約束のネバーランド 最新第105話まやかしの感想(ネタバレ含む)と考察。ついにアンドリューと接敵したエマたち。容赦ない攻撃は最初の犠牲者を生む。

約束のネバーランド 第104話

第105話 まやかし

第104話のおさらい

モニター室でアンドリューたちによるシェルター銃撃に気づいたペペは、恐慌状態近い焦り様で食堂に駆け込む。
そこで一堂に会し、寺院や金の水についての報告を行っていたエマたちは、その直後のシェルターの入口爆破で事態を把握する。

 

エマたちはすぐにピアノの仕掛けを起動させると、武器庫兼隠し部屋へと素早く避難を完了させる。

 

武器庫にはロッシーとルーカス以外の61人が揃っていた。

 

ついに恐れていたラートリー家が来たと子供たちは戦慄する。

 

ペペは頭を抱えて報告する。
「奴らいきなり現れた 闇の中から」
モニター室で監視していたペペは、見逃すことなどあり得ない、異常は何もなかったはずなのに、急に現れたと状況を振り返る。

 

「落ち着け」
取り乱しているペぺにオリバーが、ペペに敵の数を問う。

 

見えた限りでは8人、と答えるペペ。

 

武器庫にいないロッシーとルーカスの二人は、ロッシーが足の不自由なルーカスを気遣って一緒に電話のある隠し部屋に隠れているのだった。

 

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アンドリューは台所のポットに手をかざし、まだ温かいことを確認していた。
まだシェルター内にいると確信し、出入口を固めるよう部下に指示しつつ、食用児捜索を続ける。

 

隠れていてもじき見つかる 時間の問題だ、とレイ。

 

エマはシェルターを投棄するという重要な決断を下していた。
ラートリー家に知られてしまった以上、これいじょうシェルターには住めないと判断した結果だった。

 

生活拠点を失うことを嘆く子供たち。

 

(それだけじゃない)
ナットはさらに深刻な事態に気付いていた。
(これで支援者との連絡もとれなくなる……)

 

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「命の方が大事だ」
隠し部屋中に広まりかけた悲観的な空気にユーゴが楔を打ち込む。
「俺達はそのための想定もさんざんしてきたろ」

 

子供たちは平和だったシェルターでの日常においても、万が一の事態に対する備えとして、各部屋に武器を用意したり、最低限の荷造りなどを地道に行ってきたことを思い出す。

 

いつも出入りしていた出入口の他に、シェルターにはあと二つ非常口があった。
そこに通じている道は7つ。

・武器庫の奥

・北の廊下

・モニター室

・資料室

・風呂場

・南の廊下

・電話のある隠し部屋

 

どの道も隠されており、侵入者にはわからない秘密の逃げ道だとユーゴは説明していたのだった。

 

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エマたちは”武器庫の奥”から非常口を抜けて、ソンジュが繋げてつくったあの地下道跡を目指そうとしていた。

 

「家を失う これは痛手だ」
出発前、家を失うことを悲しむ子供たちに呼びかけるエマ。
「でも生きていれば何とかなる! 何度でも生きてさえいれば」

 

エマたちはシェルターを捨てる決断を下し、武器庫の奥から非常口への道を進むのだった。

 

エマたちと同じく隠し通路を進んでいたロッシーとルーカスだったが、ルーカスがふと立ち止まる。

 

嫌な予感に駆られていたルーカスは、非常口への隠し通路への出入り口を少し開けて、その隙間からモニター部屋の中の様子を確認する。
そこにはアンドリューの部下がおり、ちょうど無線でやりとりをしていた。

 

「その部屋は食用児の安全の命綱 出入口も必ず映し確認していただろう」

アンドリューがモニター室の部下に無線で指示しているのを耳にするルーカスとロッシー。

「万一食用児が地上へ出たら知らせろ」

 

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ルーカスはモニター室の映像をリアルタイムに切り替えられることで、エマたちの逃げる模様が筒抜けになることを恐れ、覚悟を決めてモニター室へと侵入する。

 

ルーカスは決死の覚悟で部下に背後から飛びかかり、見事に絞め落とすことに成功する。

 

そして何気なく落ちていた無線を拾って耳にあてるルーカス。
そこでルーカスはアンドリューが無線で出口を全て固めろと指示するのを耳にする。
ルーカスはアンドリューの指示から、自分たちは完全に追い込まれており、事態はかなり切迫していることを認識するのだった。

 

そしてエマたちにこの事態を伝えるべくロッシーを彼女たちに追いつかせるために先行させていたのだった。

 

その間もアンドリューの部下たちが発見した廊下の隠し通路から、アンドリューとその部下が侵入する。

 

エマたちは非常口が固められていることや、隠し通路からのアンドリューの接近を想像すらせず、非常口へと向かっていた。

前回第104話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

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第105話 まやかし

レイとユーゴの疑念

非常口を行くエマたちは、その抜群の記憶力で、途中何度も分岐する道を苦も無く選択していく。

 

エマは、万が一非常路が敵に気付かれたとしても、地の利は自分たちの方にあると考えていた。

(追いつかれる前に全員逃げ切れる ――いや 逃げ切ってみせる…!)

 

着実に脱出口へと近づいていく中、ユーゴがレイに対し、気にならんか、と切り出す。

 

60人以上の武器を持った自分たちに対し、何故敵は8人なのか、というユーゴの疑問を聞いてレイは即座に、少ないよな、と返す。

 

そしてレイは続けてその理由を、武器の存在や自分たちの人数は把握されていなかったのではないか、と口にする。

 

しかしユーゴは別の可能性も指摘する。
「けどもしそれらが把握していたら…」

 

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それで十分制圧可能な精鋭チームを寄越すだろうな、とレイ。
そして、この食用児掃討作戦がラートリー家にとって極秘裏に進めなくてはいけないという線もあると続ける。

 

レイにはまだ引っ掛かっていることがあった。

(なぜカメラの死角を縫って来れたのか)

(どうやってカメラの位置を知ったのか)

 

レイはどうしても嫌な感じが拭えず、見落としが無いかと自問し続ける。

 

「もうすぐだね」
レイの前を、歩くクリスティが隣のエマに声をかける。
クリスティは、梯子を上がってから少し歩き、もう一度上がれば出口だ、と口に出して確認する。

 

「エマ」
背後からエマに声をかけたのは、エマと同じかそれより上くらいの歳の男の子だった。
もう一人、彼と同じ歳くらいの男の子と一緒に、先に行って出口を開けてくる、と言って二人は先行する。

 

二人に対し、ありがとう、と返すエマ。

 

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唐突な開始

レイはエマを呼び止めるとその場に立ち止まって会話を始める。

 

(もうすぐ…!)
クリスティはエマとレイを残し、先を行く。

 

パキュン パンッ

 

(え)
クリスティは足を止める。

 

梯子の上から先行した二人が額を撃ち抜かれた状態で落ちて来たのだった。

 

一瞬の出来事に凍り付くエマたち。

 

足を止めていたクリスティは梯子の上を見上げる。

 

梯子を上り切った所にはアンドリューがライフルを構えていた。
ライフルの銃口から発射された弾は、呆然としているクリスティ目がけて飛んでいく。

 

しかし、背後から駆け寄ったエマが間一髪のところでクリスティを伏せさせ、弾は外れるのだった

 

「エマ! 走って!!」
ジリアンが声をかける。

 

クリスティを抱えたエマはアンドリューの銃撃にさらされながらもレイ達の元に逃げていく。

 

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ナイジェルはアンドリューのいる梯子の上を銃で撃ちながらエマを援護する。
その弾の内の一発はアンドリューの胸にヒットするが、ガァン、という金属音とともに弾かれる。

 

何とか梯子の上から死角の位置にまで逃げ切ったエマ。
「クリス…クリス…!!」
クリスティは頭部に傷を負い、血を流して気を失っていた。

 

敵は防弾の服を着ている、とジリアン。

 

「……嘘だろ」

 

「あの二人死んで…」
二人の死体を見て、ラニオンとトーマが慄く。

 

「食用児諸君 聞こえるか」
アンドリューがエマたちに呼びかける。
「私はアンドリュー 君達を殺しに来た」

 

「そこにいるのは判っている 隠れても無駄だ」

 

1年9カ月の間に”支援者”を一人残らず探し出して始末した。
よってシェルターの位置からその内部構造までも把握しており、出口も既に押さえたと宣言するアンドリュー。

 

「君達は今日 ここで死ぬ」

 

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緊迫していく状況

「状況は以上だ 大人しく出てきなさい そうすれば苦痛は与えない」
ライフルを構え、スコープを覗いた状態でアンドリューはエマたちに呼びかける。

 

子供たちは言葉を発することなく、その場に立ち尽くしていた。
皆、怒り、恐れ、怯えが綯い交ぜになった表情を浮かべている。

 

(ふざけやがって…!)
歯噛みするラニオン。

 

子供たちの間に、”支援者”から連絡がなかったのは彼らが殺されたからなのか、あるいは出口が全て押さえられどうしたらいいのかという疑問が錯綜する。

 

「冷静に まずは後ろに伝えろ」
ユーゴは子供たちを落ち着かせる。
「『敵がいる 周囲に警戒しろ』と」

 

ギルダやドンたちが中心となって他の子供たちにその情報が伝わっていく。

 

(けどマジでどうする?)
レイは打開策を捻り出そうとしていた。
(奴ら俺達を捕える気も農園につき出す気もない 正真正銘殺す気だ)

 

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そりゃそうだよな、と冷静なユーゴ。
(ラートリー家にとっちゃ俺達は絶対に明るみに出せない過失そのものだもんな)

 

レイは、こうしている間にも敵は自分たちを徐々に挟み撃ちする形を作っていると考えていた。
(敵は8人 出口は3つ 今 目の前にいる奴含め迫ってきているのは最大で5~6人)

 

たったそれだけの人数であれば迎え撃てるか、それか別の方法があるか、と自問するレイ。
(どうする決めろ)

 

エマはクリスティをじっと見つめている。
その頭の中ではひたすら、なんで? という疑問が吹き荒れていた。

 

(「生きていれば何とかなる」)

(「何度でも」)

(「生きてさえいれば」)

 

自分の言った言葉が脳内に響く。

 

視界にあるのは、ついさきほどまで生きていたはずの二人の死体。

 

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説得

「エマ…?」
エマを見つめていたラニオンは、その様子がどこかおかしいことに気づく。

 

(生きたいだけなのに 同じ人間なのに)

 

エマの脳裏に普段の笑顔のクリスティと、現在、頭から血を流して倒れている姿が重なる。

 

「なんで」
立ち上がったエマ。
その表情は心の苦痛に歪んでいた。
「私達は”約束”を破るつもりは一切ない!!」

 

「”七つの壁”を探して もうすぐ”約束”を結び直せるのに!!」

「人間世界に迷惑はかけない そしたら人間世界と争う理由はどこにもないのに!!」

「私達は!! 当たり前の日常を守りたいだけなのに!!」

 

子供たちは、エマの主張を緊張した面持ちで聞いている。

 

「”七つの壁”?」
アンドリューが呟く。
「そうか…君たちは”七つの壁”を探しているのか しかも既に”約束”を結び直せる段階にまで達している?」

 

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「そうだよ だから―」
ラニオンとトーマが必死になってエマの後に続こうとする。

 

「関係ない」
ラニオンとトーマの言葉を切るアンドリュー。

 

(え?)
エマは呆然とアンドリューの言葉を聞いていた。

 

「そういうことじゃないんだよ」
アンドリューは冷静に続ける。
「寧ろそれならば尚更にここで殺しておかなければ」

 

(??)
エマには、アンドリューの言っている言葉の意味が分からない。

 

「たとえ世界が許可しても 我々は今この秩序でなければならないのだ」
眼鏡を外すアンドリュー。
「『当たり前の日常』? 『守りたい』? 勘違いするな」

 

「食用児には最初からそんなものは存在しない」
アンドリューはガスマスクを装着する。
「全てまやかしにすぎないんだ」
そして、煙の出ている缶を下に放る。

 

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(まずい)
それを見て、ユーゴは一瞬で理解する。
「ガスだ!! 防火戸を閉めろ!!」

 

シュウウウウ、という音を立てて迫りくるガス。

 

ユーゴに指示通り、壁にあるレバーを下ろすことで防火戸が閉まる。

 

頑丈な扉でアンドリューたちの攻撃と、侵入してくるガスも少量で防いだものの、レイはこの場が長くもたないことを悟っていた。

 

「退け」
ユーゴが防火戸からの撤退を指示する。

 

(退いたところで敵に囲まれている)
レイは必死に思考を回転させる。
(出口は塞がれ地の利もない どう逃げる? 判らない でも!!)

 

(ここから逃げなければ!!)

 

防火戸を背に、他の子供たちと共に逃げるレイ。

 

エマはその場に留まり、気絶しているクリスティを抱いていた。

 

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感想

アンドリューの銃撃により、ついに1年9カ月ぶりに犠牲者を出したエマたち。

 

読者には名前も分からないが、エマたちにとっては一緒に協力して暮らしてきた大切な仲間。
つい数秒前までは普通に生きていたはずの二人は額を撃ち抜かれて一瞬で死んでしまった……。

 

あまりにもあっさりと……。

 

鬼に見つかれば捕まっていずれ食われるが、アンドリューたちは即座に射殺してくる。
食われるのは嫌だけど、射殺もヤダなぁ……。
自分だったら、もう死ぬしない状況になったら、そりゃ射殺を選ぶけどさ……。

 

ちなみにクリスティは気を失っているだけだよね?

 

普段は無邪気な笑顔が目立つ子供だけに、血を流してぐったりしてる現在の姿があまりにも痛々しい。

 

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クリスティの姿は、現在エマたちが直面している危機を象徴していると思った。

 

冷静に敵がいる事を伝達するユーゴや子供たちをよそに、いちばん取り乱していたのはエマだったのは無理もない。

 

よりによって鬼ではなく、人間によって気づけられた仲間の姿。

 

エマの胸に去来する感情の奔流の激しさは、立ち上がった際にエマが浮かべていたその歪んだ表情から如実に伝わってくる。

 

何で人間に狙われなくてはならないのか、と。

 

鬼の脅威を避け、ただ普通に生きたいだけなのに、何故、と。

 

元々、彼ら、彼女らの置かれた食用児という立場からして理不尽の極みだった。

 

まだ真偽は不明だが、”支援者”を始末したというアンドリューの言葉もエマたちの心に打撃を与えた。
少なくとも彼の言葉と、エマたちにこれまで”支援者”から連絡がなかった事実の整合性がとれてしまう。
また、シェルターの位置はおろか、そのカメラの位置なども知っていたからこそ監視カメラの死角を活用して秘密裡に接近できたことも、”支援者”がやられたという事実に説得力を与える。

 

でも、全然根拠はないけど生き残りはいそうな気がするなー。というかいて欲しい。

 

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”約束”の結び直し

エマとラニオン、トーマは七つの壁を見つけ、あと少しで”約束”を結び直せるとアンドリューに主張した。

 

しかしアンドリューは、彼らの叫びを無慈悲な態度と言葉でかき消してしまう。

 

その態度に一切の妥協はない。

 

どうやら、ラートリー家にとって”約束”によってもたらされる秩序とは、まだ子供のエマたちを冷徹に撃ち殺すことを躊躇わない程に死守しなければいけないものらしい。

 

「たとえ世界は許可しても”我々は”今この秩序でなければならないのだ」

 

新しく”約束”を結び直せることは、まだその詳細は不明だけど、少なくともラートリー家にとっては間違いなく不利益らしい。

 

それは新しい”約束”の内容云々というより、現在の体制を変えること自体がダメ、ということか。
つまりそれだけラートリー家が現在の秩序で盤石の地位にあるということの証左だろう。

 

もしその地位を築いた秩序を為す根本である”約束”が変わったなら、ラートリー家はたちまちその地位を失うことになる。

 

いつの時代も、権力者が既得権の喪失を恐れるのは当然と言えば当然か。

 

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理念か? 私欲か?

しかし、事はそんな単純な構図なのだろうか。

 

実はラートリー家が現在の”約束”を守ろうと必死なのは、既得権の死守もあるかもしれないけど、何より人間世界を守るために逼迫した事情があってのことだったりはしないか……。

 

自分には、ラートリー家がただ鬼との良い関係を維持し、私服を肥やすだけの為に”約束”を死守しようとしているようには見えない。
もっと大きな何かの為、人間世界を守る為に心を鬼にしているという方がしっくりくる。

 

あれ、実際そうじゃなかったっけ? どっかで読み違えてたっけかな……。
それとも自分が過去にそう感じただけ? あとで確認しよう。

 

とりあえず、自分がアンドリュー達から感じたのは、自分たちが正しい理念の為に戦っているからこそここまで妥協なくエマたちに殺意を向けられるんじゃないか、という可能性だった。

 

当然、それはエマたちにとっては理不尽極まりない。

 

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エマたちは、人間世界が鬼の世界と上手くやっていく為の、言ってみれば”供物”だろう。
そしてそうした食用児の犠牲があってこそ人間世界は秩序を守れているということではなかったか。

 

仮にエマ達が”七つの壁”を越えて”約束”の結び直しに成功したとする。

 

その場合、人間世界は旧秩序の崩壊によって大混乱が生じ、平和が失われるということにならないかな?

 

もしそうだったとして、エマたちはそれを知ったらどうするんだろう。

 

今は、すぐそこに差し迫った危機があるので、それを切り抜けなければならない。

 

以上、約束のネバーランド 第105話のネタバレを含む感想と考察でした。

第106話に続きます。

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