たかが黄昏れ第8話ネタバレを含む感想と考察。

たかが黄昏 第7話 鉄格子

第8話

第7話のあらすじ

ひなたは職員室で女性教師から、反体制的な発言は慎むこと、と説教を受けていた。

 

目を合わせようとしないひなたの目を覗き込むようにして女性教師は続ける。
「いくらあなたのお母さんが『国家的女傑』でも守ってあげるには限界があるの。」

 

「女傑?」
ひなたは女性教師に視線をやる。
「『国家的英雄』は使っていいんじゃないんでしたっけ?」

 

女性教師はうるさそうに答える。
「『雄』はね、『英』と一緒だとダメよ。違う性を想起するからね。」

 

そして女性教師は興が削がれたかのか、行きなさい、とひなたを解放する。
「天国のお母さんをガッカリさせないで。」

 

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職員室を出たひなたは廊下を歩きながら、くだらない、と教師の言い分を軽蔑していた。
(英雄がダメで女傑はいい?)

 

そして、トイレに群がる女子生徒たちとすれ違いざまに考える。
女子トイレが左右2つあっても誰も気にしなていないこと。

女子生徒たちが楽しそうにしているのを見て、ひなたは、気にしていてもしょうがない? 自分が気にしすぎなのか、と徐々に気力が抜けていく。
 

(……楽しんだほうがいいのかなぁ)

 

教室に戻ったひなたはお弁当を食べている子から一緒に食べようと声をかけられる。

 

ひなたはお弁当を片手に、その申し出を断る。
「ちょっとナンパしてくる。」

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この間フッたばかりなのに? と女の子からひなたに質問が飛ぶ。

 

ひなたを誘った女の子も、また殴られるよ、と呆れ気味に返す。

 

「そんなの関係ない!」
若干語気を強めて言い返すと、ひなたは廊下に出て目的の人物のところまで歩いていく。

 

目当ての人物は楓だった。

 

教室のドアを開くと、女子生徒たちが楽しそうに会話している中に楓が混ざっていた。

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それを見て楓に声をかけることなく廊下に出ていくひなた。

 

結局ひなたは一人で校庭まで出て、鉄格子の付いたスペースの真正面に腰を下ろして弁当を広げていた。

 

そんなひなたに声をかけたのは楓だった。

 

楓は穴ジャコを掴んでいるひなたの箸の持ち方を見て、持ち方がなってないと指摘してひなたの腕を掴む。

 

教えてくれる人いなかったから、と顔を赤らめるひなた。

 

楓は、そんなん私が教えてあげる、と返す。

 

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ホント? と表情を輝かせたひなたに、楓は交換条件、と言って質問する。
「あれは何?」
二人の真正面にある鉄格子に閉ざされた無機質なスペースの意味をひなたに問いかける。

 

ひなたは、かつてそのスペースで、『違う性』の迫害が強くなった時に見世物として飼われていたのだと答える。

 

「正確には近くの施設から一時的に運ばれてきたんだよ。」
楓は笑みを浮かべながら答える。

 

なんだ知ってんじゃん、とひなた。

 

楓は、前の学校では取り壊されていたから現物を見るのは初めてと答える。

 

「でもここに居たのは、確かなんだ。」

 

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これって開くの? と楓が鉄格子を開いてスペースに入っていく。
「天井低いんだね。」

 

鉄格子越しに楓とひなたが見つめ合う。
「ここで女達に見られる気持ちってどんなだろ?」

 

「ねえ、キスしよ。」

 

唐突にキスを求められ、頬を赤らめながら焦るひなた。

 

「したくない?」

 

「えっ」
ひなたは戸惑いながらも、したいけど、と答えて、楓から恥ずかしそうに視線をそらす。

 

「じゃあしよ。」

 

「ん。」
鉄格子越しに口づけを交わすひなたと楓。

 

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前回、第7話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

第8話

鉄格子越しに口づけをするひなたと楓。

他の女子生徒の中には、二人の様子に気づき始める者が出始める。

長い口づけのあと、二人は離れて互いを見つめる。

頬を赤らめるひなたに対し、楓はまるで余裕の表情だった。
「あれ キス初めて?」

あるよ! とムキになるひなた。
そして楓から舌を絡めた感想を問われ、エロイ、と返すのだった。

「ハハ。こっちおいで。」
楓は笑顔でひなたを鉄格子の内側へと呼び寄せる。

あっさり一線超えちゃったねー、と言って、楓はひなたに、どーする とだけ問いかける。

つきあうとかそういうこと? と頬を赤らめるひなた。

 

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「ピンと来ない?」

「うん まだ。…でも。キスはもっとしたい。」

二人は再び口づけを交わす。

その後、二人は鉄格子の内側で会話する。

楓に付き合ったことがあるのかと問うひなた。

それに対し、楓は同年代からおばちゃんまで50人くらいと答える。
「ひいた?」

まあ少し、と答えたひなたに、楓は、素直と返す。

ひなたの、つきあうという感覚がまだわからない、という素直な胸の内を聞き、楓は、それでいい、と肯定する。
「好きな人なんて1人じゃないし、つがいになるシステムなんて古い考えなのに。こんな世界になってもぬけきれないみたい。」

その主張を受け、ひなたは楓が朝心中してもいいと言っていたことを指摘する。
「一緒に死ぬってそれこそ独占欲のかたまりじゃない?」

そーね、と楓。
「死んでもいいくらい好きってことだけど、ひなたが誰を好きでもいいし、死んだら結局、別々だからね。」

 

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そこまで聞いてひなたは、まあね、と答えるのみ。

唐突に楓がブルーハーツのリンダリンダの詩を諳んじていく。

ひなたはそれを不思議そうな表情で聞いている。

その頃、学校の運動場には猪が入り込んで、走り回っていた。

楓がリンダリンダの詩を一通り読み上げたところでひなたが誰の詩なのかと問いかける。

「…大昔の、『男』が作った詩だよ。」
それは『男』が檻に入れられている時に歌われ、代々受け継がれてきたのだと説明する。

リンダリンダの冒頭の歌詞を口にして、ひなたは感慨深げに呟く。
「いい詩。」

「檻に入れられて自由を奪われても、この詩を歌う『男』の気持ちを私はわからないけど、ここに、居たんだなって…」
そう言って、楓は檻の床に触れる。

 

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ふと檻の外に視線をやったひなたは、猪が鉄格子越しに楓と自分を見ているのに気づき、急いで扉を閉じる。

楓は、ホントに閉じ込められるとは、とボヤいてみせる。

ひなたは、自分の弁当の匂いにつられてきたのかな、と言って楓に謝る。

この辺は本当にイノシシ出るんだね、とのんきな楓に、ひなたはすぐに漁師が来るから待って、と答える。

終わったらウチ来る? とひなたを誘う楓。
「さっきの歌、聴かせてあげる。」

ひなたは、ホント? と繰り返し問いながら笑顔の楓と手を合わせる。
「行く! 楓大好き!!」

 

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以上、たかが黄昏れ第8話のネタバレを含む感想と考察でした。

第9話に続きます。

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