第62話 もち
第61話のおさらい
自らの妊娠を知ったパピコは靴も履かずに外に出て、零に電話をかけ始める。
電話に出た零は沈黙しているパピコに、どうしたのかと訊ねる。
パピコから子供が出来たことを切り出された零は泣いていた。
そしてパピコの元に向かうべく、靴も履かずに玄関から飛び出て、夜の住宅街に駆け出すのだった。
互いを求め、夢中で走った二人が落ち合ったのは、以前自転車で二人乗りして下った坂道だった。
零は妊娠について、たぶん間違いないと思うというパピコを抱きしめて、嬉しい、と呟く。
パピコは本当に? と泣きながら聞き返す。
「大丈夫なの? 産むよ…あたし…」
零はもちろんと言って、パピコを抱きしめる。
「ああ…ちほさん。ちほさん……ちほさん……」
二人は並んで歩き出していた。
事務所と話し合って今後のことを考えなければと呟くパピコ。
パピコは、高校やめて働くことを考え始めている零を、高校は卒業してと諭すのだった。
第61話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。第62話 もち
映画
零と中島は、零の父が撮影していた映画を観に来ていた。
映画の上映前の舞台挨拶で零の父が主演のパピコの隣に立ち、普段CGばかりの自分が本当に大きくなれる人に直接演技指導が出来ると話している。
挨拶が終わり、いよいよ映画『パピコVSゴヂラ』が始まる。
新宿の街を水着を着た巨大パピコとゴヂラのド迫力の戦いを、零と中島は夢中で見つめていた。
住宅街を歩く戦士たち。
ヘフナー伍長が前を歩く鬼頭軍曹のお尻に触れる。
「きゃっ」
奇声を上げる鬼頭軍曹を、前を歩く桃ノ木少佐と塩沢上等兵が不思議そうに振り向く。
映画鑑賞を終えた零と中島は、映画の感想を言い合いながら街を歩いていた。
あの辺で闘ってた、と新宿都心を指さす零。
中島と別れた零は、ホームで電車を待つ間、パピコからの映画の感想を求めるLINEに返信する。
ムチャクチャ面白かったよ
最後泣いた!!
そうやって、零は映画が楽しめたことを端的に伝えるのだった
時間移動球
戦士たちはうどん屋に並んでいた。
鬼頭軍曹は、長嶋大佐が時間移動球をどこに隠したのかと桃ノ木少佐に問いかける。
わからん、と桃ノ木少佐。
「失くすなよ…元の時代に戻れなくなる。」
コーギーのもちは飼い主であるパピコの帰りを、パピコの部屋で今か今かと待っていた。
帰ってきたパピコに抱き上げられるもち。
パピコはもちを降ろすと、トイレに入る。
便座に腰を下ろし、スマホでメッセージを作っている間、もちはテレビ台の脇にしまってあったパピコが長嶋大佐からもらったディスクケースを取り出す。
開いたディスクケースのわずかな空きスペースに小さな平たい球がある。
もちは二つあるうちの一つの球を頬張り、飲み込んでしまう。
「まだあの人達帰って来てないのね。」
トイレから出たパピコはビールを飲みながら自室に入り、そこで違和感に気付く。
「ん?」
パピコは何度ももちの名を呼ぶ。しかし、もちは一向に姿を現さない。
「もちが、もちが!!」
パピコは慌てて玄関から出ると、ちょうど帰宅しようとしていた戦士たちと鉢合わせる。
「もちが! もちがいないの!!」
パピコは泣きながら繰り返す。
「もちが!! もち!! もちがいないの!!」
感想
もち、無茶苦茶かわいい。
どの犬種も大概かわいいけど、コーギーはトップクラスに入ると思う。
ただでさえかわいいのに、パピコからしたら家族も同然のもち。
そんなもちが時間移動球なる異物を食べてしまった。
パピコの部屋から消えてしまったのは間違いなくそれが原因だ。
時間移動球ということは、もちは別の時代に飛ばされてしまったという事だろう。
未来から来た戦士たちが、時間移動球に関してそれが無いと元の時代に戻れなくなる話していたことから、もちが食べた長嶋大佐の時間移動球には、彼らがやって来た時代の座標がプログラムされていたと思われる。
時間移動球は二つあった。
もし仮に二つ一組で使用するものだったら、もちは全く別の時代に飛んだこともあり得るか?
もう一つがスペアだったならそれを使ってパピコが追いかけられる。おそらく後者だと思う。続きが気になるところだ。
もし時間移動がエネルギーを大量に消費する技術で、連続使用が出来なかった場合、果たして未来の戦士たちはサタンの危機が迫る日本を放っておいて、犬を探しに元の時代に戻るのだろうか。
サタンと戦うのかなと思いきや、全く予想できない形で次の問題が発生した。
面白過ぎる。
以上、ギガント第62話のネタバレを含む感想と考察でした。
第63話に続きます。
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