶋大佐が時間移動球をどこに隠したのかと鬼頭軍曹が桃ノ木少佐に問う。
桃ノ木少佐はその在処を知らなかった。
「失くすなよ…元の時代に戻れなくなる。」
そう、仲間たちに呼びかけるのだった。
帰宅したパピコは玄関先で待っていたもちを抱き上げる。
そしてパピコがトイレに入ってる間、もちはテレビ台の脇にあった長嶋大佐のディスクケースを取り出し、その中から出てきた時間移動球を口に含む。
トイレから出たパピコはもちがいないことに気付く。
「もちが、もちが!!」
慌てて玄関から出たパピコは、今まさに帰宅しようとしていた戦士たちと鉢合わせる。
「もちが! もちがいないの!!」
泣きながら繰り返すパピコ。
「もちが!! もち!! もちがいないの!!」
第63話 来た
もちの行方
パピコの部屋で、もちがいなくなった原因を探す戦士たち。
桃ノ木少佐は床に落ちていた長嶋大佐のディスクの中に時間移動球があることを発見する。
もちの居場所を不安そうに問いかけるパピコに、桃ノ木少佐は、恐らく、と前置きして過去か未来にいると答える。
もちが長嶋大佐のディスクを発見し、時間移動球を口に入れたことで時間移動が発動したと推理するのだった。
塩沢上等兵はパピコに時間移動球とは口に入れて使用するタイムマシンだと説明する。
帰ってくるの? と不安そうなパピコ。
桃ノ木少佐は、時間移動球はタッチバネルで操作するものだと言って、もちが舌でなめた時にタッチパネルを操作したとしても、タッチパネルの反応が鈍いのでそこまで未来に行くとは思えないと続ける。
過去に行った可能性は無いかという鬼頭軍曹に、桃ノ木少佐は、もし過去に行ったならもちは既にこの部屋にいるだろうと答える。
「安心しろ。もちは、そのうちこの部屋に出てくる。」
本当? と不安そうなパピコを桃ノ木少佐は笑顔でみつめる。
「大丈夫……またすぐ会えますよ……」
塩沢上等兵もパピコに微笑んでみせる。
桃ノ木少佐は、長くても2、3日で出てくるだろうと結論してこの日は全員就寝するのだった。
「もち……もち……」
パピコは眠れずにいた。
崩壊する日常
零は電車で学校に向かっていた。
離れたところで、人が倒れたり吐いたりしている事に気付く。
そしてすぐ傍らでスマホを眺めていた男性も吐き始める。
電車が停車する。
慌てて車両を降りた零は、胸の動悸を抑えるのに必死だった。
ふと向かいのホームを見ると、ちょうど電車がやってきたところだった。
「ムリムリムリムリ。」
「あーっ。」
4人の男女が電車の前に飛び降りる。
唐突な自殺に騒めく人たち。きゃー、と上げる悲鳴。
続けて別のホームでも飛び込み自殺が起こる。
要請
嫌な考えを忘れるようとするかのように、零はぶんぶんと首を振る。
零はホームの黄色い停止線を越えて立っていた。
そこに、電車がやってくる。
同時に零の左右から電車に飛び込むサラリーマンたち。
零は口元を押さえながらホームから離れて改札に通じるエスカレーターに乗る。
パピコはマンションのそばの道路で着信をとっていた。
「え!? 防衛省?」
パピコのすぐ近くに停車した車から、スーツの男が出てくる。男はパピコが電話を終えるのを見計らうように、黙って立ち、パピコを見つめている。
「えっ? 今からですか?」
未来から来た戦士たちはテレビでサタンの東京上陸の生中継を見ていた。
「パピコを連れ戻して来い。」
画面をじっと見つめながら、部下たちに指示する桃ノ木少佐。
巨大なサタンが、今まさに東京湾から東京に上陸しようとしていた。
感想
ついにサタンがやってきた。きっとこの個体は、これまでパピコが戦ってきたどの巨人よりも強いんだろうな……。
アメリカを守っていたヒーローは、このサタンによって殺されてしまった。
やはりパピコに出動要請がかかった。
しかし国は把握していないが、戦士はパピコだけではない。
次回、もしくはさらに次の回で、いよいよ未来から来た戦士たちの戦いが見られるのか。
すげー楽しみ。
これまで彼らは麺類にハマったり街歩きをするなど、特に緊張感もなく現代を楽しんでいたように見えた。
もちろん、街中のヤクザたちを簡単にのしてしまうあたり、肝心の戦闘能力はきちんとあるようだ。
問題は、それがサタンに通用するか、だろう。
アメリカのヒーローも桃ノ木少佐たちのような格好をしていた。
おそらくだが、未来から来た戦士たちの装備は共通だと考えられる。
アメリカのヒーローはサタンを受けてやられてしまった以上、当然彼らの装甲でサタンの猛攻は防げない。
死の危険は相当高い。しかし一切動揺を見せない桃ノ木少佐たちはかっこいいわ。
初登場以来、ずっと彼らの人間らしいところを見てきた。
彼らが無残に死ぬところは見たくない。
仲間たちやパピコと連携をとることでサタンを見事に撃退して欲しいところだ。
もし彼らがやられてしまったら結構落ち込むだろうな。自分はすでに彼らに対してそのくらいの親しみはもってしまった。
果たして戦士たちは生き残れるのか。
もちは少し先の未来に飛んだ可能性が高いとか。
放っておけばそのうち家に現れるだろうって面白過ぎる。
しかし簡単に会えてしまったなら、なぜもちが未来に飛ぶという事件がわざわざ描かれたのか。
何か狙いがありそうな気がする。楽しみ。
以上、ギガント第63話のネタバレを含む感想と考察でした。
第64話に続きます。
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