響 小説家になる方法 最新第86話新入生の感想(ネタバレ含む)と考察。響の退学を知らされ失意の文芸部部員たちの前に現れた入部希望の新入生たち。

第86話 新入生

第85話のおさらい

民自党総裁選挙当日。見事勝利し、民自党総裁に決定したのは加賀美大臣だった。

 

喫茶メルヘンでは咲希が花井から小説のレクチャーを受けていた。

 

一段落して二人はメルヘンを出て北瀬戸駅へと向かう。

 

北瀬戸駅のホームでは、停車している電車の前でリカが文芸部の部員たちとの別れのやりとりをしていた。
そこに響の姿はない。

 

一人一人に言葉をかけ、リカは花井と共に電車に乗る。

 

成田空港の出発ロビーで花井と別れ搭乗口へと向かうリカ。
花井に振り向かず、行ってきます、と元気よく握った拳を上げる。

 

4月。兵庫から越してきた女子高生が道を歩いている。

 

そこにワイドショーの女性リポーターとカメラマンが現れ、北瀬戸高校の生徒かと無遠慮に確認する。

 

突然の事態を把握できない女の子は、よくわからない、と戸惑うばかり。

 

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女性リポーターは女の子に、文芸部に入部する気とかある? と質問をする。

 

女の子は戸惑いながらも、まだ部活は考えていない、と正直に答える。

 

そこに突如、女の子の頭を軽くはたく男子生徒が現れる。

 

女の子は一体何が起こったのかわからず男子生徒に振り返る。

 

女性リポーターは不良風の男子生徒にもマイクを向けて、響についてどう思う? と問いかける。

 

男子生徒はただ無表情で、カメラに向かって中指を突き立てる。

 

カメラマンは悲鳴を上げながら、慌ててカメラのフォーカスを男子生徒から外す。

 

何やってんのよ、と女性リポーターが男子生徒に悪態をつくが、男子生徒は平気な様子で学校に歩いていく。

 

女の子はマスコミに頭を下げ、前を行く男子生徒にちょっと待って、と声をかける。

 

男子生徒は立ち止まり、女の子に振り返って、頭おかしーのか? と問いかける。

 

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男子生徒からの理不尽な言葉に女の子が怒りを示す。

 

男子生徒は、新入生だろうけど北瀬戸の状況を知っているだろ? と問いかけ、マスコミを相手にすることで入学早々停学になりたいのかと続ける。

 

その男子生徒の言葉に、女の子は全くピンと来ていない。

 

校門前に辿り着いた男子生徒は、こういうことだよ、と呟く。

 

校門前にはマスコミが何人もいて、彼らから学校を守る警備員も混ざりざわついている。

 

有名人でも来ているのか、と女の子に問われた男子生徒は、もしかして地元じゃないのか、と問い返す。

 

春に兵庫から越してきたという女の子からの理由に、なるほど、と納得した様子で呟く男子生徒。
「バケモノが出るんだってさ、このガッコは。」

 

女の子は、はあ? と言うばかりで全くピンと来ていない。

 

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1年2組の教室では担任教師が挨拶をしていた。

 

女の子は、同じクラスに登校中に会話した男子生徒がいることに気付いていた。

 

教師の、文芸部3年鮎喰響についてだが、という言葉に女の子はぽかんとする。

 

マスコミに適当な受け答えをしないように、と言う教師の言葉にクラスの生徒たちがざわつきだす。

 

「登校中 超いたよな。」

 

「俺 超逃げた。」

 

「響って来てんの?」

 

女の子は鮎喰響が『お伽の庭』の『響』なのかと頭を働かせ始める。

 

(この学校に響がいるの!?)

 

女の子が衝撃を受けている間、教師は、響が本日をもって北瀬戸高校を退学したと続けるのだった。

 

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前回、第85話の詳細は以下をクリックしてくださいね。

 

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第86話

好き勝手言うマスコミたち

北瀬戸高校の新学期となる4月8日、響が登校することを見込んで、校門前で群れを成すマスコミたち。

 

ワイドショーの中継でその様子が伝えられ、今のところ響が現れていないというレポートで放送はスタジオに戻る。

 

「いやあ 凄い数の報道陣ですね!」

 

「本当! これ、普通の県立高校の始業式なんですよね!?」

 

ワイドショーの出演者が派手に反応する。

 

司会者らしき男が、2月の文芸コンクール表彰式以来、その姿を隠し、家にも帰っていないようだと口にする。

 

春休みの間、友人宅かホテルに泊まってるんですかね、と呟く出演者に、司会者は響の家族からは話が伺えない、と説明する。

 

「それにしてもわかんないのが、どうしてそこまで姿を隠すんでしょう。」
女性出演者が斬り込む。

 

「そうなんですよね! 別に悪い事をしてる訳でもないのに!」
男性出演者がそれに応じる。

 

むしろ今や中高生の憧れの的でしょう、と話を盛り上げる司会者。

 

「私はこれ、響ちゃんの作戦と思ってるんですよね。」
眼鏡の女性出演者がしたり顔で話に参加する。
「姿を隠すことによって、逆に注目度をあげてる! やっぱ頭の良い子だから。」

 

 

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その説を聞き、司会者は、我々は響さんの手のひらで踊らされてる訳ですね! と受ける。

 

そうしてこの話題の締めに入る司会者。
「我々マスコミと響さんとの我慢比べ、もう少し続きそうです。」

 

そこで司会者が”中継”というカンペを確認し、中継先の北瀬戸高校で動きがあったことを伝える。

 

「はいこちら学校前です。」
女性レポーターは未だに”それ”が信じられないような様子でテレビの中継に入る。
「今、学校の方から発表がありまして、『鮎喰響は本校を退学した』とのことです。」

 

言葉を失うスタジオの出演者たち。

 

校門前では説明に来ていた学校関係者にマスコミが質問を投げかける。
予想外の事態にマスコミたちは明らかに混乱していた。

 

「退学の理由は!?」

「退学した以上のことは言えません。」

「転校ですか!?」

「退学のウラとれ!」

「教育委員会あたるぞ!」

「自宅動きは!?」

 

 

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図書館王子

1年2組の教室。

 

部活への入部期限は今月中であることと、下校時にマスコミに適当に対応するなと釘を刺してホームルームは終了する。

 

響さんマジでやめたんだ、と明らかにガックリした様子の女子生徒。

 

そのそばでは色紙を持った女子生徒が、最悪、と悪態をついている。

 

「やっぱマスコミのせいかな。」

 

「じゃない? あんだけいたら学校どころじゃないじゃん?」

 

「響さんかわいそー。」

 

生徒たちの話題は響の退学に関してのみ。

 

部活動紹介の冊子を、はー、と眺めるおさげの女の子。
前の席の女の子から、部活決めた? と問われおさげの女の子は、うーん、と唸るのみ。

 

前の席の女の子は響がいるなら文芸部だがいないんじゃーねー、と他の部活に目移りしていた。

 

「私は…文芸部かな…」
ぼそっと呟くおさげの女の子。

 

 

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前の席の女の子は響がいないんだよ? と言ってから、小説が好きなの? と問い直す。

 

おさげの女の子は、普通くらいだけど、と前置きし、文芸部に入部を希望する理由を述べる。
「私 特にとりえもやりたいこともないし、響みたいに超凄い人がいたトコ行ったら、なんかご利益ありそうかなって。」

 

前の席の女の子はそれを最後まで聞くと、はー、とだけ反応を示す。

 

おさげの女の子は近くの席に座る朝、自分の頭を叩いた男子生徒に話しかける。
「……アンタはどこの部入んの?」

 

振り向いた男子生徒の顔を見て、前の席の女の子が、自己紹介で兵庫から来たと聞いたけど、アイツと友達なの? と驚く。

 

おさげの女の子は、今朝ちょっと知り合って、とだけ答えて、体育会系なのかと問いかける。

 

「……」
沈黙する男子生徒。

 

 

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「アイツたぶん文芸部だよ。中学の時も入ってたし。」
女の子はスラスラと答える。

 

友達なの? とおさげの女の子に問われ、前の席の女の子はいよいよ口の回転が早まっていく。

 

「ウチの中学でアレを知んない奴いないよ。アホみたいにモテてさあ。図書館王子とかゆー超ダセーあだ名つけられてたよ。」
女の子はわざと男子生徒の方を見ないで、しかしきちんと聞こえるように続ける。
「ちなみに私もフラれたんだよねえ。思い出すなー去年 冬の体育館ウラでさあ。」

 

「……」
何も言えない男子生徒。

 

「あっ文芸部行く? 私も行くよ。」
男子生徒が椅子から立ち上がるのを見て、おさげの女の子もそれに続こうと立ち上がる。

 

前の席の女の子はあの男は天然タラシだから気をつけなよ、と忠告する。
「油断してっとすぐ惚れちゃって泣きみるよ。」

 

おさげの女の子は、アハハ、ないない、と笑顔でそれを否定する。

 

そんな会話を聞きながら、どこか居心地の悪そうな男子生徒。

 

 

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揃って文芸部へ

旧校舎への渡り廊下を歩く二人。

 

おさげの女の子は今朝、マスコミに変なことを言う前に止めてくれたことに対して感謝を述べる。

 

男子生徒は、もっと穏便に止めて欲しかったけど、というおさげの女の子の言葉に一切反応しない。

 

「愛想わるー 何? 王子って呼ばなきゃ返事しないの?」

 

おさげの女の子からの揶揄に、やめてくれ、と返すのみ。

 

新入生募集中止
文芸部

 

文芸部部室の引き戸に貼り紙がされている。

 

それを見て、入学式の日に!? と驚く女の子。

 

男子生徒は、まあ、そりゃあそうだろ、と呟いて引き戸に手をかける。

 

それを聞き、え? と声を上げるおさげの女の子を無視して男子生徒は、失礼します、と引き戸を開ける。

 

テーブルに足を投げ出し天を仰ぐようにソファにだらしなく座るかなえ。

 

典子はかなえのふとももに頭をのせてソファに寝転がっている。

 

彼女たちとの対面でシローが無言で本を読んでいる。

 

(雰囲気悪っ。)
おさげの女の子は部室に漂う空気に気圧される。
(ここ本当に文芸部?)

 

典子とかなえは入室してきた新入生たちの方を見ようともしない。

 

シローは新入生たちの方向を見るが、第一声で、日本語よめねーのか、と軽く威圧し、貼り紙通りの言葉を続ける。
「今 新入生は募集してねー。」

 

 

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入部希望

おさげの女の子は、どうしてですか? 定員とかあるんですか? と問いかける。

 

「3度は言わねえぞ。消えろ。」
シローはにべもなく女の子の質問を拒絶する。

 

「響が退学して一番ショックなのは部の人たちだろ。」

 

男子生徒から状況を説明され、あ、と声を上げる女の子。

(そっか この人たちは先月まで響といたんだ。そっか…)

(本当に、ここに『響』がいたんだ……)

女の子は部室を見つめる。

 

突然シローが男子生徒と女の子の間を狙って読んでいた雑誌を投げる。

 

勢いよく壁に当たり、バン、と派手な音が部室に響く。

 

「殴られなきゃわかんねーのか。」
二人を威圧するシロー。

 

女の子は、ひっ、と声を上げて体を引く。

 

しかし男子生徒は一切動じることなく、つかつかとシローの前に出て入部届を提出する。

 

シローは男子生徒のネクタイを持ち、乱暴に引き上げる。
「ケンカ売ってんのかお前。」

 

「気に障ったなら、すいません。」
男子生徒はシローに至近距離に顔を近づけて威圧されても顔色一つ変えない。

 

 

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ちょっとちょっと、と女の子が二人の間に仲裁に入り、シローの手がネクタイから離れる。

 

男子生徒はシローを真っ直ぐ見据えて自己紹介を始める。
「城北中出身1年2組安達悠音(あだちひろと)。好きな作家はヘミングウェイ、ヘッセ、ツルゲーネフ、響。」

 

「『お伽の庭』を読んで、日本人でこんなにも奇麗な情景描写 今まで見たことなかった。響さんがいたこの部に入れて下さい。」

 

その流れを逃さず、女の子も自己紹介する。
「兵庫県出身高槻中学出身小池望唯(こいけみゆ)です。『お伽の庭』読んですっごく面白くって、これを高1で書いたとか信じられなくて!」

 

「響さんがこの学校にいたこともさっき知って…せっかくならすごい人がいた部に入りたいと思いました!」

 

シローは何も言わず、目を閉じて椅子に勢いよく座る。

 

かなえと典子は先程からずっと同じ態勢で放心している。

 

反応を待つ新入生二人。

 

「なんで私たちに一言もなかったんだろ……」
ぽつりと典子が呟く。

 

誰もその質問には答えない。

 

「お前ら、今日は帰れ。」
シローは目を閉じ、その場にずっと立っている二人の新入生に声をかける。

 

 

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早くも”理由”を思い知る望唯

揃って帰路に就くヒロトと望唯。

 

「先輩たち、これでもかってくらい落ち込んでたね。」
望唯は、男の人とかすごい怖かったよ、と隣を歩くヒロトに話しかける。

 

ヒロトは、先輩たちも今日初めて退学を知ったようだし、何も言わずに消えて連絡もとれないとしたら辛いよな、と応じる。

 

結局私ら入部できたのかな、と呟く望唯。
ヒロトに明日も行くのかと問いかける。

 

望唯はヒロトから、ああ、という返事を聞き、じゃ私も行こっと、と笑顔になる。
「一人であの空気はさすがに心細いからねえ。」

 

「しっかし愛想ない奴ねえ。」
何も答えないヒロトに、望唯が絡む。
「これでホントにモテてたの?」

 

ヒロトは視線を前に向けたまま歩きながら、あのさ、と切り出す。

 

「なに?」

 

今からすごく変なこと言うけど、同じクラスで同じ部活なら一緒にいる時間も長いと思うから、と長い前置きをするヒロト。

 

「うん。だからなんさ。」

 

「俺に惚れるなよ。」
そう言って、ヒロトは視線だけを望唯に向ける。

 

 

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望唯は暫し呆気にとられた後、ばっっかじゃないの!? と語気を強める。
「アンタ何様? 殿様かなんか?」

 

バカなこと言ってるのはわかってる、とヒロト。
「ただ…俺は今彼女とか興味なくて、それでもよく告られたりして…」

 

前の席の女の子が行っていた、図書館王子という異名を思い出す望唯。

 

「辛くなるんだよ。人が落ち込んだり傷ついたり、泣いてる姿見ると…それも、俺のせいで……」

 

「はいはいわかりました。」
バカ言ってるのはわかってるけど、と続けるヒロトに対し望唯は、私も今、別に彼氏とかいらんし、と呆れ半分な様子で答える。
「安達のことは男としてしか全っ然みとらんし。つーかアンタこそ私に惚れんなよ。」

 

おう! と若干元気に返事をするヒロト。

 

 

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「ごめんね北瀬戸の子? 一分だけいい?」

 

突然話しかけてきたマスコミが、響が退学したって知ってる? と二人に近づいてくる。

 

「えっ? あっ、えっと…」

 

何と答えたものか戸惑っている様子の望唯の頭にヒロトが手を伸ばす。
「望唯、相手にするな。」
頭を抱きしめるようにして望唯に声をかけるヒロト。

 

望唯は一気に赤面する。

 

20秒でいいから、と追い縋るマスコミを無視して二人は寄り添って歩いていく。

 

「響さんはいなくなったけど、あの文芸部は響さんが残した場所だ。」
赤面している望唯の頭を抱きながら、ヒロトは声をかけ続ける。
「俺たちで盛り上げよう。」

 

(安達、お前……おまえー!!)
望唯は声には出せず、ただ心の中で叫ぶだけ。
ヒロトがモテている理由をこれ以上ない形で思い知るのだった。

 

 

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感想

響が出て来ない……けど面白い

まさか今回も前回に引き続き響が出て来なかった!

実はこの展開も十分あり得たわけだけど、でもやっぱり予想外だわ。
月に2回刊行される雑誌で2回連続で一コマも出ないとは。

流石に次は出るでしょ。それも驚くような登場の仕方をしてくれると期待したい。
前回予想した響の所在の答えあわせは次の号か~。
次の号が出るのが二週間後なのがせめてもの救いだ。

主人公が出ないからと言って、話自体は先が気になるし面白い。
響が今どうしているか知りたいのもあるけど、登場キャラが皆それぞれの思惑で生き生きと紙面を動いているからだろう。

退学したことで響に会った事も無い新入生たちがショックを受けている様子から、やはり響の影響力が絶大なんだと感じる。

あと、柳本先生はワイドショーのマスコミが嫌いなのかな。
今回登場するテレビのコメンテーターが好き勝手に吐き散らすセリフがあまりにも自分勝手で、読んでいてマジでイラついた。
多分好き嫌いじゃなくて、実際、こんなもんかって感じで描写してたらこうなったのだろう。

 

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特にムカついたくだりは以下。

「それにしてもわかんないのが、どうしてそこまで姿を隠すんでしょう。」

「そうなんですよね! 別に悪い事をしてる訳でもないのに!」

あともう一つ。

「私はこれ、響ちゃんの作戦と思ってるんですよね。」

~中略~

「姿を隠すことによって、逆に注目度をあげてる! やっぱ頭の良い子だから。」

「なるほど! 我々は響さんの手のひらで踊らされてる訳ですね!」

これらのピント外れの言説を公共の電波を使って無責任に喚く様は、まさに現実のワイドショーそのものだと思う。

取材拒否してたんだから察してやれよと思うんだが、そういう世間から情報を渇望されている対象こそ追いかけて暴くことこそがマスコミの本領なんだよなあ。

政治家の汚職とか会社の談合など、社会的な損失を招くような悪を暴くのとは全然違うけど、需要があるから仕方ない部分もある。

漫画とはいえ、やはりこのゲスさ加減は好きになれないわ。

 

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気骨ある新キャラたち

新キャラの名前が判明。
安達悠音(あだちひろと)と小池望唯(こいけみゆ)。

 

まず天然タラシのヒロトだけど、彼は既にキャラが立ってて今後の動きが面白そうだなぁ。
でも典子とかなえには通じず、逆に図書館王子とかってイジられまくりでカタナシの展開が見たい。

 

望唯は普通っぽいから今後どうキャラを打ち出していくのか期待だ。
普通過ぎて返って面白いみたいなキャラもありだと思う。

 

新入生募集中止の貼り紙を見ても入部を堂々と希望したこの二人には気骨がある。
恐らくこの貼り紙で大半の新入生は退散したはずだ。

 

まずヒロトが新入生募集中止という紙がドアに貼られているにも関わらず、先輩のシローたちを前にして堂々と文芸部に入部を希望すると斬り込んだ。ヒロトはやはり普通の生徒とは違うと思う。

 

好きな作家に歴史的な文豪を並べていき、最後に響を挙げる。
続けて自分が何故響の作品に惹かれたのかを正直に述べて、入部を希望した。

 

 

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そして次に望唯がヒロトに続く。
先にヒロトが入部希望の理由を述べ、望唯はその流れに乗った感があるにせよ、やはり自分の言葉で入部を希望する。

 

シローとしてはヒロトと望唯からの真っ直ぐな入部への情熱をぶつけられ、それを断る理由も見つけられず、今日”は”帰れ、と暗に二人の入部を認めたのだろう。

 

典子、かなえ、咲希、シローが入ってきた時はこのキャラ達はどう物語に関わっていくのかとワクワクしていた。
今回の新入生であるヒロトと望唯の二人が、響の退学で失意の文芸部にどんな新風を吹かせるのかに注目したい。

 

今のところ、響退学の影響を打ち消すほどのインパクトは見受けられないが、出てきた以上、何かしら役目があるはずだ。

 

 

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失意の文芸部部員たち

全員、響が退学することを知らされていなかったことでガックリ来ているようだ。

 

特に、部屋の奥で横たわっていた花代子の失望っぷりは、目立ってはいなかったけど見ていて可哀想なくらいだ。

 

どんな時も元気な典子とかなえも、今回の事は流石に効いているようだ。
こんな姿は中々新鮮ではある。物語の賑やかしなので早く立ち直って欲しいところ。

 

そして、シローも同様に落ち込んでいるんだよなあ。
咲希を響と比べて才能がないと引き合いに出していたところから分かっていたけど、やはり響に一目置いていたのを改めて感じる。

 

首絞められて危うく失神しかけてたのに、今では響が自分たちに一切知らせず退学していった事にショックを受ける程度には響を信頼していたんだな。

 

あと、咲希の姿が見えないのが気になる。
花代子みたいにアングル次第で映っているコマがあるのかと思って見返したけどいないんだよなあ。

 

ある意味一番響から影響を受け、花井に引き合わせてもらったりと人生を大きく変えているのだから、同級生の花代子と同様か、もしくは最もショックを受けていても不思議ではないと思うのに……。

 

 

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今、咲希がどうしているのかという描写すらされなかった事に、ひょっとしたらちょっと特殊な事情があるのかもと思った。

 

ひょっとしたら響の退学を知らされていて、居場所も知ってるとか?

 

もしくは他の部員同様に知らないけど、この失意をエネルギーに変換して自宅で小説を書きまくっているのだろうか。

 

何にせよ、文芸部部室で落ち込んでいる部員たちとは別の行動をとっていると思う。

 

もし小説を書くことで昇華していたならば、入部当初から比較して大分逞しくなったなと評価してあげたい。

 

あ! あと涼太郎は何してるんだろう! 彼の行動も気になるなあ。最近目立った動きがないので忘れてたけど(笑)。

 

響が北瀬戸高校を退学し、新天地で第二部的な感じで響が新しい人間関係を築いていく展開もあるかもと思ったけど、前回、そして今回も北瀬戸高校にフォーカスを当てて物語が展開している。

 

新キャラとして新入生が入部したことで、今後も北瀬戸高校文芸部は描写されると思って間違いないだろう。

 

これから響は新入部員を加えた文芸部とどう関わりを持っていくのだろうか。

 

それは、とりあえず響が今どこで何をしているかによるのだろう。
早くその答えが知りたい。

 

以上、響 小説家になる方法第86話のネタバレを含む感想と考察でした。

 

第87話に続きます。

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