GIGANT ギガント最新決断第55話ネタバレを含む感想と考察。世間の悪意に追い詰められた零の選択。

第55話 決断

第54話のおさらい

起床したパピコは、マネージャーからの電話でテレビをつけるよう指示される。

テレビは零と自分の関係を報じていた。

マネージャーから、本日の仕事がキャンセルになったので、事務所に来るようにと告げられるパピコ。

パピコはスマホを耳に当てたまま、テレビを見つめていた。

すでにパピコのマンションの周囲にマスコミが大挙して押し寄せており、部屋のチャイムが連射されている。

テレビはパピコの相手の情報にも言及し始めていた。
「都内の高校に通う男子ですが、映画の東王のプロデューサーを父に持つ、」

満員電車に揺られていた零は、視線を感じた方に目を向ける。
そこには自分にスマホを向けた男性がいた。男性は零と目を合わせたままシャッターを切ると、撮ったばかりの零の写真にテキストを添えて投稿しようとしていた。

嫌な予感に駆られた零は、中吊り広告にパピコが未成年と熱愛していることや、目線を隠した自分の写真が載っている事に気付く。

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零は電車を降りて、学校までの道のりを行く。
その道中、同じ学校の学生を含めてすれ違う人の多くが自分とパピコについて話している事に気付く。

登校中の同じ学校の学生たちは、自分の通っている学校の生徒がパピコと付き合っていると知り、相手探しに興奮していた。

教室でもクラスメートたちはパピコの相手を探す。
スマホを片手に、友達と楽しそうにパピコの彼氏探しをするうち、写真を発見する。

ネットに上がっている写真が零に似ていると気づき始めるクラスメートたち。
しかしすぐにそんなわけがない、冗談だという流れになり、雰囲気は氷解していく。

零は中島と屋上に避難していた。

今日は帰ろうかな、と零が言ったところで、二人の見慣れない男子学生が屋上に現れる。
男子学生たちは零を見て、一人が仲間を呼びに行くのだった。

その様子に危険を感じ取った中島。

新しく屋上に現れたのは身体の大きな男子学生だった。
「お前? 横山田ってお前?」
敵意の籠った視線で零を見下ろす。
「マジかよ……なんだよこれ…」

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第55話

ボコボコ

上級生から、パピコの電話番号を知っているかと問い質される零。

答えずにいると、「聞いてんだぞ」と凄む上級生。知ってたらなんだよと反応してきた零に、マジで知ってんの? と信じられない表情を浮かべる。
「何コイツ!? マジで? なんなの!?」

零の隣に立っていた中島はこの状況に危機感を覚えていた。

「ウッソだろ…マジで…コイツが……なんでこんなチビが…パピコとセッ……」
顔を手で覆う上級生。
「………」

やることやってるのかと問われ、関係ないと答える零に上級生はパピコを呼び出すように命令する。

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零は抵抗するが、上級生は要求を決して曲げない。
「パピコに……会わせろ……」
零の腹部に拳を叩きこみ、顔を膝で蹴り上げる。

派手に鼻血を撒き散らして、零はその場に跪く。
苦しそうに呼吸する零。その鼻と口から血が流れ落ち、床に血だまりが出来る。

上級生は、パピコに会わせろと要求しながら零の顔を殴っていく。

隣で為す術なくやられている零から顔を逸らし、中島は震えていた。

「パピコを呼べ!! 呼べっつってんの!!」

零は涙を流していた。

中島は自分の上履きを、零の髪を掴んでいる上級生の顔に投げつける。

揃ってボコボコにされた零と中島は、保健室でに来ていた。
今の子は限度を知らないわね、という保健室の先生の言葉を、二人は項垂れて聞いていた。

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零の出した答え

「気をつけて帰れよ…」

「うん。」

駅のホームで別れる零と中島。

零はスマホでパピコのタグがついたツイートを読みながら駅から自宅までの道のりを歩く。

その内容は未成年に手を出したことを手酷く非難するものばかりだった。

パピコの「充実した3日間だった」というツイートは、リツイートが20万件を超えているのに対していいねが1000件弱しかついていない。

横山田家の周囲は報道陣が囲んでいた。

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家の中に入った零を迎えた母は、ケガを見て誰にやられたのかを問い質す。

警察に電話するという母にまともに向き合うこと無く、零は自室に籠るのだった。

点けたテレビではワイドショーが流れている。今回のパピコのことが淫行条例に引っかからないかどうかという話題で盛り上がっていた。

零はワイドショーをBGMにスマホでまとめサイトを確認する。
パピコのことを取り上げた記事ばかりで、そのタイトルはいずれもゲスなものばかりだった。

ワイドショーはパピコが出演したCM27本のスポンサーが降りたことや、映画、ドラマの製作中止によって違約金の額が30億を越えると解説していた。

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テレビを消し、呆然とする零。その頬に静かに涙が伝っていく。
零は立ち上がり、しゃくり上げて泣いていた。

夜、ベッドで寝ているとスマホが鳴る。
電話の相手はパピコだった。

色々あってこんな時間になったと謝るパピコに、零は大丈夫と言って、様子を確認する。

社長に相当怒られたと答えたパピコに、零は切り出す。
「聞いて………」

「え?」

「僕達…わ……別…れよ…う…」

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感想

二人はどうなる

決断ってこういうことかよ……。話が一気に辛いフェーズに移ったな……。

まぁその決断に至るのもしょうがないのかなとは思うけどね……。零はごく普通の高校生だし。

パピコがここまでひどいバッシングを受けるに至ったのは、未成年である自分との関係が原因だと零は理解している。
そして、そもそも零はサタンを倒して時代の寵児になってしまった頃から、パピコと付き合い続けることに気後れを感じていたように思う。

零は決して口にしたことはなかったが、表情や行動からそんな気持ちが垣間見えていた。

それでも石垣島旅行で二人は絆を確かめ合い、それはさらに強まったはずだった。

しかしとんでもなく痛いカウンターパンチを世間から受けてしまったわけだ。

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零からすれば絶好調の人生だったパピコを、自分の存在によって一気に地獄の底に突き落としてしまったという申し訳なさが先行しているのではないか。

もし自分が零の立場だったらどうしただろう……。こんな絶望の底に一気に叩き落されても尚、別れないと言葉と行動で強く主張できただろうか。
相手が、それでも自分の事が必要だと言ってくれたとしても、自信がない……。だって二人で外に出たら好奇の目に晒されることを覚悟しなくてはならず、平和の日々は当分来ないことを意味しているのだから……。

パピコのためを想って別れようとしている零の気持ちはわかるが、ではパピコはどうなんだろう。
電話では社長に怒られた、くらいの意外と軽めの報告だったけど、実際ダメになった契約の違約金が30億にもなろうかという話だし、相当追い込まれていると思う。
でもこの事態を受けても、電話での話しぶりからパピコには自分から別れるつもりはないように見える。
大変な状況になったけど、零と一緒なら大丈夫だと思っているのではないか。

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元々パピコは零と出会ってから最初はそこまでではなかったものの、付き合うようになってから零のことを支えにしてきた面があった。
パピコの過酷な人生に零は必要不可欠な存在なのだと思う。
だから今回のように零との不適切な関係をバッシングされても、心の平衡を保てているのだろう。

しかし今回、肝心の零自身から別れを切り出された。

事務所が無理やり別れさせようとしているわけではなく、零自らが言うとなると、パピコにはどうにもできないのではないか。
パピコだって零のことを想っているわけで、零を大変な状況に追い込んでしまった責任を感じているはず。
もはや二人が引き裂かれることは避けられないのか……。先が気になる。

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男を見せた中島

中島大した奴だなと思った。
てっきり震えながら零がクズにやられていくのを見ているしか出来ないのかなと思っていたけど、彼の零への友情は本物だった。完全に見くびっていたわ……。ごめん中島。

零のことをボコボコに痛めつけている真っ最中のあのガタイの良い暴力的な上級生に、真っ向から立ち向かうなんてなかなか出来ることではない。
勝ち目があるから戦ったわけではない。明らかに零と同じ目に遭うことを覚悟していて、それでも殴られている零を傍観出来なくて動いたのがわかる。中島の男を感じたわ。

完全に予想通り、零と揃ってボコボコにやられてしまったが、この二人の友情は深まったのではないだろうか。この二人の関係は続いていって欲しいと思う。

零と中島の友情が輝いたのも、上級生のクズがいたからだ。
やはり奥先生は誰かを引き立たせるために、頭が悪くて自分勝手なクズを描くのがバツグンに上手い。

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前回出てきた時からヤバイ奴だろうなと思っていたけど、全く予想を……いや、期待を裏切らなかった。
このクズっぷりはホームラン級だわ。
パピコと付き合っていることに嫉妬することはわかるけど、こいつがパピコと会えたところで付き合えていたとは限らない。こういうクズは会えれば何とかなると無邪気に信じているところがおかしいんだよなー。

まとめサイトのゲスなタイトル群が世間からパピコに対して向けられている悪意を端的に表現しているといえるだろう。
このクズのことだから、このネットの情報は見ているだろう。
仮に零がパピコを呼んだところで、正攻法で口説くはずがない。何をやろうとしているのかは簡単に予想がつく。

このクズにリベンジかます展開を期待したい。

以上、ギガント第55話のネタバレを含む感想と考察でした。

第56話に続きます。

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