たかが黄昏れ第2話の感想(ネタバレ含む)と考察。徴兵があり、男という性が途絶えた世界。

たかが黄昏 第2話

第2話

第1話のあらすじ

裸足で歩くセーラー服の3人の女子高生たち。

 

女子高生たちは轟音を上げて空を飛ぶ飛行機を見つめる。
その尾翼には日の丸。そして機体にはair forceの文字。

 

干潟に無数に筆を挿し込み、それをじっと見つめる女の子。

 

筆が動いたのをきっかけに砂を掘り、悪戦苦闘しながらも穴ジャコを捕まえることに成功する。

 

一人10匹のノルマだという黒髪ショートの女の子の言葉通り、穴ジャコをバケツ一杯に捕まえた女子高生たちは移動を開始する。

 

次はマテ貝を捕まえるという黒髪ショート。

 

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黒髪ショートは、そこかしこに空いている穴に塩をかけて、と他の二人に慣れた様子で指示する。

 

塩をかけたあと、待っていると、穴から細長いマテ貝が顔を出す。

 

それを捕まえようと手を伸ばすツインテールの女の子腕を黒髪ロングが何故か止める。
その間に折角捕まえる絶好のタイミングだったマテ貝は穴に引っ込んでしまう。

 

黒髪ロングが収穫を邪魔したその行動の意味が分からない黒髪ショートは、何故かと問いかける。

 

マテ貝を観察するばかりで、その問いかけには決して答えない黒髪ロング。

 

また頭を出したマテ貝に黒髪ショートが手を伸ばそうとするが、それを黒髪ロングが止める。

 

だから何なのよ、という黒髪ショートの問いかけに答えない黒髪ロングは、今度は3匹同時に穴から顔を出し始めたマテ貝を見つめる。

 

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黒髪ロングとともに、黒髪ショートも黙ってマテ貝を見つめている。

 

今夜はマテ貝ソテーだね、とツインテールは一人で能天気に二人に呼びかける。

 

突然黒髪ロングが、あのさ、と切り出すのを、黒髪ショートがやめて、と左手の掌を黒髪ロングの顔の前につきつける。

 

まだ何も言ってない、と不満げな黒髪ロングに、色々面倒なことを言うからダメ、と黒髪ショート。

 

誰も聞いてないって! 言っても、黒髪ショートはそれを了解しない。

 

ちょっとかして、と黒髪ロングはツインテールの鼻の下から筆を取り上げる。
「じゃあ書く!」

 

よけいにヤバイじゃん、という黒髪ショートのツッコミに、砂に書くならすぐ消える、と黒髪ロングは早速書き始める。

 

まず、『田』と書き、少し離してその下に『力』と書いていく。

 

それまで何を書こうとしているのかピンと来ていなかったツインテールは、ようやく何かを察した様子で、あっ、と口元を押さえる。

 

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「し~~~!」
黒髪ショートはツインテールに向かって、それ以上何も言うなと暗に主張する。

 

ちょっとやめなよっ 犯罪だよっ!! とツインテールが騒ぐ。

 

「田」から少し離れた下部に「力」と書かれている。

 

ヤバイよこれは、とツインテール。

 

何で書いたわけ? と黒髪ショート。

 

黒髪ロングは、マテ貝見たら、と言って、胸を押さえて目を閉じる。
「突然胸がギューって苦しくなって、自分の中に何かが足りないってすごく感じるんだ。」

 

黒髪ショートは、全然いみわからんね、興味ないし、とにべもない。

 

ツインテールは、言いたいことはわかる、と黒髪ロングの言い分に理解を示す。
しかし、知らんぷりが一番だよ、黒髪ロングを諫める。

 

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大人になろうぜ、と黒髪ショートもツインテールに続く。

 

黒髪ロングは即座に反論する。
「私は、大人になるからこそ納得できないんじゃん。」

 

「ひなたは納得できなきゃ、友達を危険にあわせてもいいわけ? 大人って現実と自分をすりあわせることじゃないの?」
ツインテールが真面目な表情と口調で黒髪ロング――ひなたに迫る。

 

黒髪ショートは、くだらない、と二人を仲裁し、砂に書かれた「田」の部分を手で消す。
「こんなもんのために!」

 

潮が満ちてきたことに気付き、マテ貝は諦めることになった三人。

 

(消えちゃった。)
ひなたは自分が書いた「田」「力」の文字が潮に呑まれるのを見つめていた。

 

ひなたに黒髪ショートが、行くよ、と帰りを促す。

 

帰路を行く3人。

 

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(「たかが黄昏」)
ひなたは、誰の詩だっけ? と突然思いついたフレーズについて、一人頭の中で考える。

 

黒髪ロングとツインテールが会話をしている間、つづきがあったような、と考える。

 

(「されど夜明けを待ちわびて」)

 

(今夜は穴ジャコの唐揚げだな。)

 

(…でも夜明けは来ない。)

 

夕焼けをバックに煙突から煙を出している工場群のシルエットが黒く浮かび上がっている。

 

それを背景に、女子高生三人組は潮が満ち始めてきた干潟を歩いていく。

 

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前回、第1話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

第2話

妹との会話

団地に到着したひなたは郵便受けを確認し、階段を上がって自宅の扉を開ける。

 

玄関で、お姉ちゃん遅い! おなかすいた、とひなたより幼い女の子が待ち受けている。

 

ゴメンゴメンと謝り、すぐ作ると答えるひなた。

 

ごはんは炊いておいたと報告するおさげの女の子にひなたが、サンキュ 気がきくじゃん、と声をかける。

 

「あー」
ひなたを指さすおさげの女の子。
「敵性語! 使っちゃダメじゃん。」

 

しかしひなたは、あんたも中学入ったら習うのよ、と笑う。

 

「やだなぁ中学行っても高校行っても、みーんな知ってる子ばっかりでつまんない。」
おさげの女の子は椅子に座り、テーブルに顔をつけてつまらなそうに愚痴る。

 

イジめられてるの? と食事を作りながら問いかけるひなた。

 

女の子は逆にイジめてやんよ! とテーブルを叩く。

 

「じゃあ 楽しい中高生活になりそうじゃん。」

 

女の子は鼻をほじって間をとってから話題を変える。
「お姉ちゃん…本当に高校卒業したら『チョーヘー』行くの?」

 

ん~、と少し長めに間をおいて、まあね、と答えるひなた。
何? と短くその質問の意図を問う。

 

「カワイイ妹がひとりぼっちでかわいそうじゃん。」

 

妹の言葉に、カワイイのいたっけ? と返すひなた。
おばあちゃんもいるし近所の高野さんもいるから寂しくないでしょ、と続ける。

 

 

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「徴兵は女性の義務。社会の時間で習ったでしょ。」
ひなたは穴ジャコの素揚げを淡々と皿に並べる。

 

「『チョーヘー』ってさぁ、2年以上も行くことあるんでしょ?」

 

「でも2人出産したら『チョーヘーメンジュ』なんでしょ。」

 

ひなたは、徴兵免除、と訂正する。

 

「そっちにしなよ。あたしも育てるし子供好きよ。」

 

「子供が何言ってんのよ。」
ひなたは穴ジャコの素揚げが載った皿をテーブルに置く。

 

マテ貝は? という妹の指摘にひなたは、とれなかった、と即答する。

 

「お姉ちゃん 都合が悪くなると子供あつかいするの悪いクセだよ。」
穴ジャコの素揚げを食べながら指摘する妹。

 

(大人になるからこそ納得できないんじゃん)

 

ひなたは干潟で友達を相手に言った自分の言葉を思い出す。

 

「都合が悪けりゃ自分の立ち位置を変えられる。」
ひなたはお椀にご飯を盛っていく。
「私ら子供の特権でしょ。」

 

ホラごはん、とひなたが差し出したお椀を受けとる妹。

 

ひなたも一緒に食事をとっている。

 

食べたら銭湯行く人? というひなたの問いに妹が、はーい! と手を上げる。

 

 

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銭湯

食事を終え、シャンプーやタオルなどを入れた洗面器を片手にひなたと妹が家を出る。
その直前、妹が閉まったふすまの奥に、銭湯行ってきまーす、と声をかける。

 

まーす、と妹に続くひなた。

 

階段を降りながら、ひなたは妹におばあちゃんが晩ごはんを食べたかと問いかける。

 

部屋で食べたんじゃない? と興味無さそうに答える妹。
「あたしおばあちゃんと2人なんて嫌だよ。」
銭湯に向かいながら先導する妹が前を見たまま呟く。

 

ひなたはそれに答えず、沈黙している。

 

銭湯”千代の湯”にやってきた二人。

 

暖簾をくぐると妹がひなたに問いかける。
「お姉ちゃん右と左どっちぃ?」

 

あんたがいないほう、とひなた。

 

「45分ね。」
ひなたが番頭のおばさん越しに妹に声をかける。

 

わかってるよ、と妹。
妹は頭を洗いながら、周りの年配の女性たちの体を、うーん、フムフム、などと呟きながら眺める。

 

そして何か分かったような表情で、なるほど、と一言呟く。

 

 

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お姉ちゃーん、と隣の風呂に続く引き戸を開ける妹。

 

「さびしくて泣いてるって聞いたから来てやったぞ。」
妹はすぐ脇の湯船に浸かっているひなたに近付いていく。

 

誰に聞いたのよ、と突っ込むひなた。

 

ひなたの隣に座る妹。二人は同じタイミングで、ふぅ、と一息つく。

 

「お姉ちゃん あのさ。」

 

妹に話しかけられたひなたは、ん? と妹の顔を見る。

 

「オバチャンはワキ毛があって、おばあちゃんにはワキ毛がない。そしてお姉ちゃんやあたたしはない。」

 

妹に肘の辺りを持たれて腕を持ちあげられ、ちょっと、と諫めるひなた。

 

「以上をかんがみてだな。」
妹は人差し指を立てて視線を上げる。
「子供はまだ生えてなくてオバチャンになると生えておばあちゃんになると毛がぬける。」

 

って事であってる? と言ってひなたを見る妹。

 

ひなたは、まあそんなもんじゃない? とだけ答える。

 

 

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妹の素朴な質問

あともう一つ、と前置きして妹はひなたに問いかける。
「何で女風呂が2つに別れてんの?」

 

「………」

「………」

「………」

 

体を洗っていた年配の女性達がひなた達に一斉に視線を送る。

 

「ん? んん~ う~ん それは、まああれだ。」
妹からの問いかけに対し、答えに迷っている様子のひなた。

 

おじょうちゃん、と同じ湯船に浸かっているオバチャンから声をかけられ、妹はそちらに視線を送る。

 

「あんたお姉ちゃんや友達とケンカするか? するだろ?」

 

まあ、時々、と妹。

 

「そんな時は顔合わせたくないだろ? ないよな?」

 

「えっまあ はい。」

 

「だから2つあんのさっ わかった? がはははっ」

 

妹は豪快に笑うオバチャンを見て、まあハァ、と少しウンザリしたような表情を浮かべる。

 

「そなの?」
傍らのひなたに真偽を確認する妹。

 

ひなたは、大人が言ってんだからそーなんじゃない? と答える。

 

「う~ん しゃくぜんとしないなあ。」
妹は目を閉じて腕組をする。

 

ひなたは隣の風呂場とこちらの風呂場を隔てる壁を見つめていた。
(私が生まれる前 この壁の向こうに、違う性の人達が、いたんだ。)
目の下に貼っていた絆創膏を剥がす。

 

番頭の両脇にはどちらにも”女湯”と表記されている。

 

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感想

徴兵

高校を卒業したら徴兵に行く事が学校の社会の時間に習うくらいに常識となっているようだ。

 

徴兵の一番のメリットは国民全員が戦えること。
基本的に国民の大半が軍事訓練を受けているのでいざ有事となった際に即応出来る点にあると思うけど、徴兵制をとらざるを得ない程度には戦争の危機に晒されている?

 

仮に現代と同じような技術であった場合、ハイテク兵器があるので自衛隊の様な形で決まった人達に高い軍事教育を施す方が効率は良いと思う。
いや、徴兵制はそういうコアとなる軍人たちがいてこそ機能するのか……。

 

そもそも妹が”サンキュ”というひなたの言葉を敵性語と指摘したのには、ん? と思った。
でもひなたは中学に入ったら習うと笑ったから別にアメリカと戦争中というわけではなさそうだけど……。

 

少なくともは戦争の危機が現代の日本よりはクリアに見えている世界なのだと思う。

 

ただし、二人出産すれば徴兵免除になるのだという。
公に定められていることなのだろう。
一人が二人産めば国力である人口をどんどん増やしていける。
やはり国として何らかの、切迫した危機に直面しているとしか思えない。
すごく必死でドライな世界という印象を受けた。

 

 

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”男”はタブー?

そもそも男がおらず、女だけが存在していることがそれら原因のようだが、一体何が起こっているのだろう。
そもそもこれは世界規模で起こっている事なのか、それとも日本だけなのか。

 

子供を授かる方法は人工授精? でも生まれる性は女だけ?

 

とりあえず、前回のラストで”日本最後の男が死んだ”というモノローグがあったけど、あれは本当に文字通りの意味だったんだな……。

 

銭湯で妹が何故女風呂が二つに分かれているのかという素朴な問いかけにひなたはどう答えるのか悩んでいた。
今回の話の最後で、私が生まれる前に壁の向こうに違う性の人達がいた、と考えているあたり、答えは知っているけど妹には言わないという選択をしている。

 

もちろん彼女たちの会話を聞いていた、先に体を洗っていたおばさん達は男が生きていた時代を経験しているから「男風呂」と「女風呂」に分かれていたからという明確な答えを知っている。

 

おそらく、日本最後の男が死んでから、おおっぴらに男の事を話題にしてはいけないようになったのではないか?

 

かつて男たちと生きてきた女たちは口を閉ざし、日本最後の男が死んだ以降に生まれた女の子たちに男に関する知識を与えないようにしてきた?

 

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前回、女子高生たちのマテ貝を前にした男に関する会話の中で、”どこで誰に聞かれてるかわかんないから”とか、”犯罪だよ”などのやりとりがあった。

 

ツインテールはひなたに対し、”友達を危険にあわせてもいいわけ?”と真剣に迫った。

 

やはり男に関する知識や記憶は規制されている?
もしくは公に規制されているわけではないが触れてはならない話題として共通認識となっている可能性がある?

 

ただ、日本最後の男が死んでからまだ20年も経っていないので、男の名残があるのだろう。
おそらく何かで彼女たちは男について知ったに違いない。

 

前回の干潟での女子高生たちのやりとりはそれだけ見ればどこか奇妙なものの、大枠では割と普通の会話だったように思う。
でもそれは、そもそも女だけの世界に生きているからこその会話だったのか……。

 

どうやらこの漫画はディストピアを描いているっぽい。

 

前回のラスト、干潟を夕日に晒されながら歩く女子高生たちの姿には力強く生きる姿が眩しい一方で、どこか寂しさも感じた。彼女たちに待ち受ける困難を暗示しているのか。

 

彼女たちが生まれると同時に男はこの国から消え去った。
その影響がこの先の彼女たちにどんな影響をもたらすのか。

 

まだまだ謎は多い。
今回ワクワクしながら読んだけど、俄然先が気になる。

 

とりあえずこれが世界規模で起こっていることなのかとか、男に関する話題が規制されているのかとかをはっきりと知りたいな。

 

以上、たかが黄昏第2話のネタバレを含む感想と考察でした。

 

第3話に続きます。

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