第73話 死闘
第72話のおさらい
新たに出現した5体の巨人。
塩沢上等兵は、対峙していた敵の一体の胸の穴から噴出した溶解液をかろうじてかわす。
集まった民衆に直撃した溶解液が人を溶かしていく。
パニックになって逃げ出す民衆たち。
零は逃げていなかった。パピコたちの戦いから目が離せない。
塩沢上等兵は溶解液を噴いた巨人の顔面にパンチを食らわせて、流れるような動きで首に両手をかけ、腹部に膝蹴りを入れる。
桃ノ木少佐は倒したはずのサタンの身体が再生していくことに気付く。
「サタンが再生するぞ!!」
第73話 死闘
人々は立ち止まり、街頭の巨大ビジョンに映し出されているパピコたちの戦いの様子を固唾を飲んで見守っていた。
鬼頭軍曹に向けて、溶解液を発射しようとする巨人。
しかし溶解液が放出されようとする瞬間、鬼頭軍曹は巨人にアッパーを決める。
巨人は上を向いた瞬間に溶解液が頭上に放ち、自らそれを浴びるのだった。
その光景に歓声をあげる街の人々。
溶解液を食らった巨人は溶解液を食らった顔の部分から煙を出し、頭蓋骨を露出させて川に浮いていた。
桃ノ木少佐は巨大化を解き、普通の人間のサイズで胸からビーム砲を放つ巨人に死角から急降下で接近していく。
パピコもまた普通のサイズで川を泳ぎ、巨人の足に辿り着いていた。
塩沢上等兵は別の巨人のパンチをかわし、胸に抱きつく態勢をとっていた。
その巨人が四本ある手の内の一本からビームを放つ。塩沢上等兵は身を低くしていたためギリギリで食らうことはなかった。
一方、さきほど撃破したはずのサタンが徐々に再生している様子を確認した川沿いに集った人々は慌てていた。
「サタンが!!」
「逃げよう!!」
「やばいって!!」
「勝てねーってこんなん!!」
ヘフナー伍長は、顔が飛び出した巨人によるパンチの連撃に冷静に対処していた。
四本腕の巨人の胸に抱き着いていた塩沢上等兵は、巨人の攻撃で皮膚の表面を傷つけられながらも必死に次の攻撃の機会を窺う。
しかしボディブローを食らい、手を離してしまったことで巨人の攻撃の間合いになってしまう。
零の両親はリビングのテレビの前に立ち尽くして、呆然と死闘を見つめていた。
「こんなん…勝てるの…かよ…」
母親は口元を押さえて、しかし戦いの様子はきちんと見届けようとしていた。
「ちほさんなら……ちほさん…なら…」
白い巨人が、他の巨人と戦っている鬼頭軍曹に駆け寄り、六本の腕で胸の穴を大きく開く。
強い光を感じ、振り向く鬼頭軍曹。
ビーム砲が発射されようとしたまさにその瞬間、ビーム射出口である胸の穴から、巨大化した桃ノ木少佐が姿を現し、白い巨人を体内から破壊するのだった。
桃ノ木少佐は確信した様子で、仲間たちに向けて叫ぶ。
「こいつらはサタン再生の時間稼ぎだ!!」
感想
新しい敵が一気に四体も降臨し、かなり劣勢かと思ったら、意外と善戦していた。
危うく溶解液やビームを食らいかけたりと危ないシーンもあるけど、ここまではきちんと対処できてる……!
前回はこの4体もサタンと遜色ない強さの様に思えて、こちらの頭数が足りないだろ……とビビっていたけど、実際に戦ってみたら一人一体で対応している。
巨人の内の一体を巨大化で見事に体内から突き破った桃ノ木少佐は、新たに降臨した四体の巨人がサタン再生までの時間稼ぎ要員に過ぎないと喝破した。
確かにサタンよりは劣るようだ。もちろん油断したらいけないが、既に四体の内二体は無力化できているようだし、ここから巨人に逆転される可能性は低いだろう。
とはいえ、撃破した二体が再生し、戦線復帰する可能性もある。油断は禁物だが、勝利が見えてきたと言って良いだろう。
桃ノ木少佐たちのチーム強いな……。チームワークが最高。
鬼頭軍曹はビーム砲を食らいかけていたが、射出タイミングギリギリで桃ノ木少佐がその巨人を体内からぶち破るというファインプレイを魅せた。
そもそも個々の戦闘能力も高い。
溶解液を吐くタイミングでアッパーが決めて、頭上に放出された溶解液を真下の巨人にヒットさせるのを鬼頭軍曹が狙って実行したのだとしたら、相当の度胸と戦いの勘の持ち主だと思う。
塩沢上等兵も苦戦はしているが、致命的な傷は負うことなく対処できている。ヘフナー伍長も同じだ。
パピコは普通サイズになって、残り二体の内の一体(塩沢上等兵と戦っている巨人?)の足元にとりついているようだが、当然この巨人を倒すべく、体内に侵入しようとしているのだろう。
果たして戦況が有利な内に、再生前のサタンを破壊できるか。
次回で決着かな? そうなったら今度はパピコだけじゃなくて、四人の戦士たちも英雄に祭り上げられてしまうだろうな。
正直、彼らがインタビューを受けている様子を見たい気もする。みんな容姿が良いから普通に芸能活動のオファーがあるだろうな。
次回が楽しみ。
以上、ギガント第73話のネタバレを含む感想と考察でした。
第74話に続きます。
あわせて読みたい記事。
コメントを残す