九龍ジェネリックロマンス 第2話
第1話
第2話 感想
SF
思いもよらずSF風味だった。
ジェネリック地球(テラ)……! なんともSFチックな響き。
地球のパチモンを作るって、とんでもない技術だろうな~。
それがどういうことなのか全然想像がつかないが、そのために必要な技術が現実には存在していないのだろう。
空に浮かんでいる、エヴァの使徒の中の一体のデザインみたいな巨大な物体がジェネリックテラらしい。
この、二つの四角錐の底同士を貼り合わせて一つにしたような物体はどう見ても空に浮いているようにしか見えない。
ひょっとしたら、近づいてみたら実は轟音を立ててホバリングしていたりするのかも?
いや、それなら地上にいる人の耳に轟音が聞こえるか……。
九龍の人たちにとっては、空に浮かぶジェネリックテラという光景は見慣れているようだ。
こんな超技術を使って作った巨大な建築物は当然工期は長くなるだろうから、それだけ地元の人にとっては馴染みの光景になってくる。
今ではイメージキャラクターのグッズで儲けるくらいには街の観光資源として貢献しているようだ。
テレビの中のコメンテーターは政府計画だと言って、ジェネリック地球に肯定的なコメントをしていた。
政府計画ということは、中国政府が計画して建設しているのかな……。
現実の中国の膨張し続ける経済力を目の当たりにすると、未来においてジェネリックテラみたいなとんでもない建物の建設も不可能ではないような気がしてしまう。
上記のようなことを考えていたら、ふと、そもそも鯨井さんたちが生活している場所は香港なのか? と思った。
たとえば中華街みたいなコンセプトで、日本国内に作られた香港を模した地域……?
もしくは、国自体がいくつか統合されていて、それぞれの国の人がごっちゃに住んでいる設定なのかもしれない。
鯨井さんの職場の構成人員はみんな日本人っぽい。
少なくとも鯨井さん、工藤さんは間違いないだろう。
九龍の街では、街の人と普通に会話しているけど、これは何語で会話しているのか。
テレビ出演者が話していた言葉を見て何となくそう思ったんだけど、よく考えてればジェネリックテラなんて構想を実現できるくらいの技術水準の高さなら、優秀な翻訳装置があってもおかしくないか。
まだ情報が出そろっていない、色々と曖昧なこういう時期の妄想は新連載の楽しみ方の一つだと思う。
糸ようじのCMにはくすっとした。蛇沼製薬って小林製薬をイメージしてるのかな?(笑)
こういうのを交えて楽しくつづられる物語なのかなという印象を持つに十分な小ネタだった。
しかしとりとめもなく前述してきたようなことは、鯨井さんと工藤さんの関係性には本質的には何の関係もないのだろう。
あくまで鯨井さんと工藤さんは目元の小じわやらレシートくじやらスイカやら八の字やら、そういった身近なことに一喜一憂して生きるごく普通の人たちだ。
高度に技術の発達した世界で、しかし現実と変わらない恋模様を繰り広げていくはずだ。
その様子に、時にニヤニヤ、時にヤキモキさせてもらえると思うと楽しみ。
恋愛をテーマにした漫画が基本的には苦手なのだが、眉月先生のは好き。
基本的には見ていて「いいな~」と思えるような関係が見られる。羨ましいんだけど嫉妬しないで済む感じ。
かと言って、お花畑などではなく、おどろおどろしい部分も描ける。
でも表現が生々しくなり過ぎないから読んでてダメージが少ない。
自分にとっては、ちょうどいい塩梅なんだよな~。
今の感じなら、戦う、人が死ぬ、みたいなハードな展開はまずない。だからまったり読める。
ただ不意打ちでそういう展開になったらそれはそれですごい。
二人の関係がどう進展していくか今から期待したい。
以上、九龍ジェネリックロマンス第2話のネタバレを含む感想と考察でした。
第3話に続きます。
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