アンダーニンジャ第5話忍者になりたいボーイと出会う男に絡まれがちガールの感想(ネタバレを含む)と考察。練馬区を徘徊する謎の外国人が受けた危険な指示。

第5話 忍者になりたいボーイと出会う男に絡まれがちガール

第4話のおさらい

練馬区役所のお客様相談コーナーにやってきた謎の外国人は、やる気のなさそうな職員に、忍者がどこにいるのかと尋ねる。

 

職員は外国人をあしらうように、忍者はどこにでもいる、と答える。

 

驚く外国人を、日本のことわざに『石を投げれば忍者に当たる』と揶揄い続ける職員。

 

外国人は真面目に、忍者がどこにいるのかと問い続ける。

 

職員は、ことわざには続きがあると説明を始める。
「『石を投げれば忍者に当たる 誰に当たったかはわからない』」

「どこにでもいるが誰もわからない それが忍者です」

「あなたみたいな忍者姿の忍者なんてこの日本にはいませんよ」

 

お客様相談コーナーを後にした外国人は、ぶつぶつと呟きながら区役所の窓際に歩いていく。

 

「(どこにでもいてどこにもいない なんて哲学的な存在なんだ)」
練馬区役所区の高層から街を見下ろす。
「(私は忍者になりたい)」

 

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大野は川戸の元に乗り込み、ビールを飲んだのはあんただろ、と追求していた。

 

しらばっくれる川戸に、大野は、これが動かぬ証拠、と空のビール缶の底にマジックで書いてあった”大野”という文字を指で差す。

 

川戸は、”大野”はキャバ嬢時代の源氏名、大野を面倒くさそうにあしらう。

 

誤魔化そうとしてくる川戸に対して、大野は追及の手を緩めない。
「こっちは窃盗罪で警察沙汰にしてもいいんだぞ!」

 

「へぇ~警察? 丁度いいや あんたがパンツ盗んだことも言えるし」

 

途端に大野は、それは私ではない、と焦りの表情を浮かべる。

 

「ぬれぎぬだっ!! 私はパンツは盗んでないっ!!!」
額に汗を浮かべて自身の無罪を主張する大野。

 

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「『は』? 『パンツは』ってどーいうこと?」

 

大野は、ああっもうっ!! と外に飛び出す。
「初日に仕事遅刻してしまうっ!! 失敬っ!!!」

 

川戸は、昨日は九郎の部屋で飲んでた記憶を思い出そうとするが、まあいいか、と、思考を放棄して再び寝ようとしていた。

 

外国人は、忍者を求めて練馬の街をさまよっていた。

 

疲れて路上にしゃがむと、ふと目の前の電柱の下の普段目につかないような部分に、鳥居のマークがある事に気付く。

 

それを忍者の暗号だと勘違いした外国人は、さらに周囲を見回して、気になるものを発見する。

 


ここに小便をするな
粗末な竿を切り落とす

 

それは立ち小便禁止の貼り紙だった。

前回第4話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

 

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第5話 忍者になりたいボーイと出会う男に絡まれがちガール

忍者になりたい外国人は、練馬の住宅街で、壁に貼られた立小便禁止の貼り紙をスマホで撮影し、どこかに電話をかけていた。

 

電話を受けた男は無精ヒゲを生やし、帽子を被った外国人だった。

 

仕事でドイツにいるというヒゲの男は、君から連絡があるのは珍しい、忍者に会えたか? と人がまばらに歩いている通りを歩きながら、フレンドリーに会話を進めて行く。

 

そして、キミが抜けて忙しいんだ、と言って、用件を確認する。

 

漢字が分かるかと聞かれたらしいヒゲの男は、7年日本にいたから分かると答え、忍者志望にデータを送らせる。

 


ここに小便をするな
粗末な竿を切り落とす

 

それを見たヒゲの男はこれが忍者のメッセージだ、と笑う。

 

 

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そして、首に刺青のある男とすれ違おうとした瞬間、ヒゲの男の右手の甲が刺青の男の体に軽くぶつかる。
おっと失礼、と謝ったあと、ヒゲの男はその場に立ち止まっていた。

 

ヒゲの男は、受けとった画像に写った漢字の意味を「壁に小便する男の○○○を切れ」ということだと説明する。
「たぶん 2、3本切れば忍者とのコンタクトが取れるだろう」

 

「いや キミのためならお安い御用だ」

 

「仕事も終わったしね」
そして、おもむろに右手から薄い手袋を取ると、それをゴミ箱に投げ入れる。
「キミが世界最大の暗殺組織に潜入できれば我々にとっても有益だからね」

 

 

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ヒゲの男とすれ違った刺青の男の鼻から突如、大量の鼻血が流れ落ちる。
男は何が起きているか分からない様子で、地面に膝を落として手をつく。
そして、まもなく男は体を地面に横たえるのだった。

 

ヒゲの男と忍者志望の外国人との通話は続く。
「それまではキミの娘を預かっておくよ」

 

「乳児は人間爆弾 薬物の輸送 臓器売買 売春 色々使えるからね」

 

通話を終えた忍者志望の外国人は、男の局部を三本切れば忍者になれると理解していた。

 

被っていたフードを上げ、マスクもとる。
(忍者になれば 娘を救える)
その表情は静かで、しかし確固たる決意に満ちている。

 

 

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やる気が起きない九郎

九郎は自室の畳の下のスペースで仰向けに横たわっていた。
足元に置いたテレビに『終』の文字が浮かんでいる。

 

(『ロードオブザリング エクステンデッドエディション』全部観終わっちゃった……)

 

畳を上げ、ドアを開けて部屋の外に出る。

 

そして廊下に耳をつける。
(………うん このアパートに俺しか居ない)

 

(…ん? いや 寝たきりの大家さんの途切れがちの呼吸音だけだな)

 

九郎は裸足で外階段を降り、フードを被りながらアパートと隣の民家の壁の間を歩いていく。

 

パートと隣家の壁に挟まれたスペースが途切れた先には電車の線路がある。

 

九郎はおもむろにアパートの壁に足をかけると、壁を蹴って今度は素早く隣家の壁に飛びつく。

 

隣家の壁、アパートの壁、と連続で蹴りながら上に登っていき、とうとう隣家の屋根の軒先を掴む。

 

そしてそのまま、線路のある方向を高所からじっと遠くを見つめる。
(……学校 とても行きたくないなぁ)

 

そして九郎は屋根の軒先から手を離し、地面に着地する。

 

 

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絡まれる川戸

車から降りた川戸。

 

アパートまで送るという申し出を、コンビニに寄ると言って笑顔で断る。

 

コンビニで買い物をした川戸は、口笛を吹きながら帰路についていた。
(エビスビール 大野さんにあげるかぁ)

 

川戸の進行方向で、壁に向かって立ちションしているハゲオヤジがいる。

 

「おい姉ちゃん 何見てんだよ?」
ハゲオヤジは川戸を見つめながら続ける。
「人の○○○ジロジロ見てヘンタイかぁ そんなに見たいなら」

 

「ハゲ」
冷たい表情で川戸が呟く。

 

ケンカ売ってんのか? とさらに絡んでくるハゲオヤジに、川戸はただただハゲ、と一言返すのみ。

 

ぶっかけるぞ、と言われてもハゲ、ボキャブラリー少ねえなあ、と言われてもハゲと冷たく返す川戸。

 

「くっ」
ハゲオヤジはついには、何も言い返せなくなってしまう。

 

そんなハゲに向かって、川戸は冷たい目で見つめながら、中指を立てるのだった。

 

 

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川戸は再び歩き始める。
(あームカツク ビールひとりで飲もっと)
すると、忍者志望の外国人とすれ違う。

 

(おっ外国人)
すれ違ったあと、思わず振り返る川戸。

 

犯罪者の大野さん

アパートの自室で、大野さんは遠くに聞こえるパトカーのサイレンを聞きながら自分がなぜ不安になっているのかと自問自答していた。

 

(不肖大野 真面目一筋で生きてきた男! 天地神明に誓ってパンツは盗んでいない!!)

 

シャツのボタンを外し、胸を出す。
そこにはブラジャーが装着されていた。

 

(しかしながら彼女(川戸)のブラジャーはなぜか着ている……人生って不思議なものだなぁ)

 

突然押し入れの戸が開き、中から九郎が顔を出す。
「大野さん なんで川戸さんのブラジャーつけてるんですか? 酒でも飲みながら詳しく聞かせてください」

 

「わあっ!!!」
大野は大声を上げて驚きながら、シャツで胸を隠す。

 

 

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感想

忍者志望の外国人の事情

前回から出てきている忍者になりたいというこの外国人は一体何者なんだろう、という疑問が少し解けてきた。喋っている言語から、彼はロシア人っぽい。
どうやら忍者志望の外国人にはどうしても忍者にならなくてはならない事情があったようだ。

 

彼は忍者に憧れて、純粋な気持ちで日本にやってきたのかなと思っていた。でも単なる忍者への憧れなどで日本に観光に来ていたわけでははなく、娘を救うためという非常に切羽詰まった状況下にいたのか……。

 

そうなると、前回、役所で冷たくあしらわれていたのが余計に残酷に感じるなぁ。

 

どうやら7年日本にいたという男に、娘を人質にとられているようだ。
その男はすれ違いざまにターゲットを仕留めたことから、どうやら本当にヤバイ奴らしい。
しかし忍者志望の男もまた、彼と同じ組織に属していたようだ。よって益々忍者志望の外国人もタダ者ではないということになる。

 

 

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男の言った”世界最大の暗殺組織”とは、日本にあるという忍者の組織のことか。

 

忍者志望の外国人は、その男に立ち小便禁止の貼り紙や電柱の下に描かれた鳥居のマークの写真を送った。

 

その結果、壁に立ちションする男のモノを2、3本切れば忍者にコンタクトできるという指示を受ける。

 

これを見事に真に受けちゃってるっぽいなぁ。

 

3本切れば忍者になれる、とかマジで信じてて怖い。
確かに刑犯罪を犯す男は悪いよ。でもそれで切り落とされるなんてさすがに同情するわ。

 

実行したら犯罪者として警察から追われるだけだろう。

 

ただ、本人は心から信じてそれを行うことで、奇跡が起こるのかも……。

 

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なんだか、芥川龍之介の短編である「仙人」という話を思い出すなぁ。

 

ある、仙人になりたいという男が、仙人にしてやると言う奉公先の主人とその妻に何重年もの間こき使われるんだけど、最終的に仙人になってしまうという話。

 

ラストシーンでは、主人の妻が仙人なる方法を授けると言って、庭の木に登らせる。
そして、ある程度高く登ったところで、片手ずつ離させるよう男に指示するのだ。

 

当然その指示に従うと木の中腹で両手を離すことになり、男は転落してしまう。

 

しかしこの指示に従えば仙人になれる! と信じて疑わない男は、その指示通りに手を離していく。
そして木から落ちそうになったその瞬間、見事に空中に制止するのだ。

 

男は、おかげで仙人になれた、と礼を言いながら天に昇っていく。

 

 

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この忍者志望の外国人に関しても、こんな感じに忍者への道を切り開きそうな雰囲気を感じるんだよなー。

 

というか、そういう事情があるならぜひ忍者になって欲しい。

 

今のところ、主人公である九郎とこの外国人がこの先どう絡んでいくのかは分からない。

 

見事、忍者組織に入った外国人が、九郎と一緒に仕事をこなす?
外国人が娘を人質に取られているという事情に九郎が同情して救いに行く?

 

それとも、敵同士になるとか? 今のところ、それが一番現実味を感じるかもしれない。

 

 

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川戸さんと大野さん

川戸さんかわいいなー。

 

花沢先生の描くショートカットの女の子はかわいい。
いや、川戸さんの髪型はボブカットっていうのかな?
多分、先生は女性の髪型は長めよりも短めの方が好きなんじゃないかな、と読んでいて感じる。

 

アイアムアヒーローでも小田さんはもちろん、ヒロミちゃんが本格的に英雄にデレ始めるのが髪を短くしてからだったし……、いや、それは偶然か。

 

川戸さんみたいにかわいい人、大野さんも気になって当然だろうな。
そりゃブラジャーも盗む――いやいやそれはダメだろ(笑)。

 

大野さんは世渡りが下手でうだつが上がらないだけで、ダメなようで基本的にはまともな人なのかなと思っていた。
けど、やっぱダメな人だったかー(笑)。

 

顔の作りや初登場時の印象から、素直に判断すれば良かった。

 

 

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前回、大野さんはビールを飲んだことを川戸さんに詰め寄っていた際、逆に川戸さんからパンツがなくなったことを指摘されて狼狽えていた。

 

大野さんは全力で自分がパンツ泥棒であることを強く否定した。
実際、パンツは盗んでいなかったわけだけど、ブラジャーはきちんと装備していたのか……(笑)。

 

これはダメ過ぎるだろ。

 

でも川戸さんはそんな大野さんを最後まで詰めることなく、軽くあしらっていた。
今回も大野さんにビールを渡そうと考えるあたり、おそらくはキャバクラ等の水商売という職業柄、こういった手合いに慣れているのもあるけど、優しいし大物感もあると思った。

 

立ちションハゲに絡まれても顔色一つ変えず、ハゲと連呼してやりこめたあと、表情を変えずに中指を立ててみせる。

 

 

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こんな強い人が誰かにデレることなんてあるのだろうか。
この漫画が進むにつれてキャラの人間関係も広がっていく。
川戸さんがデレるような男に出会う、そんな光景を見たいような、見たくないようなそんな複雑な気分。

 

少なくとも九郎とはそんな関係にはならないんだろうな。強い姉と奴隷の弟みたいな感じだから。

 

次号はどうなるんだろう。いよいよ九郎が学校への潜入任務を開始するのか?

 

忍者志望の外国人が切り落とす犯行を重ねるのか?

 

どうやらアンダーニンジャは基本的に隔週で連載していくようだ。
次号は二週間後。楽しみに待つとしよう。

 

以上、アンダーニンジャ第5話のネタバレを含む感想と考察でした。

 

第6話に続きます。

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