第14話 破壊神
目次
第13話のおさらい
遊園地で仲良くデートしている二人。
空にはETEの投票結果と思われる円盤が飛んでいる。
パピコのマンションに帰って来た二人はベッドで裸になって横になる。
会話はパピコの子供の頃の話になり、パピコは零が小学校6年生の頃に好きだった垣野内君に似ていると言って笑ってみせる。
足が速く絵が上手かった垣野内君だが、彼から”爆乳外人”とバカにされて泣いてしまったため、あまり良い思い出じゃない、とパピコは振り返る。
零は続けて、どんな子供だったのかと訊ねる。
零からの問いに笑顔で、ウルトラマンになりたかった、と答えるパピコ。
三人の兄に混じりウルトラマンごっこをしていたから、当時はすごくウルトラマンになりたかったのだと楽しそうに振り返る。
零の夢はずっと映画監督なのかと問われた零は、スピルバーグが『激突』を撮った歳より若くデビューし、その際は主演をやってほしいとパピコに真剣に語り出す。
驚くパピコに、零はさらに、それが実現したら結婚して欲しいと続ける。
パピコは零の告白を受けて、嬉しいけど、と前置きしたうえで、まだ若い零は今はそう思っているかもしれないけど、その気持ちはまた変わるから、と冷静に答える。
零は、変わらない、とパピコに繰り返す。
零がそう思えるうちは一緒にいる、と零を見つめながらパピコは答える。
仕事を終えたパピコはマンションに帰宅し、ベッドの上にもちと一緒に横たわっていた。
その傍らにあるスマホにはLineの履歴が表示されている。
帰って来た
(ハート)じゃあ いつもの
ファミレスに行きますはいー
気をつけてねちほさんも
気をつけて下さいねあいー
夜。零はパピコと落ち合うべく、自転車を走らせる。
いつものファミレスに着くと、ちょうどこちらに向かってくるパピコの姿が見える。
パピコもまた零の姿に気付き、笑顔で両手を広げながら零に駆け寄っていく。
「零くんっ。」
満面の笑みをたたえてパピコは零に飛びつき思いっきり抱きしめる。
第13話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。
第14話 破壊神
両親が零の彼女の存在を知る
車での移動中、パピコは笑顔を浮かべていた。
ドライバーに何故ニヤニヤしているのかと問われても何も答えず、ぬふふふ、と声を出して笑うのみ。
零とパピコが手を繋ぎながら新宿を歩いている。
誰に見られているか分からないし、小さな町だからすぐ噂が広がるので、岩神町では手を繋がない方がいいと零がつらつらと話す。
「え~~さみしい~~」
不満そうな様子を見せるパピコ。
帰宅した零に母が、また中島君と? と問いかける。
中島の母に連絡をとったところ、中島は毎日家にいると聞いたという母。
それを聞いて零は、ふぅん、とだけ答える。
母は誤魔化されることなく、これがどういうことなのかと問いかける。
リビングのソファに座る零。
その背後に立つ父と母は零に彼女が出来たことについて話し合っている。
彼女が出来たことが信じられないという母に、父は零も高校生だし普通だと答える。
まだ子供だし早くない? と食い下がる母だったが、父はそれを無視して、零に今度彼女を連れてこいと嬉しそうな表情で呼びかける。
「絶対、もう……許さない……早いよまだ。」
ブツブツと文句を言う母。
「夜 会ってたのよ毎日!! 信じらんない!!」
「過保護だよ 過保護!!」
父は母の主張に反発する。
平和な日常
学校の図書室。
零は中島からその後のパピコとの仲を問われ、普通、と答える。
その進展度合いを知らない中島は、パピコからしたら零はガキだし、監督になったら若い女優にいくらでもいけるからその時の為に童貞はとっとけ、と忠告する。
パピコの寝室。
真昼間からの行為を終えた二人はベッドに並んで横たわりながら会話している。
「土日の昼しか会えなくなってさみしいね。」
パピコの言葉に、零は息を切らせながら、いつも同じですみません、とだけ答える。
「え? 零くん飽きた?」
いえいえ! と即否定する零。
何かを思いついたパピコは起き上がると、零に、AVみたいなことしたい? と問う。
零は返事に戸惑った挙句、いえいえ、と答える。
パピコは零に、今度やりたいプレイをメールに箇条書きで書いてきて、なんでもやってあげると呼びかける。
本当ですか? でも、と煮え切らない零に、遠慮しちゃだめだよ!! とパピコ。
零が元気になっているのを見つけて、今からやる? と持ちかける。
外出中の横山田家が遭遇したのは……
「今……どこ? 六本木? 家族全員で?」
最寄りのコンビニから帰宅途中、パピコがスマホで零と会話している。
「ふーん。お父さんの映画? うん。楽しんできて…」
帰宅し、テレビをつけて一息ついていると思わず、さみしい、と天井を見上げながら呟く。
その頃、零と両親は街を歩いていた。
母はしつこく零に彼女がどこのどんな子なのかと問い詰めようとする。
零は、もういいじゃん、と誤魔化そうとするのに対し、母は、言えないような子なの? と畳みかける。
ほっといてよ、とさらに面倒くさそうに返事をする零。
お父さんも何か言ってよ、と母に発言を促された父は、ほっといてやれよ、とだけ答える。
「何それ? 自分の子供可愛くないの?」
半ば呆れたような母に、過保護なんだって、と返す父。
「まだ微妙な時期なんだろ… ほっといてやれよ……」
父の言葉に母は、ふーん、と一応納得がいったような反応を見せる。
投票結果<破壊神降臨>
零は相変わらずスマホの画面を見つめていた。
画面にはETEが映し出されている。
12月11日 広島に震度4を実現しました!!
投票ページを開く。
みんなのお願いベスト5
1.警官が乱射する(栃木)
2.漫画が無料になる
3.破壊神が東京に降臨 人口が100万人になる
4.国会 笑いが止まらない
5.アイドルが生番組で脱ぎ出す
投票が終了する。
投票結果 <破壊神が東京に降臨 人口が100万人になる>
が一位になりました。
「え?」
零はその結果を見て思わず声を上げる。
掲示板には破壊神のデザイン画がアップロードされていた。
頭部が前後で二つに割れて離れており、中心がぽっかり空いている。
上半身も前後で割れており、背中には羽がついている。
そして、右手に球状のエネルギーを浮かべている。
その、さながらサイボーグのようなデザイン画の傍らには特長が箇条書きにされていた。
身長240m
破壊ボールを投げて来る
怒るとパワーアップする
目的は東京の人口を100万人にすること
実現しますか? 10万人で実現!!
零はスマホに向かってうわ言のように、いやいやいやいや、ダメダメダメダメ、と繰り返していた。
しかし結局、零はクリックカウンターが急激に伸びていくのを見ている事しか出来ない。
見る見るうちに10万人のクリックが集まっていく。
「ウソウソウソウソ ダメだってダメ… ウソウソ」
<破壊神が東京に降臨 人口を100万人にする>
を実現します
零の様子がおかしいことを察した両親が同時に、どうしたの? と零に問いかける。
零は顔を強張らせながら周囲を窺っていた。
すると、突如空に黒く厚い雲が立ち込め、ゴロゴロという雷とともに、地響きのような音が鳴り始める。
そして次の瞬間、すさまじい轟音とともに空一面に雷が放射される。
街中にいる人間たちは零やその両親も含め、思わず頭を両手で守ろうとしていた。
その頃、部屋でテレビの前に陣取って寛いでいたパピコは、テレビが番組を中断して速報を伝えているのを目の当たりにしていた。
「これはたった今ニューヨーク支局から送られてきた映像です。」
「これは映画のワンシーンに見えますが、現実です!! 実際の映像です!!」
「たった今のニューヨークの映像です!!」
パピコはペットボトルを口元に持ち上げようとした姿勢のまま、映し出された映像を見つめている。
感想
パピコvs破壊神!?
一気にGANTZ感が出てきた!!
何だかGANTZ終盤の終末感を思い出すんだよな~。
まだ物語は序盤も序盤なんだけど(笑)。
破壊神は東京の人口を100万人にするらしい。
google検索で調べてみたけど、東京の人口は約927万人1300万人と出た。
※コメントで指摘頂いたので修正しました。
つまり約1000万1300万の人口が100万人になるというのは、10人に1人も生き残れない=ほぼ皆殺しに近いということか。
もしそんなとんでもない暴挙を遂行するような存在は、まさしく破壊神と言える。
今後の展開は、まず東京に現れた240mの超巨大な破壊神が人を殺しまくる。
そこに巨大化デバイスで同じくらいに大きくなったパピコが現れて零を、ひいては都民を守る展開になっていくって感じかな?
前回の”ウルトラマンになりたかった”という幼少期の夢が伏線になっている。
パピコが巨大化すると強くなるのは、竜二から零を守った際に判明している。
おそらくそれは、身体の大きさに比例するはずだ。
気になるのはその代償かな。
何か力を得ても、それを得たり、使ったりするのに相応の代償があることは少なくない。
代償というか、ウルトラマンの様に制限時間かもしれない。
ただ、パピコはその生活の中で、ちょいちょい2倍くらいの大きさにはなっているが、何かを失っている様子は見られない。
少なくとも現状なったことのある大きさ程度であれば何の問題もないのか。
もしくは仮に何か代償があったとしてもほとんど自覚できない程度だということか。
単純に、大きくなり過ぎると自重を支えきれないだけなのかもしれない。
いくら筋肉が発達しても、大きくなりすぎた体を支えられるほどの筋力がなければ動くことはおろか自重を支えられずに潰れるおそれがあるとか?
確か恐竜でそんな話があったような……。
パピコが巨大化して戦うとしたらその衣装は当然全裸ということになる。
巨大化したAV女優vs破壊神とか、かなりシュールな絵になりそうだ(笑)。
破壊神は240mもの大きさで、デザイン画を見る限りではどうやら羽があるようだから、巨大化したパピコは、飛び回って”破壊ボール”を投げて来るとんでもない破壊神と戦うわけだ。
どんな戦いになるのかな。今からかなり期待してる。
でかくなったパピコの防御力が気になるわ~。全裸で破壊ボールを受けても大丈夫なのかね?
でも、パピコが240mどころかもっと桁違いに大きくなれるとしたら割と簡単に倒せるのかもな……。
そういえば零はまだDVDを見ていないのかなー。
こういった状況に関する情報も多分あるはず。
どうやら零もパピコも、互いに幸せで完全にDVDの事が脳内から飛んじゃってるっぽい。
DVDの情報及び謎が明かされるのはもう少し先と覚悟した方が良さそうだ。
気になってしょうがないんだよな~。零もパピコも興味ないのだろうか(笑)。
父と母
誰かと付き合っている息子に対する反応の違いがリアルで面白い。
誰と付き合ってようが放っておけという父親と、干渉したがる母親。
もちろん一概には言えないんだけど、娘の事になった場合は立場が逆転するんだよなぁ。
ただ、この流れだと両親の命がちょっと危ない?
よりによって一緒に外出している時に、破壊神の降臨が投票により決定してしまうとは……。
もし両親が破壊神に殺された場合、話は一気にシリアスになっていく。
パピコと一緒に世界を救うことになるのかな……。
従来の怪獣モノなら両親が被害者になるというパターンは記憶する限りはなかったように思うけど、自分は決して特撮に詳しい方ではないので自信は無い。
ただ青年誌で、しかも創作しているのが奥浩哉先生だから最悪の事態は覚悟しないといけないだろう。
次号で、この漫画が超ハードなウルトラマンだと判明するのか?
それともさらに良い意味で予測不能になっていくのか?
以上、ギガント第14話のネタバレを含む感想と考察でした。
第15話に続きます。
あわせて読みたい記事。
東京の人口は1300万人な
ありがとうございます!
13,754,059人って具体的な数値が東京都のHPにありましたね。恥ずかしい。
10人に1人生き残るとかそんなレベルじゃなかったわけですね……。