第26話 屋上
第25話のおさらい
食卓に集う横山田一家。
テレビで生中継されていたUFOによる連れ去り被害者は853名だと父親がスマホ画面を読み上げる。
零にはリアクションを返す余裕がない。
スマホのニュースで、パピコが内乱罪で起訴されたという記事を目にしたためだった。
学校で中島は零に向かって、パピコへの内乱罪適用はおかしいと文句を言っている。
「内乱罪ってほとんど死刑だぜ おい。」
二人は街を歩いていた。
中島からパピコが今どこにいるのかを問われ、零は東京拘置所と答える。
それを聞いた中島は、どうしようもないな、と呟くのみ。
零はパピコのマンションに来て、部屋の真ん中で途方に暮れていた。
帰宅し、食事を済ませた零は自室のベッドに寝転がる。
涙を流し天井を見つめていると、零はパピコに手紙を書くことを思いつく。
東京拘置所に手紙は届いていた。
零からの手紙にパピコは涙を流しながら頬ずりをするのだった。
それから暫く経ち、パピコの裁判が始まる。
内乱罪となったパピコが求刑されたのは死刑だった。
授業中、スマホでパピコが検察に死刑を求刑されたことを伝える記事の見出しを目にした零は、泣く事しかできない。
その時、教室中のスマホが一斉に緊急速報を鳴らし始める。。
教室、校舎は誰にも体感できるほど振動していた。
そんな中、生徒の一人が教師に呼びかける。
「先生!! ETEです。ETE!!」
女生徒はさらに教師に説明を続けようとする。
「ETEで東京の人口が…」
しかしその言葉を女子生徒が言い終わる前に揺れが収まり、震度は4くらいか、と教師がホッとした様子で呟いていると、窓の外から声が聞こえ始める。
「いる?」
「いる!! いる!!」
それは巨大な子供だった。
彼らは不気味な笑顔を浮かべて教室内を見ている。
「早く!! 早く!!」
「いーっぱいいるー」
「いっぱいいるぅー」
教室の生徒たちは異様な光景を前にして席を立たない。
。
「うそ…」
「何これ何これ。」
「ETEだって。」
口々に言葉を交わし合うが誰も逃げようとしない。
そんな生徒たちと同じく、零もまた呆然と巨大な子供たちを見つめていた。
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第26話
迫る巨大な手
授業中、教室の外に巨大な子供が現れたことに騒然となる生徒たち。
子供の巨人たちが教室の窓に手をかけようとしているのを見て男子生徒が、止めろ、と叫ぶも、誰も何も対処することができない。
窓を開けて巨大な手が教室内に侵入する。
蜘蛛の子を散らしたように、廊下へと逃げていく生徒たち。
巨大な手は廊下に届かんばかりに深く挿し込まれる。
悲鳴が上がる中、ある生徒が、先生、と助けを訴える。
しかし当の教師は教壇の前でただ呆然と目の前の光景を眺めているだけだった。
必死に廊下に向かう零にも、巨大な手はすぐそこに迫っていた。
突如上がる悲鳴。
女子生徒が巨人に捕まり窓の外に出される。
捕まった生徒たちは口々に、やめて! と叫ぶが、巨人たちは無邪気に、踏みつぶす? とその後の処置に関して軽く話し合っている。
「投げて 壁にぶつけて。」
話は一瞬でまとまり、それが執行される。
悲痛な叫び声を聞き、慌てて廊下を駆けていく生徒たち。
地獄絵図
中島は零に屋上に行こうと呼びかける。
二人は上から逃げて来る生徒たちに逆行して屋上への階段を駆け上がっていくのだった。
屋上に着いた二人。
そこには自分たち以外に誰もいない。
息を弾ませて、ここなら大丈夫だろ、と安心した様子の中島。
なんなんだアレ、という零の疑問に、中島は、ETEだと答える。
「もう一度東京都民を100万人にするんだってよ。」
そんな、と信じられない様子の零。
あっち見ろよ、と中島が指をさした方向では、大人の巨人が何体もおり、いずれも普通サイズの人間を追い回していた。
その光景を前にして、マジか、終わった、詰んだ、と中島と零は口々に呟くのみ。
救急車のサイレンが響く中、住宅街は何体もの巨人たちの出現によって阿鼻叫喚の様相を呈していた。
巨人は人間を追い詰めて、捕まえてることに夢中になっている。
迫る危機
学校のグラウンドでは、生徒が何人も倒れている。子供の巨人たちは朗らかに笑い、人間を捕まえることを心から楽しんでいた。
その光景を零と中島は表情を強張らせて見下ろす。
ランドセルを背負った女児の巨人は、右手に無造作に女子高生を握っていた。
頭を下にして掴まれている女子高生。だらりと腕を垂らしている。
地面に倒れている生徒たちは動かない。
「おりゃ」
男の子の巨人は、女子高生を思いっきり投げる。
悲鳴と共に吹っ飛ぶ女子高生。
「やっぱ上にもいた!!」
零と中島は制服を着ている巨人がこちらを見ていることに気付く。
二体の巨人はいずれも薄気味悪い笑顔を浮かべて零と中島を補足していた。
急いで校舎に向かって逃げる零と中島を見て、巨人が指をさす。
「あっ 逃がすなよー。」
必死に校舎に駆けていく零と中島めがけて巨人の手が伸びる。
感想
絶望
絶体絶命。
ラスト、これタイミング的に零は校舎に逃げきれずに巨大化した子供に捕まる可能性あるのでは?
もし捕まったらどうなるんだろう。
パピコは零の窮地を知り得ないわけで、誰も助けには来ないんじゃないのか。
パピコ以外に巨大化デバイスの持ち主がいて、助けに来るという展開になる?
特にその伏線はなかったけど、突如救助が来るくらいしか切り抜けようがないような気がする。
一体、零はどうやってこのピンチを潜り抜けるのか。次号も見逃せないわけだ。
こんなこと言うとスゲー嫌な奴だけど、そもそも中島の誘導に従って、屋上に逃げてきたのが間違いだった。
あとからこういう指摘するのって嫌われるよなー(笑)。
確かに中島の狙い通り、屋上は巨大化した子供の背の高さでは死角になっていたようだ。
しかしすぐに彼らよりも背が高い、中学生くらいの巨大な子供によってあっさりと発見されてしまった。
彼らは人間と同様の知能があるようだし、結局どこに逃げても見つかっていたのかもしれない。
この恐ろしい巨人たちはETEが一から生んだものなのだろうか。
それとも東京都民100万人という悪意しかない選択肢に賛意を示した投票者からETEが選抜し、巨大化処置を施したのか。
巨人たちはみな、人間を殺すことを楽しんでいるように見えた。
前回子供が出て来た時は、てっきり無邪気な子供だけが人間を襲っているものと勘違いしていたから、大人が混じっているのを見て背筋が凍ったわ……。
だって大人も普通に殺しを楽しんでるんだもの……。普通のOLっぽい巨人も普通に人間を襲ってる。
この光景で一気に絶望感が倍増した。
人間を食べるわけではないけど、どこか進撃の巨人の巨人たちを彷彿とさせるものがある。
笑顔が不気味なのと、人間たちに抵抗の術がないことが、事態の絶望感をさらに煽る。
ひたすら逃げることだけで一話終わった。
この絶望的な状況をひっくり返す何かが起こるのか。
以上、ギガント第26話のネタバレを含む感想と考察でした。
第27話に続きます。
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