約束のネバーランド 最新第107話反吐が出るの感想(ネタバレ含む)と考察。シェルター内の襲撃者と交戦するユウゴとルーカス。彼らの胸に去来する様々な想い。

第107話 反吐が出る

第106話のおさらい

エマたちはアンドリューたち襲撃者によってシェルターの地下通路で八方塞がりの状況になっていた。

 

二人の犠牲者を出して非常口から後退したエマたちは、どう動けばよいか判断し兼ねて、その場に留まっていた。

 

時間が過ぎる程に敵の包囲が固まる、そうなれば全滅だとレイは強い危機感に駆られる。

 

60人という大所帯で犠牲者も出さずに逃げることも戦うことも難しい以上、レイは一つの結論に至らざるを得なかった。

 

(襲撃者を殺さなければ)

 

しかし、鬼ではなく”人”を殺すことにレイは不安と葛藤を覚えていた。

 

大半の仲間にはそれを実行することは無理だとレイは考えていた。

 

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どうしたらよいかと必死で考えるエマたちの元に、ロッシーが合流する。

 

ロッシーは、ルーカスがモニターを破壊しているので後から来ること、さらに彼が敵の内の一人を倒したことを報告すると、その時に敵から奪った通信機をエマに渡す。

 

さらにロッシーはここまで逃げてくる際に通信機から聞こえた敵の情報から、包囲している位置を把握していた。
エマたちはその情報を整理し、”北の廊下”を突っ切ることで包囲が崩せるという希望を見出すのだった。

 

なぜそんな隙があるのかというオリバーの疑問に、ロッシーはルーカスがおそらく敵は武器庫や電話のある隠し部屋の存在を知らないからではないかと答える。

 

その情報で納得したエマたちは、”北の廊下”を行くルートで逃げることを決めるのだった。

 

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その頃、ルーカスは普段の出入口から地上に出ようとしていた。

 

敵から奪った武装を身に着けたルーカスは、自分に対して背を見せている敵に気付かれないよう、出入口から上半身だけを出した状態で、ライフルでその後頭部を狙い、見事、入口の確保に成功する。

 

入口に辿り着いたエマたちは次々とシェルターを脱出する。

 

生きて脱出できたことを喜ぶ子供たちに、ルーカスとユウゴは襲撃者を足止めするから逃げろと子供たちに告げる。

 

そういうことなら、と猟場で戦った面々も敵との戦いに志願するが、ルーカスもユウゴもそれを断るのだった。

 

「いや 君達は先に行きなさい」
ジリアンの頭に手を載せるルーカス。

 

「そういうこった」
ユウゴもまた、レイの頭を乱雑にではあるが撫でる。
その際にユウゴが浮かべていたおどけた表情はすぐに消えさり、どこか寂しそうな表情でレイをじっと見つめる。

 

ユウゴは、他の子供たちはやれないから自分が敵を殺す、と思いつめた表情をしていたレイを思い出していた。

 

「子供が背負う必要はない 大人に任せとけ」
ルーカスが射殺した敵から剥ぎ取ったマスクをエマたちの前に掲げて笑うユウゴ。
「大人二人で既に定員オーバーだ」

 

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そのずぐ後ろで、ガスマスクを装着したルーカスも一緒になって笑っている。

 

「ザマァミロ これでガスも銃も効かねぇ」

 

でも、とルーカスとユウゴを放っておけないエマが食い下がろうとするが、ユウゴはエマの名を読んでその後エマが言おうとしていた言葉を制止する。
「これが最善の判断だ」

 

すぐ追いつく、クリスティを早く安全な場所で休ませろ、という指示に、わかった、と返すエマ。

 

大勢の子供たちがシェルターを後にするのを見送ってから、ユウゴとルーカスは襲撃者を斃すべく、シェルター内部へと戻るのだった。

 

「郷愁のシェルター」

 

「ああ 俺達の墓場には打ってつけだ」

 

前回第106話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

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第107話 反吐が出る

刺し違えてでも

長い列を成し、森を目指して荒野を行くエマたちを見守るようにフクロウが飛ぶ。

 

後から行くという、ユウゴとルーカスとの別れ際のセリフを思い出すエマたち。

 

アリシアが不安そうにエマに、二人は大丈夫だよね? と訊ねる。

 

エマは一瞬考える。
脳裏に浮かぶのはユウゴの”すぐ追いつく”というセリフと不敵な笑み。
「うん きっと大丈夫」

 

アリシアの不安を払うような答えを返すエマ。

 

そしてエマは気を失ったクリスティを抱いたまま、集団の先頭を歩き始める。
「さぁ 朝になる前にあの森へ着こう」

 

アンドリューたちの侵入の際の爆破でボロボロになったシェルターの入口から、敵の武装に身を包んだユウゴとルーカスは敵を足止めする為にシェルター内へ向かう。

 

初めてシェルターに入った時のことを思い出す、と呟くユウゴ。

 

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少年期のユウゴが緊張した面持ちで廊下の先をランプで照らす。

 

(「ここにミネルヴァさんが?」)
期待に満ちた表情で廊下の先を指差すツインテールの女の子。

 

ユウゴは警戒を崩すことなくゆっくりと廊下を進んでいく。

 

シェルター内のきちんとした施設、何より鬼が居ない安全な環境に思わず子供たちが、わぁっ、と歓声を上げる。

 

かつての思い出を脳裏に描きつつ、ユウゴとルーカスはメインの廊下を行く。

 

「思えば全部元凶はラートリー家だ ミネルヴァさん殺しも あの密猟場も」

 

(ダイナ達の仇……)
ルーカスの言葉に、犠牲になった仲間の姿を思い出すユウゴ。

 

やっとブッとばせるな、とルーカスはユウゴに視線を送る。

 

「シェルターで死ぬなら悪くねぇ 俺はそう思ってる ――だがな」
強い意志を込めてユウゴは続ける。
「死ぬのは奴らだ」

 

ユウゴの気持ちを全て理解しているという表情で、ああ、と相槌を打つルーカス。

 

「行くぞ たとえ刺し違えたとしてもエマ達には手は出させねぇ」

 

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戦闘開始

アンドリューは兵を一人伴い、非常口への秘密の通路を行く。
通信機で地上とモニター室にいるはずの部下に応答を求めるが、反応が返ってこない。
(食用児にやられた? 既に逃げたのか?)
ライフルを持っている左手の人差し指でトン、と銃を触る。
(また予定外…)

 

アンドリューと一緒にいた兵が、確認します、と走ってモニター室へ向かう。
ドアを勢いよく開け放ち、部屋の中に向けて素早く銃を構える。

 

しかしそこには誰もいない。
真っ暗な部屋の中、無数にあるモニターの全てはノイズが映し出されているのみ。

 

「……モニター室 誰もいません」

 

兵は通信機で報告し終えると、部屋の中に進んでいく。

 

ギイイイ

 

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ドアの音が部屋に響く。

 

それは、ドアの陰にいたユウゴが足でドアを閉めた音だった。

 

その音のした方向に反射的に振り向く兵。

 

一瞬通信が途切れる。

 

「オイ」
通信機に向けて呼びかけるアンドリュー。

 

「よォ諸君 聞こえるか」
ユウゴが兵から奪った通信機でアンドリューたちを挑発するように呼びかける。
「既にテメーらの仲間3人始末した」

 

ユウゴからの通信に驚く兵たち。

 

「テメーらは今日ここで死ぬ 状況は以上だ」
殺気を漲らせるユウゴ。
「殺せるもんなら殺してみろよ 返り討ちにしてやる」

 

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アンドリューの追撃

通信が途切れると同時にアンドリューが他の兵に向けて通信を飛ばす。
「総員コード3だ 周波数を変えろ」

 

指示通り通信機をいじる兵たち。

 

アンドリューは敵が何人なのか考えつつ、シェルター内にいるのは囮だと即座に判断していた。
しかしまずは囮であってもシェルター内の敵を殺し、その後で逃げた本陣を追うと思考を整理しつつ、結局シェルターさえ奪っておけば何とでもなると考えていた。

 

まずは中にいる敵を始末する、と通信を飛ばすアンドリュー。
その際、武装を奪われている可能性が高く、防弾装備があるので撃ち抜くなら頭部だと指示する。
「いいか 我々全員で対処する 一人も討ち漏らすな」

 

ルーカスは残り5人をおびき寄せるべく、廊下で銃を乱射する。
(僕はここだ!!)

 

銃撃音の続く方角から、南廊下だと兵の一人が通信を飛ばす。

 

見え見えの罠だ、とアンドリュー。
兵を一人引き連れて、通信を行った兵の元へ急ぐ。
「我々の到着を待て」

 

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了解、と返事をする兵の背後に銃を構えたユウゴが立っている。

 

キュン

 

あと4人、と頭の中でカウントするユウゴ。

 

ユウゴはふと背後からの気配を感じて振り向く。
迫っていたのはアンドリューだった。

 

アンドリューは走りながら、チッ、と舌打ちをし、銃口をユウゴに向ける。

 

一目散に逃げるユウゴに向けてアンドリューは銃を乱射するが、一向に当たらない。

 

アンドリューはユウゴの後頭部に照準を定めて銃弾を放つ。
しかしその刹那、ユウゴが壁の下にある抜け穴に向けて低く飛び込んだ為、弾は当たらない。

 

抜け穴の先の曲がり角の死角にはルーカスが待機していた。
ユウゴがルーカスの元に逃げると同時に、追いついてきたアンドリューともう一人の兵に向けてルーカスが銃を撃つ。

 

足を止めるアンドリュー。

 

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食用児風情が…!

闘いの最中、ユウゴとルーカスの脳裏に様々な記憶が去来していた。

 

まだ少年のユウゴとルーカスの元に、名前を呼びながら駆けて来るダイナ。
ダイナに、またケンカ? とケンカしたことを咎められる二人。

 

(「行ったぞユウゴ!」)

(「任せろルーカス」)

 

協力し合って二人で、ゲームに興じる。
(「すごい 息ピッタリ!」)
ハイタッチするユウゴとルーカス。

 

兵の接近に後退するユウゴとルーカス。

 

ダイナを見つめるユウゴの様子から恋心に気付いたルーカスがユウゴに絡む。
(「マジかよ! 好きならそう言えばいいのに」)

 

(「バッ… ルーカス 言えるか!」)

 

本を仲間の前に放るユウゴ。
(「逃げよう」)
施設の真実に気づいたユウゴが深刻な表情で切り出す。

 

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廊下を行くユウゴとルーカスの先に兵が現れる。

 

早い! もう回り込まれた、とルーカス。

 

ユウゴは廊下を疾走しながら、銃弾を兵の眉間に撃ち込む。

 

(こちとら13年 鬼を相手に一人で生きてきたんだ)

 

ユウゴの脳裏に思い出されるのは先ほど二人の仲間がアンドリューに撃ち殺されたこと。

 

その直後、エマがクリスティを必死に助けたこと。

 

アンドリューが銃口を向けてきたこと。

 

ラートリー家。

 

かつて密猟場で見た仲間たちの累々たる死体。

 

(あれも これも それも どれも 全部反吐が出る)
ユウゴは怒りに燃えていた。
(俺達の人生はてめぇらの道具じゃねぇ)

 

(全てを失った)
かつての仲間たちのことを思い出すユウゴ。
(思いがけずもう一度手に入れた)
次に思い出されるのはエマたちだった。

 

残り3人と脳裏でカウントするユウゴ。

 

(そう何度も奪われてたまるか!)
銃を構えるユウゴとルーカス。
(ここで必ずてめぇらを食い止める!)

 

(食用児風情が…!!)
アンドリューの怒りが急激に沸点に達する。

 

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感想

サクサク敵を倒すユウゴとルーカス

今回で残り6人中、3人を始末した。

 

これで残りは3人。

 

おー、これはいけるか!?

 

前回のユウゴのセリフは結構な死亡フラグのように感じたけど、無事回避となるのか!?

 

早い段階で勝ち確定、あるいは負け確定の状況になると、かえってそこからの逆転の前フリって感じがする。
今のところユウゴたちが優位だけど、勝ち確定とまではいかないので、どちらが勝つか分からない緊張感に満ちていて良い展開だと思う。

 

前回も思ったけど、このまますんなり勝たせてくれる流れとはとても思えない。

 

このまま勝ち切るのではなく、どこかで逆転される展開がきそうな予感がする。

 

残りアンドリュー一人までは追い込めそうなんだよね……。
でもそこからアンドリューの策によって少なくともどちらかがやられるか、深手を負うかしてバランスをとって来る?

 

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回想で泣ける

ユウゴとルーカスのここまで辿った過酷な運命を思うと改めて泣けるわ……。

 

下手するとエマもこんな未来がありえたわけで。

 

農場の真実を知って、脱走を発案したのはやはりユウゴだったようだ。
ここから脱出、シェルター、そして密猟場の流れとなるのか……。
シェルターでずっと生活してれば今頃ダイナも生きていたかもしれない……。

 

ダイナが密猟場であえなくやられてしまったのは、確かユウゴかルーカスの記憶として既に描写があった。
亡くした仲間の中でも良く出て来ていたように思うけど、まさかユウゴが恋していた相手だったとは……。

 

農場の真実に気づく以前の、無邪気なユウゴとルーカスの友情の描写も良かった。
互いに支え合ってアンドリューたちと必死に戦う現在の姿とオーバーラップして、非常に胸にくるものがあった。

 

現在の比較的優勢な状況のまま、ユウゴとルーカスに勝利して欲しいけど、ラストのアンドリューの表情なんだか嫌な流れを感じる。

 

といっても、結局大勝利で終わった密猟場での貴族鬼との戦いの時もずっとそんなことを思っていたので、この感覚は全然あてにならないんだけど……(笑)。

 

このまま自分の嫌な予感など振り払うように、完全勝利して欲しいところだ。

 

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増援は来るか?

これ、敵の増援が来るという可能性はないかな。

 

実はシェルターはもっと大勢の敵に包囲されていたとか。

 

でもその場合、まずエマたちが窮地に陥いることになるか。
しばらく荒野が続くし、エマたちのような大勢の非戦闘員が含まれる致命的に低機動力の集団なんて、あっという間に駆逐されてしまうだろう。

 

今のところエマたちは特に襲われていないようだし、増援の線は無いか。

 

増援が人間ではなく鬼だったらありうるのかな。
鬼の方がさらに緊張感が増して面白いと思うし。

 

だけど確かアンドリューたちは鬼に知られる事無くエマたちを始末したいはずなので、鬼を呼ぶことはないだろうな。

 

高級農園の食用児だと、勝手に始末することは鬼が許さないレベルでもおかしくない。
それが面倒だから秘密裡にエマたちを処理したいのだと思うんだけど……。

 

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いやいや、でも食用児は生きたまま食べるわけじゃないし、高級農園の肉に縁がない位の低い鬼を呼ぶことがあってもおかしくないのかな?

 

少なくともGF農園が訪問出来る程度の権限はアンドリューにはあるようだし、鬼に知られずに処分したいのと、いざという時にはなりふり構わない形で鬼に協力を求めてでもエマたちを倒そうとする選択も、どちらもありうるんじゃないかな……。

 

……実は他に待機していた仲間が数人いて、エマたちを人質にとる展開とか来たら嫌だなぁ。
アンドリュー一人に追い込んだのに、エマたちを守る為に武装解除してエマたちの目の前でやられてしまうとか。
こういうのってエマたちはもちろん、読者にもトラウマになるんだよなぁ……。
少なくとも10代の頃はこういう展開はトラウマだった。
本来は負けるはずがないのに、本来の実力を封じられて負けるのはホント辛いんだよね……。

 

不吉なことばかり考えてしまうけど、結局は以下の予想に落ち着いた。

 

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互いに痛み分けの形で因縁が誕生?

アンドリューとユウゴ、ルーカスの間に直接的な因縁は無い。

 

だからここで互いに因縁が生まれたら面白いなーと思った。

 

実は考えてみたらこの死闘はエマたちとラートリー家の初の直接対決なんだよなー。
互いに1年半以上も意識してきたけど、ついにぶつかったわけだ。

 

この戦いの行く末を予想すると、ユウゴとルーカス、もしくはその片方はアンドリューとの間に因縁を残す形でこの戦いを生き残る、かな。

 

メタな観点から言えばアンドリューはまず生き残るでしょ。
まだGFでフィルに会いに行ったことについて、物語中で伏線が回収されていないし……。

 

というわけで、この戦いは両者痛み分けのような形で、互いに負傷しながらも生き残る展開に一票。

 

すでに食用児とそれを鬼に供出している側とで因縁があるだろ! と言われればその通り。
でもこれからの物語に敵側のリーダー的存在との直接的な因縁があった方がドラマとしてはより盛り上がっていくだろう。

 

ユウゴとルーカスの二人が生き残るより、片方がやられてしまった方がより深い因縁が生まれる。

 

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もしユウゴとルーカスのどちらかがやられるとしたら、その直前にラートリー家と鬼の繋がりに関してエマたちが到底想像し得ない驚愕の事実をアンドリューに冥途の土産的に知らされる流れとかありそうなんだよなー。
でもその後、仕留めることが出来ないとか、敵としてかなり間抜けな印象は拭えない。
そこは何とか敵の恐ろしさと、窮地を切り抜けるユウゴたちの知恵を上手いこと表現して欲しい……。我ながら無茶言ってんなぁ(笑)。

 

果たしてユウゴとルーカスは生き残るのか。
もしくはどちらかが相方を生かす為に犠牲になるか、果てはどちらもやられてしまうのか……。

 

次号も注目だわ。

 

今のところ、今回の話のラストでアンドリューが怒りに達した様子を除けば敵に反撃の兆しはまるで見られない。
そもそもこの漫画は怒りで力がアップして強くなる、みたいな能力バトルモノの世界観ではない。

 

もし万が一ここからアンドリューが鬼に変化しちゃったらかなり驚くんだが(笑)。

 

アンドリューのキレた様子が一体何のフラグなのか、次号の展開に期待したい。

 

以上、約束のネバーランド第107話のネタバレを含む感想と考察でした。

第108話に続きます。

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