約束のネバーランド 最新第82話猟場の主の感想(ネタバレ含む)と考察。森をうろついていたバイヨンの目的とは。そしてジリアンとナイジェルの危機。

第82話 猟場の主

第81話のおさらい

ナイジェルとジリアンは、本来ザックとペペが足止めしているはずのバイヨンを見つけ戦慄する。

 

ナイジェルは、ザックとペペがバイヨンにやられた想像に背筋を凍らせる。

 

ザックがやられたことが信じられない様子のナイジェル。
ザックはメンバーの中でも1、2を争う手練れだった。

 

高い身体能力に任せて無茶を繰り返すのでケガを負う機会が多く、治療に詳しくなった。

 

鬼を全滅させる作戦の会議上で、ザックはレウウィスに次ぐ実力の持ち主であるバイヨンの相手に立候補していた。

 

嫌な予感に囚われながらもザックとペペなら大丈夫、と自身に言い聞かせるナイジェル。

 

慎重にバイヨンを窺うと、手に持っている槍の先には血がこびりついている。

 

なんでお前がここにいるんだよ、とナイジェルは悔しさに歯噛みする。

 

森を抜けた先にすぐ村があり、そこにはエマとオリバーが足止めしているレウウィスがいる。

 

そこにバイヨンを合流させる事は作戦の瓦解を意味する。
つまり、このまま隠れてはいられない。

 

ナイジェルは特殊弾・専用銃無しでバイヨンを止められないかと考えるが、頭を抱えてしまう。

 

そしてナイジェルはジリアンに二手に分かれることを提案する。

 

ナイジェルは自分がバイヨンは足止めし、ジリアンはザック達の元へ安否確認と専用銃・特殊弾を回収に行けと告げる。

 

ジリアンは専用銃も特殊弾も森で動いているメンバーたちが持っており、オリバーとエマの手元には無いのだと気付く。

 

(届けなきゃ そして知らせなきゃ)
ジリアンはオリバー達に計画にズレが生じた事を伝えなくてはと考えていた。

 

「でもナイジェルはどうやって一人でバイヨンを止めるの?」
ジリアンは不安げな表情でナイジェルに問いかける。

 

ナイジェルはジリアンに考えがある、と強がってみせる。
しかし当然、策など無かった。

 

ナイジェルは、ザックに代わり自分が無茶をする時だと腹をくくるのだった。

 

ジリアンはナイジェルの犠牲を厭わぬ覚悟を感じていた。
ジリアンをザック達の元に向かわる一方で、ナイジェルは死守しようとしている。
それは作戦として正しいのだ、とジリアンは自身に言い聞かせる。

 

ナイジェルのカウント後、二人は動き始める。

 

銃を構えて駆け出すナイジェル。

 

ジリアンはナイジェルの予想外の方向へと駆け出す。
そして立ち止まって、仲間内で意味を決めていない吹き方で笛を吹く。
オリバーならば異変に気付くだろう、と考えてのことだった。
バイヨンに見つかったジリアンは一目散に逃げだす。

 

ジリアンは、ナイジェルが特殊弾も無しにバイヨンを一人で止めるのは無理だと理解していた。

 

ジリアンはバイヨンに特攻する。

 

これで、もし戦うならナイジェルと二人態勢になり、オリバーに銃を届けるのが優先ならばナイジェルが行けば良い。

 

(ジリアン!!)
ナイジェルが叫ぶ。

前回第81話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

 

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第82話 猟場の主

ジリアン VS バイヨン

ジリアンは、ナイジェルの言動から自らを犠牲にしてでも計画を死守する覚悟を感じ取っていた。

 

そんなナイジェルの思惑を裏切るように、ジリアンは我先にバイヨンの前に飛び出す。

 

(ごめん!! ナイジェル)
バイヨンと相対するジリアン。その表情には笑みを浮かべる。
(でも”死んでも守る”なんて絶対ダメ)

 

ジリアンはナイジェルと二人で戦うことを選択していた。

 

そして、ナイジェルがそれでもそれを拒否するなら、バイヨンの前に姿を晒している自分がナイジェルが断行するつもりであった死守を行う。

 

ジリアンはバイヨンに向かって走りながら発砲する。

 

槍を構えて銃弾の雨に耐えるバイヨン。

 

(ジリアン!!! なんで…!! 何のつもりで!!)
ナイジェルは目を見開きジリアンの決死の戦いを木の陰から見つめる。

 

しかしナイジェルはすぐにジリアンの行動の理由が”自分の代わり”であることに気付いていた。
(”俺は殺させない” そういうことだ)

 

ジリアンは、追って来るバイヨンに対し銃を向けながら逃げる。

 

バイヨンは、ジリアンに向けて槍で薙ぎ払う態勢をつくる。

 

迫りくる死の気配に硬直するジリアン。

 

(馬鹿野郎!!)
ナイジェルはバイヨンの左半身に向けて銃撃する。

 

槍の斬撃はジリアンまで届かない。
ジリアンは身を縮めることで何とか生きながらえる。

 

バイヨンは銃弾の方向に視線を送る。

 

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一緒に戦う

ナイジェルは木の陰から出てバイヨンに向けて銃を構えている。
「行け!! お前が行くんだよジリアン!!」
叫んでから、ジリアンと合流すべく駆け寄る。

 

「甘いこと言いやがって! ふざけるな!」
ジリアンに食って掛かるナイジェル。
「生きるか死ぬかの勝負だろうが!!」

 

バイヨンは二人を見つめながら左頭部に受けた銃弾の傷が再生するのを待っている。

 

「余計な情なんか圧し殺せよ 計画を何より優先 できるだろ!」
必死になってジリアンを説得しようとするナイジェル。
「今までだってそうしてきただろ だから」

 

「何よ」
ジリアンは慌てるナイジェルに反して落ち着き払っている。
視線はナイジェルに向けたままバイヨンに銃口を向ける。
「馬鹿はどっちよ」

 

「あんただって今まさに私一人見殺しにできてないじゃない」
ジリアンは困ったような表情で笑う。

 

ナイジェルは目に涙を滲ませてジリアンを見つめる。

 

二人はこちらを見つめているバイヨンに視線を投じる。

 

「観念して二人で戦おう」
ジリアンはバイヨンに注意を向けたまま、ナイジェルに呼びかける。

 

 

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バイヨンの質問

バイヨンは二人に向けて一歩踏み出す。
「フム 成程 君達か」

 

ルーチェ君を倒したのは君達二人か、とバイヨンが問いかける。

 

バイヨンの問いに硬直する二人。

 

バイヨンは、さきほどの笛の音や、森に漂う硝煙の匂いを挙げて、二人の銃がルーチェとその臣下を殺したと指摘する。

 

「素晴らしい」
バイヨンは二人に賛辞を表するように両腕を広げる。

 

二人はバイヨンの行為に驚く。

 

「いやまさかまさか君たちが」
拍手するバイヨン。
「GVの君たちが 素晴らしい」

 

バイヨンは、どうやってやったのか驚いた、一朝一夕の努力ではなかったのだろう、と言い二人から視線を外す。
「私の手下二人も殺られました」
バイヨンは二人に視線を戻し、槍を握る。
「君達の仲間……彼らの健闘も見事でした」

 

ザックとペペのことだとすぐに気付くジリアン。

 

「実に見事”でした”」

 

過去形での語りに瞠目するのを隠せない二人。

 

「それで? どこで知ったのですか?」
バイヨンは淡々と二人に向けて問いかける。
「我々の殺し方 GVがどこでどう知り得たのですか?」

 

 

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バイヨンの意図に気付く

続けてバイヨンは、人間側に何年もかけてこの日の為に準備し、子供達を手引きしている人間がいたからこそGVの”並肉”達がここまでの反乱を起こせた、という推理を披露する。

 

「その者こそこの反乱の首謀者」

 

そこでナイジェルはバイヨンの意図が首謀者であるルーカスの捜索と気付く。

 

(首謀者を狩って反乱を鎮める 猟場の主として)

 

「案内してくれるかな」
バイヨンは槍を両手に持ちつつ二人に歩み寄る。
「君達の首謀者の元へ」

 

ナイジェルはバイヨンを睨む。

 

そして一瞬の間の後、叫ぶ。
「逃げるぞ!! ジリアン!!」
二人は弾かれるようにバイヨンから逃げ出す。

 

(守らなきゃルーカスを!! 隠れている全員を!!)
ジリアンはルーカスたちを思い浮かべながら、必死の形相で走る。

 

ナイジェルは逃げているフリをしつつ、ルーカスやレウウィスからも遠ざかるようにバイヨンを誘導しようと考える。

 

ナイジェルは二人で並走しながら、予備の罠場にバイヨンを連れ込む、とジリアンに指示を出す。

 

唐突に脱力するジリアン。

 

バイヨンの槍による一閃を背中に受け、鮮血が噴き出す。

 

 

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絶体絶命

(え)
ナイジェルはジリアンに振り向く。
逃げるのをやめ、ゆっくりとその場に崩れ落ちようとするジリアンに駆け寄る。
(は?)

 

倒れそうになったジリアンの体を、バイヨンは片手で服を掴んで持ち上げ、首を鷲掴みするように持ち替える。

 

目の前の光景に青ざめるナイジェル。
「ジリアン!!!」
悲痛にな叫びを上げる。

 

「私は無益に獲物を失いたくない」
バイヨンは落ち着き払った様子でナイジェルに呼びかける。
「聞き方を変えましょう」

 

「この娘の命か首謀者の命か」
バイヨンは、首を締められ苦しそうなジリアンの顔をナイジェルに掲げる。
「どちらか選びなさい」

 

(恩人(ルーカス)か? 仲間(ジリアン)か?)

 

首の拘束が強まり、苦しそうにしているジリアン。

 

「さぁ 傷は深く出血が酷い 時間はないよ」

 

首謀者はどこだ、と言う質問を受け、歯噛みするナイジェル。
(言えるかよ そんな……選べるかよチクショウ!!)

 

 

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ジリアンの覚悟に応えるナイジェル

地面に血が滴り落ちる。

 

激しく息をするジリアンが、一度喉をヒュウ、と鳴らした後、ブツブツと何かを呟く。

 

(え)
ナイジェルは驚いた表情でジリアンを見つめる。

 

(”人質(わたし)を殺して”)
ジリアンはナイジェルに視線で意思を伝える。
(ルーカスは絶対に殺させちゃダメ!!)

 

ジリアンの意思を理解したナイジェル。
一瞬呆気にとられたかと思うとみるみる表情が険しくなっていく。

 

ナイジェルはジリアンに銃口を向ける。
「ごめんなジリアン」
力ない笑みを作るナイジェル。
「今楽にしてやるからな」

 

ジリアンはナイジェルの言葉に安心したように微かに笑みを浮かべる。

 

(楽にしてやるからな)
覚悟するナイジェル。

 

 

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危機一髪

その瞬間、バイヨンの背後からペペが何かを投げつける。

 

背後の気配に気付き振り向くバイヨン。

 

地面に落ちた物体は、一帯に猛烈に煙を発生させていく。

 

ナイジェルはバイヨンに生じた隙を逃さず、ジリアンを捕まえている右腕に銃撃を食らわす。
バイヨンがジリアンを手放す。

 

「今だ!!」
ペペが叫ぶ。

 

ナイジェルはジリアンを肩に担いで煙から姿を現す。

 

「ナイジェ……ル」
ジリアンが微かに呟く。

 

「すまん!」
血塗れのペペはナイジェルと並走しながら一言謝罪する。

 

「助かった! 生きてたんだなペペ!!」

 

「策がある ついて来い」
ペペはナイジェルを誘導する。
「あの怪物 討ち果たすぞ!!」

 

 

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感想

庇い合い

ナイジェルもジリアンも互いを庇い合っている。

 

仲間意識も高いだろうし、これはもうしょうがない。

 

一発勝負の実戦だし、普段からもしもの時は仲間を見捨てるという覚悟を意識していたとしてもそれがそのまま実践できるとは限らない。

 

今回のナイジェルとジリアンに関しては、庇い合いが結果的には両者の命を繋いだといえる。

 

作戦続行の為に自らの命を犠牲にしようとしていたナイジェルの意図を察知したジリアンは、ナイジェルの先手を取ってバイヨンの前に躍り出た。

 

それによってバイヨンの狙いはジリアンになり、ナイジェルは自分一人ではなくジリアンとの共闘を強いられ、早々と犠牲にならずに済んだ。

 

しかし、バイヨンに槍で切りつけられ、捕まったジリアンは半ば死にかけていたなぁ。危なかった。

 

バイヨンから受けた傷はもちろん、捕まった自分を殺せとナイジェルに視線で意思を伝え、ナイジェルはそれを実行しようとしていた。

 

ナイジェルも撃たずに済んだ。もしジリアンを撃っていたらトラウマになること確実だわ。

 

ギリギリでペペに助けられたのといい、人間側に運はあると思う。

 

 

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バイヨンの意図

おそらく、バイヨンと戦っていたザックとペペはバイヨンの手下を片付けた後、バイヨンから傷を負わされて一旦退却したのだと思う。

 

そしてバイヨンはナイジェルが看破した通り、首謀者ルーカスの命を獲るべく、そこに案内させる子供を求め森を探索していた。

 

バイヨンもまた子供達の思わぬ抵抗に喜びを感じているようだ。

 

このくらいの”歯応え”はむしろ楽しさというエッセンスに過ぎない、といわんばかりの傲慢な態度は、知性鬼に共通しているといってよいのかもしれない。

 

人間に対する余裕、見下した態度こそが、人間が突ける数少ない鬼の隙なんだと思う。

 

バイヨンからも感じられるので、ひょっとしたら次あたりペペの言う”策”で倒せるかもしれない。

 

そうなると、既に倒したルーチェ、ノウマに続いてバイヨンも倒したということ。

 

ギリギリの死線を越えているものの、かなりよいペースで作戦を遂行出来ている。

 
 

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ソーニャ、サンディ、ポーラ、ヴァイオレットの安否

そうなると、ノウマを失い復讐に燃えるノウスが厄介だなぁ。
ソーニャとサンディ、そしてポーラとヴァイオレットは対応できているのだろうか……。

 

特にポーラ、ヴァイオレット組に危険が迫っているような……。

 

前回の話を読んでいた時はザックとペペの二人に最悪の結末が訪れているのではないかと思ったけど、今回はソーニャたちが心配だ。

 

今のノウスに猟場の作法も人間に対する余裕もない。

 

復讐の鬼と化したノウスは全力で”殺し”に来る。

 

来週になったらいきなりソーニャたち4人が死体になってるとかやめて欲しい。

 

このマンガ、それをやる可能性が捨てきれない……。

 

丁寧に描いてきたキャラが唐突に死ぬのってすごくインパクトがある。

 

ジョジョにおけるアブドゥルの最期とか、読んだ人はすごく記憶に残ってると思う。

 

ソーニャたちに関してはアブドゥルほどには長く描かれてはいないけど、悲惨な最期を迎えていたらそのショックはデカイ。
頼むから交戦中であって欲しい……。

 

 

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ペペの言う”策”とは

ペペが生きていた。

 

血塗れだったからどこかしら傷を負っていたんだろうけど、戦いに支障はなさそうだ。

 

ザックも生きている可能性がある。
その優れた身体能力から、率先して無茶をするというからきっと対バイヨン戦でも相当無茶しただろうな。
ひょっとしたらペペよりは重傷を負ってしまっているかもしれない。

 

比較的軽傷のペペがバイヨン誘導に、ザックはその間に”策”の準備を行っているとかかな。

 

バイヨンを策に嵌める為に追って来たペペは、ナイジェルとジリアンがバイヨンと接敵しており、既にピンチなのを理解して急いで煙玉を投げた?

 

おかげでジリアンはもちろん、ナイジェルも救われた。

 

ペペの言う”策”とは何なのか。

 

特殊弾を除いて飛び抜けた性能の武器なんてないわけだから、結局ソーニャたちがノウス・ノウマに対して行ったように罠を用意して嵌めるしかないと思う。

 

手下二人を片付けたというのは前回予想した通りだった。
やはりバイヨンに関しては、その後ルーチェのように簡単には倒せなかったということか。

 

策があるというなら、やはりその作戦の核は特殊弾か。
特殊弾を使う工程が作戦に組み込まれていないわけがない。

 

仮に、既に特殊弾をバイヨンに向けて撃っており、外していたなら状況はかなり絶望的だ。
まさか特殊弾を融通してもら来たとかというのもあり得る。

 

果たしてバイヨンを倒せるのか。

 

それ以上に、人間側に犠牲を出さずに作戦を終えられるのか。

 

以上、約束のネバーランド第82話のネタバレを含む感想と考察でした。

第83話に続きます。

第83話の詳細はこちらをクリック。

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