第2話 「残された人達」
橘社長の安否を心配する春野
沢村マンション。
日中から風呂に入る春野は、社長の言葉を思い出す。
![ROUTE END 第1話 春野](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_01.png)
『お前が十八で俺の所に来た時はこいつは死の世界から来たって思ったもんだ』
春野は、面接の際の社長とのやりとりを思い出す。
『特殊清掃の仕事はキツイぞ』
『生半可な気持ちじゃすぐ辞めることになる』
スーツを着て、社長の前で直立している春野が答える。
『やります』
『むしろこういう仕事じゃないと…やる気になれないんです』
![ROUTE END 第1話 春野](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_02.png)
フラッシュバックする、首を吊った母の足。
春野は、母の生きる理由にはなれなかった、と自分に言い聞かせ、湯船に仰向けに潜る。
特殊清掃の仕事で感謝されながら、母の自殺により空いた心の穴がいくらか埋まった。
自分のためにしていることが人の役に立ってるから社長には感謝している。
そんなことを考えていると、リビングのスマホが鳴る。
春野は急いで風呂から上がってスマホを手に取る。社長からではないことにがっかりする。
電話に出ると刑事の五十嵐だった。
社長――橘の居場所を春野に問い質す五十嵐。
春野は自分も連絡がとれないと答え、逆に社長に何かあったのかと質問をする。
五十嵐は、8年前に橘が白骨死体の部屋の床を張り替えていたことが分かったと報告する。
驚く春野。
![ROUTE END 第1話 春野と五十嵐](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_03.png)
いつから連絡がとれないのかと問う五十嵐に、春野は、朝、事務所で会ったきりだと答える。
念のためにと住所を聞かれて、沢村マンションの303号室だと答える春野。
五十嵐は一瞬言葉を失う。
![ROUTE END 第1話 五十嵐](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_04.png)
何の反応も無い五十嵐は、春野に名を呼ばれてようやく我に返る。
橘から連絡があったら報告して、と春野に頼んで、五十嵐は電話を切る。
五十嵐は呆然として、沢村マンション303号室、と呟く。
春野は一向に捕まらない橘に業を煮やし、社長の家に行くことを決める。
怪しい男
部屋のドアを開けて外に出ると、春野は階下で自分の部屋を見上げている若い男と目が合う。
![ROUTE END 第1話 怪しい男](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_05.png)
男は春野と目が合うとその場から歩いて行く。
不審な行動に空き巣の下見を疑う春野。
駐車場に下りると、男の後姿がマンション裏の小山の石段を登っていくのを目撃する。
![ROUTE END 第1話 怪しい男](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_06.png)
春野は、空き巣っぽくはないな、と呟く。
橘社長の自宅にて
車で橘の自宅アパートに着いた春野はドアのチャイムを鳴らし、何度も社長と呼び、ドアを強めにノックする。
![ROUTE END 第1話 春野](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_07.png)
反応が無い。
春野は、独り身の社長が孤独死しているのではないかと心配になる。
部屋の中を確認できる場所を探し、ベランダ側に回る。
春ベランダを乗り越えると春野は、空き巣ですか? と後ろから声をかけられて慌てる。
![ROUTE END 第1話 春野](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_08.png)
急いで振り返って、違います、知り合いの、と言い訳をしようとする春野の前にいたのは、腰に手を当てて呆れ顔をしている五十嵐だった。
「今すぐ降りて」
「逮捕しますよ」
![ROUTE END 第1話 春野と五十嵐](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_09.png)
五十嵐と春野のドライブ
五十嵐は、橘が帰って来た時のための見張りをしていたという。
春野に対して、大家に鍵を借りて調べたが何もなく、朝刊が郵便受けにそのままなので昨晩から帰っていないようだと報告する。
春野は、白骨死体の出た家の見積もりのあと事務所で寝たんだろう、と分析する。
五十嵐は、話を聞くつもりだったからちょうど良かった、と春野に車の助手席に座るよう促す。
五十嵐の車に乗り込んだ二人。
![ROUTE END 第1話 春野と五十嵐](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_10.png)
突然、五十嵐が、ご自宅はどうですか、と春野に問いかける。
突然の質問に少し驚きながらも、刑事だから自殺のことも知っているのか、と呟くように言う。
ええ、まあ、と肯定する五十嵐。
仕事柄、事故物件は慣れてるので問題ないと答える春野。
五十嵐は本題だと断って、春野に、橘について、なにかいつもと様子が違うところは無かったかと問う。
春野は、ありまくりでした、と即答する。
五十嵐は、というと? と先を促す。
春野は突然自分が後継者だと言われたことや、今回の仕事を無理してまで受けるという、普段は絶対にしないことを挙げる。
なるほど、と納得する五十嵐。
あと、と前置きし「終わるんだ」と言ってたな、と確かめるように言う。
何がです? と問う五十嵐に、主語無しで言われたのでわからない、と答える春野。
五十嵐は「終わる」という単語からエンドとの関係を連想する。
春野は、警察は、橘が白骨死体を隠したと疑っているのかと問う。
それを確かめるために張り込んでいると答える五十嵐。
春野は、橘が白骨死体を隠した犯人なら、その現場を他人に任せず、自分でやって隠し直すでしょう? とその可能性を否定しようとする。
五十嵐は、複雑な事情もある、とはっきりした答えを出さない。
むっとした春野に、五十嵐は、橘はどんな人間だったかと問う。
春野は、静かな人で、落ち着いていて慌てるところを見たことがない、俺の師匠です、と穏やかに言う。
![ROUTE END 第1話 春野](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_11.png)
アウンは料金はボらず、消臭も最後までしっかり確認する。
仕事は全て橘に教わった、と春野淀みなく答える。
五十嵐と春野の意外な共通点
脱線しますけど、と前置きし、五十嵐は春野がなぜ特殊清掃の仕事をしているのかを聞く。
普通なら選ばない仕事? という春野の問いに、ええ、と返す五十嵐。
春野はすぐに、それは警察も同じ、と返す。
はは、と笑う五十嵐。
春野は、業界でもアウンは特に色々抱えている奴ばかりだ、と、ぽつりと言う。
五十嵐は変態と言ったが、現場でセックスしてる彼らも何かからもがいているんだと思う、と言う。
涙を流す加藤と柳女。
あなたももがいてる? と春野に問う五十嵐。
春野は少し間をおいて、母が自殺したと話す。
五十嵐は自殺という言葉に反応する。
春野は、死に寄り添う仕事をしないとイカれてしまいそうで、中でも清掃という仕事は心を整理するにもいいんじゃないかと思ったと告白する。
五十嵐は、悲しかったですかと春野に質問し、すぐに当たり前のことを聞いてすみませんと謝る。
春野は、最初に出てきたのは悲しみというより怒りだったと答える。
なぜ愛してくれなかった、なぜ自分を置いて行ったのか、なぜ自分は母の生きる理由になれなかったんだろうと語る。
話を聞いている五十嵐の頬を涙が伝っていく。
![ROUTE END 第1話 五十嵐](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_12.png)
春野は、自分では覚えていないが、父親から聞いた話では首を吊った母の足に噛みついていたそうだと続ける。
五十嵐はハンドルに体を預けて泣いている。
悲しいだけだと思っていたけど、自分は怒っていたんだ、と語る五十嵐。
![ROUTE END 第1話 五十嵐](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_13.png)
戸惑う春野に、五十嵐は、春野の部屋で自殺したのは自分の弟だと告白する。
春野橘社長の現在
自分のマンションに戻った春野。
ドアノブを見て五十嵐の話を思い出す。
五十嵐は、橘のアパートの駐車場に停めた車の中でスマホに表示された自分と弟の写真を見ている。
どうして死を選んだのか、どうして自分は弟が思いつめていることに気付けなかったのか。
春野の言う「怒り」という言葉を反芻する。
橘の顔が手袋をした何者かの手によってフローリングに置かれる。
人体のパーツが並べられ、ENDの文字が形成される。
![ROUTE END 第1話 橘](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_14.png)
感想
春野と五十嵐には過去、家族に自殺されてしまったという共通の過去があった。
これが偶然なのか必然なのか。
共通した重い過去を持つ五十嵐と春野は共感し合って、言葉に出さずとも親近感が芽生えたのではないか。
今後の物語において春野と五十嵐は一緒になってエンドを追いかけていくことになりそうだ。
そして、安否が定かではなかった橘社長はバラバラにされ、エンドの手によって”END”の文字に並べられていた。
春野や、五十嵐を始めとした警察が探していたにもかかわらず、橘社長は既に事切れていた。
果たして前回最後に橘社長がいた鳥居と石段の場所はどこだったのか。そして何のためにそこにいたのか。
少なくとも橘社長の口から直接語られることはなくなってしまった。
春野に会社の後を託し、意味深な「終わるんだ」という言葉を残した橘社長は、どうも最初から仕事の現場に行くつもりはなく、バラバラになる運命を悟っていたかのように思える。
なぜそもそもエンドの現場に春野たちを派遣したのか。
フローリングを交換するのだから、もし床下に白骨死体を隠したのが橘社長なら、わざわざ春野に発見させるように仕向けたようにしか思えない。
なぜそんなことを行ったのか。
前回1話のタイトル通り、橘社長は終わりの始まりを予感していたということだろう。
そして、春野と目が合った怪しい男。
![ROUTE END 第1話 怪しい男](https://creative-seeker.com/wp-content/uploads/2017/06/re02_05.png)
まるで春野を監視しているかのような位置にいる。
今後、春野たちとどう関わっていくのか。
まだまだ謎は深まるばかり。今後どう展開していくのか。
以上、ROUTE END 第2話「残された人達」のネタバレ感想と考察でした。
第3話に続きます。
コメントを残す