約束のネバーランド 最新第81話死守の感想(ネタバレ含む)と考察。

第81話 死守

第80話のおさらい

顔面を狙撃により撃ち抜かれたノウマが倒れる。

 

残り一匹、罠を仕掛けた場所であり地の利があるのに加え、先ほどノウスの面は破壊。

 

狙撃手としてポーラ+ヴァイオレットもいる。

 

落ち着いてノウスを仕留めようと考えていたサンディは、ソーニャ共に目の前の光景に戸惑う。

 

ノウスはノウマの亡骸を抱いて天を仰ぎ吠えている。

 

ノウマの名を呼ぶ様子にサンディは歯噛みする。
(何だよお前!! 俺達の仲間はあんな嬉々として殺したくせに!!)

 

望遠鏡でノウスを観察するヴァイオレットからは、ノウスの顔面が狙えない。
ポーラと一緒に別角度から狙える樹を探す。

 

サンディとソーニャもまたノウスを狙うべく展開するが、当のノウスはそんな人間の動きに注意を払わず、ノウマの顔をじっと見つめている。

 

銃でノウスを狙うサンディだったが、メキ、という音と目の前の光景に動きが止まる。そして絶句する。

 

ノウスは涙を流しながらノウマの頭にかぶりつき、噛み切ったノウマの顔を咀嚼している。

 

その光景にサンディたちは震える。

 

天に向かって慟哭するノウスにポーラがチャンスだと狙撃する。

 

顔面に迫る弾丸を当たる直前に素早く回避するノウス。

 

ノウスに自分たちの位置を掴まれ焦るポーラ。

 

ノウスの投げた槍は樹上を逃げるポーラとヴァイオレットに迫っていく。

 

ソーニャはノウスから、背後からの一撃を受ける。

 

「やっぱり私達の笛が最初みたい」
ザックとペペとの合流の為に森の中を走っていたジリアンとナイジェルだったが、不穏な気配に気づいたナイジェルがジリアンと共に木の陰に隠れる。

 

エマとレウウィスは集落の広場で相対していた。

 

レウウィスは自分の名を名乗った後、”GFの特上”であるエマ―がどれだけ有名なのかを説明するのだった。

 

「驚いたよまさか生きていたとは」
ルーカスが生きて、尚且つGV出身の子供達を組織していた事。
そして特上品のエマが目の前にいる事に、レウウィスのテンションが上がる。

 

レウウィスは、過去に森でルーカスを追い詰めた時、ゲームを持ちかけていた事を思い出し、エマからルーカスからの伝言としてもちかけられた”ゲーム”に同意する。
エマは計画通りレウウィスをここで足止めが出来る事を内心でほくそ笑む。

 

木の陰に姿を隠したジリアンとナイジェルは、本来ならザックとペペが足止めしているはずのバイヨンの姿を発見して困惑する。

 

ナイジェル達には特殊弾も専用銃もない。

 

「良いねぇ 昔を思い出す」
バイヨンが楽しそうに呟く。

前回第80話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

 

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第81話 死守

ザックとペペの安否

本来いるはずのないバイヨンの姿を見つけたナイジェルとジリアン。

 

バイヨンの担当であったザックとペペの姿が見つからず、嫌な想像が頭をもたげる。

 

ザックとペペがバイヨンの槍に貫かれた――そんな想像にぞっとするナイジェル。

 

(いやだ!! ちがう! あのザックがまさか)

 

ザックの強さ

ザックはメンバーの中でも最古参の一人にあたり、リーダーのオリバーと1、2を争う手練れ。
身体能力が高く、危険な役目を全て引き受ける。
逃走技術も武器の技術も高い。

 

常に無茶ばかり繰り返すのでケガを負う機会が多く、それ故ケガを治す事に詳しくなった。

 

ナイジェルはザックに何度も助けてもらった事を思いだす。

 

(ごめん…ありがとう)
おずおずザックに礼を言うナイジェル。

 

(仲間に怪我がなくてよかった)
ザックは笑いながら返す。

 

鬼掃討作戦の会議で、ザックはバイヨンの相手を買って出ていた。

 

バイヨンは常に手下二匹を連れている。
硬い面を割る為の計5発の特殊弾は手下には使えない。
レウウィスの次に強い鬼。それがバイヨンだった。

 

ザックは、だからこそ俺がやる、とメンバーたちに宣言する。

 

これまで重ねてきた無茶の中で、バイヨンを観察し、どう対応するかを考えてきたので必ず仕留めるのだという。

 

(危険だからこそ引き受けるということか 仲間のために)
神妙な面持ちで問うオリバー。

 

ザックは、自分も含めて誰一人死なせないため、と返す。
(俺は無茶して死んだことないだろ 俺以外に誰がやる)

 

オリバーは、フッ、と笑う。
(――わかった よろしく頼む)
ザックと拳を軽くぶつける。

 

オリバーはペペにザックの援護を指示、ナイジェルとジリアンにもルーチェを片付けた後ザック・ペペの援護に回るように伝えていたのだった。

 

 

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焦り

(ザックなら大丈夫 ザックとペペなら――)
ナイジェルは嫌な予感に胸がざわついている自分自身に言い聞かせる。

 

木の陰から慎重にバイヨンを窺う。

 

槍の先には血がこびりついている。

 

(くそっ!!!)

 

(なんでお前がここにいるんだよ!! バイヨン!!)
悔しそうに歯噛みするナイジェル。

 

自分たちがもっと早くルーチェを仕留めて、早く合流していたら良かったのか、という反省が浮かぶ。

 

しかし今考えるのはそれではない、とナイジェルは頭を切り替える。
(止めなければ……今ここで俺がバイヨンを止めなければ!!)
バイヨンを木の陰から睨む。

 

バイヨンにレウウィス、ノウス・ノウマと合流されたら計画自体が瓦解してしまう。

 

バイヨンの現れた理由は不明だが、森を抜けたら村がある。
そこにはレウウィスがいる。

 

つまり、隠れたままバイヨンを放置することは絶対に出来ないということ。

 

ザックとペペが片付けたのか、それとも交戦中なのか。バイヨンは手下を連れていない。

 

とにかくバイヨン一匹を止めればいい、と落ち着いて考えるナイジェルとジリアン。
ただ、自分たちには特殊弾も専用銃もない。
ザックたちの元に取りに行くか考えるナイジェルだったが、壊れているかもしれないし、バイヨンに効くのかも不明なのに加え、そもそも取りに行く時間が無いと気付く。

 

結局、ナイジェルは特殊弾・専用銃無しでバイヨンを止めることを決める。
しかし、手持ちの武器でどう動くべきかと頭を抱える。

 

 

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二手に

そして何かを閃くナイジェル。
「ジリアン 二手にわかれよう」

 

ナイジェルはバイヨンは自分が足止めするから、ジリアンはザック達の元へ行けと告げる。

 

ザックとペペ、そして専用銃がどうなっているかを確認して、二人が無事ならば助ける。
そして、銃が無事ならオリバー達に届ける。

 

ジリアンはナイジェルの指示を聞いて、専用銃も特殊弾も森で動いているメンバーたちが持っているのだと気付く。

 

レウウィスに使う予定の特殊弾はザックとサンディが一発ずつ持っている。

 

ザックもサンディも一撃で面を割り、専用銃も特殊弾も持ち帰るとオリバーに宣言していた。

 

(届けなきゃ そして知らせなきゃ)
ジリアンは、計画にズレが生じた事を、レウウィスを足止めしているオリバー達に知らせなくてはと考える。

 

「でもナイジェルはどうやって一人でバイヨンを止めるの?」
不安げな表情でナイジェルに問いかけるジリアン。

 

ナイジェルはジリアンの顔に視線を移す。
「大丈夫 考えがある! だから頼む」
無理矢理笑ってみせるナイジェル。

 

ジリアンの不安は高まるばかり。

 

ナイジェルは再び木の陰からバイヨンを監視する。
(ねぇよそんなの 本当は考えなんかない)

 

(そもそも普通にやって殺せる方法がないから特殊弾だの何だのってつくったんだぜ?)

 

しかしそれは仲間全員が生き残るための作戦だったからであり、命の保証がない方法なら望みはあるかもしれない、とナイジェルは笑う。

 

(どんな手を使っても止めてやる)

 

いつも無茶をするザックに代わり、ナイジェルは今こそ自分が無茶をする時だと覚悟する。

 

 

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ジリアンの意思

ジリアンはナイジェルの意思を察していた。
そして、自分をザック達の元に向かわせ、自身は文字通りの死守を貫徹しようとしているナイジェルは正しいと自身に言い聞かせる。

 

(そう…急ぐべき…!!)

 

わかった、とジリアンはナイジェルの作戦を了解する。

 

ナイジェルは3つ数えたら自分が動くのでジリアンはその後で、と指示してカウントを始める。

「1」

「2」

「3」

 

銃を構えて駆け出すナイジェル。

 

ジリアンはナイジェルと逆方向に駆けだす。

 

(え)
ジリアンに振り向き、その意外な動きに唖然とするナイジェル。

 

ジリアンは立ち止まり、4回笛を吹く。

 

バイヨンは笛の聞こえた方向を見る。

 

笛の音はエマ達まで聞こえている。

 

バイヨンに見つかったジリアンは一目散に逃げだす。

(ごめん!! ナイジェルやっぱムリ)

(見捨てるなんてできないよ 仲間を失うのはもうウンザリなの!)

 

意味を決めていない笛の吹き方をしたので、オリバーならば異変に気付くだろう、とジリアンは考えていた。

 

ジリアンは、特殊弾無しで一人でバイヨンを止めるのは絶対無理であり、戦うなら二人だ、とバイヨンに立ち向かう。

 

それでもオリバーに銃を届ける事が優先ならば――。

(悪いけどナイジェル ザック達の元へはあんたが行って)

ジリアンは銃を構え、バイヨンに一直線に特攻する。

 

(ジリアン!!)
一直線に死に向かうジリアンの姿に、ナイジェルは戦慄する。

 

 

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感想

ザックとペペはやられてしまったのか

バイヨンの足止めが役目だったはずのザックとペペ。

 

しかしバイヨンは所定の位置に足止めされておらず、森の中を探索している。

 

バイヨンの持っている槍の先には血がついている事から、誰かしらと戦った形跡が見られる。

 

その相手はバイヨン担当であるザックとペペの可能性は濃厚だろう。

 

比較的楽観的なシナリオとしては、まずザックとペペがバイヨンの手下二人を倒している。
そして、バイヨンの槍の血はザックかペペの身体の一部を掠めた際についただけ。
ザックとペペは態勢を立て直す為に森に潜み、バイヨンはそんな二人を探索している、というシナリオか。

 

ザックとペペが手下を倒したというのは全然無理がない想像だが、バイヨンの槍がザックかペペの体の一部を掠めただけというのはちょっと苦しいか。

 

結構たっぷり血がついていたから、四肢の切断くらいは覚悟しないといけないだろうか。

 

それであれば、態勢の立て直しの為に一時撤退して身を隠しているという流れも不自然ではない。

 

しかし、もし仮にザックとペペが死んでいたらそれもまた面白い。
ご都合主義よりも絶望的な戦いの方が盛り上がるのは確かだ。

 

でも実際は、この流れであれば恐らくは死んではいないだろう。

 

次回は、ピンチのジリアンを救う為にザックかペペが出てくる、みたいな流れか。

 

 

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人間側にとっての好材料

そもそも、バイヨン達はGFの特上――エマの存在に触発されて、本来の狩りの周期を逸脱する形で出向いて来ている。
ルーカスもオリバーも予期していなかったイレギュラーだった。

 

鬼は一度の狩りで狩る獲物は精々数人。

 

であれば、前日何人か人間を狩っている以上、この日の狙いはエマのみであり、それ以外の人間は下手に殺してはいけない事前に鬼側で協定を結んでいたと信じたい。

 

そして、鬼の持つその傲慢さとイコールとも言える余裕こそが、か弱い人間側が突ける数少ない鬼の隙とは言えないか。

 

人間側は今回、これが最初で最後の反撃だと決死の覚悟で作戦に当たっている。

 

鬼側はあくまで狩りであり、おそらくは長く楽しむ為に、狩場の品質を保つ為に、狩り過ぎてはいけないというルールがある。

 

この人間側と鬼側における意識の大きなギャップこそが、この戦いにおける人間側にとっての好材料だと思う。

 

果たしてザックとペペの安否は。そしてジリアンは生き残れるのか。

 

ジリアンの死が濃厚に感じられてしまうが、こんなかっこいいキャラ死なせちゃダメだって。

 

これで為す術なくやられたら辛いが、物語の緊張感が一気に増すなぁ。

 

この戦いが始まる前に、誰かしら犠牲者が出るんじゃないかと思っていたけど、それはジリアンなのか……?

 

気になるところで来週か……。引きが上手すぎる。

 

以上、約束のネバーランド第81話のネタバレを含む感想と考察でした。

第82話に続きます。

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