第14話
ルートエンド第13話感想
前回13話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。
橘浩二の過去
ごめんください、と警察手帳を掲げる五十嵐。
「先ほど電話しました 五十嵐です」
玄関で五十嵐を出迎えたのは石本と名乗る老年の男性。
そちらの方は? と春野に水を向ける石本。
五十嵐は春野の事を、刑事ではないが関係者なので大丈夫です、と説明する。
「おーい」
石本は、はぁ、とひとまずは納得し、二階に向けて大きな声をかける。
「刑事さん来られたけど見つかったかー?」
二階から階下に向けて中年の女性が書籍を片手に、まだあー! と返す。
石本は五十嵐に向けて、娘が橘の卒業アルバムを探してますので、と断る。
礼を言う五十嵐。
五十嵐、春野、石本の三人は居間でこたつに入る。
橘さんと最後に会ったのは? と五十嵐が切り出す。
高校の卒業式が最後だと思います、と答える石本。
卒業後すぐに県外に行った記憶はあるが、以来帰って来たのを聞いた記憶はなく音信不通だったと話す。
後頭部に手をあて、私も顔が思い出せないくらいだと俯く。
続けて五十嵐は、高校ではどういう人でしたか? と質問する。
石本は、典型的な不良ですと答える。
リーダー格だったかと続けて問う五十嵐に、石本は、金魚の糞だったんじゃないかな、と答え、ヤクザともつるんでたような気もしますが、と付け加える。
意外だ…と反応する春野。
石本は橘の高校時代に関して説明を続ける。
噂では金銭的に窮して親の金を持ち逃げしてヤクザに追われていると聞いたが、それも30年以上前の噂だという。
五十嵐は、当時中の良かった人たちの名前は? と尋ねる。
石本は、アルバムがないと思い出せない、と言い、失礼しますと席を立つ。
廊下に出て、明美ー! と二階に声をかける。
新事実
高祖根警察署。
被害者の中から”仮面の男”のDNAに一致する者が見つかった事を聞いていないとざわつく捜査本部。
今、その結果が得られたのだと説明する鬼頭。
他の刑事から被害者は春野兄弟が襲われる前に死んでいると指摘され、最初は一致するDNAを捜そうとしたわけじゃあなく、近親者がいないか調べたかったと答え、血液型も無視して検査したが、と続ける。
結論から言え、その”一卵性の双子”は誰だと小坂は鋭く指摘する。
双子だと言うことに驚きつつも納得しかける刑事に対し、刑事は双子じゃない、三つ子だと答える。
居間に娘の明美と共に戻った石本が、ありました、とアルバムを掲げてみせる。
座ってアルバムを開く石本は、とりあえず橘くんがこれですね、とページを指さす。
刑事は説明を続けている。
”仮面の男”のDNAと同じDNAの死体が二人いた。
エンドの被害者と言ったが、一人はエンドの被害者かどうかはわからない死体だと説明し、つまり、”仮面の男”と一卵性の三つ子だったのは白骨死体と橘浩二だと説明する。
石本が指差しているアルバムの写真は春野の知る社長とはまるで人相が違っている。
停止する春野と五十嵐。
「誰?」
春野が疑問を口にする。
高祖根市へ帰る
波打ち際の岩場に立つ春野。
小坂に電話で報告していた五十嵐は、橘浩二に関して、整形で説明のつく変わりようではないと切り出す。
五十嵐は、アルバムの写真はアウンの橘浩二とは別人だとし、本物の橘浩二が戸籍を売ったのだろうと推測し、ブローカーを介したのか直接売ったのかわからず、さらに本人の行方も分からないとし、橘浩二が暴力団と繋がりを持っていたことも報告する。
小阪は、そっちの県警の協力もいると言い、五十嵐に、帰ってこい、こっちでも進展があったと呼びかける。
進展? なんですか? と問う五十嵐に、小阪は白骨死体と橘社長のDNAが、五十嵐の剥いだDNAと一致したと説明する。
驚いた五十嵐は、それは生き返ったということかと慌てる。
馬鹿野郎、と言い、一卵性の三つ子だと答える小坂。
三つ子!? と驚く五十嵐。
小阪はその事実を春野にも口外するなと釘を刺す。
わかってますと答え、春野の見張りはどうしたらいいのかと問う五十嵐。
小阪は一言、一緒に帰ってこい、と言って無造作に電話を切る。
DNAが一緒なら”仮面の男”のほうがアウンの橘浩二である可能性もあると考える五十嵐。
岩場に座って海を見ている春野に五十嵐が近づいていき、春野さんと声をかける。
「…社長が見て育った海じゃなかった」
五十嵐に振り返ることなく呟く春野。
五十嵐は、大丈夫ですか? と気遣う。
春野は、大丈夫です、と答え、過去に何か言えないことがある人だとは思ってたと言い、淡々と続ける。
「それでも俺の知ってる社長は社長だ 本当の名前がわからなくても」
春野の話をじっと聞く五十嵐。
岩場から戻る階段を登る春野と五十嵐。
帰る? と尋ねる春野に、五十嵐は、ここからは地元県警の協力が必要なので、と答える。
春野は明日の夜に帰るから橘が戸籍を社長にどうやって売ったか調べると主張する。
五十嵐は、その行動を否定する。
戸籍の売買が組織的なものなら春野が嗅ぎまわっているのを察して警戒されてしまう可能性があり、捜査の邪魔になると指摘する。
何をすれば、という春野に本業に戻るべきと言う五十嵐。
五十嵐は、やれることもないから、と一緒に帰ることを提案する。
出所不明の三つ子、アウンの橘、白骨死体、仮面の男という線に納得する刑事。
小坂に、なぜ五十嵐が向こうにいる? と尋ねる。
私の指示で、と答える小坂。
結果は出しているが鬼頭も小坂も事件解決の際には形式上、始末書を書いてもらうと渋々伝える刑事。
「ええ構いません」
小阪は事も無げに答え、始末書を書くのは好きですと続ける。
「早く書きたいですね」
はっ、と笑う刑事。
五十嵐に色々尋ねる春野
春野の運転する車の助手席に五十嵐が座っている。
春野の捜査に進展があったのかという問いかけに五十嵐は、言えません、と答え、みんな必死に捜査していると続ける。
「五十嵐さんは孤児って聞きましたけど…」
「え!?」
唐突な春野の質問に驚く五十嵐。
小坂から聞いたという春野は、弟さんと血が繋がってないとか? とさらに踏み込む。
主任はそんなことまで話したのかと慌てる五十嵐。
まずい話でした? という春野に、五十嵐は、いいんですけど、と答える。
五十嵐は、赤ん坊の時に、へその緒も切られていない弟と一緒に捨てられていたのだと説明する。
出生も分からず、養護施設に入って同じ苗字で晶と秋奈で似た名前をつけられ、姉弟として思えなくなっていたが、実際はわからないと答える。
春野は、絆が強かったんですね、と相槌を打つ。
「…そうですね」
五十嵐は目を閉じる。
「一緒に捨てられた仲なのに…私を捨てていきやがった…」
少し間をおいて、五十嵐は春野に尋ねる。
「春野さんも…噛み癖があったんでしたっけ?」
え? という春野に、五十嵐は、お母さんの足を、とつけくわえる。
どうだろう? と考える春野に、五十嵐は、自分が噛み癖がひどい子供だったと答える。
五十嵐は、噛む理由に関して、噛むという嫌な行動をされても逃げないか、愛情の強さを確認するためだったと分析する。
「特に弟の右肩にはいつも噛みついていました」
「いつも同じところを噛むから大人になってもちょっと痕が残ってた…」
じっと聞いていた春野は、弟さんは逃げなかった? と問う。
五十嵐は、ええ、と肯定し、じーっと耐えてた、優しすぎる奴だった、と続ける。
弟が自殺した時、自分が晶の生命力を奪ってしまった気がしていた、噛みついてくれたら良かった、と五十嵐は話続ける。
なんか吸血鬼みたいですね、と春野が感想を言う。
五十嵐は、はは、と薄く笑い、ほんとに…、と呟くように相槌を打つ。
春野は、すみません、と謝り、軽口が過ぎたと反省する。
「弟さんも五十嵐さんがいたからこそ支えられてた部分はあると思います」
ありがとうございます、と五十嵐が口元に笑みを浮かべる。
いや…本当に、と強調する春野。
踏切
道の駅 山里と表示がある建物。
五十嵐は窓に頭をつけて寝ている。
「いくら刑事ってもなぁ」
春野は缶飲料を片手に五十嵐を横目で見ながら呟く。
「無防備すぎないか?」
五十嵐は、大丈夫です、と目を開ける。
「私の方が強いので」
運転代わります、と春野に呼びかける。
春野は、ははは、と笑う。
高祖根の近くまで来て、コンビニ寄る二人。
「お待たせしました」
コンビニの駐車場で待っていた五十嵐に春野が声をかける。
春野は若い男とすれ違う。
「あっ 空き巣」
以前、自分のアパートの前で見た男だと気づき、思わず声に出す。
えっ!? と五十嵐が春野に勢いよく振り向く。
どこですか!? と問う五十嵐に、春野は、違います、と言い、前に自分のアパートを見ていただけだと続ける。
五十嵐は春野が空き巣と呼んだ若い男を目で追う。
若い男は警報が鳴っている踏切を渡ろうとしていた。
男をじっと見ていた五十嵐は横顔を見て男に向かって勢いよく駆けだす。
踏切を渡り終えていた男を追って、五十嵐は遮断機を強引に上げて踏切内に侵入する。
「ちょ!?」
五十嵐の思わぬ行動に春野は驚き、五十嵐が踏切に差し掛かった電車に轢かれそうになるのを、服を引っ張って間一髪で止める。
「何やってんだよ!」
春野の呼びかけに、五十嵐は晶と呟くのだった。
以上、ルートエンド第14話のネタバレ感想と考察でした。
15話に続きます。
コメントを残す