約束のネバーランド 最新第110話すべきことの感想(ネタバレ含む)と考察。オリバーはルーカスからメモ受け取っていた。そして再び子供たちに迫る危機。

第110話 すべきこと

第109話のおさらい

到着

シェルターから脱出したエマたちは、無事、目的地としていた森の地下道へと到着していた。

 

レイは細かいことは翌日から決めていくと子供たちに休むことを促す。

 

子供たちが就寝する中、エマは今も眠り続けるクリスティの顔を見つめながら、自身のシェルター脱出時の判断について考えていた。
クリスティが撃たれ、さらに仲間も二人撃ち殺されてしまった。シェルターで敵を足止めしているユウゴとルーカスも心配で、エマの心をかき乱す。

 

エマの思考は、ユウゴとルーカスにも何かあった場合、全ては判断を下した自分のせいだという結論に行き着くのだった。

 

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果たして自分が最善を選択出来ていたのか、もっと良い選択肢があったのではないか。
その可能性を止めどなく考え続けるエマ。

(怖い…)

 

頭を抱えるエマの名を呼ぶ声に、彼女は顔を上げる。

 

そこにはユウゴが立っていた。

 

よかった…! 無事だったんだね」

 

まだ意識が戻らないとクリスの容態について報告したエマに、ユウゴは、お前のせいじゃない、と告げる。
ユウゴはエマの苦しい心を察していた。

 

それでもエマは納得がいなない。
自分の選択、決断が間違っていたのではないかと以前悩み続ける。

 

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ユウゴは、以前自分がエマに向けて言った、その判断は正しいか? というセリフに関して、あれちげーわ、と否定する。
そして、正しい判断を下すことは大事だが、それが全てではないとエマに説き始める。

 

たとえその時に下した判断が悪い結果を招こうとも、それに気付いた時点から何が出来るか、どうあがくことができるかが大切、とユウゴは結論する。
「判断だけで決まるのなら人生は賭け事になっちまう」

 

ユウゴはエマの肩に手を置いて語りかける。
「自分の判断を信じろエマ そしてそれでどんな結果が出ても前へ進め」

「お前なら お前たちなら世界を変えられる」

 

エマは自分を励ましてくれるユウゴのことをじっと見つめていた。
しかしすぐに必死な表情に変わり、ユウゴに食って掛かる。
「ユウゴも一緒にいられるんでしょ!? 一緒に世界を変えるんでしょ!?」

 

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「ごめんな」
ユウゴは口元に笑顔を浮かべつつ、しかし悲しそうに眉根を寄せていた。

 

そこでエマは今自分は夢の中におり、話しているユウゴは現実にはいないことを理解するのだった。
(多分ユウゴは ユウゴ達はもう――)

 

2046年1月、ユウゴは外での食料調達を終え、シェルターに帰っていた。

 

ずっと独りで、変わり映えのしない毎日を過ごしていたユウゴの表情は疲れ切っている。

 

ユウゴは自分の判断で仲間を死なせてしまったと自責の念に駆られ続けていた。

 

仲間たちの分まで生きなくては、と思いつつも、しかしユウゴの精神は限界に近い。
モニター室で、テーブルの上に載った缶型の入れ物に入ったクッキーを前にしているユウゴの脳裏に、お茶会しましょう、と笑うかつての仲間たちの笑顔が浮かぶ。

 

そもそもGPへ行かなければ仲間と共に食べていたはずのクッキー。

 

そんな考えは、ユウゴの精神を限界にまで追いやる。

 

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摘まんでいたクッキーを手放し、ユウゴは銃口を自らのこめかみに突きつけていた。
引金にかけた指を引こうとしたその時、シェルターの入口が開く音に気付くユウゴ。

 

モニターを見ると、そこに映っているのは笑顔でシェルター内を行くエマたちだった。

 

エマたちの登場により、ユウゴは死にそびれていたのだった。
しかしそこで生き残ったことで、ユウゴはエマたちやルーカスにも会い、かつての仲間たちを殺した仇を討ち、忌まわしき密猟場を破壊することが出来た。

 

(この一年半 楽しかったなぁ)
ユウゴはガスマスクの下で笑顔を浮かべていた。

 

その時、眠っていたエマは異変に反応して起きていた。

 

無数の銃弾を浴びたユウゴはもはや立ち上がることは出来なかった。
死にたくない、人間の世界も、エマたちの成長も見たかった、とその脳裏には未練ばかりが浮かぶ。

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しかしユウゴはエマたちを守れるならは笑って死ねる、と不敵な笑みをアンドリューに向ける。

 

ルーカスが引いた銃の引金により、充満していたガスが引火する。

 

(望む未来を叶えろ 頑張れよ エマ)

 

地上に出たエマは、シェルターの方角から煙が上がっているのを確認していた。
ユウゴやルーカスの身に何が起こったのか、彼らが何を選択したのかを悟り、力なくその場に座り込む。
「嘘だ… 嫌だよ… 嫌だよ… ユウゴ…!」

 

うつ伏せに倒れているユウゴをルーカスが起こす。

 

見ろよ、とルーカスが示した先から人が駆け寄って来る。

 

ユウゴは近付いてくるのがかつての仲間たちであることに気付く。
(ああ 会いたかった ……ずっと!)
仲間たちは皆、笑顔でユウゴとルーカスを見つめていた。

 

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「みんな…!」
ユウゴは今にも泣きそうな顔になり、仲間たちを見上げていた。
駆け寄ってくる仲間たちの中に、好きだった女の子を見つける。
「ダイナ…!」

 

「ごめんな…思いの外早く来ちまって…」
ユウゴは涙を流す。

 

ダイナはううん、と言いユウゴを抱き寄せる。
「ありがとう がんばったね ユウゴ」
前回第109話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

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第110話 すべきこと

焦り

シェルターから上がる煙をみつめるエマ。
風に乗って、匂いが漂ってくるのを感じている。

 

エマは遠くで上がっている煙の意味を解していた。

 

丸一日経って、夜になってもユウゴとルーカスは戻らないのだった。

 

いくら待っても二人が戻ってこないことに焦れ始める子供たち。

 

やがてジリアンが二人を探しに行こうと提案する。

 

しかしその提案を、だめだ、と冷たく一蹴するレイ。
レイは、もし敵が生き残っていた場合、自分たちが発見されてしまうのでユウゴとルーカスの行動が無駄になるとその理由を付け加える。

 

レイに食い下がるジリアン。
二人が戻ってこないのと同時に敵も追ってきていない以上、きっと倒している、と希望的観測を口にする。

 

そして、二人が敵を倒して、生きているにもかかわらず、シェルターの瓦礫に埋まって動けずにいる状態だったら、今動けば助けられるかも、と必死に訴える。

 

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しかしレイは譲らない。
人を倒した敵がシェルター周辺を探し回っているだけなのかもしれない、と声を荒げる。
「いいか!! そうなればユウゴもルーカスも無駄死にだ!!」

 

そのセリフに顔を伏せるポーラとザック。

 

レイとジリアンの言い争いを見ている子供たちの間に緊張感が高まる。

 

ジリアンの表情は急激に怒りと悲しみが混じった様な表情になる。

 

その様子に目が覚めるレイ。

 

「二人とももういいだろう」
オリバーが二人に静かに呼びかける。

 

ごめん、と同時に謝るレイとジリアン。

 

サンディは泣き出している小さな子供たちを励ますように、まだ二人が死んだとは限らない、と呼びかける。
「レイだってすぐにでも探しに行きたいし ジリアンも本当は探しに行けないってわかってる」

 

「待つしかない みんな不安なんだ」

 

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考えるエマ

エマはクリスティの傍らに座り、夢でユウゴから聞いた言葉を思い出していた。

 

(「大切なのは判断のあと」)

 

(「そこから何ができるか如何に足掻くかこそが大切なんだ」)

 

その言葉をエマは忠実に実行していた。

 

二人の安否は確かめたいものの、それは出来ないから待つしかない。

 

目的の七つの壁探しに関しても、条件が揃っていない上にリスクもあるのでひとまず中止。

 

ラートリー家の追跡がこれで終わるわけがなく、もう一度同様の強襲を受けた場合、その時は本当にやられてしまう。

 

そしてエマは、生活基盤の立て直しが最優先だという結論に至る。

 

不安な空気が蔓延し、どんよりとした子供たちの前に進みるエマ。
「みんな まずは食べよう!」
笑顔で呼びかける。

 

その背後には食事が用意されている。

 

エマたちの醸し出す明るい雰囲気を受け、子供たちの空気が弛緩する。

 

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メモ

車座になって食事を摂る一同。

 

食後、小さな子供たちは就寝し、エマたちは再び今後のことを話し合うのだった。

 

エマは、今自分がすべきこととできることを懸命に分けて考える。
そして、ユウゴとルーカスの二人が守った子供たちの命を子供たち全員で守っていくことを決意する。

 

オリバーはエマを誘い、一枚のメモを渡す。
それは、シェルターから離れる前、ルーカスから手渡されたものであり、その内容は、襲撃を受ける直前にルーカスが受けた電話の内容だった。

 

エマは電話が来ていたことに驚いていた。同時に、アンドリューたちが支援者を一人残らず殺したと言っていたのを思い出す。
そして開いたメモの内容を目にしてさらに驚く。

 

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鳴ることが無かった電話をとったルーカスが聞いたのは、まずは雑音。その後は20秒の録音だった。

 

電話の主は名前をW・ミネルヴァと名乗り、反旗を翻す、と続ける。
「再び諸君に人間の世を”ネバーランド”を終わらせる 私が新たに”約束”しよう」

 

そして、まずは農園を出て以下の場所で待つ、と言い、数字を読み上げていく。
「7・2・4」

「9・4・1」

「10・10・7」

「13・11・2」

「21・8……」

 

数字の羅列の読み上げだけが続き、それらは全てメモされているのだとオリバーは説明する。

 

エマは今の話から、死んだと思っていたミネルヴァが生きていたことに疑問を覚えていた。

 

以前GPで聞いた電話では、食用児に未来を選択させるていたにも関わらず、しかし今回の内容は何かが違うと感じていた。

 

エマは、生きていて考えが違ったか、全くの別人か、と可能性を呟く。
しかし、電話の主は少なくとも敵ではないと確信していた。

 

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オリバーも、もし敵なら電話のタイミングは襲撃の前にして自分たちを罠にかける方が合理的、とエマに同意する。

 

回線で呼びかけて来たのは、ミネルヴァを名乗る敵ではない誰か。それは誰なのか、とエマは考える。

 

本当にミネルヴァなのか、それとも支援者の生き残りなのか。

 

オリバーは、現在の地下道は今は安全だが、しかしまたシェルターのように見つかるかもしれない、と前置きし、得体は知れないものの、ラートリー家に対処するためにもメモのミネルヴァと接触を図るのはありかもしれないと結論する。

 

その提案に頷くエマ。

 

オリバーはメモをじっとみつめていた。
そして、このメモは1日経過してもユウゴとルーカスが戻らなかった場合、みんなに見せるようにと言われていたとエマに切り出す。
オリバーはルーカスが最初からそのつもりだったことがわかっていたと告白するのだった。
しかし引き留める事はできなかった、わかっていて行かせた、と続ける。

 

オリバーは別れ際、シェルターで敵を足止めするというルーカスからひしひしと覚悟を感じ取っていた。

 

(「すまん 親孝行だと思って逃げてくれ ここへは戻るな… みんなを守ってくれ」)

 

オリバーは、ルーカスたちから子供たちを託されたと感じていた。
「俺達はこれから何が何でも仲間を守らなきゃならない 俺たちだけで ルーカスの分まで」

 

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危機が迫る

ドミニクとアシリアの先導で、子供たちは誰にも気づかれないルートで地下道の別の出口を目指していた。

 

探しに出る子供たちは、ドミニクとアリシアに無断で二人の捜索することに協力させてしまったことを謝罪する。

 

いけないことだってわかってる、と神妙な表情で答えるアリシア。

 

このまま二人を放っておくなんて俺たちも嫌だ、とドミニク。

 

二人の気持ちを受け止め、3人の子供たちとドミニク、アリシアの計5人がシェルターの方角へと向かう。

 

彼らは、エマ達が動けないのは情報が無いためだと思っていた。
シェルターに入れずとも、その近くまで偵察に行くため、夜の森をひた走る。

 

その様子を木の陰から、シェルターの崩落を生き残り、子供たちを追って来ていたアンドリューがじっと見ていた。

 

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感想

恐怖のラスト

やっぱアンドリュー生きてました……。こんなやつが出てきたら泣く。
仲間に救出されて、後からユウゴやルーカスの仇、エマたちの因縁の相手として登場するのかと思っていたけど外れた。まぁこの後の展開如何でそうなる可能性はまだあるけど……。

 

ここは、エマたちがシェルター強襲の危機をユウゴとルーカスの犠牲によって乗り越えました、で終わるかと思っていたんだよなぁ……。それで次のエピソードに進むと思ってた。

 

でも追ってきたか~。もう一波乱あるわけだ。
アンドリューが生きていて、追ってくるというのも当然事前予想の一つとしてはあったんだけど、いざラストのコマのアンドリューを目の当たりにすると、そのドス黒いまでの執念に衝撃を受けた。

 

ただ、アンドリューの様子から、下手すると命が尽きそうな印象を受ける。
森の地下道の入口まで来れる程度の体力は残っていたようだし、すぐに治療を受ければ生きられると思うんだけど周囲にそんな施設はもちろん、道具の用意もないようだし、これはかなり危ないんじゃないかな。

 

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多分、アンドリューは自分の傷がかなりひどくて、命が危ないのを分かっている。
でも周囲に治療できる施設や道具がないことから、あとは命が尽きるまでに目的を完遂しようとしているのではないか。

 

どこまでも食用児を処分することを優先する使命感の源泉は一体どこからくるのだろう……。

 

1年半もの長い期間の捜索の末、ようやく発見したのだから簡単には諦められないのはわかる。
けど、自分の命を捨ててまでやるか? って感じ。
この環境では自分は助からないから、どうせなら目的を達成してやるという開き直りというのもあると思う。

 

ラートリー家への狂信的なまでの忠誠が為せる業か。
それとも”約束”の元に作られた秩序の維持に、文字通り命を懸けているのか。

 

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重傷を負いながらもエマたちの痕跡を探し、わずか1日で退避先に行き着いたこのアンドリューの執念は怖い。

 

ラストのコマはホラーそのものだし(笑)。

 

エマたちはアンドリューが自分たちの居場所を探り当てたとは夢にも思っていない。
それがアンドリューの唯一と言っていい、優位な点だろう。

 

この後の展開は、目の前にいるドミニクかアリシアを人質にするとか?

 

もしかしたらそんな手間をかけることなく、ある程度エマたちのいる場所に近づいたら銃を乱射するかも……。
何にせよ、胸糞悪い行動でエマたちを苦しめるであろうことは間違いない。

 

エマたちに犠牲者が出ないことを願いたいな。
この場は、ユウゴとルーカスの尊い犠牲が子供たちを見事に守り切ったのだと思わせてほしい……。

 

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暴走……とまでは呼びたくないけど……

ユウゴとルーカスの様子を見に行った子供達。
危険があるということを承知の上で、どこまでも仲間を見捨てないその精神は素晴らしい。

 

しかし、彼らの行動は良くない。
シェルター周辺の情報を得に偵察に向かった行動自体が良くないのではなく、リーダーに無断で行ってしまったこと。これが良くない。

 

時にはそれがリーダーの手の回らないところをカバーするファインプレイになるのかもしれないが、しかし今回の場合はその行動がアンドリューに発見され、見事に仇となってしまった。

 

現在、エマたちは彼ら偵察隊が敵の生き残りに発見されるというリスクにすら気づいていないことになる。
ありえないことだが、もしエマたちが子供たちを偵察に向かわせていたなら、敵に生き残りがいた場合、察知されるかもしれないと警戒することが出来たのに……。

 

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これではアンドリューからの先制攻撃は避けられないだろう……。

 

アンドリューが一体ここからどういう戦法をとってくるかはわからない。
子供たち全員の処分に関しては妥協して、命が尽きるまで、出来るだけ多くの人数の処分を狙うのか。
それとも、なんとかして全員を一網打尽にする方法を考え、実行するのか。

 

どっちも本気で来られたらエマたちは犠牲を免れない。

 

これ、どういう展開になろうと、子供たちが犠牲になるのは避けられないような気がする……。

 

犠牲は、その身を挺して子供たちを守ったユウゴとルーカスだけにしてくれ……。彼らは立派に大人として子供を救ったと思いたい。
もし子供から犠牲者が出たら、特にエマがメンタルブレイクしかねない。

 

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まぁ、元々この話自体が過酷さをベースに持つ話ではある。
日常生活においても、いつどういう形で犠牲が出てもおかしくないんだよね。

 

今回、エマたちに承認を受けずにユウゴとルーカスを探しに出るという、こういう気持ちがわかり過ぎるほど理解できる、完全なる善意から出た行動が返って大きな危機を呼び込むのって本当に嫌な気持ちになるよなぁ……。
まぁ、それがハラハラ感であり、物語を面白くする要素でもあるんだけど。

 

……でも、そもそもアンドリューは森の地下道近くまで自力で追ってきたわけだし、勝手な行動をした彼らのせいとまではいかないのか?

 

さて、エマたちは密かに迫る危機から犠牲を出さずに済むのか。

 

次週の結末が怖いけど、楽しみだ。

 

以上、約束のネバーランド第110話のネタバレを含む感想と考察でした。

第111話に続きます。

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