GIGANT ギガント(奥浩哉の漫画)第12話涙の感想(ネタバレを含む)と考察。付き合い始めた二人。零は夢心地もそこそこに勝負に出る。

第12話 涙

第11話のおさらい

パピコは零に抱かれる夢を見て目覚めた。
なぜこんな夢を見たのかと呟き、ベッドから起き上がる。

 

零は授業中、机の下でスマホを操作してパピコに告白の返事を催促するメッセージを送っていた。

 

すみません…
こないだの返事
聞かせてもらっても
いいですか?

 

零の耳にはもはや教師の声など全く聞こえず、ただ自分の胸の鼓動だけが早鐘のように響いていた。

 

友達との帰宅途中、零はパピコからのメッセージを確認していた。

 

今日直接言うから
いつものファミレスに
来てもらっていいかな?

 

零の胸は再び高鳴り、零は緊張で表情を強張わせる。

 

友達は空を飛ぶドラゴンに向けてスマホを向けていた。

 

周りの人もスマホで写真を撮ろうとしている中で、零だけはパピコからのメッセージに釘付けになっていた。

 

零は、中島とファミレスで食べてくる、と母親に言ってパピコの元へ向かう。

 

零とパピコはいつものファミレスでテーブルを挟んで向かい合っていた。

 

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緊張しているのか、俯いて黙っている零に、パピコが話を切り出す。

 

零との関係を大事にしたいというパピコは、一度付き合ったら別れてしまうので、これまでと同様友達として付き合って欲しいと答える。

 

その答えを受け、零は涙を零してテーブルに突っ伏してしまう。
そして狼狽するパピコを前に声を上げて泣き始める

 

パピコは嗚咽を漏らしながら泣く零に、ずっと友達でいたいでしょと説得しようとする。

 

しかし零はテーブルの上に顔を伏せたまま何も答えない。

 

そんな零をじっと見つめて、パピコはさらに声をかける。
「そんなに……泣かれちゃったら……嫌いに…なっちゃう…よ…」

 

そのセリフをきっかけに零は大きな声を上げて泣き始める。

 

零の泣き声は店全体に響き渡り、パピコと零のテーブルは他の客からの注目を一身に集め始める。

 

パピコは零にかける言葉が見つからない。
そうして狼狽している間も、零の悲痛な泣き声が店内に響き渡る。

 

「わかった、わかった。」
パピコは諦めたように口にする。
「わかったよ…つきあう…つきあうよ…」

 

店の外に出た二人は互いに向き合って会話していた。

 

私はAV女優だが良いのか、というパピコに零が懸命に答える。
「ちほさん…がいいです…ちほさんが…」

第11話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

 

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第12話 涙

夢心地

スマホのアラームで起床した零。

 

昨夜のパピコとのやりとりを思い出し、夢なのかと自身に何度も問いかけるが、夢では無い事を自覚して顔を綻ばせる。

 

食卓を囲んでいる際も零の笑みは消えない。
ニヤけていて気持ち悪いと母に指摘される。

 

学校で友達と会話している際も、ニヤついていると言われ、そんなことはないと返す。

 

「そうだ……写真いっぱい撮らせてもらおう…」
授業中、零はふと思い出したように呟く。

 

それを聞いていた隣の生徒に不審者を見るような視線を向けられて零は赤面する。

 
 

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逢瀬

アキバスーパーBOOKSという店の外に置かれた看板の上部にパピコのポスターが貼られている。

 

その看板には”本日イベント開催”という文言が印刷されている。

 

パピコは水着姿でパイプ椅子に座り、パピコと同様パイプ椅子に腰かけたパピコのファンらしきメガネの若い男性と小さなテーブルを挟んで握手をしている。

 

次に、パピコは写真撮影のスペースでポーズをとり、そんなパピコをファンが一眼レフカメラで連写していく。

 

ツーショットを撮り、楽しそうな雰囲気でイベントが進んでいく。

 

零は友達の中島との食事と母に告げ、いつものファミレスまで自転車を走らせる。

 

胸を高鳴らせてファミレスに入ると、いつもの席にパピコが座っている。

 

向かい合って座り、注文した料理を食べる二人。

 

パピコは零に秋葉原でこなしてきたイベントの話をする。

 

食事を済ませ、二人は外に出る。

 

「じゃあ…ね……」

 

ぎこちなく別れの言葉を言うパピコに零は自転車で送ると申し出る。

 

零はパピコのマンションまで、荷台に横座りになったパピコを乗せた自転車を走らせる。

 
 

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零が切り出す

マンションに到着し、二人はテーブルを挟んで座っていた。

 

気まずい沈黙が流れる。

 

「付き合って………るん……ですよね…」
零は恐々と切り出す。

 

「そう……ね…」

 

パピコからの何とも言えない返事に零は二の句が継げずに黙ってしまう。

 

「こんな感じで………つきあいましょう……みたいな感じで……つきあったことないから…」

パピコは自分のどこかぎこちない態度の理由を話し始める。

 

「じゃあ…まず…」
零は顔を伏せ、顔を真っ赤にしている。
「シャ……シャワーを浴びて…来ます?」

 

「え? あ……」
驚いた表情で零を見つめるパピコ。
「うん………え?」

 
 

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明らかに動揺している様子のパピコを見ることなく、零は続ける。
「一緒に……入ります……?」

 

「……一緒に…いいよ…」
グイグイくる零に戸惑うパピコ。
「本当に?」

 

浴室に揃って入った二人。

 

浴槽のフチに腰かけた零の前にパピコが立ち、零の頭を洗っている。

 

泡が床に落ちていく。

 

零は閉じていた目をゆっくりと開き、目の前で揺れているパピコに胸を見つめる。

 

再び目を閉じた零の身体の泡をパピコが拭っていると、零の身体に変化が起きたことに気付く。
「………洗っていい?」

 
 

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パピコに問われ、零は目を開ける。
「あ……すみま……せん…」
目の前で座って自分を見上げているパピコに、はい、と答える。

 

「あっあっちょっと……」

 

「あっあっ」

 

え? と声を上げて零を見上げるパピコ。

 

「う」

 

「わっ」
零から発射されたものを顔に受け、パピコが声を上げる。

 

「すみません……すみません。」
申し訳なさそうに謝る零。

 

「だいじょうぶ。」
パピコは顔を拭いながら、全然大丈夫だよと答える。

 

それでも、すみません、と申し訳なさそうな零の頭をパピコはニコニコしながら撫でる。
「大丈夫だって――」

 
 

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結ばれる

ベッドに入った二人。

 

パピコが零に組み敷かれた状態で向かい合う。

 

震えながらキスして良いかと問う零に、パピコは微笑を湛えて、うん、と答える。

 

零はブルブル体中を震わせながら恐る恐るパピコにキスをする。
唇が離れると、零は涙を流していた。

 

その涙はパピコの顔を濡らしていく。

 

「うっ、うう。」
嗚咽を上げて泣き始める零。
「うれしい……うれしい……」

 

パピコは零の涙を顔に受け続けながら、自分と結ばれる喜びに打ち震えている零の様子を笑顔で見つめる。
そして零の首に両腕を回し、零の顔に何度もキスをしていく。

 

零は閉じた目から止めどなく涙を流し、パピコとキスを重ねていく。

 
 

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零がパピコと隙間なく密着しようと強く抱きしめる。

 

その強さにパピコは驚くが、すぐにパピコも零の背中に手を回し、零に応える。
穏やかな笑顔を浮かべるパピコ。

 

事後、零は仰向けのパピコの首に手を回し、抱き着いたままじっとしている。

 

「あーあ。私……これで捕まっちゃうな……警察に…」
天井を見つめたまま呟くパピコ。

 

「誰にも言わなけりゃ……大丈夫ですよ……」
零はパピコに抱き着いたまま言葉を返す。

 

パピコはじっと天井を見つめる。

 
 

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感想

零、おめでとう

零が羨まし過ぎる。

 

AV女優と関係を持てたことがではない。
好きで好きでしょうがない相手と結ばれたということが、だ。

 

これが初体験とか素晴らしい。フィクションなのに嫉妬してしまう。

 

しかしまぁ、行為までの流れの持っていき方がぎこちない+強引過ぎで笑ったわ。

 

おどおどしてるのにヤる気は満々っていうのが結構リアルだと思う。
いや別にそんな詳しいわけでもないけど(笑)。

 

パピコが捕まるって呟いた時、一瞬ピンとこなかった。

 

そういえば零は高校生で、パピコは成人だったわ。
男女の立場が逆だったらそれこそすぐに捕まるけど、逆の場合で捕まった例を知らないなぁ。

 

アメリカだとたまに大人の女性が未成年男子と……で、捕まった事件はあるけど……。
そういうの気にするあたり、パピコは結構真面目だと思う。
 

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しかしファミレスでの二人の会話と、その後の外での様子を見るに、このまま暫くはふわふわした状態で何となく付き合っていくのかなと思ったが、まさかその日の内にこうなるとは……。

 

パピコも捕まるような行為だと分かっていながらも零を受け入れるあたり良く言えば優しいし、悪く言えば押しに弱いよなぁ。

 

前回、パピコがしぶしぶ零の申し出を受けた様子を思うと、今回の流れはちょっと予想出来なかった。

 

パピコは当初、零に”別れてしまうから友達でいよう”と言って断ろうとした。
あまりにもナチュラルなパピコのその思考や、何より今回のパピコの”つきあいましょうみたいな感じでつきあったことないから”というセリフから、これまで彼女が受けてきた数々のヒドイ扱いが見えてきてとても悲しかったわ。

 

パピコと結ばれる嬉しさに涙を流す零を目の当たりにして、パピコは穏やかな笑みを浮かべる。
さらに零にぎゅううううっと強く抱きしめられた時、驚いたような表情になる。
これらの反応から、パピコにとって鮮烈な体験だったと窺い知ることが出来る。

どれもこれまでに受けた事の無い扱いだったに違いない。

 

零の気持ちに応えて背中に手を回したパピコの満たされた表情が印象的だった。
見開きだったし、今回はこのパピコが零を抱きしめた瞬間が最も重要なシーンと言って良い。

 

前回零に押されに押されまくってしぶしぶ付き合うことを了解したパピコが、ようやく零の想いをしっかりと受け入れ、零と向き合おうとした瞬間だった。

 
 

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パピコが危惧していた通り、男女の仲になると壊れてしまう時はとても脆い。
性を交えない純粋な友達関係の方がそうしたリスクをとらない分だけ関係が継続する可能性は高いだろう。

 

しかしもう二人は元の関係に戻ることは出来ない。

 

この物語が進む中で二人の関係が危機を迎えることがあるのだろうか。

 

それともそんな暇がないほどのSF展開が待っているのか。

 

物語自体はどう進んでいくのかも全く分からない。楽しみだ。

 

以上、ギガント第12話のネタバレを含む感想と考察でした。

 

第13話に続きます。

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