第72話 CALL
目次
第71話のおさらい
風車小屋に現れたルーカスはエマの前で隠し階段を出現させる。
二人はミネルヴァのマークがある扉を目指し、螺旋階段を降りて岩を削って作った通路を行く。
ルーカスは道中、エマに対して、ミネルヴァが自分たち食用児を騙しているのではないかと思っていたと告白する。
それを聞いて、その可能性を全く疑っていなかったエマは背筋を凍らせる。
ルーカスはミネルヴァの残した扉の存在を知って尚、猟場となったA08-63に自分たちを誘導したミネルヴァの真意を測りかねていた。
扉を開く鍵であるペンがあれば確認できるが、それが出来ない以上、諦めかけていたルーカスはペンを持つエマと共に、いよいよミネルヴァの扉と対峙する。
扉には鍵穴は無い。
しかし、フクロウのマークとその周りにモールス信号で「PEN」と示されており、エマがペン型端末を起動させると電子音の後に扉が解錠される。
扉の先には制御室、あるいは監督室と呼ぶべき各種電子機器の密集した部屋があった。
これらが猟場の為の機械であると洞察するルーカスに対して、エマが奥の部屋に来るように促す。
奥にある部屋の中には金色の池。
エマがペン型端末を起動すると、ここがゴールディポンドであることを示す画面が出る。
ミネルヴァはここに食用児を呼びたかったのだと確信するエマ。
ルーカスの胸の内では、ではなぜA08-63が食用児を密猟するための猟場となってしまったのか疑問が膨らむ。
池の中央に島ごと宙に浮く小屋がある。
エマとルーカスは水をつっきって小屋を目指す。
自分たちを避け、弾けていくような動きをする水を越えて、小屋に辿り着いた二人は小屋の中に入る。
部屋の中央には古い型のエレベーター、そしてその傍らに黒電話がある。
エマは、これに乗れば人間の世界へと行けるのではないかと推測し、それが信じられない様子のルーカスと互いに顔を見合わせる。
ルーカスは、それは考えられない話ではない、とエレベーターの起動をエマに指示する。
フクロウのマーク、そしてその周りに「PEN」の文字があるエレベーターの操作盤にペンを挿し込みエレベーターの電源を入れる事に成功。
しかしすぐに操作盤に「FAILURE(失敗)」と表示されて電源が落ちてしまう。
それと同時に何者からかかかってきた黒電話がけたたましい音を小屋内に響かせる。
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第72話 CALL
電話の相手は
けたたましく鳴る黒電話。
恐る恐るエマが受話器を取ると、電話の相手はウィリアム・ミネルヴァを名乗る。
ついにミネルヴァ本人とのコンタクトに成功したエマとルーカスは驚きの表情のまま、一方的に話を進めようとするミネルヴァの言葉に集中している。
(これ…ひょっとして)
電話をとった君が脱走者だと信じて手短に用件を伝えたい、というミネルヴァの言葉から、エマはある可能性に思い至る。
ミネルヴァは、目の前のエレベータ^は人間の世界へ渡る道だが、今は使えないということを謝らなくてはならないとエマに告げる。
それを聞き、ルーカスはエマと話していた事は本当だった、人間の世界に行けたのだとエレベーターを見上げる。
エマは、なぜエレベーターが使えないのか、ミネルヴァはどこにいるのか、と焦る気持ちを隠し切れない様子で矢継ぎ早に質問をする。
ミネルヴァは「電話口の相手」に向けてこの電話が録音であることを明かし、この電話を聞いている頃にはエレベーターは動いていないのだと続ける。
(やっぱり録音…!)
そのミネルヴァの言葉で、先ほどの直感が間違いでは無かったことを知るエマ。
ミネルヴァはエレベーターは止められてしまった、道を塞がれてしまったと言い、腹心の裏切りを予期できなかった、とその理由を述べる。
(塞がれた? 裏切り?)
わからないことだけらのミネルヴァの言葉に困惑するルーカス。
A08-63の元々の姿
ミネルヴァは、A08-63に造らせた集落は安全ではないだろう、と口にし、さらに、あの子によって既に潰されている、あるいは彼らにも知られているかもしれない、と謎を深めるばかりの言葉を続ける。
エマは、やはりあの村は元々は安全な集落であったことを知る。
しかし次の瞬間には、あの大きな集落が一体何の為にあるのか、という疑問へと変化する。
罪滅ぼしがしたかった、とミネルヴァの告白が続く。
「私の本名はジェイムズ・ラートリー 1000年前彼らと”約束”を結んだ一族の末裔です」
エマは脳裏にソンジュ、ムジカから約束の存在を知らされた時に浮かんだ人物のシルエットを思い描く。
ミネルヴァは自身を”約束”を結んだ一族の末裔の、その35代当主であると告白する。
人間の世界の秩序を守るため、食用児に犠牲を強いることになる”約束”を二世界間の調停役として代々受け継いできたのだと説明し、自分は人間の世界の為にその役目を放棄できないのだと続ける。
しかし、その理不尽さに一人の人間として耐えられなかったとも付け加え、せめて食用児も自ら未来を選べるようにと、W・ミネルヴァと名乗って農園に納める本に細工を施したのだと説明する。
わずかで些細な細工でも、それに気づいた子供達に安全な隠れ家に、抜け道に導こうとしていたというミネルヴァ。
だが今は、集落は使えず、道は塞がれている。
「そしてあの子の画策で今や私は一族に命を狙われる身」
ルーカスは、え、と思わず声を出す。
衝撃の告白
「現在2031年5月20日――君がこの録音を聞いている頃には私はこの世にいないだろう」
追い求めていたミネルヴァの死に絶句するエマ。
ミネルヴァはすまない、と謝りつつも、しかしこれは敗北ではないと続ける。
簡単に殺されるつもりもなければ、食用児の支援者は他にもいる、そして人間の世界への道も一つではない、と希望を持てる情報を告げるミネルヴァ。
「危険だが他にも”道”は複数ある 例えば…GF農園 GB(グローリーベル)GV(グランドヴァレー)GR(グッドウィルリッジ)」
(え)
予想外の情報に固まるエマ。
ミネルヴァは少なくとも今挙げた4つの高級農園内にある”道”に関しては塞がれることはないのだという。
農園内に人間の世界との行き来が出来る”道”があるという事実に驚くエマとルーカス。
「望む未来を叶えなさい」
ミネルヴァは電話口にいる食用児に向けて、君とその仲間がいるなら人間の世界に渡る為に支援者を向かわせるとし、さらに、食用児に理不尽を強いるばかりのこの世界の歪んだ秩序の元凶である”約束”を破壊することも選択肢として挙げて見せる。
「彼らとの全面戦争を起こしその結果二世界が元の狩り狩られる状態に戻ったとて誰が責めよう」
「私自らは壊しはしないが食用児が望むならその選択を私も支援者も阻まない」
二つの未来を提示され、その内容に呆然とするばかりのエマ。
七つの壁
だがもし君の望む未来がそのどちらでもなかったら、とミネルヴァはさらに選択肢を付け加える。
「七つの壁を探しなさい」
七つの壁? と初めて聞いた単語を不思議そうに口にするルーカス。
エマはムジカがエマの耳元で囁いた言葉だと思い出す。
もう時間がない、とミネルヴァは電話を終える事を告げて、これまでの事やこの先の事、食用児に渡すべき事の全てのは”マーヴィンの寝床”にある、と最後の情報をエマたちに教える。
「ここまでよく頑張ったね」
ミネルヴァは最後に、電話口の食用児を労う。
「辛い思いもたくさんしただろう」
ルーカスとエマの脳裏に、これまでの苦労が蘇る。
「それでも君はここまで辿り着いた」
「君の……いや君たちのかもしれないな」
「声が聞きたかった 姿が見たかった」
「光はある その手で掴むんだ 健闘を祈る」
電話――録音はそこで切れる。
希望
ツーツー、という音だけがエマの耳元に響いている。
切れた、と呟き、一瞬の間の後。
「味方だったよね!?」
エマはルーカスに問いかける。
「ミネルヴァさんはやっぱり私達のために…!」
嬉しそうな、そして安堵したような表情でルーカスを見上げる。
ああ、とエマの想いを受け止めるルーカス。
(”贖罪”そして”望む未来を”それがミネルヴァさんの真意)
「味方だった!」
ルーカスは何故ミネルヴァが密猟場に導いたのかという疑問の答えが、ミネルヴァの事情が変わっていた為だった事で納得する。
エマはミネルヴァの事情の変化について思考する。
(ミネルヴァさんが死んでいた? 裏切られていた?)
(だから密猟場になってしまった?)
そして人間の世界への”道”として挙がっていた4つの高級農園。
とりわけエマにとっては馴染み深いGF農園。
「まさか逃げて出た農園に人間の世界への出口があったなんて」
「けどとにかく行き来の方法とその”道”の場所はわかった」
ショックを受けている様子のエマを励ますようにルーカスが声をかける。
「支援者の存在も」
ルーカスはGPにいる食用児がここを出た後も、そしてオジサンも人間の世界へと逃げ延びる希望が出来たことを喜ぶ。
マーヴィンの寝床
(ルーカス…やっぱりあの時の…)
「これで漸く一つの障りもなく密猟場を終わらせられる」
二人はミネルヴァから教わった”マーヴィンの寝床”を確認する。
”マーヴィンの寝床”はミネルヴァの冒険小説『ウーゴの冒険記』作中に出て来る相棒のキツネザル”マーヴィン”が好んで眠る場所という、脱走者だけが知るヒントだった。
(つまり引き出しの中のこと!!)
黒電話の置かれたテーブルの引き出しを見つめるエマとルーカス。
食用児のこれまで、そしてこれからの全ての情報が手に入るというミネルヴァの言葉を思い出し、エマは胸を高鳴らせながら引き出しに手をかける。
感想
ミネルヴァは”約束”を守り続ける組織と反目した?
2018/1/31追記
コメントを頂き、もう一度今回の話を良く読んだら感想を書いた時よりミネルヴァの事情の考察が進んだので追記。
ミネルヴァの、「農園の子供達を救おうとする行為」は、「”約束”を結んだ一族の末裔第35代当主としての彼の存在意義」と相反する。
ミネルヴァは人間の世界の平和の為に、鬼の世界で犠牲となり続ける食用児を見て見ぬふりをすることが出来なかった。
「あの子」と一緒に食用児の支援者として今は猟場となっている集落や、シェルターを用意し、本に細工して子供達にヒントを与えるなどの活動していたミネルヴァだったが、ある日「あの子」に裏切られてしまった。
そして、”約束”を結んだ一族の末裔がミネルヴァが一族の役目と反目する思想を持ち、活動していることを知る事になって命を狙われる身となった。
下記セクションで”ミネルヴァは食用児に委ね過ぎではないか”と批判的なトーンで書いているが、ミネルヴァが一族から命を狙われ、間もなく死ぬことを覚悟していたような状況下で音声が録音されたのであれば、人間の世界に逃げるのも鬼と対決するのも、七つの壁を探すのも自由なのだと全ての選択肢を肯定し、聞き手である食用児に委ねる気持ちになるのはごく自然だと思った。
下記の感想はあまり意味が無くなってしまったかも(笑)。
2018/1/31追記終了
”食用児”に人間の世界の命運を委ね過ぎ?
ミネルヴァの告白でちょっと納得がいかなかったのが、食用児の意思に人間の世界の秩序を委ねている点。
食用児が望むなら、人間の世界と鬼の世界の全面戦争も辞さない構えなのだという。
これまで1000年もの間守られてきた”約束”を破棄するというのは、ものすごく重大な決断になる。
そもそも、その”約束”を結ぶのだって先人が苦労したことをミネルヴァ達が知らないはずがない。
そんな重大な決断を食用児にさせ、自分たちはその意思を阻むことなく、むしろ従うのだという。
先人が必死の思いで回避してきた鬼の世界との全面戦争が再開となるかもしれない、その実質的な意思決定を、コンタクトを取った事すらない食用児に委ねてしまうのか……。
そのくらい、人間の世界では食用児に対する強力な贖罪意識で結束しているということなのか?
1000年の間守られてきた”約束”への信仰を揺るがす劇的な何かが人間の世界で起こったのだろうか。
食用児が言うなら従おう、というくらいに人間の世界は固い意思で統一されている?
だったら食用児に意思を問うのではなく、人間の世界が自発的に彼らを救出しろよと言いたい。
食用児を鬼から秘密裏に逃がすのも、”約束”によって生まれた歪んだ秩序の破壊にしても人間の世界が主導で行うべきではないのか。
食用児に行動を委ねるより、そっちの方が諸々の成功率が高そうな気がするが……。
ちょっとご都合主義的な印象を受けてしまったのは否めない。
エマ達子供が主人公だから彼らにフォーカスを当て続けなければならないとはいえ、一気にセカイ系っぽくなってしまった?
2018/1/31追記 ↑全然そんなことは無かった。恥ずかしいです。反省。
人間の世界は”食用児”にしぶしぶ犠牲を強いる方が自然
確かに人間の世界の秩序の為、鬼達と交わした”約束”の為に食用児に理不尽な犠牲を強いて来たことにミネルヴァやその周辺の人々が代々強い贖罪意識を覚えて来たであろうことは理解できる。
食用児を何とかして救ってやりたい、という気持ちも分かる。
しかし、35代も繰り返せばその思いがどんどん大きくなるのだろうか?
自分は逆だと思う。
むしろ、35代も継承し続けられるというのは、良心よりも”約束”による秩序堅守の意思が人間の世界において勝っているという動かぬ証明じゃないのか。
人間の世界全体の秩序を秤にかけた場合、もちろん、助け出そうと動く人もいるが、”約束”を遵守する事をしぶしぶ選択する大人が大勢を占めている方がリアリティがある。
1000年もの歴史の積み重ねを絶対の理由にして、むしろ食用児に犠牲を求める事を当然とする食用児の敵とも言っても良いような人間もいるはず。
”約束”を守る限りは人間の世界に生きる人々は食われることはない。食用児は鬼の世界で養殖された人間であり、人間の世界に犠牲者も犠牲者の家族もない。
1000年続けば歪んだヒューマニズムが蔓延っていておかしくないと思う。
そもそも現実と同じように、人間は自分の身を危うくしてまで関係の薄い誰かに手を差し伸べたりしないのではないか。
すごく悲しいことだけど……。
子供に犠牲を強いていることに胸を痛め、彼らを救いたいという気持ちが自然に湧くというのは理解できる。
けど、それならなぜ”約束”を結んだのか、という根本的なところに戻る。
食用児は生贄――人身御供?
食用児が置かれた境遇は、人間から鬼に捧げられた生贄と言えると思う。
現実でも、古来、生贄を捧げる風習、人身御供は存在した。
それを行ってきた人たちにも罪悪感はあったろうが、自分たちの手に負えない相手を鎮める為に仕方がない犠牲だったと考えることで、罪悪感を薄めてきたという後ろ暗い部分も人間という存在は持ち合わせている。
あくまでミネルヴァの告白であって、人間の世界も一枚岩ではない可能性は十分ある。
”約束”を守るべきと主張する側と、ミネルヴァを筆頭に必ずしもそうすべきではないと言う側の二つの立場があってもおかしくないと思うんだよなぁ……。
自分は、今回のミネルヴァのような優しさとは逆に、人間の世界はエマ達のような食用児に犠牲を強いる立場が基本姿勢であって欲しかった。
1000年もの間固く守られてきた”約束”を自分たちの代で破る訳にはいかない、と言う人間の世界を満たす強い意志を食用児に感じさせて、絶望させて欲しかった。
人間の世界は”約束”の強い拘束力に縛られて生きるのが基本であり、ミネルヴァなど少数の反対派は密かに食用児の救出を画策している、という状況なら人間の世界からエマ達を助けに行けていない理由にもなるし、リアリティがあったと思う。
七つの壁
ミネルヴァは選択肢として、鬼から秘密裏に逃げるか、”約束”に基づく歪んだ秩序を破壊するか、そして三つ目の選択肢として七つの壁を探すことを提示する。
三つ目が本命なんだろうな。
前の項で散々ミネルヴァが食用児に人間の世界を委ねてる云々書いてきたけど、ミネルヴァは食用児が七つの壁を選択するように仕向けているように思う。
それは恐らく食用児にしか出来ないか、もしくは人間の世界からは困難なミッションなのだと思う。
今後、恐らくエマ達は七つの壁を追い求めることになるだろう。
それが一体何なのかは次の話で分かるはず。楽しみ。
以上、約束のネバーランド第72話のネタバレを含む感想と考察でした。
第73話の詳細はこちらをクリックしてくださいね。
人間界の多くの人達は、もう一つの世界も
遥か昔に、自分たちの安寧のために生贄に出された人達の事も
知らないでいるのでは。
1000年前に生贄の人間を差し出して
それだけでなく…
エマ達の読んでる本は服は
レイが御褒美に貰ったカメラは?
最新式なのは、テストを受けてる時のコンピューター?
それらは何処から?
エマ達の服はデザインは一応今日の服。
鬼達と対等の人間達は?
二つ世界は分けられたとはいえ、一部は繋がっていて。
施設で食べていたエマ達の食事は?
全部人間界から運ばれて。
今日人間界ではもう一つの世界も未だ鬼達の犠牲になってる同胞達の事も
多くの人達は知らない。
食用児達を助ける
一部の人たちには、拙いから。
1000年の歳月に渡って非人道的な事をし続けてきたから。
1000年前にそれっきりにして忘れられてたら?
それはそれで大騒ぎになるけど。
前者と後者では…
生贄に差し出して、あまつさえ。
ミネルヴァさんを裏切った人達は隠蔽したいわけ。
1000年間の秘密が明らかになれば
人間界はどうなるのか。
コメントありがとうございます!
そうか。そもそも一部の人しか食用児のことを知らないかもしれないですね……。
それどころか鬼の事すら知られていない可能性もある、と。
それでもミネルヴァが、食用児が運命を決めたら良いよ、と選択肢を託すのが無責任に思えるてしまうんですよね。
人間の世界で生きる人間全てに真実を伝えて協力体制を整えて、その上で食用児と連携すればいいのになぁ。
いや、平和と引き換えに食用児を救うという意見でまとまるのは難しいか……。
>ミネルヴァさんを裏切った人達は隠蔽したいわけ。
それ、あまり考慮してなかったかもしれません。
この裏切りというのが一体どういう状況で、どういう目に遭ったのかが分かれば、ミネルヴァが何故こんな伝言を残したのかがきちんと理解できるかもしれない。
食用児の犠牲の上で1000年もの間、平和を保ってきた事実をほとんどの人間に知られないよう、隠蔽してきたという説はありそうですね。
”約束”の業に耐えられなくなったミネルヴァが、”約束”を守る組織から離れたという事なのかも……。
35代当主ということならば、そもそもそのリーダーでしょう。組織からしたら一大事?
で、一緒に組織を離れて食用児を何とか助けようと協力し合っていた仲間の内の一人が、”約束”を守る勢力へと寝返った、という事か。