第72話 5VS5
第72話のおさらい
サタンの精神攻撃により今にも屋上から飛び降りようとしていた零は、ギリギリの所で正気を取り戻す。
パピコたちがサタンを倒したことにより、零は助かったのだった。
自宅のリビングで身を寄せ合ってサタンによる精神操作に耐えていた父と母も、正気に戻り、テレビの現場中継でパピコたちの勝利を知る。
街頭のビジョンでも中継は流れていた。
零は道行く人たちの会話からパピコたちが勝鬨橋周辺にいると知り、新宿から電車でパピコの元へ向かう。
零の父と母は助かったことを喜び、快哉を叫んでいた。
「アメリカ軍でも自衛隊でも、勝てなかったのにパピコすげーっ!!」
誇らしげに呟く母。
「ちほさん…私の娘!!」
戦いの現場である勝鬨橋周辺には、パピコの名を呼び、戦士たちに手を振る人が多く集まっていた。
零はパピコと戦士たちが上空を見上げている事に気付く。
パピコたちが見ていたのは、新しく降臨したらしき4体のサタンだった。
サタンたちは戦士たちの元へ降下していく。
遅れて事態に気付き始めた人々が悲鳴を上げ始める。
零は空を見上げたまま固まっていた。
第72話 5VS5
新たに出現した5体の異形の巨人に対し戦闘態勢をとって対峙するパピコたち。
零たちはその様子を不安そうに見つめていた。
パピコたちの勝利を祝うべく集まった民衆たちは恐怖と不安に駆られながらも、行動を起こせずにいた。
敵の内の一体が、胸の穴を広げていく。
目の前で対峙していた塩沢上等兵は危険を察知し、横っ飛びでヘフナー伍長ごと倒れ込むようにしてかわす。
敵の胸の穴から、勢いよく溶解液が噴き出していた。
溶解液は集まった民衆がいるところに直撃する。
溶かされていく被害者たちを目の当たりにしてパニックになった民衆たちは悲鳴を上げて逃げ始める。
零はパピコたちから目が離せずにいた。立ちすくんだまま事態の趨勢を見守る。
塩沢上等兵は、溶解液を噴き出した巨人の顔にパンチをクリーンヒットさせる。
続けて首に両手をかけて、腹に膝蹴りを入れる。
5体の敵との戦いは始まっていた。
桃ノ木少佐は、激しく波打つ河の中に先程倒したサタンの身体を見つけていた。
「サタンが再生するぞ!!」
破壊したはずの顔や胸元から腹部にかけての部分が再生しつつあることに気付き、仲間たちに注意を促す。
感想
圧倒的絶望感きたぁ!
GANTZに魅了されて以来、奥先生の作品に求めるものの一つがこのどうしようもない絶望感に満ちた展開なので本当にうれしい。
この展開に至るまでに積み上がってきた未来から来た戦士たちへの愛着があるからこそ、より強く絶望感を覚えるんだろうな。
パピコはもちろん、この、無類の麺類好きの戦士たちに死んで欲しくない。こんなかわいいイカした奴らが敵に蹂躙される様子なんか絶対に見たくない。
だからこそこの死闘に強い緊張感が生まれる。だからこそ次の展開が気になって仕方なくなる。
もう今から次回以降が楽しみ過ぎる。
しかし、なんて禍々しい敵たちだろう……。5体漏れなく強そうだ。
生首を持っている敵が2体いるけど、ひょっとしてアメリカで敗れたヒーローたちのものだろうか。
静かだが、溢れるほどの敵意に満ちている。
この敵たちの全ての要素に、恐怖を掻き立てられる。秀逸なデザインだと思う。
何度も見直したけど……、こんなの勝てるわけないと思わされてしまう。
前回までにサタン一体であれだけの死闘を演じたのに、5体同時は希望が見えない……。
まさかサタンよりも全然問題にならないくらい弱いなんてことはないだろう。もっと強い可能性は十分にある。
もし激闘の末に勝てたとしても、全滅に近い被害を負うことは必至ではないだろうか。
パピコ以外死亡でも全くおかしくない。
倒したと思っていたサタンも再生しつつあるようだし、5VS6になったらますます勝ち目はなくなる。
まずは素早い対処でサタンの復活を阻止することが急務だろう。
しかし新たに出てきた5体が、それをさせてくれるのか。
考えれば考えるほど、絶望感に襲われる。
果たしてパピコたちは危険な敵たちを撃退できるのだろうか。
次回が楽しみ過ぎる……!
以上、ギガント第72話のネタバレを含む感想と考察でした。
第73話に続きます。
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