アンダーニンジャ第1話下忍はつらいよの感想(ネタバレを含む)と考察。忍者が存在する現代。下忍・雲隠九郎は新しい仕事を得る。

第1話 下忍はつらいよ

忍者による鮮やかな暗殺

現代。

 

紛争の最前線で銃を携えた部隊によって建物の制圧が行われていた。

 

英語で声を掛け合いながら、建物の奥の扉を開け部隊が突入していく。

 

部屋の奥にいる人物に向けて部隊が銃を突きつける。

 

しかし椅子に腰かけていた人物は携帯電話を持った手の親指を鋭利な刃物で切断され、さらに鼻から上も同じく切られて失っており、事切れていた。

 

その様子を見て突入した部隊の隊員たちは戸惑う。

 

戸惑っている一人の隊員に向けて一人の隊員が、この手口が爆弾によるものではなく刀であると説明する。

 

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さらにその隊員は、携帯で応援を呼ぼうとしていたであろう男の指を切断していったその仕事ぶりを見る。
「Nobody else can do this but “ninja”(こんなことができるのはニンジャ以外いない)」
そして、机の上に折り紙があることを指摘すると、自分たち制圧組に出来ることはもう済んでいるのだと続ける。

 

「ninja wanted to see them for real(ニンジャか 会いたかった)」

 

その他の隊員による悪口に、ニンジャに会わなかったことを感謝しろと答える。
「Are you kidding me? you wanna die?(バカ言うな 会った時は俺達が死ぬときだ。)」

 

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忍者が日常に息づいているパラレル世界

第二次大戦終結時においてマッカーサー率いるGHQがまず着手したのは戦時中に自分たちを悩ませたナチスの科学者と、日本の忍者を確保する為にその人員のリストを手に入れる事だった。

 

マッカーサーは日本に駐留中に忍者に暗殺されかけたが、それを阻止してマッカーサーを救ったのもまた親米派の忍者だった。

 

結局GHQの手によって忍者組織は解体されて表向きは消滅したのだという。

 

しかし戦後70年が過ぎて、それまで消滅したかに見えていた忍者の精鋭たちは戦いの最前線で暗殺や破壊活動を行っていた。

 

そういった一部の精鋭以外の忍者もまた、あらゆる組織に潜伏し、その数約20万人もの忍者が日常に溶け込んでいるのだった。

 

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ヒマをもてあます忍者

夏。蝉が鳴いている。
練馬のアパートの四畳半で、畳の上に仰向けになっている男がいる。

 

男は吹き矢を構え、天井に針を飛ばしては点数をジャッジする遊びをしていた。

 

何度となく吹き矢を行ったあと、うつ伏せになっていた男は一言呟く。
「ヒマだ」

 

「確かに暇そうだな」
突如、うつ伏せになっている男の背後にポロシャツにジーパン、眼鏡をかけ、キャップを被った男が現れる。

 

男は素早く転がり闖入者との距離をとる。

 

突然部屋に入ってきた眼鏡キャップは部屋の持ち主を見下ろして言う。
「なに? 暗殺の練習か」

 

男は、そんな大層なもんでは、と否定する。

 

部屋に入るぞ、と当たり前のように入室してくる男を、部屋の主の男は、どーぞ、と迎え入れる。
(気配が一切分からなかった キャリア(中忍以上)なのか?)

 

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腰を下ろした眼鏡キャップから、冷たいお茶とか出ないのか、と指摘を受け謝る男。
冷蔵庫は隣の部屋の住人に間借りしていると説明する。

 

眼鏡キャップはそれを鼻で笑ってから、最近はノンキャリ(下忍)が仕事がないことに耐えられずに脱獄(抜け忍)をするという話があるのだと語り始める。

 

任務さえあれば働くと脱獄を否定する男。

 

しかし眼鏡にキャップの男は笑う。
「お前ら何人が抜けてもわが社は困らない」

 

男はそれを否定せず、そうですね、と弱弱しく追従する。

 

メガネキャップの男は、脱獄が罪なのはレギュレーションだからだと説明し、もしそれを破れば”抹消”させると思えと部屋の主に告げる。

 

会話に一区切りがつき、仕事だ、と男の前に段ボール箱を置く眼鏡キャップ。

 

部屋の主は何の仕事かと問いかけるが、男は何も答えない。

 

眼鏡キャップからのハンコを催促され、部屋の主は書類へ”雲隠”という印鑑を押す。

 

「しかしあの『雲隠一族』も押しぶれたもんだ」

 

その一言に部屋の主は顔を上げ、眼鏡キャップをじっと見つめる。

 

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するとさっき部屋の主が戯れに天井に撃っていた吹き矢の矢が、ちょうど眼鏡キャップの頭上に落ちていく。

 

部屋の主から、人差し指と中指を立てた手を素早く突き出され、眼鏡キャップは簡単にそれを受け止める。

 

部屋の主の手を目つぶしか? と問いかける眼鏡キャップ。

 

部屋の主は引き攣ったような笑いで誤魔化しつつ、天井のつまようじが落ちてきたからと言い訳を始める。

 

「あ? これか?」
眼鏡キャップは帽子を外す。その中心につまようじがヒットしていた。
その状態の帽子を自分の顔の前に掲げて見せる。
「10点…だろ?」

 

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仕事

眼鏡キャップが帰った後、部屋の主は彼が置いていった段ボール箱を空けていく。

 

開ける前に、箱に細工がされていないかと注意し、ダンボールを開ける部屋の主。

 

荷札には”雲隠九郎”の文字が書かれている。

 

九郎はダンボールを開けると中から高校の制服、ブレザーと、その中身を確認し、学校に潜入するのかと考えていた。

 

パーカーを着て、ジップを上げていく九郎。

 

そのジップはやがて首元からさらに上まで閉まってくのに戸惑っている。

 

ジップを限界まで閉じると、服は目の下あたりまで布が九郎の顔を覆い隠すようになっていた。

 

そして、フードの中から、頭を覆う帽子のような部分を引っ張りだして頭に被せると、なるほどね、とすぐに納得する。
(これ着て忍者ってことね)

 

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第1話 下忍はつらいよの感想

この漫画の設定をおさらい

この漫画は、戦中まで普通に忍者が表舞台で活躍し、GHQに忍者の組織が解体された後もきちんと存在しているという設定のようだ。
冒頭で現代戦、紛争の前線においてニンジャが鮮やかに仕事をこなした様子が描かれている。

 

多分部隊はアメリカ? そして戦いの舞台は中東のどこか。

 

まだまだ分からないけど、おそらく忍者やそれに付随する存在以外は現代そのままなのだろう。

 

花沢先生は前作アイアムアヒーローで現実感満載のリアルな日常風景の描写の中に、ゾンビという嘘を混ぜて名作に仕上げた。

 

今回はその対象が”忍者”になるようだ。
忍者は世界的にも人気の高い題材だからそこを狙ってきた感じなのかな。

 

今後、花沢先生によって提示される現代まで生き残っているリアルな忍者の姿に期待したい。

 

忍者の中の精鋭は暗殺や破壊工作で暗躍し、そうでない忍者も日本国内のあらゆる組織に紛れて国民を監視しているのだという。

 

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まずそこで一つ気になった。一体何故国民を監視しているのだろう?
政府からの要請なのか? それとも忍者の組織が権力を持っているということなのか。

 

あと、忍者の数は約20万人らしい。

 

警察官の定員は日本全国で30万人弱、自衛隊員は25万人弱というから、忍者が約20万人いるという設定だと、その数は決して少なくはない。
一大勢力といってよいと思う。

 

九郎が自分に仕事を持ってきた中忍から言われた”ノンキャリ”という単語は警察もそうだし、役所全般で使われている。

 

この勢力を一つの組織がまとめあげて、各組織に派遣し潜伏させている……?

 

この中忍は自分の所属する組織の事を”わが社”と言っているけど、忍者を束ねる組織そのものなのか。
それとも組織の中から仕事を斡旋する部門を会社にしたとか?

 

忍者の組織は巨大でかなり大きな力を持っていると思われる。

 

脱獄(抜け忍)したら”抹消”というのはを”レギュレーション”と中忍は説明していた。レギュレーションという極めて現代的な言い方ではなく、昔ながらの単語に置き換えれば、それは忍者の”掟”なのだろう。

 

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雲隠九郎

この物語の主人公となるであろう雲隠九郎。

 

アンダーニンジャってつまり下忍のことか(笑)。

 

雲隠というと、小説の中の架空の人物らしいけど霧隠才蔵を想起させる。

 

実際、中忍の男が言った、雲隠一族も落ちぶれたもんだという一言から、九郎は中々のエリート家系だと思われる。

 

その見た目から判断するに、おそらくは20代前半から最高でも30代前半といったところか。

 

口元は隠すけど、高校生として見られるにはどんなに頑張っても30代前半が限界だろう。
歳を食い過ぎていたらさすがにこんな依頼は舞い込まないはずだ。

 

鼻までパーカーで覆い隠したその様から、頭巾を身に着けた忍者の現代版という印象を受けた。
実際、花沢先生はその効果を狙ってるでしょう。

 

頭巾をつけた忍者なんてわざわざそんな怪しまれるような輩になるわけがないと思うんだけど、忍者のイメージと言えばやはり黒装束に黒頭巾だからそういう小道具は忍者というキャラ付けには極めて便利だと思う。

 

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練馬の四畳半に住んでヒマを持て余している様子から、九郎の実力を判断するのにはまだまだ材料が足りない。
現段階までの描写から受ける印象としては、あまり仕事が出来るように見えない。しかし、ひょっとしたら実は仕事が出来るけどその成果の見せ方が下手くそで上に認められてこなかったとか、あとは面倒だから実力を隠してきただけかもしれない。
というかそれらの可能性が大きいと思う。

 

下忍、中忍というランクがあるということは少なくとも上忍までランクがあるはずだ。

 

割と良くあるのが、本当は中忍か、もしくは中忍クラスの力があるけど下忍に甘んじているというパターン。

 

昨今の異世界転生モノが流行っている風潮を汲むとしたら、前述の通り九郎の本来の力は下忍クラスではないんだろうな。

 

それも悪くないけど、でも個人的には底辺から這い上がる主人公の方が好感を持てるし応援できる。だから役職に見合った下忍としての実力を期待したい。

 

まぁ、まだ第1話で何かを判断するにもまだまだ早計なんだけど……。

 

次回から、九郎が学生の中に紛れ込むことが任務になるようだ。

 

どういう任務なのかはまだ分からないが、おそらくそこでヒロインとの邂逅となるのか? 楽しみだ。

 

あと、雑誌の巻末の一言コメントにあった”かげろうくん―大東京忍者伝”を早速注文した。

なんでもこの作品に影響を受けているとか。
読んだら簡単な感想を次回にでも書こうかな。

 
以上、アンダーニンジャ第1話のネタバレを含む感想と考察でした。
 

第2話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。

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