たかが黄昏れ第7話の感想(ネタバレ含む)と考察。かつて”異性”を閉じ込めていた鉄格子。ひなたと楓はそれを前にして……。

たかが黄昏 第6話 ひなた

第7話

第6話のあらすじ

遅刻して学校に到着したひなたと楓。

 

すでに二時間目が終わって一緒に登校していることで、またウワサになるが大丈夫か、と楓に訊ねられたひなたは、やましいことはない、と胸を張る。

 

楓はまるでひなたのことを好きだと暗に匂わせるように、しかしからかうようにひなたと会話を続けていた。

 

ひなたに向き直って、ひなたが望むなら心中してもいい、と告げる。

 

心中という聞きなれない単語の意味を、好き同士の男女が一緒に死ぬことだとひなたは楓から説明を受けるのだった。
楓を教室に送り、ひなたもまた自分の教室に向かう為に廊下を歩く。
その道中、ひなたは楓が言っていた”心中”について考えていた。

 

前二列にしか女子生徒が座っていないがらんとした教室で、英語の授業が行われている。
こっそりと教室の後ろのドアから忍び込み、ひなたは教師に軽く叱られながらも自分の席につくのだった。

 

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ひなたは授業そっちのけで、自身の左手を見つめていた。
今朝、夢に見た手はもっと大きく、つつまれている安心感があったことを思い出す。

 

それと比較し、登校中にひなたの小指を握ってきた楓の手は小さく、柔らかい。
(守ってあげたい感じ…)

(私のこと、好きって事でいいのかな…)

 

ひなたは、楓の言った”心中してもいい”というセリフが、つまり私と一緒に死んでもいいということだと理解するがピンと来てはいなかった。
(そんな愛情表現 まだわかんないよ。)

 

呆けていたひなたの頭に教師が投げた辞書がヒットする。

 

ひなたは教師に『心中』を英語で何というのかと問う。

 

教師はDouble Suicide. 2人で自殺かしら、と答えてから、”心中”は使用禁止用語だとあとで職員室に来るようにひなたに告げるのだった。

 

ひなたは上の空で返事をして、窓の外の景色を見る。
(2人で自殺かぁ。味気ないな… 『心中』って互いの心の中に入っていくことなのかな。)

(私はそこまで人を好きになれるんだろうか…)

 

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前回、第6話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

第7話

”女傑”は〇”英雄”は×

ひなたは職員室でさきほどの授業の教師から、反体制的な発言は慎むこと、と説教を受けていた。

 

ひなたは女性教師と目を合わせようとしない。

 

わかってるの? とひなたの目を覗き込む女性教師。
「いくらあなたのお母さんが『国家的女傑』でも守ってあげるには限界があるの。」

 

「女傑?」
ひなたは女性教師にちらと視線を向ける。
「『国家的英雄』は使っていいんじゃないんでしたっけ?」

 

『雄』はね、と女性教師。
「『英』と一緒だとダメよ。違う性を想起するからね。」

 

そして女性教師は、行きなさい、とひなたを解放する。
「天国のお母さんをガッカリさせないで。」

 

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気にしすぎ?

(くだらない。)
職員室を出たひなたは廊下を歩きながら考えていた。
(英雄がダメで女傑はいい?)

 

ひなたはトイレに群がる女子生徒たちとすれ違いざまに考える。
(女子トイレが左右2つあっても誰も気にしない。)

 

女子生徒たちはみな楽しそうに友達と会話している。

 

(気にしてもしょうがないと思ってるのか…)

 

(私が気にしすぎなの?)

 

(……楽しんだほうがいいのかなぁ)

 

教室に戻ったひなた。

 

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クラスメートたちは机をくっつけて弁当を食べさせ合いをしている。

 

そのグループの一人の子がひなたに一緒に食べようと声をかける。

 

お弁当を持ったひなたは、その申し出を、ごめん、と断る。
「ちょっとナンパしてくる。」

 

そんなひなたの返答に、この間フッたばかりなのに? と返す女の子。

 

ひなたに声をかけた女の子も、また殴られるよ、と呆れ気味に返す。

 

「そんなの関係ない!」
語気を若干強めて言い返し、ひなたは廊下を行く。

 

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ひなたが誘おうとしたのは……

目当ての教室のドアを開くひなた。

 

女子生徒たちが集まって楽しそうに会話する中に、楓が混ざっている。

 

楓は女子生徒の膝の上に座り、その子と楽しそうにやりとりしていた。

 

それを目の当たりにしたひなたは楓に声をかけることなく廊下に出ていく。

 

ひなたは校庭の、鉄格子の付けられたスペースの真正面に腰を下ろし弁当を広げていた。
ぼうっとしながらご飯を口に入れる。

 

「すんごい弁当箱だねー」
ひなたに声をかけたのは楓だった。

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ひなたは隣に腰を下ろした楓に、意外にクラスにとけこんでるじゃん、と声をかける。

 

楓は、何度も転校してると上辺は仲良くできる、と答える。

 

おかずの中の一品について楓に問われたひなたは、昨日とった穴ジャコだと言って箸で楓に食べさせようとする。
「あーん。」

 

ゴメン、甲殻アレルギーなの、とそれを断る楓。

 

楓はひなたの箸の持ち方を見て、持ち方がなってないと指摘する。
「ハシの間に中指入れないとお豆つかめないよ。」
箸を持つひなたの右手を左手で掴む。

 

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「……教えてくれる人いなかったから。」
顔を赤らめて俯くひなた。

 

「そんなん私が教えてあげる。」
まるで当たり前だと言わんばかりに、事も無げに返す楓。

 

楓は、ホント? と表情を輝かせたひなたに、交換条件ね、と返す。

「あれは何?」

二人で地べたに座っている真正面の、鉄格子に閉ざされた無機質なスペースについて楓がひなたに問いかける。

 

「あれ~」
ひなたは、博識の楓でも知らないことがあるんんだ、といたずらっぽく含み笑いをする。

 

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「いいから教えて。」
ひなたのペースに全く巻き込まれず、楓はストレートに答えを要求する。

 

ひなたはそのスペースで、大昔、『違う性』の迫害が強くなった時に見世物として飼われていたのだと答える。
「一生、鎖でつながれて死んだから、今も夜になると、」

 

「正確には近くの施設から一時的に運ばれてきたんだよ。」
楓は笑いながらひなたの台詞に被せる。

 

なんだ知ってんじゃん、とひなた。

 

楓は当たり前のように、うん、と答える。
しかし前の学校では取り壊されていたので現物を見るのは初めてだと付け加える。

 

「でもここに居たのは、確かなんだ。」

 

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鉄格子越し

これって開くの? と楓がおもむろに立ち上がり鉄格子に近づいていく。

 

ひなたはその質問にカギはかかっていないと立ち上がりながら答える。
そして、たぶんまた怒られるけどと続ける。

 

「上等。」
楓は鉄格子を開き、スペースに入っていく。
「天井低いんだね。」

 

そして楓は鉄格子越しにひなたと見つめ合う。
「ここで女達に見られる気持ちってどんなだろ?」

 

わかんないよ、とひなたは楓の顔を見つめながら答える。

 

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「ねえ、キスしよ。」

 

「はあ!? 何急に?」
楓の突然の申し出に、頬を赤らめて焦るひなた。

 

「したくない?」

 

「えっ」
ひなたは戸惑いながらも楓に応える。
「い、いや、したいけど。」
恥ずかしそうに楓から視線を外す。

 

「じゃあしよ。」

 

「ん。」
ひなたは楓に吸い寄せられるように口づけを交わす。

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感想

見世物

いやー、怖すぎる。
男の数が実際にゼロになるのって相当なことだと思う。

 

見世物にされてしまうまでに男が強烈に迫害されてしまう世界なんて想像するのも恐ろしい……。
それって本当にどんな世界なんだろう。

 

一体どうやってその風潮が生まれたのか。

 

誰がその機運を生んだのか。

 

男女間の人口比率が減ったタイミングでいっそのこと男性を絶滅させようという勢力が生まれたのか。
それとも男性が生まれなくなったことが常識になった時点からなのか。

 

謎が謎を呼ぶ。

 

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絶滅するなら保護しよう、と考える勢力はいたのは間違いない。
第5話で男性保護派と絶滅派に分かれて争いがあった楓が言っていた。

 

じゃあ絶滅派って何? って話なんだよね……。

 

パッと思いつくのは、いわゆるフェミニストと呼ばれる人かな? それもごくたまにいる超極端な男性嫌悪の人。
多分そういう人の強い攻撃性なんかを想像して、この漫画の設定が考えられていたりするんじゃないかな。

 

そういう人はマジで世の中に男がいなければ全てが上手くいくと思っている節があるから全く荒唐無稽とも言い切れないと思えてしまうのが怖い。

 

実際、犯罪率は男性の方が高いし、歴史上、戦争をやらかしてきたのも男だし、女性が優位な方が世の中平和になるのかもしれないと思ったことはある。

 

そういう思想に染まった女性が、理想の世界の実現のために男性の数を減らすことに加担していく流れはあったかもしれない。

これまでの歴史は女性が虐げられてきたとして、その復讐の機会に燃えていたフェミニストが男性を滅ぼすべく結託し、一大勢力を先導して男性絶滅を促進していた?

 

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あとそれにプラスして他国との戦争があったっぽいのも男性人口減少、そして絶滅していくきっかけとしてあると思う。
というか今も普通にどこかと戦争中なのか。

 

戦争の最前線に出るのは男性だから、それが男性が数を減らした原因だった可能性は大いにある。

 

でもやっぱ、そもそも男性が産まれなくなってしまったということが致命的だったかな。

 

もう男性が増えない+本来産まれるはずだった男性が女性として産まれるということであれば、その差は時間の経過とともにどんどん広がっていくだろう。

 

やっぱこれって、何かの化学兵器によるものなのかな。想像がつかない。

 

今のところこの物語の設定の中では、その謎が一番気になっている。

 

この物語の核として終盤で明かされるのか?
それとも最後までそれは分からず、あくまでひなたの生活や人生を追うだけの話となるのか。

 

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女傑

ひなたの母は女傑として名の知れた人だった。
どうやら既になくなっているようだけど、国家的女傑って一体?
うーん。どんな功績を上げたんだろう。

 

思ったより影響力の大きな人物だったのか?

 

いやいや、マジで一体何をした人なんだ……。
少なくとも第6話で海外派兵されていたことは明らかになっているけど……。

 

軍人として海外で敵と戦ったということ?
主要な基地の破壊を成し遂げた?

 

それに、ただ単に戦っただけなら教師に女傑と呼ばれないのか?
戦時中と同じで戦地で頑張っている兵隊を尊重するのが当たり前だったりしないだろうか。
それなら戦地に行った時点で女傑と呼ばれるのが自然なのかもしれない。

 

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ひなたの母が何か大きな功績を上げた上で戦死を遂げたということなら、ますます神や英雄として称えるのが常識なのかも。

 

教師はおろか、下手すれば日本中がひなたの母のことを知っているのかもしれない。

 

そういう母を持つひなた自身も、徴兵に行くことは当たり前のものとして受け入れているっぽいんだよなぁ。
ひなたの生きる世界は少なくとも現在よりはきな臭い世界であることは間違いない。

 

日本国憲法でも前文で国防軍と徴兵制を宣言しているし、今後ひなたはハードな戦いに巻き込まれていくことになる?
でもとりあえず今のところ盛り上がってきているのはひなた×楓の百合展開……。
この漫画はどういう心構えで読めばいいのかいまだに戸惑う(笑)。

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世の中の当たり前に抵抗するひなた

今更だけど、ひなたたちは大昔いた”男”という生き物が一体どんなだったかを想像して語り合っているわけだ。

 

まるで絶滅してしまった種みたいな扱い。まぁ実際そうなんだけど……。

 

ますます、女性だけがこの世界で営々と生き続けている謎が際立ってくる。

 

なんで男性だけが滅び、女性だけが生き続けているんだろう?

 

他に頭の良い考察がネット上にいくらでもありそうだけど、探すのをぐっと我慢して連載のライブ感を楽しみたいと思う。

 

とりあえず自分は上で書いたことくらいが限界だ。

 

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しかし、ひなたは本当にしんどい人生を歩もうとしてるなあ。

 

もう他の同年代の子達はとっくに世の中が女性だけであることを受け入れているように見える。

 

この世界で生きていて、ひなたのように疑問を感じていた子もいたはずだ。
でも教師を始めとした大人たちに言いくるめられて、そのうち疑問に思うことすら止めてしまったのか。

 

確かに体制側に従っている方が遥かに楽なんだよね。長いものには巻かれておいた方が人生は絶対ラクだ。

 

でも従順なのは表面上で、実は心の奥底ではひなたのように疑問を感じ続けている生徒もいるのかも?

 

そういう生徒は楓を含めて今のところいないから、しばらくひなたは自分の内に生じた疑問を誰とも共有することなく、孤独に抱えて生きていくということだろうか。

 

以上、たかが黄昏れ第7話のネタバレを含む感想と考察でした。

第8話に続きます。

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