第28話 帰路
第27話のおさらい
屋上で巨大な子供に見つかった零と中島は帰宅するために、教室にカバンを取りに戻ろうとしていた。
屋上から教室までの道中、廊下を全力で駆けていると子供の巨人に見つかってしまう。
零と中島は必死の思いで校舎内を昇ったり下りたりしながら、教室を目指す。
あまりにも必死な零たちを子供の巨人たちは楽しみながら追いかけまわしていた。
校舎を回り込んでは零たちをたちどころに補足していく。
「チョー必死。チョー必死。」
まるで虫や動物にいたずらするような無邪気さで零と中島を追いかける子供の巨人たち。
何とか子供の巨人たちをまいた零たちは教室に辿り着き、自分のカバンをロッカーから回収していた。
そこで再び子供の巨人たちにみつかってしまう。
子供の巨人たちは次々と仲間を呼び寄せては、零と中島を追う。
零と中島は必死に駆け回り、子供の目をまいたと判断した二人は、校舎の外に出て自宅へ向かおうとしていた。
しかしそこを、女児の巨人に見つかってしまう。
校舎外で見つかったため、零と中島、そして子供の巨人たちを隔てる壁はない。
二人は悲鳴を上げ、全速力で逃げるが、子共の巨人たちの大きな歩幅はあっという間に二人に追いつく。
二人は巨人にいつつかまれてもおかしくない状態で必死に逃げ続けていた。
ギリギリで躱し続けてきた零と中島だったが、ついに子供の巨人たちに周囲をとり囲まれてしまう。
零があっさりと子供の巨人に掴まれてしまい、壁に投げられそうになったその時、警察官が現れるのだった。
「撃て!! 撃て!!」
三人の警察官はいずれも拳銃の銃口を零を捕まえている子供の巨人に向けている。
威嚇射撃を省き、一斉に銃弾を子供に撃ち込んでいく警官たち。
子供の巨人は痛がるだけで倒れない。
無造作に蹴り飛ばすという子供の巨人の反撃を受け、さらに倒れた警察官は、何度も踏みつけられてしまう。
しかし人間の反撃は終わっていなかった。
次に現れたの猟銃を持ち、帽子とベストを身に着けた3人の男たち。
零を掴んでいる子供の巨人の頭や胸に銃弾が撃ち込まれていく。
その内の数発が子供の巨人の顔に当たり、彼らは危険を感じたのか、その場から逃げていく。
逃げていく子供の巨人に向けて、男たちはさらに銃弾を連続で撃ち込むのだった。
零を捕まえている子供の巨人は、ついに校庭に仰向けに倒れるのだった。
「よし!! 全部仕留めた!!」
校庭には今仕留めたばかりの子供の巨人と同じように、銃弾を受けて倒れたと思われる子供の巨人の死体が少なくとも4体は横たわっていた。
絶命した子供の巨人の手に掴まれたままの零は目を覚まし、必死に声を掛けてくる中島に、大丈夫、と答える。
「家に帰ろう!!」
第28話 帰路
都民を襲う巨人たち
校門を出て、駅に向かう零と中島。
二人の前をパトカーが何台も通り過ぎていく。
駅前ではサラリーマンの巨人に向けて警察官が発砲していた。
零と中島は電車が動いているのを確認し、改札に入っていく。
プラットフォームに上がるとちょうど電車が出る所だった。
二人は急いで電車に駆け込む。
電車の乗客の中には電話してる人が目立っていた。
その雰囲気に乗り、零も電話をかける。
窓の外には何体もの巨人がうろついていた。
巨人は力士、ヤクザ、セーラー服を着たおじさんとバラエティに富んでいる。
巨人が建物を襲ったり、人を投げたりしている中を、電車が走っていく。
乗客は窓の外に広がる地獄のような光景を前に、ざわついていた。
「何これ……もう……ダメじゃん…」
渋谷のスクランブル交差点では女子高生の巨人が闊歩していた。
面白半分に人を掴み上げ、その人たちが悲鳴を上げている様子を楽しんでいる。
浅草雷門前には、仁王像が巨大化して人を襲っていた。
脇に抱えられた何人もの人が悲痛な声を上げている。
口元にはおそらく人間を口にしたであろう痕跡の血がついている。
しかしその足元にいる大勢の観光客らしき人たちは、特に逃げる様子もなく、その光景を見ている。
帰宅
駅で別れる零と中島。
駅の外ではひっきりなしに救急車や警察車両のサイレンが鳴り響いている。
駅を出た零は、自宅まで全力で走り始める。
その道行の途中では、猟友会が巨人に対して銃で戦っていた。
自宅まで無事辿り着いた零。
玄関まで父と母が出迎え、零を抱きしめる。
その夜、テレビのニュースではようやく、政府が自衛隊出動を決めたことを伝えていた。
おせーよ、と突っ込む父。
母は、どうなっちゃうのよ、と頭を抱える。
「早えーとこ自衛隊出して一掃してくれよ!! 会社行けねーだろ!!」
父がテレビに向けて悪態をつく。
家の外では相変わらずサイレンや、ドンッ、ドンッという音が響いている。
零はベッドに入り休んでいた。
しかしそれらの音で一向に寝付けずにいた。
ぎゃああ、誰か!! と近くで悲鳴が上がっている。
しかし零は特に何も反応することなく、警戒することもなく、ベッドに横になっていた。
突然零の部屋の窓から巨人の手が突っ込んでくる。
零はベッドから起きて、部屋の中に蠢く巨大な手を見つめている。
部屋の外から母や父の零を心配する声が聞こえる。
「ちほ…さ…ん。」
あまりの光景に零は固まる。
感想
善戦?
意外にも人間側がETE側に善戦してたように見えた。
前回、零の学校で猟友会や警察が活躍していたけど、学校の外でも彼らの戦い方が巨人たちに通用してないかな?
被害はあるけど、攻撃は効いている。
それにこれから自衛隊も出るみたいだし、少なくとも東京都民が100万人にまで減ることは避けられそうな状況だと思う。
もちろん絶望的な状況であることに変わりはないが……。
東京駅? 周辺にヤクザが多いのは何故だろう(笑)。
力士がいたのは両国あたりなのかな?
東京都民の方で土地勘があるなら、もっと色々と楽しめるのだろう。
ただ、この状況に対してパピコがどう関わるのかがわからない。
拘置所って外の情報入って来ないのかな……。
情報を知ったら、居てもたっていられずに出て来そうな気がするけど……。
零の部屋に巨人が手をつっこんで28話終了、という流れだけど、この後いきなりパピコが現れて零を救う展開はあるのだろうか。
ギガント第28話のネタバレを含む感想と考察でした。
第29話に続きます。
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