第149話 証明する義務
目次
第148話 今行くよのおさらい
想定通り
プポ卿の脳を食べて、形質変化が一段落したギーラン。
その姿は謀略により城を追われる以前の姿に近い。
ギーランの部下はバイヨン卿、ノウム卿、ドッザ卿の脳を食べ始めていた。
取り乱すことなく玉座に鎮座している女王レグラヴァリマの前に立つのは五摂家ただ一体の生き残り、イヴェルク公。
「陛下 お下がりを」
イヴェルク公もまた冷静だった。
その部屋の天井裏で、シスロとバーバラは状況を見守っていた。
ギーランがすでに四体の五摂家を斃し、女王とイヴェルク公の二体のみだとノーマンたちに報告する。
(素晴らしい…!)
ヴィンセントはノーマンの計画が、所要時間や双方の力量差といった何もかもが計算通りに推移していくことに興奮していた。
「よし動け」
ノーマンがシスロ達に命を下す。
「だがまだ手は出すな」
事前の会議で鬼の王族は他とは別格であることはノーマンが四人の側近たちに話していた。
単純に、王は強い。
故に良い肉を狩れるので、それを食べることでさらに強くなり、知能も高くなる。
王という存在は、そうやって代々鬼の社会の頂点に君臨してきたのだった。
そして、そんな女王レグラヴァリマとギーラン軍による潰し合いの後、生き残った方を人間が殺すというのがノーマンの狙いだった。
「よい」
女王は自分を守ろうとするイヴェルク公を制して玉座から立ち上がり、ギーランと相対する。
再会
王都襲撃の少し前。
儀祭に沸く王都城下町を二体の小鬼が駆けていく。
家と家の間に身を潜めた小鬼。
その正体はエマとレイだった。
オリバー達の安否を憂うエマ。
「信じるしかない」
そして、ノーマンが儀祭の会場である城にいるとレイが続ける。
エマとレイは、ノーマンが鬼の王や五摂家、そして五摂家の家族を全て殺してしまう前にノーマンを説得し、全ての攻撃を止めさせようとしていた。
突如起こる爆発。鬼の悲鳴が上がる。
間一髪で爆発に巻き込まれずに済んだエマとレイは、爆破直後の瓦礫に覆われた街を呆然と見つめていた。
さきほどまで楽しそうに笑っていた子供の鬼が一転、泣き叫んでいる。
レイはノーマンの攻撃が始まったことを理解していた。
「エマ? レイ!?」
エマとレイの背中に声がかかる。
振り向くと、そこにいたのは自分たちと同じように鬼の変装をしたドンとギルダだった。
エマたちは互いの無事を喜びあう。
ハヤトも一緒だったことに気付くエマ。
さらにギルダがエマにアイシェを紹介する。
「それから」
無言で、背後を見るように促すギルダ。
ギルダの背後に立っていたのは、笑みを浮かべたソンジュとムジカだった。
喜びを抑えきれないレイに対し、エマは口元をへの字にしてムジカ達を見つめていた。
ムジカもまた、エマを同じような表情で見返す。
ムジカ達に近付いていくエマ。やがてエマとムジカはひしと抱き合う。
「大丈夫 ありがとう 私達鬼のために」
ノーマンはソンジュとムジカを含めて、鬼を絶滅させようとしている。
エマはそれを思い、ぎゅっとさらにムジカを強く抱きしめる。
「無事でよかった…!」
エマもよ、とほほ笑むムジカ。
「絶対ノーマンを止めるから」
エマはムジカの手をとり、その目を真正面から見据えながら宣言する。
ドンから、七つの壁に向かったエマとレイが王都にいるということはできたんだよな? と問われ、エマはうん! と頷く。
「結べた! 約束 〇〇と!」
快哉を叫ぶドンとギルダ。
履行までは保留にしてあるというエマの報告に、予定通りだと笑うギルダ。
「………」
その光景を黙って見つめるソンジュ。
ドンは、馬で送ると言っていたオリバーたちの姿が見えないことから、全員帰ったのかとエマに問いかける。
アジトに迫る危機
2日前の朝、オリバーたちの馬で王都に向かっていたエマたちは、大勢の鬼の兵が行軍しているのを発見していた。
目指す方角が王都とは逆方向であることから、食用児のアジトを探しているのではないかとレイが気付く。
エマはオリバー達に、万一に備えてアジトに戻るように指示するのだった。
ここからは徒歩で行けるとレイ。
ナイジェルは鬼の兵がいるので、王都への道も迂回が必要ではないかともう馬は十分だと主張したエマとレイに待ったをかける。
ここまで連れてきたもらえたから大丈夫、とほほ笑むエマ。
「必ず間に合ってノーマンを止めてくる」
決意が固い二人に、もはやオリバ―達からかけられる言葉はなかった。
レイは視界にある王の兵はノーマンが追い払った王都の兵、規模的にはその一部だと推測する。
ノーマンの策も読まれているのか、というザックに、わからないと返すレイ。
しかし、仮に何倍もの兵にアジトが見つかったなら、かつてラートリー家に襲われた時など比べ物にならないほどの被害だろうとレイは続ける。
アジトに残して来た子供たちの顔がエマの脳裏に思い浮かぶ。
「大丈夫だ こっちは任せろ」
オリバーがエマの不安を払しょくするように言い切る。
そしてエマとレイに王都へ行くよう促すのだった。
毒による殺戮計画
オリバー達がいない理由、アジトに迫る危機を知り、ドンとギルダは驚いていた。
途中から徒歩となったエマたちが王都に着いたのはつい先ほどだった。
しかしドンたちに会えたので丁度よかったとレイ。
そしてレイはもう一つヤバイことがある、とメモをギルダたちに見せる。
「ノーマンが作らせたある”毒”のレシピだ」
レイはこの毒を王都城下の民衆にも使うつもりだと睨んでいた。
そして、まずは王都の鬼から絶滅させるだろうと続ける。
レイは今のところまだ何も起きてはいないが、すでに仕掛けは終わっているだろうという考えを披露する。
そして、エマとレイが王都城から戻る前に、被害を抑えて欲しいとドンたちに頼むのだった。
「特にムジカとソンジュがいればこそ一層それが可能になる――恐らくな」
エマはみんなの命が優先、少しでも危なかったら逃げるように指示する。
「エマ 手を出せ」
それまで黙っていたソンジュはエマに王都城下の兵から取り上げた発信器を渡す。
「城に入って助けが必要だったらそれで呼べ すぐ駆けつける」
発信器を押すと音が鳴って現在地が判るというドンからの説明を受けて、何かあればモールスで知らせるとレイ。
「城下は任せて」
ムジカがほほ笑む。
「でもお前らがヤベェ時はすぐに言え」
ソンジュが続く。
エマとレイは礼を言って、王都の城へ向かう。
「あっエマ それからもう一つ」
ギルダがエマを呼び止める。
エマとレイは城に向かって走り始める。
その脳裏にはかつてハウスにいた頃のノーマン。
(今行くよ ノーマン!!)
第148話 今行くよの振り返り感想
想定通り?
生き残った方を人間が殺す、か……。
果たしてそんな上手くいくか?
でもひとまずここまでは、何もかも上手くいっているようだ。
所要時間すら想定通りというのは、全く手抜かりがなかったということ。
計画を立てたノーマンの知能の高さを示している。
そして、そのノーマンが次のフェーズとしたのは王とギーラン軍との全面衝突による生き残りとの戦いになるわけだ。
決着がつく頃には双方が傷つき、生き残った方もかなり消耗しているはずという計算なのだろう。
ノーマン側に何か切り札があるようだし、全く無茶な戦略というわけではなさそうだ。
切り札……。なんだろう。
今、ぱっと思いついたのは、力が暴走気味ではあるけど、特に突出した戦闘能力を持ったラムダ兵とかかな?
アダムの強化バージョンみたいな。
とりあえず銃器やミサイルなんかは作れないし、調達も無理だろうからそういう類の切り札ではないと思う。
相手の居城での戦いだから罠を仕掛けておいて嵌めるというわけでもなさそうだし、これは間違いなく、今後の展開で注目すべき点だ。
あっと驚くような手であって欲しい。
でもノーマンには悪いが、それが通用せずピンチ。さあどうする。みたいな展開に期待している。だってそっちの方が面白いし……。
ギーランが女王に説得されるとか、もしくは逆にギーランがノーマンたちを裏切って、彼らの存在を女王に伝えて一時的に手を結ぶとか、そんな展開は……、ギーランの受けた仕打ち、700年の怨みを思えば、それはないか。
ギーランは五摂家の脳を食らい、醜い野良鬼から、謀略で城を追われる前の姿に近い状態に戻っているように見える。
これが何か今後の展開に影響しないだろうか。
今の状態のギーランからは、以前の野良鬼気味の時より余裕、風格みたいなオーラが感じられて、強そうに見える。
野良鬼に寄った状態だと雑魚感が漂っていた。実際強さは今の状態の方が優れているのではないかと思う。
そして、五摂家の脳を食った部下もギーランと同様の変化が起こるはずだ。
そうなると、女王とイヴェルク公の力はまだ未知数だが、ギーランたちが簡単にやられることはないんじゃないかな。
もしノーマンがそこまで計算していたのなら、その思考はもはや悪魔的と言える。
ギーランやその側近たちが五摂家の脳を食って力を取り戻すことまで想定していたとか……。
しかしいかに高い知能を持ったノーマンであっても、動機がないとそこまで戦略を練ることはできない。
彼は食用児を救いたいと言う気持ちや、おそらく、ラムダでの実験を受けた影響、もしくは単純に病気で自分の命があとわずかであることなどに追い詰められた末に思考がフル回転した結果なのではないか。
ノーマンとのいち早い接触を
エマとレイは橋が落とされる前に無事に王都に潜入できていたようだ。
そしてソンジュとムジカと一緒に、ドン、ギルダ、アイシェもまた王都に到着していた。
これで役者は揃ったわけだ。
このメンバーの中でまともに戦闘可能なのはソンジュとアイシェくらい?
つまり、知恵でこの難局を乗り越えるしかないと。
エマとレイの目標はノーマンとの接触。
鬼の首領との約束の結び直しが出来たことを一刻も早く報告し、ひとまず鬼が絶滅に向かうこの状況を止めることだ。
しかしすでに五摂家の内四体を殺して絶好調のギーランたちが矛を引くとは思えない。
まだその戦闘能力を見せていないが、女王やイヴェルク公も、ギーラン軍が戦いを止めたところで果たしてその行動に合わせるのか?
戦いが始まる前ならまだ望みはあったかもしれないけど、もうこの衝突は片方の陣営が生き残るまで止まらないのではないか?
鬼の絶滅を食い止めようと行動しているエマたちからすれば、女王やイヴェルク公に生き残ってもらう必要がある。
でもよく考えればギーランが生き残っても良い気がする。
ギーランは元々、自分の領地では善政を敷いていたようだし、彼が王になって鬼の社会をまとめるというのもありかもしれない。
女王、イヴェルク、ギーランが戦って勝者が決するまでは良い。
その後、生き残りをノーマンが掃討してしまうことがエマたちにとってはアウトとなるんじゃないか。
前述した通り、まずエマたちはノーマンに会って報告しないといけない。
しかしその後は、都合の良い展開はないだろうな……。
エマたちにどこまでこの状況を自分たちの望み通りの方向へ動かす力、運があるかどうかが今後の見所の一つと言えるだろう。
毒
毒で民衆を大量殺戮?
これは鬼側からしてみればとんでもないテロリストだろう。
食用児からすれば話すら聞いてもらえず、問答無用で鬼に食われる立場なわけだから、手段としては仕方がない部分はあるんだろうけど……。
これも似たようなことをすでに前述したが、ノーマンが手段を選んでいない、なりふり構っていないことの表れではないかと感じた。
確かに王都城下町に住んでいる鬼も、食用児を食べる。
食用児であるノーマンたちにとって絶滅の対象だろう。
しかし彼らからすれば、ただ生きているだけなんだよな……。
悪意を以て食用児を食用児として扱っているわけではない。
だからこそ色々考えさせられる。
どっちかと言えば、食用児が倒さなければならないのは、鬼と結託して食用児という存在を生みだし、食用児に、その限りある生を宿命づけたラートリー家だろう。
そう考えると、今回の局面が終わった後、ラートリー家と戦うことになるのかな?
とりあえずまずは、女王とギーランの対決、ノーマンの奥の手、そしてエマたちがノーマンを止められるのかに注目したい。
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第149話 証明する義務
潜入
エマとレイは、王都城への潜入を試みていた。
しかし城の内部へ行く為の道は全てが塞がれていた。
すでにエマとレイは、何度も潜入を試みていたがいずれも今回のように経路は鉄格子によって塞がれていたのだった。
別の道を探そうと促すレイに、エマが思い出したように声をかける。
「あの道は?」
レイは楽園でのエマとの話しを思い出す。
「いける!」
レイは両手を重ねて前に突き出す。
そのレイを目がけて、エマが走り出す。
「とべ!!」
レイの言葉でエマはジャンプする。エマの足がレイが突き出した両手を捉える。
エマはレイの両手を踏み、高く飛び上がる。
黒幕の存在
イヴェルク公は五摂家の内、四卿を一瞬のうちに失い、呆然としていた。
女王に次ぐ実力を持っていたとされるドッザすら、ギーランの部下が一撃で葬ったことで、ギーランの率いている配下たちは特に精鋭だと見抜いていたのだった。
しかしイヴェルク公は同時に、連日続いていた盗難賊徒がギーランたちではないと確信していた。
もしそれがギーランの手によるものであるならば、ラムダや系列農園の人肉も食べているはずだが、ギーランたちは野良に近い姿で現れた。
イヴェルク公は、今回の襲撃、以前の盗難には別に黒幕がいるという結論に至る。
そして、これだけの手際や手腕を持つ者に全く心当たりがないことに戸惑う。
「よい」
思考に囚われていたイヴェルク公を下がらせて、ギーランたちの前に立つのは女王レグラヴァリマだった。
ギーラン兵は、イヴェルクが先代王の頃から政治上の実務を担い、今も王政の要であることから、女王の行動に納得していた。
そして女王を殺して食った後、ノーマンを食い殺し、ギーランを王にする。
ギーラン兵の中でその目的、手順は完全に一致していた。
「さあ次は貴様の首だ」
ギーラン兵が大挙して女王に襲い掛かる。
「女王レグラヴァリマ!!」
「愚かな」
女王は一瞬で長く伸びた爪で、ギーラン兵を一閃する。
「怯むな!!」
女王の攻撃を受けずに済んだ兵を鼓舞するギーランの側近。
回想
ギーランの側近たちは、皆一様に、自分を取り立ててくれたギーランに感謝していた。
かつて、ギーランが無実の罪で投獄された頃、側近たちは王都に出向いて、イヴェルク公に対してギーラン卿が捕まったのは何かの間違いだと主張していた。
しかしイヴェルク公は逆らう者は同罪と、ギーランの側近たちも野良落ちの刑に処すのだった。
その後、側近たちはギーラン卿と鉄格子越しに面会を果たす。
「撤回せよ」
ギーランは家族と共に投獄されていた。
彼から出た言葉は、自らの無実の訴えではなく、部下の身を案じたものだった。
「我らのことはよい 君達まで刑をかぶることはない」
「おいたわしや…!」
側近たちはギーラン卿やその家族が置かれた窮状に消沈していた。
そしてその場で、ギーランを生涯の主君とすることを誓うのだった。
「曲げられませぬ 我ら思いは一つ」
ギーランの側近たちはドッザ卿に、ギーラン卿の無実を主張していた。
そしてギーラン卿たちと同じく鎖に繋がれ、野良落ちの刑を受けることになる。
ギーラン卿の妻や家族は野良落ちの死んでいった。
ギーランや側近の現状を知り、いてもたってもいられなくなったのは元ギーラン領民だった。
「なりませぬ このまま…落ちたままではなりませぬ…」
元領民たちは自分たちを食べることで、逃げ延びることをギーランに具申する。
ギーランたちは、自らの身を差し出した元領民たちを食し、ようやく野良から人の形質をいくぶんか取り戻していた。
元領民たちの亡骸を前に跪いて泣くギーランたち。
元領民たちに生かされたギーランやその側近たちは、自分たちの正しさを証明する強い義務感を持つようになったのだった。
決死
女王の攻撃に一度は倒れたギーラン兵たちだが、息のある者は立ち上がり、女王へ立ち向かう意思を示していた。
「無益」
ギーラン兵たちの態度を無感情に切って捨てる女王。
「避けるだけ 立ち上がるだけ 己が苦痛が長引くだけ」
女王に立ち向かっていくギーラン兵たちは、女王の爪によって切り刻まれていく。
しかしギーラン兵の勢いは止まらない。
(我らが落ちたは 彼らが食われたは 貴様達が笑い肥え太るためではない)
(我らの勝利まで終わりはない)
「くどい」
女王はあくまでギーラン兵たちを迎え撃つ。
(この復讐は絶対だ)
一体のギーラン兵が女王の背後をとる。
(覚悟!!)
女王は背後のギーラン兵の刃を避けながら、同時に爪で敵の頭の上部を寸断する。
「惜しかったのだが届かぬ」
しかしその兵は、頭の上部を失いつつも、ニイ、と笑って立っていた。
その異様さに女王はハッとする。
(いくら我らとて王族に適うとは端から思うておらぬ)
頭の上部を失ってもなお立っているギーラン兵の腰には、大量のダイナマイトがロープで括り付けられていた。
(これは)
女王は、他のギーラン兵もまた、腰にダイナマイトがあることに気付く。
ギーラン兵たちが女王を取り囲むようにして迫る。
(お仕えできて幸せでした 後は頼みますギーラン様)
「ギーラン王に栄光あれ!!」
(自爆)
女王がそう思った瞬間、一斉に爆発するダイナマイト。
「陛下――!!」
女王の配下の叫びが響く。
第149話 証明する義務の感想
戦いの行方
やはり女王の強さはやはり飛び抜けていた。
ドッザ卿が女王の次に強かったらしいけど、その差にはかなりの開きがあると見た。
彼女の爪は、ドッザをはじめ、五摂家をあっという間に殺した部下たちをほぼ一方的な展開で倒していく。
しかしギーラン兵たちのギーランに対する忠誠が、最後の特攻に繋がっていく。
果たして女王はギーラン兵たちと相打ちになるのだろうか?
かなり熱い展開なのだが、この流れは、まず成功はしないだろうな。
これで女王が死んだらむしろ新しいと思う。
とりあえず、ここまでの展開で最も喜んでいるのはノーマンだ。
五摂家はイヴェルク公を抜いて全滅し、女王の攻撃によりギーラン兵も多くが傷ついている。
そしてギーラン兵の自爆。
これが女王の命も奪ったなら、いよいよノーマンの直接的な介入が始まるのではないか?
ギーランとイヴェルク公が相互に傷ついていたタイミングを見計らって、戦力を投入というのがノーマンが事前に想定していた必勝の流れかな?
果たして、このままノーマンの思惑通りに事は進むのか?
何かしらノーマンたちが窮地に陥る展開があると思うんだけど……。
ギーランたちが負けられない理由
ギーランと家臣の絆に泣いた。
人を食わなければ、十分に人と分かり合える知能や心を有しているんだけどな……。
ほぼ野良鬼同然で野に放たれたギーランたちを救ったのが、元ギーラン領民だというのもジーンときた。
ギーラン領民の犠牲がなければ、間違いなくギーランたちは終わっていた。
ただ単に無実の罪を着せられて一族郎党野良落ちし、家族を失っただけではギーランたちの強さは生まれなかった。そもそも復讐など考えられない状態だったわけで、今回の決起はなかった。
元領民から託された身体や、その思いが、今回の襲撃に活かされているというのはグッときた。
ギーラン兵の決死の攻撃は女王を倒すのか?
そして、エマたちは王・五摂家の全滅前に間に合い、ノーマンを説得できるのか?
以上、約束のネバーランド第149話のネタバレを含む感想と考察でした。
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