九龍ジェネリックロマンス 第14話
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九龍ジェネリックロマンス 第14話 感想
姿を消すタイミング良すぎ
工藤さんと親しい喫茶店の店員が店を辞めた。
工藤さんも、そして鯨井さんも話を聞こうとしていたタイミングで……。
何で辞めたんだろう。どんな理由があるのか考えてみたけど思いつかない……。
この事態は工藤さんよりも鯨井さんの方が痛いだろうな。
工藤さんと鯨井Bのことを知っている人物として一番に思い当たるのがこの店員さんだったわけで……。
楊明さんと覚悟を決めて店に訪れたのにすでに辞めていた……。
あまりにタイミングが良過ぎる気がするんだけど、どうなのかな。
これは何か裏があったりするのだろうか……?
良かれと思ってやったことが……。
切ない話だった……。というか悲劇だね。
まさか鯨井さんが良かれと思ってやったことがこんな結果を生むとは。
鯨井さんが「写真の中の鯨井さん(鯨井B)」を彷彿とさせるようなイヤリングをしているのを見た工藤さんが、まさかここまで怒りを露にするとは予想外だった。
怒りだけではなくおそらく悲しみも含まれていたかもしれない。だけど、工藤さんのその握りしめた手の甲にくっきりと浮き出た血管が示しているのは、多分怒りだと思う。
鯨井Bがしていたのがイヤリングではなくピアスであることはもちろん、最も工藤さんの感情を爆発させるきっかけになったのは鯨井さんの口調だったようだ。
工藤さんがかつて付き合っていた鯨井Bであれば、自分に対してですます調など決して使わない。
鯨井さんから発せられた何気ないセリフ「ピアスではなくイヤリングです」がまさかここまで工藤さんを豹変させるとは……。
はじめは工藤さんの態度と、その後の意気消沈した鯨井さんの様子から、工藤さんそりゃないだろ! と思った。
でもそれだけ工藤さんからしたら大切なことなんだよな……。
かつての恋人とほぼ同じ姿の鯨井さん。でも中身は全く違うという切なさ。
工藤さんが感情を爆発させるほどに大切な人だったということか。
鯨井さんも深い考えがあってとった行動ではなかった。
鯨井Bに寄せようと思ったのは少しでも工藤さんに気に入って欲しかった。ただそれだけ。
鯨井さんには悪気などなかった。
あえて言うなら、鯨井Bを想起させるようなイヤリングをした自分を見て、工藤さんがどんな顔をするのかというほんの少しのイタズラ心くらいはあったかもしれない。
でも鯨井さんは、工藤さんからあそこまで剥き出しの感情をぶつけられてはじめて、自分が工藤さんにしたことの大きさに気付いた。
もちろんそれは彼女にとってショックなことだっただろう。
しかし同時に、たとえ自分とそっくりだとしても自分とは全く別人の真似をして良く思われようとした自分に気付いたことがもっと大きかったのではないか。
鯨井さんが鯨井Bを演じること。
それは工藤さんはもちろん、何よりも自分自身を傷つけることだった。
工藤さんから不興を買うことはもちろん、たとえ褒められたとしても、それは鯨井さん自身に向けられたものではないんだよね……。
それは全く意味が無い。少なくとも鯨井さんはそれに気づいた。
最後の鯨井さんの悲しみに打ち震える表情が、見ているこちらも悲しくなるのと同時に美しくも感じてしまったな……。鯨井さん美し過ぎる&可愛すぎる。
何とも切ない結果になってしまったが、次回には少なくとも表面上は二人の仲が修復されているのだろうか。
以上、九龍ジェネリックロマンス第14話のネタバレを含む感想と考察でした。
第15話に続きます。
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