第15話 六本木降臨
第14話のおさらい
パピコと零は恋人同士、幸せな日々を過ごしていた。
ある日、これまで中島に会うと言ってパピコに会ってきた零はそれが母にバレてしまい、どんな彼女なのかと問い詰められることに。
高校生だし普通だと父は答えるが、母は、まだ子供だし早くない? と食い下がる。
ある日、零は両親と一緒に、父親の映画を観に行くために六本木に出かけていた。
その報告を受け、さみしいと、と天井を見上げるパピコ。
零にしつこく彼女について聞き出そうとする母に、零は、ほっといてよ、とに面倒くさそうに返事を返していた。
母に考慮し、零とパピコは土日の昼にのみ会うことに。
この件に関して母に発言を促された父は、ほっといてやれ、と言うのみ。
そうして家族全員で六本木の街を歩きながら、零は相変わらずスマホの画面を見つめていた。
画面にはETEが映し出されている。
投票ページを開くといつものように5つの願い事が表示される。
みんなのお願いベスト5
1.警官が乱射する(栃木)
2.漫画が無料になる
3.破壊神が東京に降臨 人口が100万人になる
4.国会 笑いが止まらない
5.アイドルが生番組で脱ぎ出す
投票は、破壊神が東京に降臨 人口が100万人になる、が1位に決定する。
その結果を見て驚きの声を上げる零。
さらに、掲示板には既に破壊神のデザイン画がアップロードされている。
背中に羽のついた人型サイボーグが、右手に球状のエネルギーを浮かべている。
その、デザイン画の傍らには特長が箇条書きがある。
身長240m
破壊ボールを投げて来る
怒るとパワーアップする
目的は東京の人口を100万人にすること
10万人の投票が開始され、カウンタが回ってく。
零はただただスマホに向かってうわ言のように、ダメと繰り返すのみで、見る見るうちに10万人の署名が集まっていく。
零は、<破壊神が東京に降臨 人口を100万人にする>が実現することになったという結果を固唾を飲んで見守っていた。
そんな零の様子がおかしいことを察した両親は、零にどうしたのかと問いかける。
零が周囲を見回していると、突如空に黒く厚い雲が立ち込め始める。
そして、低く鳴っているゴロゴロという音とともに、地響きが鳴り始める。
そして次の瞬間、轟音とともに暗雲をバックに空一杯に雷が放射される。
その頃パピコは、何となく眺めていたテレビ番組が番組を中断して速報を伝えているのを目の当たりにしていた。
「これはたった今ニューヨーク支局から送られてきた映像です。」
「これは映画のワンシーンに見えますが、現実です!! 実際の映像です!!」
「たった今のニューヨークの映像です!!」
パピコはテレビに映し出された映像を眺める。
第14話の詳細は上記リンクをクリックしてくださいね。
第15話 六本木降臨
破壊神
東京の、暗雲立ち込める空に稲妻が走る。
長く、何度も激しく鳴った後、ゴロゴロと一旦落ち着く。
街の人達は異様な雷に戸惑いを見せつつも、雷がひとまず落ち着いたことにホッとした様子を見せる。
両親と共に六本木に来ていた零は、ETEによる投票結果とこの雷には関連を感じていた。
雷が鳴り終わったことに安堵した様子の両親を尻目に、いや、と零は終わったことを否定する。
「やだ…怖い…」
空を見つめて顔を強張らせる母。
父も固唾を飲んで空を凝視する。
「あっ」
空に何かを発見した零は絶望に顔を歪める。
「ああ」
街中の人々は皆一様に空を見上げている。
横山田一家を始め、多くの人達は、突如として遥か天空から降りてきた巨大な人間の足に目が釘付けになっていた。
「あれ。」
歩道に立ち止まり空を見上げている歩行者が、空から降りて来る巨大な足を指さす。
地響き伴い、巨大な足は地表に到達しようとしていた。
その光景をスマホで撮影する人たちもいる。
巨大な足の持ち主――破壊神はついに着地する。
それと同時に地表を揺らすほどの激しい振動が人々を襲う。
破壊神は右、左、と簡単に辺りを確認したあと、定めて確固とした歩調で歩き始める。
「すっ…げ……」
破壊神を見上げて、呆然と呟く父。
父は、スマホでムービーを撮る、と母の手を引いて駆け出し始める。
「駄目だってば!!」
二人を追う零。
焦燥のパピコ
パピコは自室でテレビを見ていた。
番組のナレーターはニューヨークからの速報の途中、六本木にも巨人が姿を現したと伝えている。
零が両親とともに六本木に行ったことを知っているパピコは、零が心配なあまり、零にスマホから通話を飛ばす。しかし零は電話を受けない。ただただ呼び出し音だけが虚しく鳴るのみ。
「こちらがニューヨークの映像です!!」
パピコの前にあるテレビに映し出された映像は、ニューヨークのマンハッタンに降り立ったマシュマロマンを模したような怪物と、それと戦おうとしている奇妙な恰好をした巨大な白人のおっさんだった。口元には白いひげが目立っている。
背景のニューヨークの街並みではそこここで黒煙が上がっていた。
「六本木でも今からこのような異様な惨状が始まるのでしょうか!?」
パピコは電話で呼び出し続ける。しかし零は一向に電話に出ない。
破壊神は何か目指す場所でもあるかのように迷いなく進んでいく。
それを追いかける人々の中に父、母、零の姿もある。
パピコは不安な表情で零の電話を鳴らし続ける。
感想
デカイ
とにかくデカイ!!!!!
これは絶望的な光景だわ。とにかくデカすぎ。
こんなのが単純にただそこらを歩き回るだけでも甚大な被害だろうな……。
降臨した破壊神は街中に立ってしまったのだろうか。もしそうなら既にその足元では相当な犠牲者が出ているだろう。
この大きさはとんでもない凶器だ。
だというのに、この上この破壊神の特徴である、”破壊ボール”を投げるとか……。
果たして東京の人口は100万人も残るのか?
破壊神を見て逃げる事よりもその姿を撮ろうとするお父さんはさすがだわ。
映画プロデューサーなんて常に面白いものを求めているだろうし、破壊神を無視して逃げるなんて出来ないよなぁ。
撮影すると言っても、破壊神が実際に破壊活動を起こすまでなんだろうけど。
世界各国に?
アメリカでも”生々しいマシュマロマン”といった風情の巨大な怪物が降臨していたけど、驚きなのはそれと相対していた存在。
ヘルメットを被り、ブーメランパンツ姿にランドセルを背負ったその姿は、パピコに巨大化デバイスを託して人形になってしまったおじさんとほぼ同じ格好だ。
違うのは着用しているシャツやパンツがアメリカ国旗のデザインをあしらっていること、そしておじさんが白人であることくらい。
服が破れてないのは未来の素材だからかな? もしくは身に着けているモノも体の縮尺に合わせるような操作が出来るのか。
パピコが巨大化した時は服が破れていたわけだから、服自体か巨大化能力のいずれかに何かしら特別な処置があるはずだ。
アメリカでも日本と同様の現象が起こっているのかな? ETE的なサイトがあって、日々不思議な現象が起きていたとか?
おじさんと同じように、AIの暴走を止める為といういきさつで未来からやってきた?
そもそも日本やアメリカに限らず、他の国でもこれが起こるのかもしれない。
未来人は一体何人現代に来ているんだろう。
やはりパピコがおじさんによって右腕に付けられた巨大化デバイスは、自分の代わりを務めてもらう為に託したということで確定ってことでいいみたい。
おじさんは人形になる前に、あとお願いします、と言った。
それは戦うのに限らない。AIの暴走を止めることが大目標ってことかな。
家族総出で六本木に向かった零が心配なパピコ。
連絡がとれずに不安な表情でこの話は終わる。
AV女優が巨大化!?
次回はいよいよ破壊神が東京の街を破壊する!?
そして零と連絡がとれないパピコはテレビの中のアメリカでの戦いの映像から、自分も大きくなれることに気付き、ウルトラマンに憧れていたこともあって巨大化してた戦うことを決意する、という感じかな。
一体どうなるんだろう。パピコに限らず、もう世界に以前までの日常生活は戻らない感じがするんだけど……。きっと怪物から壊滅的な被害を受けるから。
しかしAV女優が巨大化して戦うとか発想がヤバ過ぎです奥先生。いや、この展開は予想に過ぎず、まだ確実ではないけど、ここまでの予想に過ぎないけど、多分合ってると思う。
なぜAV女優を正体不明の怪物と戦わせようというのか(笑)。
特別な服か、もしくは操作方法がわかっていない状態だから、巨大化して戦うにしてもその恰好は全裸ということになる。
破壊神 vs 全裸の激カワAv女優。
なんてシュールな構図なんだろう。
とりあえず早くその光景が見たい。人々の反応はどうなのか。
以上、ギガント第15話のネタバレを含む感想と考察でした。
次回に続きます。
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