GIGANT ギガント(奥浩哉の漫画)第13話将来の感想(ネタバレを含む)と考察。親密になっていく二人。パピコの子供の頃の夢はウルトラマン!?

第13話

第12話のおさらい

起床した零は、パピコと付き合うことになった昨夜のことを思い出し、夢心地になる。

 

朝食の際も母にニヤけていて気持ち悪いと指摘され、学校でも友達から同様の指摘を受ける。

 

パピコは秋葉原の書店でイベントに参加していた。

 

水着姿でパイプ椅子に座りファンと握手を交わしたり、写真を撮ったりと仕事をこなしていく。

 

その夜、零は友達との食事という理由で、自転車を駆っていつものファミレスに向かう。

 

いつもの席で零はパピコと会話しながら食事をする。

 

食事を済ませ、帰ろうとするパピコに零が自転車で送ると申し出る。

 

マンションに到着し、テーブルを挟んで座る二人。

 

気まずい沈黙が流れる中、零はおずおずと今自分たちは付き合っている、と確認する。

 

パピコはぎこちない様子で、こんな感じでつきあったことない、と言い、自分の態度がどこかぎこちない理由を話す。

 

零は顔を伏せ、顔を真っ赤にしながら唐突にパピコにシャワーを勧める。

 

明らかにパピコが動揺しているのにも気付かず、零は一緒に入ります? と問いかける。

 

二人は浴室に揃って入り、零はパピコに頭を洗ってもらう。

 

零の身体の変化に気付き、そこを洗うパピコ。

 

零は早々に達してしまい、申し訳なさそうに謝る。

 

パピコは、大丈夫、と元気づけ、零の頭をニコニコしながら撫でる。

 

二人はベッドに入る。

 

パピコと結ばれる喜びに震える零。

 

零の涙を顔に受け、パピコは零を笑顔で見つめる。

 

パピコは零にぎゅっと抱きしめられて驚く。

 

しかしすぐにパピコも零に応えるようにその背中に手を回し、穏やかな笑顔を浮かべる。

 

事後、抱き合ったままの二人。

 

「あーあ。私……これで捕まっちゃうな……警察に…」
パピコは天井を見上げながらぽつりと呟く。

 

「誰にも言わなけりゃ……大丈夫ですよ……」

 

零の言葉を聞きながら、パピコは天井をじっと見上げ続ける。。

第12話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。

 

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第13話 将来

デート

遊園地。

 

零がトイレから戻りパピコ合流する。

 

二人仲良く恋人繋ぎで歩いていると、空に円盤が飛んでいる。

 

「あれ…ホラ………またあのサイト。」
円盤に向けて指を差す零。

 

「おー…UFO…」
零の指差す方向にある円盤を見ながらパピコが呟く。

 

しかし、周りの客は円盤に見向きもしない。

 

遊園地のアトラクションを楽しむ二人。

 

映画を観て、その帰り登りのエスカレーターに乗る。

 

パピコは零よりも二段上に乗り、零に振り向いてその頭を撫でている。

 

「やめてください…」
そう呟きながらもなすがままの零。

 

 

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親密になっていく二人

パピコのマンションに帰って来た二人は揃って風呂に入る。

 

浴槽に浸かりながら互いに笑顔で見合って、やはり両手で恋人繋ぎをする。

 

二人は裸になってベッドに横になっていた。

 

零は巨大がしたパピコに包まれるように抱かれている。

「ちほさん………って……ずっと、ショートなんですか?」

 

零の問いかけにパピコは5歳の時に広末涼子に憧れて、と答える。

 

広末涼子? と零。

 

パピコは、母に髪を切ってもらったが、ちびまるこちゃんのようなおかっぱになってしまい仕上がりは広末涼子からは程遠かったと続ける。

 

「昔はすごい人気だったらしいですね。広末涼子。」

 

 

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零の言葉の後、パピコは、思い出した、と呟き、零が小学校6年生の頃好きだった垣野内君に似ていると言って笑う。

 

零は、嬉しいな、と喜び、垣野内君がどんな男の子だったのかと問いかける。

 

自分より背が小さく、足が速くて絵が上手かったと答えるパピコ。
そして、その当時は今よりもメンタルが弱く、垣野内君から”爆乳外人”と呼ばれてクラスの皆の前で号泣してしまったため、あまり良い思い出じゃない、と締める。

 

零はその話をそれ以上掘らず、小さい頃のアルバムはないのかと訊ねる。

 

実家に置いてあるから今度持って来るとパピコ。

 

「ちほさんって……どんな子供だったんですか?」

 

零からの問いにパピコは笑顔を浮かべる。
「ウルトラマンになりたかった。」

 

 

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零の、プリキュアとかじゃなくて? という問いに、パピコは三人の兄に混じってウルトラマンごっこばかりしていたから、と答える。
「ウルトラマン………あの頃はすっごくなりたかったみたい…」

 

ちほさんっぽくていいですね、と零。

 

「零君はずっと前から……夢は、映画監督なの?」

 

パピコからの問いかけに零は暫し考える。
「20代で、スピルバーグが『激突』を撮った歳より……若くデビューして、」
零はパピコをじっと見つめる。
「そしたら……ちほさん……主演やってくれませんか?」

 

「えぇえー?」
驚きの声を上げるパピコ。

 

 

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「で…で……そしたら……」
巨大化したパピコが零をじっと見つめている。
「け……結婚して……下さい…」

 

「………」
暫し無言で零を見つめ続けるパピコ。

 

「………」
零は不安そうにパピコを見つめる。
「ダメ……ですか?」

 

「嬉しいけど……」
零を抱いたままパピコは身体を起こしてベッドに座る。
「まあ……きみはまだ若いから…今は…そんな感じかもしれないけど…また…変わるから…」

 

「変わらない…」
パピコをじっと見つめる零。
「変わらないよ…」
パピコの胸に頬をつけ、変わらない、と続ける。

 

零を見つめながらパピコが答える。
「きみがそう思えるうちは…一緒にいるよ…」

 

 

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恋人のいる日常

学校。

 

友達の中島が突如、映画プロデューサーになる、と宣言する。

 

まじ? と返した零に、中島が答える。
「そしたら吉岡里帆に近づけるじゃん。映画プロデューサーだったら結婚も夢じゃないだろ。」
真剣な表情の中島。
「どうやったらプロデューサーになれるか親父に聞いてきてよ。」

 

「うーん、聞いとくー。」
興味無さそうな様子の零。

 

 

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仕事を終えたパピコは帰りの車の中でドライバーから、彼氏が帰って来たかと問われる。

 

パピコはスマホを操作しながら、今度紹介する、とだけ答える。

 

新しい彼氏でも出来た? とドライバー。

 

パピコがマンションのベッドの上にもちと一緒に横たわっている。

 

その傍らに置かれたスマホにはLineのやりとりが表示されている。

 

帰って来た
(ハート)

じゃあ いつもの
ファミレスに行きます

はいー
気をつけてね

ちほさんも
気をつけて下さいね

あいー

 

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家を出た零は夜の街を自転車で走る。

 

懸命に漕いだ末に辿り着いたのはパピコと何度も来たファミレスだった。

 

駐輪場に自転車を置くと、すぐにパピコの姿が遠くに見える。

「あ………」

 

零の姿に気付いたのか、遠くから走ってくるパピコ。
「零くんっ。」
両手を広げながら笑顔で零に駆け寄っていく。

 

パピコは零に飛びつき思いっきり抱きしめる。

その表情は満面の笑みが浮かんでいる。

 

 

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感想

嫉妬するくらいの二人の仲……

何て幸せそうな二人なのか……。ため息が出る。

 

「うんうん、付き合ったばかりの頃ってこんな感じだよねー」ってしたり顔で言いたい。
でもそれは嘘になる。自分はこんな雰囲気になったことない。嫉妬するわ。

 

本当に幸せそうな二人だ。最後のコマなんて、このままエンディングでもおかしくないくらい。
それだとSF要素は何だったの? という話だけどそれもまたシュールで面白いかもね。

 

パピコは自分がAV女優であること、これまで付き合ってと言われて付き合った経験が無かったこと、そして何より、付き合ったらいつかは別れてしまうことなどから零と付き合うことにはあまり乗り気ではなかった。

 

 

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それを零が公衆の面前で泣くことで、言わば押し切る形で運よくパピコのOKを勝ち取り、前回結ばれたことでパピコの気持ちはそれ以前よりは零と付き合うことに前向きになっていった。

 

そして今回、ようやく二人は本当に恋人らしい関係になったと言える。
二人の醸し出す親密さは恋人のそれに間違いないだろう。

 

零の気持ちは変わっていない。変わったのはパピコの零を受け入れる姿勢だ。

 

零に付き合ってと言われた時に感じた様々な懸念は零と結ばれた後も依然、パピコの内で健在だっただろう。
しかし零と一緒の時間を過ごす内に徐々にその戸惑いも氷解し、ついに今回の話で吹っ切れたように見える。

 

 

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これまでに知ったパピコの恵まれない境遇を振り返る

ここまでの話で、パピコはこれまであまり恵まれた境遇には無かったことが分かる。

 

今回の話で知った小学生の頃に好きだったという鴨志田君の思い出も、彼から”爆乳外人”というヒドイ罵倒の言葉を浴びせられたという決して良くはないものだった。

 

親兄弟は揃ってパピコがAVで身を削って働いているお金に頼り切って生きているどうしようもない人たち。

 

友達、というか知り合いも、パピコをAV女優として利用しようとしているロクでもない奴らばかり。

 

おまけに付き合っている彼氏はパピコにDVしまくりで働かずにパチンコ行ってばかりのクズ。

 

パピコの周りにいる人間全てが、パピコから何かを奪おうとしている奴らのように見える。

 

 

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パピコにとって唯一の救いとして描写されていたスウェーデン人のお父さんの関してももう他界している。

 

ペットのもち以外には孤立無援といってよい状況の中、それでもたくましく生きてきたパピコに、ようやく零という安心して付き合える人間が現れた。

 

自主的にパピコを中傷するビラを剥がし、自分の仕事のファンだと言ってくれる零の存在はパピコにとってはあまりにも得難いものだった。

 

だからこそ付き合って欲しいと言われた時、このままの関係を一生続けていきたいから一度は断った。

 

結局、周りの目を気にせず大声を上げて泣く零に押し切られる形で付き合うことになるが、今回の話、パピコのラストの表情から、ついに不幸一辺倒の人生から一歩抜け出したといってよいだろう。

 

 

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ウルトラマン

零にどんな子供だった? と問われ、まず出てきた答えが”ウルトラマンになりたかった”。

 

割とマジでなりたかったんだろうな。

 

三人の兄と一緒にウルトラマンごっとで遊んでいる内になりたくなったという、パピコのウルトラマンの夢は、実は既に実現している。

 

未来から来たオジサンによって埋め込まれた巨大化装置はまさにウルトラマンになる装置といって良いだろう。

 

零は映画監督としてパピコを主役として映画を撮りたいと言ったが、CGなしでド迫力の映像表現が可能になるなぁ。

 

今回のパピコが語ったウルトラマンが子供の頃の夢だったという事実から、色々と繋がってきた気がする。

 

 

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巨大化したパピコはおそらく強い。
竜二との戦いで、巨大化すると耐久力も増している描写が読み取れる。

 

零が竜二に殴られているのを止める為に巨大化したパピコは、竜二の胴を両手で掴み上げる。

 

その際、竜二は全力でパピコの両手に何度も拳を振り下ろすが、パピコは何の痛痒も感じていないように見えた。
これはつまり、大きくなると相応に体も強くなるということだと思う。

 

身体が大きくなる場合、重くなった身体を支える為に筋力もアップしていなくてはならない。

 

おそらく腕の装置による巨大化は、きちんと巨大化した体を支える為に必要な筋力の強化を実現している。

 

まだパピコは精々4~5Mくらいの大きさにまでしかなっていないが、おそらくもっと大きくなればそれに比例して強くなるのではないか。

 

 

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ひょっとしたら限界はあるかもしれない。

 

巨大化した体に筋力が追いつかない分岐点があって、大きくなり過ぎたら全然身体が動かせなくなるとか、あるいはその場合、行動に時間制限があるとか、新しい事実が出て来るかも。

 

無制限に体が大きくできて、しかしリスクが一切ないというチート能力の可能性ももちろんある。
むしろ個人的にはそっちであって欲しい。

 

これまでの漫画だと大概リスクが付きものなんだけど、ノーリスクで巨大化能力が使えるという設定でも要は展開次第だと思う。

 

 

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まだ世界に異変が起こり始めているだけであり、パピコと零が一体どんな運命に巻き込まれていくのかという話は全く見えない。

 

ただ、そろそろ何かが起こると思う。今回で零とパピコの幸せが描かれた以上、それをぶち壊そうとする”何か”が現れるはずだ。

 

しかし零は全然DVDチェックしてないな……。
自分が零の立場なら気になって徹夜でチェックするんだけど……。

 

早くDVDの中で語られているオジサンの謎を知りたい。

 

オジサンは本当にAIの反乱を止める為に来たのか?

 

その方法は何なのか。パピコに託した役目とは何なのか。

 

どんな展開になるのか楽しみだ。

 

以上、ギガント第13話のネタバレを含む感想と考察でした。

 

第14話に続きます。

 

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